
俺が大学一年の時の話です。
俺(智也:仮名)は、香奈(仮名)と二人でサークルの部室で雑談をしていた。
香奈には前に飲み会でファーストキスを奪われたことがあったから内心ドキドキしていた。
今もそうだけど、俺は女と話すのがイマイチ苦手で、相手がファーストキスの相手となりゃあ、それはひどいもんだったと思う。
でも、勝手にドキドキしてる俺とは裏腹に香奈は普通に話を進める。
適当な相づちを打ちながら話を聞いていたら俺の様子が変だと思ったのか香奈が聞いてきた。
「どうしたの?なんか悩み事でもあるなら聞くよ?」
「え?あ、いや、なんでもない・・・なんか変っすか?」
「んー・・・まぁ、智也が変なのはいつものことかぁ」
「なんだそりゃ・・・。」
そんな会話をしてる時に俺の携帯が鳴った。
サークルの先輩で四年の由佳(仮名)さんからだった。
電話の内容は今から呑みに行きたいんだけど人がいないから来ないかっていう感じだった。
俺は前に由佳さんにも呑みで唇を奪われたことがあり、以降、由佳さんからのアピールが激しかったからスルーしたかった。
だけど、香奈がかなり乗り気で「行こう行こう」と言うので、嫌々二人で待ち合わせの場所に向かった。
由佳さんとゴン太さん(仮名・四年・男)と合流して、飲み屋に向かうことにしたけど、その日は雨。
由佳さんは傘を持っていなかったらしく、俺の傘に入ってきた。
「相合い傘とは熱いねぇ!!ヒューヒュー!!」と、鬱陶しい煽りをくれるゴン太さんをスルーしつつ出発。
飲み屋では、まぁ普通に乾杯して飯食って・・・。
4人だったからそこまで大騒ぎもせず、他愛もない会話が続いてました。
飲み始めて一時間半経つ頃には4人ともほぼ完成。
尿意を催したのでトイレへ・・・。
ちとしんどかったので用をたした後、トイレの中でちょっと休憩。
ひと息ついてからトイレを出ると由佳さんが立っていた。
「あぁ、すいません・・・。お待たせしました・・・」と、横を通り過ぎようとしたら手を掴まれて壁に押しつけられた。
何かと思う間も無く、キス。
何回かの軽いキスのあとに唇にしゃぶりつくような激しいキス。
あまりの快感にたまらず膝が折れた。
それでも動きを止めない由佳さんの舌と唇。
もうどうでもいいや・・・と思っていたら由佳さんが俺の激しく勃起なチンコをさすってきた。
とっさに唇を離すと由佳さんはフフッと笑い「そんなに気持ちよかった?」とだけ言ってトイレに入っていった。
席に戻ろうにも激しく勃起&息遣い激し杉なのでまたそこでひと息・・・と、いきたかったけどそれではトイレにしては遅すぎるし、出てきた由佳さんに鉢合わせてもアレなので息遣いだけどうにか整えて席に戻った。
席に戻ると案の定ゴン太に
「二人でトイレで何してたんだよ~」と言われたが、そこは華麗にスルー。
しかし、香奈にまで
「本当に遅杉。二人だけ残されたから口説かれて困ったっての」と、キレ気味に言われた。
「あー、ごめんごめん。飲み過ぎて頭痛いからトイレでちょっと休んでたんだ」と謝罪。
「お前ら先輩に対してその扱いはひどいだろ~」と笑うゴン太。
そんな話をしてるうちに由佳さんが戻ってきて、また他愛もない会話・・・。
しばらくして、もう終電って時間。
「あ~、もうそろそろ終電なんで俺帰りますよ」と言うと由佳さんが俺にすり寄ってきた。
「え~?今日家に泊まっていきなよ~」
腕に抱きついてくる。
二人の前でそれはまずいだろ・・・と、わけのわからない考えをしていたけど、ゴン太は酔いつぶれて寝てて、香奈はこの会話の途中でトイレに行ってしまった。
俺が「いや・・・それは・・・」と、モゴモゴしてると耳元に「さっきの続き・・・しよ?」と囁く由佳さん。
その言葉を聞いた瞬間に理性のほとんどが飛んだような気がした。
でも、まだ残る理性で承諾は出来ない・・・。
一応の拒否はしているものの、由佳さんの押しは強い。
(あ~・・・このまま由佳さんの家に泊まって、そこで童貞捨てんのかな・・・)
そんなことを思った。
その時、携帯が鳴った。
アゲハ蝶・・・俺のだ。
それを言い訳に由佳さんから離れる。
こんなタイミングにメールなんてどこのナイスガイだ。
そう思いながら携帯を見る。
「送信者 香奈さん」
・・・?
一瞬何がなんだかわからなかった。
内容は一言。
「断って」
何のことかわけがわからなかった。
とりあえず返信。
「ん?送る人間違えてないかい?」
すぐに返信がきた。
「智也に言ってんの!!」
「へ?何をよ」
「由佳さんの家に泊まるって話。断って。」
よく意味がわからなかったけど、とりあえず「あい、わかった」とだけ送った。
その間も由佳さんは「誰とメールしてるの~?ねぇねぇ」の繰り返し。
そして、俺が携帯を置くのを確認するとまたくっついてきた。
「ねぇ、泊まっていきなよ~」
一応、断ると言ったものの、こう言われると断りにくい・・・。
気がついたら香奈が戻ってきた。
こっちをジッと見ている。
由佳さんは構わず押し、押し、そして押し。
しどろもどろで断りきれない俺。
そのうち由佳さんはトイレに行ってしまった。
はぁ~とため息をついていると足に痛みが走った。
何かと思って足を見ると香奈が足をガンガン蹴っている。
何気に痛かったので
「痛いから痛いから!!何さ」と聞くと、あからさまに睨んでくる香奈。
「断れって言ってるでしょ」
「てか、それなんで?」
「いいからぁぁ!!」
酒で顔を真っ赤にしながら怒鳴るので思わず「は、はい」とヘタレな返事をしてしまった。
そうこうしてるうちに由佳さん戻り。
由佳さんに話しかける前にこっちから切り出す。
「あの、泊まりの話なんですけど、たった今親から電話があって最近、外泊が多いから帰ってこいとのことなんで・・・。」
「え~!!うそ~~!!いいじゃん!!」
「いや、親父がキレてるんで・・・」
「でもこのままだともう終電ないんじゃない?」
「あ、じゃあ急ぎます・・・」
寝てるゴン太を起こして会計を済ます。
「じゃあ、終電間に合わなかったらウチね!!」という由佳さん。
「はい、そしたらそうさせてもらいマス」と言いながら駅に向けて早歩き。
ゴン太は眠いと言って帰ってしまった。
携帯で時間を見てみる。
終電まではギリギリ間に合いそうな感じ。
それなりに呑んだせいで頭がクラクラする・・・。
で、大体駅まであと5分っていうところで携帯を見る。
終電まであと10分くらい・・・間に合った。
その時点で由佳さんは諦めたらしく
「あー・・・まだあるね。じゃあ、あたし帰るね」と帰ってしまった。
怒ったんだろうなぁと思いつつ香奈の方を見る。
元々、酒に弱いのに今日はいつも以上に呑んでいた為かしんどそうだった。
「駅までもうちょいだよ。大丈夫?」と声をかけてもハッキリとした返事が無かったので「おぶろうか?」と聞くと黙って頷いた。
そこから駅までのちょっとの距離香奈をおぶり歩く。
香奈が小さい声で呟く。
「ありがとうね」
「ん?気にしないでいいよ。短い距離だし」
「うん・・・それもそうだけど」
「ん?」
「なんでもないぃ・・・」
そんな恋愛漫画みたいな会話。
とにかく駅に着いた。
俺の乗る終電のアナウンスが流れてる。
急がなあかんなと思い香奈を降ろす。
出発のベル(?)が鳴ってる。
「じゃあ、俺もう行くけど帰れる?」と急ぎ口調で聞くけど返事なし。
「やべ、間に合わないや。じゃっ」と、走り出そうとしたら腕を掴まれた。
「一人で帰れそうにない・・・」
「えぇ!?」
「ていうか・・・」
「何?・・・あ」
プシュー・・・電車のドアが閉まる音。
「あー・・・」
「ごめんねごめんねごめんね・・・」
「いや、まぁ、いいよ。で、香奈大丈夫?」
「ん~・・・一人で電車乗っても寝過ごしちゃいそう・・・」
「あー・・・じゃあ、駅まで送っていくよ」
「ありがと・・・」
そんなこんなで、とりあえず香奈の家への電車に乗る。
香奈はほとんどしゃべらないで携帯をカチカチ・・・。
「駅まで送ったらどうしたもんか・・・野宿かぁ!?」
そんなことを考えてたらメール着信。
「送信者 香奈さん」
・・・んぁ?
内容は「ウチに泊まらない?」香奈の方は俯いたまま。
「いや、親御さんが許さんでしょ?」と、返信。
「親がいいって言ったらいい?」
まぁ、あり得ないだろうと思ったので「まぁ、親御さんが許可してくれるならお言葉に甘えるわ・・・」と返信。
すると香奈は覚束ない足付きでちょっと離れて、携帯でどこかに電話をし始めた。
しばらくして戻ってくると「いいって」と嬉しそうな顔で言った。
「・・・え?」
なんて言ったか理解出来なかった。
理解出来た後もとても信用出来なかった。
大学一年の娘が男を泊めに連れてくる。
そして、それを許可する親。
そんなもんなんか?あり得ん。
ウチで兄貴が彼女を泊めようとするのを親父が大反対してるのを見たことがあるだけに余計に信じられなかった。
でも、さっきまでの気分悪そうな顔はどこ行ったと言いたくなるくらい可愛い笑顔を浮かべてる香奈。
実際に香奈の家がある駅に着き改札を出るとそこには香奈のお母さんが車で来ていた。
「智也君、こんばんは~。わざわざウチのアホをおぶってくれたんだってぇ?」
「あ、こ、こんばんは・・・。」
「あんたも迷惑ばっかりかけるんじゃないよ、まったく・・・」
「うるさいなぁ・・・早く行こ」
香奈に手を引かれて車に乗り込む。
ボーっとしてるうちに香奈の家に到着。
和室に通されるともう布団が敷かれていた。
「何から何まですいませんです・・・」
「いいのいいの。お世話になってるんだから!!あ、お風呂も入っていいからね」
・・・と、お母さん。
「ありがとうございます」
「相変わらず堅いわねぇ(笑)あ、一つだけ!!」
「はい、なんですか?」
「一緒に寝たりしちゃ駄目よ?香奈は自分の部屋で寝なさいね!!(笑)」
「は、はぁ・・・」
「も~・・・何言ってるのよ・・・。はい、おやすみ!!」と香奈。
お母さんは笑いながら二階に上がって行ってしまった。
「さてと・・・じゃあ、とりあえずあたしシャワー浴びてくるね。智也は楽にしてて~。あ、まだ寝ないでよ?」と言い、香奈はフラフラとシャワーへ。
前に来たことがあるとは言え、やはり女の子の家は変に落ち着かない。
無意味に携帯をいじってると香奈があがってきた。
「お、ちゃんと起きてたね。じゃ、シャワー浴びてきな?」
・・・と言われシャワーへ。
まぁ、俺のシャワーの様子なんて書く意味無いし、略。
とりあえず、シャワー浴びてスッキリ。
用意してもらっていた香奈のシャツとジャージ着て先程の和室に戻る。
すると、そこにはチューハイ飲んでる香奈。
思わず「また飲むんかえ!?」と軽く叫んでしまった。
「まぁ、初宿泊記念ってことで」とわけのわからない理由を言われしぶしぶ飲む。
最初は軽い話をしながら飲んでたけど、段々無言状態へ・・・。
酒のせいか気まずいとも思わずチビチビ飲む。
不意に香奈が言った。
「キスしていい?」
「は、はい?」
「なんか文句あるの~?」
「いや、文句っていうかさ・・・」
「嫌い?」
「いやいや、嫌いだったら駅まで送ったりしようと思わんよ・・・」
「嫌いじゃないなら何?好き?ねぇ、好き?」
「あー・・・うん、好き好き」
「何その言い方ぁ!!でも、そうかぁ。あたしが好きかぁー。そうかそうか・・・」
「何て言うか・・・姉さん飲み過ぎっすよ」
俺はそう言って布団に仰向けに倒れ込んだ。
軽く好きとは言ったけど、実際香奈には惹かれてた。
初キスの相手だから心に残ってる。
それもあったと思うけど、香奈は魅力的だった。
まぁ、それはおいといて結構疲れていただけあって横になったらすぐに寝そうになった。
数十秒の沈黙。
「寝ちゃった?」
香奈が言った。
正直、半分意識飛んでたけど目は閉じたまま「いや?」とだけ答えた。
香奈がまた聞いてくる。
「あたしのこと好き?」
「うん・・・好きだ・・・」
「そっか・・・うん」
モゾモゾと何かが動く音が聞こえたけど目を開いて見る気力はなかった。
「・・・やっぱりキスする」
え?と目を開けると目の前に香奈の顔があった。
次の瞬間には香奈の唇が俺の唇に重ねられていた。
由佳さんのキスと違って、上手くはないキス。
でも一瞬で目が醒めた。
唇を離してから数秒見つめ合ってから、お返しのキスをした。
そこからはお互いにキスの応酬。
チュッて感じの短いキスをお互いし合う。
俺が上になったり下になったり・・・。
狭い布団を抱き合いながらゴロゴロ転がりながらキス。
「舌・・・入れていい?」
今思うとかなり恥ずかしい質問。
香奈はクスッと笑いながら「いいよ」とだけ答えた。
そこからは短いキスとディープキスの繰り返し。
結構な時間夢中でキスをしあってたと思う。
不意にガタッと物音がしたのでお互い動きが止まった。
音がした方を見たら猫がふすまを開けて入ってきただけだった。
それがわかった途端に二人で笑った。
猫を部屋から出してふすまを閉じて、また布団に横になった。
「智也、汗でシャツ濡れてんじゃん。風邪ひいちゃうよ?脱いだら」
香奈に言われてかなり汗をかいていたことに気付いた。
「あ、ほんとだ・・・でも脱ぐのは・・・」
「あたししかいないんだしいいじゃん」
なんか変に納得してシャツを脱いだ。
よく見たら香奈も結構汗をかいてる。
「香奈も汗かいてんじゃんか」
「何?脱げって言ってるの?」
「あからさまに言えばそうかな」
「ん~・・・じゃあ、智也が脱がして?」
「え・・・俺が?」
焦った。
「うん、出来ないのぉ?」
香奈が挑発じみた言い方で言う。
俺はそういう挑発に簡単に乗ってしまう性格だったため「よし、脱がす!!」と意気込んでシャツの裾に手をのばす。
それから何度も「いいんだな?」と確認をとった後に一気にシャツをめくり上げた。
まぁ、挑発に乗りながらも確認をとるところあたりかなりヘタレ臭が漂うけど勘弁してください。
何と言っても童貞だったし。
