出口に向けて1歩踏み出したところで・・・。






「あっ、あ、また・・・」






私は再び目眩に襲われたふりをして、動きを止めました。



ふらふらしてみせます。



倒れないよう、目の前のベンチに両腕を伸ばす演技をします。



一番下の段に手を伸ばそうとしていました。



低い位置ですので、腰を曲げて立ったまま手をつきました。



脚も広げています。



しゃがんでいた彼の顔の前で、お尻を向けて脚を開いたのです。






さすがに自分でも不自然さは否めませんでした。



どう考えてもわざとらしいと、自分でわかっていました。



一応、『具合の悪さゆえ』という演技の中での行動ではあるのですが・・・。



あえて表現するなら、理性的に理性に欠ける行動をとってしまっていたという感じでした。



『見てもらいたい部分を見てもらうための行動』をストレートに実行していたのです。






いくらなんでも、彼だって何か意図的なものを感じたかもしれません。



でも、さっきまで私の性器をチラ見して興奮していたはずの彼です。



たとえ、薄々おかしいと思ったとしても、現実に自分の顔の数十センチ前に立つ、私のヌードから今さら目を離せるはずもありません。



綺麗なお姉さんが、何も着けない下半身を広げて前屈しているのですから。






私がサウナ室に入って、たぶん3~4分は経っていると思います。



演技とは別に本当に汗が流れ出してきていました。



私はベンチに手を置いたまま頭を下げ、下を見ていました。



自分の両足の甲が見えます。



V字に伸びる両脚を見下ろしながら、その間から、しゃがんだぽっちゃり君の膝が見えていました。






(ああ、見てるんだ)






でも、あまり現実感がありません。



なぜか、求めていたような羞恥心は感じられませんでした。



私の恥ずべき部分を見られているはずなのに、どこか他人事のような感覚でした。






「うー・・・ん、クラクラす・・・る」






私は目眩に耐える演技を続け、ベンチに伸ばしている肘を曲げました。



背中を反らし気味にします。



そうしてお尻を突き出したのです。



お尻の割れ目が両サイドに広がりました。



お尻の穴が思いっきり剥き出しになり、その存在を主張します。



私のお尻の穴が、しわまで丸見えになっています。



性器という名の股間の唇も、まるで呼吸しようとするかのように口を広げているはずです。






ぽっちゃり君の前に私のすべてを曝け出していました。



でも、確実に見られているとわかっていながら、どうしても『自分が今、恥をかいている』という実感がありません。



興奮できませんでした。






私は自分を興奮させたいがために、ぽっちゃり君の心情を想像していました。



私は中学生の男の子に、何も隠さない下半身をお披露目しています。



ただ見えているのではなくて、すべてが露わになるように脚を開き、中腰になってお尻を突き出しているのです。



まさに、犬を後ろから見たときの姿と一緒の状態のはずです。



女の子として、あまりにもあられのない姿です。



多少なりとも「清楚な美人」と周りから言われることもある私です。



その若い女の子が、お尻の穴まで剥き出しにして、これだけのポーズをとっているのです。






普段、彼がオナニーをしているのかどうかは知りません。



でも、もしかしたらそう言うときに彼が想像して思い描く光景を、私は今、実際に見せてあげているのかもしれません。






相手が見ず知らずの男の子とはいえ、女性としてあまりに恥じ知らずな姿です。



不自然さも承知の上で、これだけの思い切ったことをしておきながら、なんの快感も得られていない自分に虚しくなってきました。



なんでこんなことをしているのか、よく分からなくなってきました。






私はよくレスで『変態』というふうに書かれてしまいます。



やっていることがことですから、どう書かれてもそれは仕方のないことです。



でも私は自分のことを、『変態』だなんて思ったことはないんです。



このことは、私の心の中では常に明確で、揺るぎないことです。



私は変態ではありません。



普通の女の子です。






『変態』だから下品な行為をするのではなく、『変態でもないのに』はしたないことをしているという事実が、羞恥心に火をつけるのです。



普通の女の子である私が、そんな自分の自尊心に逆らって恥を晒しているという、その事実に自分自身で興奮できるのです。






ですから、興奮できない以上は、こんな行為に何の意味もありませんでした。



もしかしたら、最初から過剰に意気込みすぎてここに訪ねて来ていたことがいけなかったのかもしれません。



いずれにしろ、こんな羞恥ポーズをお披露目して見せる理由はもうありませんでした。






(ばかばかしい・・・もうやめよう)






瞬時に気持ちが切り替わりました。



私は一応体裁だけ、「ふぅ、やっと収まった」とつぶやき、何事もなかったかのようにすっと体勢を戻しました。



気持ちがすっかり覚めていました。



唖然としているぽっちゃり君を無視して、床に落ちているビキニパンティを拾います。



彼がぽかんと見ている中、何食わぬ顔でビキニを着け、しっかり両側の紐を結びました。






当然のことでしょうが、彼には事態が呑み込めていません。



あれだけフラフラになっていたお姉さんが、急にけろっとしたのですから。



『訳がわからない』という表情で私を見ています。






水着をきちんと身に着けた私は、そんな彼を見て、急に後ろめたい気持ちになっていました。



素直に「ごめんなさい」という気持ちでした。



ぽっちゃり君は固まったようになって私の顔を見ています。






さっきまでのぼせていた私、うずくまっていた私、裸ですべてを晒していた私・・・。






いったい何がどうなっているのか、私に説明を求めるかのような表情で立ち尽くしています。



無視するしかありませんでした。



私は、かなり申し訳ない気持ちのまま彼を後に残し、サウナ室から外に出ました。



サウナの熱気と湿度から解放されます。



リラクゼーションルームの白い照明が、やけに眩しく感じられました。



サウナの扉から出た途端に私の目に飛び込んできたのは、ジャグジーに入っている2人の女性の姿でした。



私より少し年齢が上の女性たちです。



ビキニだったのが目を引いたのか、彼女たちも私のことをちらっと見ました。






(危なかった・・・)






本気でそう思いました。



途中で彼女たちにサウナに入ってこられていたら、大変なことになっていたかもしれません。



今さらながらですが、(ずいぶん危ない橋を渡ってたんだわ)と、慎重さを欠いていたことを実感しました。






気持ちとしては、すぐにも女子更衣室に戻りたい気分だったのですが、全身から噴き出していた汗を流さずにはいられませんでした。



壁際のシャワーの下に行って栓をひねりました。



立ったまま浴びるシャワーです。



ほどよい温度のぬるま湯が降ってきて、体の汗を流してくれます。






すぐにサウナ室からぽっちゃり君が出てきました。



私は、彼とまた顔を合わすことを恐れてはいませんでした。



彼にとっては煙に巻かれたような出来事だったでしょうが、少なくとも得をした気分にはなってくれているはずです。



成り行きが呑み込めなくても、思春期の男の子にとってはドキドキする一瞬だったはずです。



その一瞬をプレゼントしてくれたお姉さんのことを、プールの監視員や他の誰かに知らせるとは思えませんでした。



そういった意味では私は、彼のことを魅了できていたという自負がありました。






彼のほうは、まだ私がここにいることに戸惑ったようですが、そのまま静かにジャグジーに入りました。



ぽっちゃり君は、まるで幽霊でも見るかのように私のことを見ています。



そんな彼の視線を痛いほどに受け止めながら、私は上下ビキニの体にシャワーを浴びていました。



あまり大きくないジャグジーの湯船に男の子が入ってきたことを敬遠するかのように、女性たちは揃って立ち上がりました。



湯船からあがった彼女たちはドアを開けてプールの方に出ていきました。






このリラクゼーションルームで、再び私たちは2人きりになりました。



ぽっちゃり君の顔つきが緊張するのが見て取れました。



それを見て改めて、悪いことをしてしまったという気持ちになりました。



緊張した顔つきをする彼に、(まだ何かあると私に期待しているのかしら)とも思いました。






罪悪感がありましたが、一方では、なぜか彼に対して優越感も感じていました。



私はシャワーを止め、静かにジャグジーに近づきました。



ぽっちゃり君が、また固まったような表情になって近づいてくる私を見ていました。



私は湯船に入りました。



彼の表情を観察しながら、(やっぱり、かっこよくない子ね)と、そんなことを思っていました。



私は小さな声で、ぽっちゃり君に話しかけました。






「さっきは、ごめんね」






「え、・・・いえ」






彼が戸惑っています。






「本当にごめんなさい」






何が『ごめんなさい』なのかは説明しませんでした。



理由もなく、なぜだか強い優越感があります。



戸惑っている彼に対する主導権を握ったとでもいうような、優位に立った気分です。



彼をコントロールしているような気分になっていました。






私の心の中は穏やかでした。



緊張や気負いはありませんでした。



私はジャグジーのぬるま湯の中で、彼の前に背を向けて座りました。



湯船の底に直に座っています。



体育座りのような感じです。






顔だけ後ろを振り向きながら、ぽっちゃり君の右手首を掴んで引っ張りました。



ビキニの上からお尻を撫でさせてあげるつもりでした。



水着の上からとはいえ、彼になぜお尻を触らせてあげることにしたのか、その気持ちは上手く説明できません。



彼へのお詫びの気持ち、彼の期待に応えたい気持ち、彼をからかいたい気持ち・・・。



色々な気持ちがそうさせようとしていました。






湯船の底に座っている状態から片尻だけ上げて、彼の手のひらを、お尻のほっぺた部分に押し当てるようなイメージでした。



でも、彼の手をお尻の前まで持ってきたとき、私の中で一瞬、少しだけ大胆な気分がよぎりました。



特に何かを考えたわけではありません。



気持ちの余裕からくる、些細な冒険心のようなものです。






私は彼の手を自分の背中の下の辺りで肌に直接当てました。



じゃんけんのパーの状態の手のひらが、私の背中に押し当てられています。



5本の指が下向きです。



彼の手首を掴んでいる私は、そのままパーの手のひらを、自分の肌に押し当てながら下の方へ滑らせました。



指先がほんの少しだけ、ビキニの縁から中に入りました。



位置から言って、たぶん中指だと思いますが、彼の指先がちょうど私の尾てい骨に触れています。



そこで、掴んでいた彼の手首を離しました。



彼の手は、そのままそこで止まっていました。






(異性にお尻の骨を触れられている・・・)






私はそんなことに満足感を得ていました。



尾てい骨に指を当てられ、リラックスした自然体な気持ちでした。



一番訳がわからなったのは、ぽっちゃり君のほうでしょう。



どうしてこんなことをさせられているのか理解に苦しんでいたはずです。



でも、彼が手を引っ込められるわけがありません。



23歳の美人(すみません)の水着に手を差し込んでいるのですから・・・。






そのとき、尾てい骨に当てられた彼の指が動きました。



私の尖ったその骨を撫でるように、くるっと動いたのです。






(あ、イヤ)






ちょっと驚きましたが、そのままにしていました。



尾てい骨をクルクル撫でられながら、なんだか不思議な感覚でした。



非日常的な状況に、ぼーっとした気持ちで、骨を触らせていました。



次の瞬間、ぽっちゃり君の指先が、ぐっと下に差し込まれました。






(あっ!)と思いました。






彼の指が尾てい骨の下側に回り込んだのです。



私は瞬間的な防御反応で、体の重心を後ろにずらしていました。



ちょうど彼の指を、私の尾てい骨と湯船の底に挟みつけて押し潰し、固定しているような感じです。



ジャグジーの泡で、お湯の中の様子は見えません。



でも、骨の前側に指が入ったことは、その感触で彼にもわかったはずです。



下側から上に持ち上げるような感じで尾てい骨をグリグリされます。






このとき初めて、そして一気に屈辱的な気持ちが湧き上がってきました。



羞恥心ではなく、“屈辱的な気持ち”です。



一瞬にして目が覚め、我に返ったような気分でした。



プールに来たときからの、どこか浮ついていた気分が吹き飛びました。






彼の中指の数センチ先には、お尻の穴があります。



もともと、水着の上からソフトにお尻を撫でさせてあげようとはしていました。



でも、そんな際どい部分を触れさせる気はありません。



私の尾てい骨にグリグリと食い込む彼の指に、さらに前への侵入を許す気はありませんでした。






それなのに私は、『やめて』の一言が言えませんでした。



ぽっちゃり君が指を先に進めようとしているのは動きでわかりました。



尾てい骨を持ち上げるようにしながら指を前の方にずらしてきています。



私は重心を後ろに反らすことで、尾てい骨で彼の指を打ち据えていました。



私の尖った骨が彼の指の腹をロックしているような状態です。






お尻の穴を触られるなんて、絶対に嫌でした。



見られるのと触られるのとは全然違います。



そんなところを男に触られるのは最悪でした。



そんな屈辱には耐えられません。



今、動いているこの指の状態が、すでに私の許容範囲を越えています。






<続く>