あれは去年の10月。



俺は1人暮らしをしていた。






ごく普通のサラリーマン。



結婚を前提に(俺が勝手に思ってた)彼女もいた。



2つ年下の彼女。割と可愛い方だと思う。



脱いだら凄い系で、俺の大好きなムッチリ巨乳な彼女だった。






付き合い始めの頃は、会うたびにヤリまくった。



俺が2人目だと言っていた彼女だったが、ヤリまくったせいで徐々に開花してきていた。



ギャグでピンクローターをバイブを買ってきたら、何気に気に入っちゃって。



バイブでオナニーしながら、俺とキスをするのが大好きな彼女だった。






付き合い始めて2年ちょっと。



彼女の高校からの友人とその彼氏を含めた6人で別荘に行った。



別荘とは名ばかりで、10畳ぐらいの部屋とお風呂しかないロッジ。






俺は全員初対面で、とくに楽しい感じでもなかった。



彼女は全員と会った事があるらしく、かなりはしゃいでいた。



俺以外は全員はしゃいでいた。








酒が進み、俺は酔っ払った。



ここで雑魚寝をすると言っていたので、俺はそのまま横になって寝てしまった。



寝てても騒いでいる声が聞こえている。



うるせぇ~なぁ~と思いながら寝ていた。






何時だか分からないが、真っ暗の中目が覚めた。



俺はトイレに行って、寝いていた場所に戻ってきた。



俺は一番奥に寝ていて、隣には彼女が寝ていた。



暗くて彼女以外は誰が寝ているか分からない状態。






一度目が覚めてしまったのでウトウトしていた。



寝たり起きたりの半覚醒状態。



どのくらい時間が経過したのか分からない。



不意に女の声で目が覚めた。






「んっ・・・ダメだってば・・・彼氏が・・・いるから・・・ねっ・・・あっ・・・」






おいおい・・・誰かがヤリ始めたのか?



そう思い、耳をそばだてた。






「はぁはぁ・・・くちょっ・・・くちょっ・・・イっ・・・ダメっ・・・」






完全にやり始めてる。



と思いながら聞いていて、心臓が止まりそうになった。



この声ってもしかして・・・そうだ。



彼女の声にしか聞こえない。



俺は薄眼を開けた。



すると真横で寝ていた彼女がいない。



目を凝らすと、ちょっと離れた端っこの方が動いている。






そこはちょうどみんなが寝ていない場所。



いろいろな物が入った箱や荷物があった場所。






クチョクチョという音。



チュポチュポという舌を絡ませる音。






彼女じゃないよな・・・そんなわけないじゃん・・・。






俺はドキドキしながら耳をそばだてていた。



しばらくするとゴソゴソと音がした。



俺は見えるはずもないのに、目を閉じて寝たふりを続けた。






すると隣に誰かがやってきた。



目を開けると彼女だった。






やっぱり彼女だったんだ。






何事も無かったかのように寝る彼女。



男は誰だったんだろう。



よく見ていると、右の方に動く影があった。



誰だ・・・あそこで寝ている男は・・・っていうか、今回はみんなカップルしか来てないよな。



しかも女たちは全員高校生からの同級生で友達だろ。



友達の彼氏と浮気か?



そんな事はないよな・・・友達の彼氏を寝取るなんて、しかもこの状況で。



入れてはいなかっただろうけど、入れる寸前まではやってた。



嫌がってもいなかった。






俺はドキドキしながら冷静に考えた。



彼女に限ってそんなわけない。



でも戻ってきたのは確実に彼女だったし。



冷静になっているつもりでも、頭が混乱してきて眠れなかった。






次第に明るくなってきた。



俺は男を確かめるべく、トイレに立った。



向かいながらあの影があった付近を見る。






いた!あいつしかいない。






そこには1組のカップルが寝ていた。



いつも彼女がどこかに出掛ける時に出てくる友達の名前。



その女の子と彼氏。






トイレに行きながら思い出した。



あのカップルとはスノボーにも行っている。



温泉にだって行っている。



先月はその女友達の家で呑んで、酔ったから泊まると電話で言っていた。






もう頭の中が爆発しそうだった。






朝になりみんなが起き始めた。



全員で買っておいたパンを食べて、コーヒーを飲んだ。






「どうしたの?具合悪いの?」






彼女が俺に言った。






いつも通りの彼女。



別にやましい感じもしない。



俺の勘違いだったのか。






俺は具合が悪いと言って、部屋に残った。



彼女も残ると言ったが、気にしないでイイからと言って出掛けさせた。






夕方に別荘を出て、彼女と俺は池袋の駅で車を降りた。



疲れているからと言って、俺は1人で家に帰った。



いつもと変わりない彼女。






どういう事だ。



疑心暗鬼になる。






それから2週間後、彼女が俺の部屋に来た。



この2週間、居ても立ってもいられなかった。



そしてある情報をネットで見つけた。






彼女のメールがチェックできる方法。






彼女がお風呂に入っている時に、俺はそれを実践する事にした。



彼女の暗証番号は予想が付く。



俺は何個かの暗証番号を試した。



その中のひとつがヒットして、彼女のメール設定の画面に辿り着いた。



詳しくは書けないが、そこで俺はある設定をした。



ネットでメールが見れる設定を。






携帯を戻し、俺はPCを立ち上げた。



そして携帯サイトに入り、先ほどの暗証番号を入れる。



簡単に彼女のページが開いた。



ここから彼女のメール見れる。






なんだかスッキリしない気持ちのまま週末が終わり、平日が始まった。



会社から俺はメールをチェックした。



まだ昼過ぎ。案の定なにも無い。



夜になって急いでメールをチェックする。



何も無い。






俺の取り越し苦労か・・・。






そう思っていたが、火曜日にあるメールが飛び込んできた。






「今週の金曜日どうする?」という内容。






相手はなんとこの前の男だった。



金曜の夜に、仕事帰りに会うらしい。



彼女にメールしてみた。






「金曜日って暇?飯でも行かない?」






すると彼女からこんな返事が届いた。






「金曜はチリちゃんとご飯行く約束だからゴメン!」






チリちゃんだと?



じゃ、チリちゃんと彼氏と3人で飲むのか?






「チリちゃんと二人で?また飲みに行くのか?」






「うん。チリちゃんの家で飲む予定。そのまま寝れるしね」






完全にアウトだ。完全に浮気だった。






目の前が真っ暗になってきた。



やっぱりあの時の声は、俺の彼女の喘ぎ声だったんだ。






もう仕事も何も手が付かなかった。



彼女は心配したが、その心配も嘘だと分かっていた。



どうせ浮気している裏切り女だ。



でも好きな気持ちが残っている。






毎晩飲んだ。



泥酔するぐらい呑んで、次の日は二日酔いで出勤した。






金曜日の夜。



彼女にメールをした。






「まだ飲んでるのか?今日は帰らないの?」






時間は深夜1時。



しばらく経ってからメールがきた。






「今日は酔っ払っちゃったから、このまま泊まるねぇ~」






俺は風呂に入り酔いを覚ました。



そして2時になり、彼女に電話をした。






「どうしたの?」






彼女が出た。焦っている。



しかも息が切れている。






「イヤ・・・眠れなくてね、ごめん。おやすみ」






電話を切った。



涙が溢れてきた。






次の日の午後、俺は彼女のメールをチェックした。






「昨日は気持ち良かったよ。昨日はいつも以上に激しかったね!彼氏からの電話で燃えたのか?何度もオネダリしちゃってさ。しかも移動の車の中で、我慢しきれなくてフェラするなんて。あんなにフェラが好きだとは・・・可愛すぎるぞ!初めてのアナルご馳走様でした。アナルまであんなに感じちゃって、変態にもほどがあるぞ。くれぐれも彼氏にはバレないようにね。また来週、思いっきり抱いてあげるから。彼氏とのセックスは苦痛だろうけど我慢我慢!オナニーする時は電話してこいよ!電話でいじめてやるから。」






最悪だった。



俺の知らない彼女がそこにはいた。



アナルだと?オナニーだと?フェラ好きだと?






今朝だって帰り道だって言って電話してきた彼女。



もう何も考えられない。






俺は昼間っから飲んだ。



吐いて飲んで吐いて飲んだ。



夜になり、彼女にメールを出した。






さっき読んだ男からのメールをソックリのメールを。






そして俺はメアドを変えた。



彼女の番号も着信拒否に登録した。






次の日に新しい携帯電話を買った。



昼休みに不動産屋に電話をして、今週引っ越したい旨を伝えた。



仕事の都合で申し訳ないが・・・と。






木曜日に休みをもらい、俺は1人で引っ越しをした。



レンタカーで借りた2tトラック。



朝早くから夕方過ぎまで掛かった。






新しい部屋へと向かう車中。



俺は泣いた。



2年間で何も作りあげる事ができなかった。



信頼関係すら。



もしかしたら、彼女が家に来るかと考えたが・・・結局来なかった。






俺はひたすら泣いた。



もうこんな体験はまっぴらだ。