ダンナがずっとうちの会社を面倒見ていた会計士と金銭関係で揉めて、契約を解除した。
後任は取引先からの紹介もあり、以前から顔見知りだったモトダという税理士にお願いしたので、いろんな資料を持ってモトダの事務所にしょっちゅう行くことに。
そのついでに自分の事業についても相談することにした。
「ユキさん、そんなこと始めてるんだ。こんな言い方失礼だけど、リスク背負ってまでやらなくてもいいんじゃないかな。ご主人の会社それなりに順調だし」
歳は六十過ぎだけど、なかなかしたたかな、世渡り上手というタイプ、それにお金持ち。
普通のオヤジよりは少しはましだけど、そんなに良くはない。
「私の力だけで生きて行きたいんです。リスクなんて・・・失うものはなにもないし、一度きりの人生後悔なんかしたくない」
一気に思いをまくし立てるとモトダは苦笑いを浮かべる。
「そりゃそうだけど。うーん可能性はどうかな」
「やるべきことをやってダメになるなら納得します。協力して下さい」
話している間、じっと私の目をそらさず見つめている・・・。
何を考えているんだろう。
ちょっと待って・・・。
この人と何かあったら今度は本当にダンナに★される。
いけない・・・。
その瞳の奥に誘惑の罠がひそんでいることはよくわかる。
とにかく、仕事の相手だから馬鹿な想像はよそう。
さしあたって、自分の事業のことは保留にして仕事を依頼した。
「こんなところじゃなんだから、今度ゆっくり飲もうよ。静かでいいお店案内するよ」
やはり誘って来た・・・。
「とっても嬉しいんですけど・・・夜の外出は主人がうるさくて・・・」
「社長が?ユキさんって愛されてるんだね・・・こんな素敵な奥さんじゃ、その気持ちもわかるなぁ」
そんなきれいな話じゃない・・・。
もっとドロドロして根の深いものが私たち夫婦の間にはある。
「愛されてなんかいない。変なこといわないで」
「悪かった。機会があればでいいからさ・・・」
いきなりムキになって反論したものだから、モトダはびっくりしてしまった。
「お前、最近あの税理士のところによく行くじゃねーか。まさか、やってるんじゃねーよな」
またこれだ・・・。
「じゃあ、あなたに全部経理関係の仕事任せるからお願いします。これ以上やりたくないわ」
「わかったよ。お前に任せたからよろしく頼むわ」
本当に疲れる・・・。
何度か足を運ぶうちに、自分の事業についてもアドバイスをもらったり、知り合いを紹介してくれるようになった。
「ユキちゃん、これだけ世話してあげて何にも報酬はないの?もしかしてタダ働きさせるつもり?」
「えっ?好意で・・・力になってくれたんじゃなかったの?」
利用できるものは利用してやろう・・・とくに男は。
そんな癖がいつの間にか染み付いていた。
「ビジネスだよ。ビジネス。わかんないのかな」
そう言いながら私の横に座り、手を握る。
「何するんですか。よしてください・・・」
手を振りほどこうとすると、またあの深い瞳で見つめられる。
「逃げるの?君にとって悪い話じゃないと思うけどな・・・俺を利用するつもりなんだろ?」
モトダの指が私の指に絡みついて、口唇が重ねられる・・・。
「だめです・・・主人に・・・主人に・・・」
「わかりゃしないよ・・・大丈夫・・・」
ケイジとのことであれだけの仕打ちをされたのに、また同じようなことをしようとしている・・・。
とにかく断るしかない・・・でも突き飛ばして逃げるようなことをしたら独立して事業を起こす夢がなくなるかもしれない。
「誰か来るかも・・・事務員さんもいるでしょ」
「君を手に入れるために全部手は打ってある・・・誰も来ないから」
そこまで用意周到だとは・・・。
何も警戒しないでぼんやりしていた私がうかつだった。
「お願いだから・・・許して・・・」
「二人きりになってキスまでしたのに・・・そりゃないだろ。君のことが好きなんだ」
「でも・・・こんなところじゃ・・・だからまた今度にして・・・」
なんとか口実を見つけて気をそらそうとする。
「そんなことは気にしなくていい・・・」
また抱きしめられてキスをされると、もう抵抗する気力が吸い取られるようになくなってしまった・・・。
「奥の部屋に行こう。いいよね・・・」
「・・・」
返す言葉が見つからなかった・・・。
手を引かれながらドアが開けられると、そこにはベッドがあった・・・。
それを見た瞬間、ダンナに責められた恐怖と屈辱の日々がフラッシュバックのように思い浮かぶ。
「びっくりした?仕事で遅くなることが多いから仮眠用だよ。ユキちゃん・・・こっちにおいで」
「やっぱり・・・だめ・・・本当に★されちゃう・・・」
ドックンドックンという自分の心臓の鼓動が聞こえてくる・・・。
「まだそんなこと言ってるの?そんなに恐がってどうすんだよ」
「あなたはあの人の本当の姿を知らないからよ・・・勝手なこといわないで」
いつもは人前でなんか絶対に泣かないのに・・・涙がじんわりと出てくる。
「何も知らないくせに・・・」
「知るわけないだろ。君が欲しいだけだ・・・」
抱きしめられると余計に涙が出てくる。
「やっぱり・・・いや・・・」
口ではそう言いながらもキスをされても拒めず、モトダの手がシャツのボタンを外し始める。
「今が楽しきゃそれでいい・・・後のことは俺に任せておけよ・・・」
モトダのその言葉に魔法をかけられたみたいに身体が動かなくなり、シャツとGパンが脱がされてベッドに導かれる。
「素敵な下着だね・・・すごく似合ってる。初めて会った時から君を抱きたかった・・・ユキちゃん・・・好きだ」
豹柄のブラジャーのホックが外され、乳房があらわになる。
ダンナ以外の男性に見られるのは数ヶ月ぶり・・・。
「だめ・・・見ないで・・・恥ずかしい」
「大きくてきれいな胸だね・・・ずっと想像してたんだ・・・乳首もピンク色してる・・・」
モトダは乳房を嬉しそうに揉みながら最後に残った下着の中に手を滑り込ませる。
「そ・・・そこは・・・だめ・・・」
いくらモトダに言われようともダンナに対する恐怖がなくなるわけではない・・・自然と力が入ってしまう。
「ユキちゃん・・・気持ちを楽にして・・・何も考えちゃだめだよ」
「そんな・・・だめ・・・あん・・・」
モトダの指が繊毛の中を進み、ダンナ以外の男性に閉ざされていた秘密の扉をゆっくりと開く・・・。
でも・・・身体はこわばったまま。
「いいんだよ・・・感じて・・・すごく素敵だ」
扉の内側に指が入ってくる・・・。
「やっぱり・・・私恐い・・・」
抱かれるつもりだったのに、足を閉じてモトダの手をはさんでしまった。
「いったいどういうつもりなんだ?俺はどうすればいい・・・みじめだよ」
とうとう・・・怒らせてしまった。
「怒らないで・・・いつもうちで怒られてばかり・・・それなのに何であなたまで怒るのよ・・・」
また涙が・・・。
自分が思っている以上に心が萎縮している・・・。
「社長に言われてるのか?」
「ごめんなさい・・・泣くつもりなかったのに・・・バカ、役立たず、のろま・・・聞いたらびっくりするわ。もう怒られたくない・・・」
自分でも不思議なくらい涙が出てくる。
「ごめんよ・・・俺が忘れさせてやるから」
優しく抱きしめられると拒否していた最後の一枚が脱がされ、モトダの裸体が私に重なる・・・。
「声を出していいんだよ・・・安心して」
縛り付けられている私の心をよくわかっている・・・。
私の反応を一つ一つ確かめながらモトダの舌がゆっくりと私の身体中を動き回り、やがてアソコにたどり着く・・・。
「そこは・・・だめ・・・だめ・・・」
「ちゃんと濡れてるから大丈夫だよ・・・きれいだし、すごく美味しい・・・」
決して乱暴なやり方はせず、私の内側からじわじわと湧き出てくるのを誘い出すような舌の動き・・・。
ここで感じちゃだめ・・・今までと同じになっちゃう。
「絶対・・・だめ・・・」
でも・・・でも・・・。
「ほら、たくさん濡れてきたよ・・・自分でもわかるだろ。すごいよ・・・」
モトダの優しい愛撫と囁きで徐々に気持ちがやわらいで来る。
「ユキちゃんを毎日抱ける社長が羨ましいよ・・・嫉妬する気持ちがよくわかる」
「毎日なんて・・・してない・・・あん・・・」
「いつもどんなことされてるの?」
アソコを舐めながらモトダが聞く・・・。
「そ・・・そんなこと知らない・・・あん・・・」
「ふーん・・・いつもこんなことされてるの?」
私の足を大きく広げ身体を二つ折りにして、よりきつく吸い、舐め回す。
「あん・・・あん・・・」
「どうされてるんだ?答えるんだ」
「毎日のように縛れられて・・・犬のように犯されたり・・・」
「それから?それだけじゃないだろ?」
指を挿入しながら突起を噛む。
「言いたくない・・・」
「正直に言わないとこうしちゃうぞ・・・」
挿入した指をぐちゅぐちゅとこねくり回しながら、さらに強く突起に歯を立てる。
「あん・・・バイブや野菜で・・・やめてって言うのにいつもいつも無理矢理・・・ひどすぎる・・・」
言わされてしまった・・・。
「ありゃ・・・やっぱり変態趣味のダンナさんか・・・でもユキちゃんは感じてるんだろ?気持ちいいんだろ?」
「そんなことない・・・痛いのいや・・・そんなのいやよ・・・」
「どうだかな・・・あとはどんなことされてるんだ?」
アソコを舐めながらしつこく卑猥な質問を浴びせる。
「・・・首輪をはめられたり・・・ベッドに縛り付けられて何度もロウソクで・・・」
「おやまあ・・・それを黙ってさせてるユキちゃんは完全にMだね。他の男にもそうされたのか?」
「・・・そんなこと・・・知らない・・・聞かないで・・・」
「さて、俺も仲間に入れてもらおう・・・」
アソコを舐めるのをやめて、ペニスに手を添えて私と合体する姿勢に・・・。
「やっぱり・・・だめ・・・」
「抱かれたかったんだろ・・・俺は優しいぞ」
「だめ・・・だめ・・・★されちゃう・・・」
「そんなこと関係ない・・・ユキちゃんをもらうよ・・・」
そんな私の言葉を無視して、モトダのペニスがゆっくりと私の中に入って来る。
ずっと涙が止まらない・・・。
「うわぁぁ・・・」
「・・・入ったよ・・・思った通り、最高だ・・・素敵だ・・・ユキちゃん・・・」
私の中のペニスがゆっくりと動き出す。
「だめ・・・だめよ・・・そんなの・・・」
泣きじゃくる私を抱きしめながら腰の動きを早めていく。
「ユキちゃん・・・中に出してもいいんだよね・・・」
「お願い・・・そんなこと・・・だめよ・・・」
ダンナへの恐怖と我慢していた淋しさから逃れようと、モトダにしがみつきながら彼の精液を体内に受け止めた・・・。
何事もなかったように事務所を出て家に帰るとダンナが怪しげな目で見る。
「楽しんできたんじゃねーだろうな」
いつもこれだ・・・。
「純粋に仕事だってば。前にも言ったでしょ。それにあんなおじさん、興味ないから」
また嘘つきの生活が始まってしまった・・・。
でも私は誰のものでもないし、誰からも自由でありたいのだ。
用事があってモトダに電話をした・・・。
ダンナが横で聞き耳を立てながら仕事をしている。
「この前はお世話になりました。今度の打ち合わせの件ですが・・・」
「ユキちゃん、冷たいな・・・急にいい奥さまに変身しちゃったね」
「その件については・・・後日また・・・」
「社長が横にいるのか?」
「はい・・・ですから・・・」
「楽しみに待ってるから・・・そのつもりで準備して来なよ」
「・・・うん・・・」
断れない・・・。
このままずるずると引き込まれてしまいそうで恐い。
翌週、事務所を訪れると・・・。
「今夜、ちょっとだけ付き合って欲しいんだ」
「そんな・・・あの・・・やっぱりできません・・・」
「どうするかは君が決めることだ。このままカゴの中の鳥のようにおとなしく社長に飼われていてもいいのかい?」
「そ・・・そんな・・・」
痛いところを突いてくる・・・返す言葉もない。
「よく考えるんだな。夕方、ホテルに部屋を取って待ってるからね」
仕事の話もそこそこに、追い帰されるように家に戻った。
「ずいぶん早いじゃねーか」
遅く帰ったら文句、早くても嫌味・・・この人の性格は相当歪んでいる。
「急な仕事が入ったから夕方にしてくれって」
「何だと?お前との約束無視してそんなこと言うのか」
すぐに逆上する・・・。
「向こうだって何度も謝ってたからいいでしょ。事を荒立てないでね」
「ふーん・・・で、また行くのか?」
「えっ?あ、うん・・・」
一瞬、返事に詰まる。
「実はね、新しい仕事のことで紹介してもらう人がいて・・・食事しながら・・・」
とっさに出た嘘・・・。
嘘が嘘を呼ぶ・・・。
「何?あいつとなんか行くんじゃねーよ」
「心配しないでよ。女の人も一緒だから・・・」
またしても嘘の上塗り・・・。
「本当なんだろうな?まあ、いいだろう。遅くなったら許さねーぞ。ちゃんと連絡しろよ」
行けばモトダに抱かれることになる・・・。
ダンナの顔をまともには見れなかった。
「モトダは不在ですが、伝言を預かっています」
事務員のおばさんからメモをもらう。
そこには高級シティホテルの部屋番号が書いてあった・・・。
こんなことしていいの?
あの時の一度きりってことにすれば、さしあたって平穏な生活が送れるのに何でわざわざ・・・。
歩きながらそんなことを考えると自己嫌悪に陥ってしまうが、足は自然にモトダの待つホテルに向かっている・・・。
悩みながらやっとの思いで部屋の前まで来てチャイムを鳴らすが返事がない・・・。
やっぱりこのまま帰ろうと思った瞬間ドアが開き、モトダが顔を覗かせる。
「だめだよ。黙って帰っちゃ・・・さあ入りな」
「やっぱり・・・きちんとお断りしなきゃと思って・・・」
「そんなこと言いにわざわざここまできたわけ?いいからこっちへおいで」
形だけの抵抗だってことを全部見抜かれている・・・。
「逢いたかったよ・・・ユキちゃん・・・」
腕をつかまれ、そのままきつく抱きしめられてしまう・・・。
こんなに情熱的な人はとっても久しぶり・・・というか、大好きだった彼だけだった。
口唇が重ねられ熱くて激しいキスをされると・・・もうだめ・・・。
ダンナの仕打ちによって凍りついていた心がとけだす。
「来るの迷ったの・・・どうしようかと思って・・・でも・・・」
「何も言わなくていいよ・・・。今日は無理矢理じゃないから・・・一緒に気持ちよくなれるよね・・・」
「優しくして・・・恐いのはいや・・・」
ゆっくりと一枚ずつ着ているものが脱がされる・・・。
「なんてセクシーなんだ・・・黒のレースじゃないか。とっても似合ってる」
「・・・恥ずかしい・・・」
本当は・・・ドキドキしながら今日のために買ったのだ。
ピンクじゃ大人気ないし、青系はいまいちだし・・・赤じゃいかにも・・・。
モトダに抱かれることをためらいながらも、そういう時間こそ、自分の中に『女』を感じることができる。
彼の手がブラの上から乳房を揉む・・・。
「大きいね・・・Dカップ?」
「ブラはね。でも・・・最近また大きくなったみたいなの・・・あん・・・」
「たくさん可愛がってもっと大きくしてあげるよ・・・」
そのままダブルベッドの白いシーツに押し倒され、再び唇が重ねられる。
「ユキちゃん・・・」
うなじから胸の谷間からお腹、そして背中へと彼の舌が私を舐める・・・。
「きれいな身体を見せてね・・・」
レースのカーテンがゆれる窓から夕日が差し込むお部屋はまた十分に明るい。
以前にムチで叩かれてできたミミズ腫れやロウソクによるやけどの痕、縛られた縄の痕を見られるのはいやだ。
そんなに目立たなくなってきたとはいえ・・・これ以上変態だなんて思われたくはない。
「お願い・・・カーテンを閉めて・・・」
モトダがカーテンを閉めている間に裸になり、彼に背を向けてベッドにもぐりこむ。
「もう君を知っているのに・・・隠さなくても・・・」
「・・・私は汚れてる女のよ・・・」
「そんなことない・・・とってもきれいだ・・・」
「あなたも知ってるでしょ・・・こんなことしちゃいけない・・・」
「好きなんだ・・・君の全部が欲しい・・・」
「だめ・・・」
小さくつぶやくが彼の愛撫はどんどん激しくなり、後ろから抱きつき、うなじや背中にキスをする。
「いいから・・・こっちを向いてごらん・・・」
口唇、髪、耳たぶ、首・・・そして乳首・・・。
彼の口唇が上から順番に降りて来ながら、舐めたり指で触れたり・・・。