私のお姉ちゃんは完璧な優等生だ。



頭が良くて運動も出来て、何よりもすごく美人だから、常に周囲の視線を集めている。



いつも澄ました顔をしてクールに振る舞っているけれど、実力が伴っているからすごく様になっているのだ。






お姉ちゃんに憧れているのは、男子に限った話ではない。



学校中の女子も、みんなが私のお姉ちゃんに注目している。



学校では冷静沈着を旨としているお姉ちゃんは、どんな人に告白されようとも、決して受け入れることがない。



これまで数え切れないほどのラブレターを貰っているけれど、全て封を開けることもなく捨ててきた。



面と向かって告白してきた相手には、さすがに無視をしたりはしないが、たった一言でバッサリと切り捨ててしまう。



そういったことを繰り返してきたせいで、学校内でのお姉ちゃんの神秘性はますます高まっていくのだった。






お姉ちゃんのような人のことを、『カリスマ性がある』と言うのだろう。






成績は高校入学以来、ずっと学年一位で、二位以下を大差で突き放していた。



私はよく知らないけど、有名な大学の医学部を目指していて、お姉ちゃんの成績なら問題なく入れるらしい。



お姉ちゃんは運動だって誰にも負けたことがない。



今は受験生なので引退しているけれど、テニス部では無敗のエースとして一年生の頃から活躍していた。



パワーテニス全盛の時代において、スラリとした細身でコート内を駆けまわり、ずば抜けた技術で華麗に打ち勝ってきたのだ。






細くて長身のお姉ちゃんは、テニスウェアを着て立っているだけでもすごく絵になる。



それに加えて、試合でも無敵の強さを誇っていたものだから、全国にたくさんのファンができ、その数はちょっとしたアイドル並だと言われるほどだった。





お姉ちゃんは確かにその辺のアイドルよりもずっと美人だと思う。



妹の私が見ても見惚れてしまいそうなくらいに整った顔立ちをしている。



背中まであるお姉ちゃんの髪は、ツヤツヤと潤っていてとても綺麗だった。






学校ではクールぶって無表情でいることが多いから、中には冷たい印象を受けると言う人もいるけれど、それでもお姉ちゃんが美人なのは誰もが認めるところだった。



たまに見せる笑顔がとんでもなく可愛らしいと言う人も少なくない。



一年生の私のクラスで、男子達が女子の人気投票をしていたことがあったけれど、その結果は誰もが予想した通りだった。



三年生のお姉ちゃんが、私達一年生の女子をぶっちぎって一位になったのだ。



クラス内の女子を差し置いて、二年も上の先輩が一番人気だなんて、普通はありえない。



私だってお姉ちゃんと負けず劣らずの容姿をしていると思うのだけれど、なんて言うか、お姉ちゃんの身体からはオーラが出ているのだ。



きっと、普段のクールな雰囲気のせいなのだろう。



聡明で計算高いお姉ちゃんのことだから、自分をより良く見せるために、わざと超然としていたのかも知れない。



もしそうだとしたら、それはとても上手くいっている。



今のところは、だけれども。






お姉ちゃんの人気やカリスマ性は、正体を隠して作り上げた虚像によって成り立っているのだ。






極少数の医療関係者を除くと、家族しか知らないお姉ちゃんの秘密。



学校の皆がそれを知れば、絶対に幻滅し、軽蔑すらするだろう。



お姉ちゃんを賞賛していた人達も、掌を返して背を向けるに違いない。



人間なんてそんなものだ。






お姉ちゃんもそれが分かっているから、自分の秘密をひた隠しにしているのだ。






だから、お姉ちゃんは私に逆らえない。



ちょっと秘密の暴露を仄めかすだけで、お姉ちゃんは私の言うことに従うしかなくなる。



今のお姉ちゃんは、妹の私の奴隷みたいなものだ。



最初はただなんとなく口にしただけだった。






「お姉ちゃんの秘密、バラしてやるからね!」






小学生の高学年くらいになった頃、よくある姉妹喧嘩の最中に出た、何気ない苛立ち紛れの言葉。



私はその程度のつもりでしかなかったのだが、お姉ちゃんは顔面蒼白になって謝ってきた。



それからの姉妹関係は、どんどんと今のように歪な形へと変質していった。



私が中学生になる頃には、容赦なくお姉ちゃんを虐め抜くようになった。






姉を虐める妹。



妹に服従する姉。






プライドの高いお姉ちゃんにとっては耐え難い状態だろう。



私なんかよりもずっと優秀なのに、たったひとつ、他人に知られてはならないことを抱えているだけで、何をされても文句を言うことは出来ないのだ。






お姉ちゃんの股間にはオチンチンが生えている。



それがお姉ちゃんの唯一の弱点であり、私に握られている致命的な弱味だった。



オチンチンが生えているといっても、お姉ちゃんは正真正銘の女の子だ。



胸は大きいしウエストは締まっていてモデル並みのスタイルを誇っている。



普通の女の子よりもずっと女の子らしい身体をしている。



もちろん膣も子宮もある。



それなのにオチンチンが生えているのだ。






『フタナリ』と言うらしい。






お姉ちゃんはそういう風に言われるのを嫌うけれど。






・・・ドアの開く音がして、私はベッドから身体を起こした。






「た、ただいま、雫ちゃん・・・」






お姉ちゃんが恐る恐るといった様子で私に声を掛けてくる。



学校では決して誰にも見せないような態度だけれど、私と二人っきりの時はいつもこんな感じだ。



完全に弱みを握られてしまっている上に、散々に身体を嬲られてきたのだから、私に苦手意識を持つのも当然のことだろう。



いつもクールぶってるお姉ちゃんが、私の前でだけはオドオドとして弱気になっていると、堪らなく優越感を刺激される。



私は上機嫌になってお姉ちゃんに笑みを向けた。






「遅いよー、お姉ちゃん。ほら、入って入って」






ここはお姉ちゃんが一人で住んでいるアパートの一室だけれど、私は自分が部屋の主のように振舞っていた。






「え、ええ・・・」






私に逆らえないお姉ちゃんは、自分の部屋なのに遠慮がちな態度で靴を脱ぎ、緊張した面持ちで中に入ってくる。



高校生で一人暮らしをしているのはかなり珍しいことだと思う。



そういう人が日本に何人いるのかは知らないけど、きっとそれぞれに事情があるんだろう。



お姉ちゃんもその例外ではない。






私のお父さんとお母さんは、女の子なのにオチンチンが生えているお姉ちゃんのことを、あまり好きではないようだった。



というか、ハッキリ言って嫌われている。



さすがに口に出したりはしないけれど、そんなことは日頃の態度を見れば判ることだった。



学校ではアイドルのように扱われているお姉ちゃんだけど、家の中では私の方が可愛がられていた。



お姉ちゃんは高校生になると同時に、追い出されるようにして一人暮らしを始めたのである。



それからというもの、私はこうして毎日のようにお姉ちゃんの住んでいるアパートへ遊びに来ているのだった。






私にとってはお姉ちゃんが一人暮らしを始めたのは悪いことではなかった。



お姉ちゃんのオチンチンを虐めるという遊びは、親のいる家ではなかなか思い切って出来なかったけれど、今はそんなことを気にする必要はないのだ。



私は緊張した面持ちで直立しているお姉ちゃんに近付き、制服のスカーフをするりと抜き取ってあげた。






「お姉ちゃん、今日は私が遊びに来るって分かっていたのに、どうしてこんなに帰りが遅かったの?そんなに私と遊びたくなかったの?」






そう言いながらお姉ちゃんのセーラー服に手を掛け、万歳の格好をさせて捲り上げてやる。



お姉ちゃんは帰り道を走ってきたのか、額に生汗が浮かんでいて、前髪がいくらか肌に張り付いていた。



まだ九月に入ったばかりなので、エアコンをつけていないこの部屋は何もしていなくても汗をかきそうなくらいに蒸し暑い。



噴き出し始めたお姉ちゃんの汗はちょっとやそっとのことでは引かないだろう。






「わ、私が雫ちゃんと遊びたくないだなんて、そんなこと、あ、あるわけないじゃない」






私の手でされるがままに上着を脱がされながら、お姉ちゃんは少しだけ怯えた表情になった。






「そうだよねえ。可愛い妹と一緒に遊ぶのを、お姉ちゃんは楽しみにしてたんだよね?」






「え、ええ・・・そうよ・・・」






「嬉しいなぁ。私、今日もお姉ちゃんのオチンチンでいっぱい遊んであげるよ」






にっこりと微笑みながら、お姉ちゃんのスカートのホックを外す。






「あ、ありがとう、雫ちゃん・・・」






お姉ちゃんは引き攣った笑みを浮かべていた。






スカートを軽く引っ張ると、パサリとお姉ちゃんの足元に落ちた。



小学生が穿くような、お腹近くまでを覆う子供用のパンツが露わになった。



私はお姉ちゃんのパンツの縁に指先を掛け、グイッと引っ張って中を覗いた。



子供パンツの中にさらにもう一枚、今度はお姉ちゃんの身体には不釣合いなほど小さなパンツが姿を現す。



お姉ちゃんは結構身長が高いのに細い身体をしていて、お尻もあまり出ている方ではないけれど、それを差し引いても小さすぎるパンツだった。



オチンチンを目立たないようにするために、わざと小さいパンツを穿いて押さえ付けているのだ。



その上に、万が一にもスカートの中を見られた時のために、子供パンツを重ね穿きしているのである。






お姉ちゃんのオチンチンは勃起するとすごく大きくなるけど、普段は小学生男子みたいにちっちゃく縮こまっている。



だから普通にしていれば、スカートを穿いているだけでも、見た目でバレたりすることはまずない。



まあ本人にしてみれば、不安を払拭できず、必要以上に警戒したくもなるだろう。



股間に他人の手が当たることは絶対に無いなんて、確かにそんなことは誰にも言い切れない。



子供パンツの中に小さなパンツを穿いて締め付け、オチンチンをバレにくくすることも、全くの無駄にはならないと思う。



とは言え、人前で勃起してしまったら、何もかもお仕舞いになってしまうのだけれど。






「お姉ちゃんのクラスって、たしか今日は体育があったでしょ?今日もみんなの前で勃起せずにいられた?」






「え、ええ、大丈夫だったわ」






ブルマが廃止されて、男女ともにハーフパンツになったのは、お姉ちゃんにとっては相当にありがたいことだったろう。



きつめのショーツと緩いブルマーの組み合わせなら、勃起さえしなければバレることはないだろうけど、ブルマーを穿いていると、結構勃起しそうになることが多いらしい。



基本的には、体育の直前にあらかじめ射精しておいて、勃起しにくい状態にしておくのだけれど、それでもヤバいと思ったことは一度や二度では無いらしかった。






「ちょっと触っただけですぐに勃起しちゃうんだから、お姉ちゃんも大変だよねー」






私は笑いながら、下着姿になっているお姉ちゃんに手を伸ばした。



私の指先が子供パンツの上からオチンチンに触れると、お姉ちゃんは全身をビクンと震わせた。






「んんっ・・・!」






早くもお姉ちゃんの口から甘い声が漏れそうになっている。






「いつも通り敏感だけど、今日はすぐには勃起しないね。なんでかなぁ?」






「あ、あうぅ・・・し、雫ちゃん・・・んく、くぅ・・・!」






パンツ越しにオチンチンを爪先で軽く掻き撫でていると、お姉ちゃんの太ももがプルプルと痙攣した。



お姉ちゃんは辛そうな顔をしているが、それでも直立不動の姿勢を崩すことはない。



そんなことをしたら私を怒らせることになる事を、今までの経験から嫌と言うほど分かりきっているのだ。






「今日は何回射精したの?教えてよ、お姉ちゃん」






子供パンツを優しく爪でなぞりながら尋ねる。



お姉ちゃんは熱い息を吐きながら答えた。






「はぁ、ああぁ・・・四回よ、四回射精したわ・・・」






「いつもより多いね。我慢できなくなっちゃったの?」






普段のお姉ちゃんは、学校で不意に勃起したりしないよう、朝に一度オナニーをしてからアパートを出る。



そして昼休みにもトイレでオチンチンを扱いて射精する。



体育がある日はその時間の直前に抜いておく。



これで合計三回。



体育のない日ならば二回。



それがいつものメニューなのだけれど・・・。






「オナニーを余分に一回してたのは何時頃?」






お姉ちゃんは言い難そうにしながら口を開いた。






「そ、その、さっき・・・公園のトイレで・・・」






「さっきぃ?もしかして、遅れてきたのもそのせい?私を待たせてオナニーに耽っていたの?」






「ご、ごめんなさい・・・」






「エッチだよねぇ、お姉ちゃんは。学校のみんながこのことを知ったら、どう思うんだろうねぇ?」






「・・・」






「ねえ、私、聞いているんだけど?」






「ご、ごめんなさい・・・その、みんな軽蔑すると思うわ・・・私が、こんな身体で・・・ずっとそのことを隠していて・・・」






お姉ちゃんは直立したまま全身を震わせていた。



軽くからかっているだけなのに、いつもこうなってしまう。



それほどまでに今の地位から転落することを恐れているのだ。






けれども、お姉ちゃんの心情とは裏腹に、オチンチンはムクムクと勃起を始めていた。






<続く>