俺が小2か小3の頃。



月に1度、銭湯が小学生以下無料の日曜日があった。



(今でもあるのだろうか?)



銭湯の受付で学校名と名前を書く。



俺は母親と一緒に女湯に入った。






そこは『◯◯ランド』といって、スパ銭ほどではないがかなり広かった。



家に風呂はあったけど開放的な感じの銭湯を俺も母親も好んだ。






浴室内を歩いていたら向こうから笑顔で手を振る女子がいた。



小6で登校班の女子リーダーのSさんだった。



とても明るくニコニコしている。






「わー、◯◯君(俺)も来てたのね。いつも来るの?」






嬉しそうに聞いてきた。



俺はなんとなく恥ずかしくなって、ぼそぼそと答えた。



Sさんは俺の母親にきちんと挨拶をしていた。



その姿はとても大人に見えた。



あとで母親は、とても礼儀正しいお嬢さんだと褒めていた。








そのうちSさんと俺の母親同士の、「お世話になってます」「こちらこそ」みたいな子供にとっては退屈な会話が始まった。



俺はSさんに誘われて浴室に入った。



そこは透明なガラスで仕切られていて、入るとサウナほどではないが、少しむっとするくらいの暑さだった。



ただ体が冷えないので中にいるだけで楽だった。






小2か3年の男子にとって小6の女子は、お姉さんというより大人に近い女性に見えた。



Sさんは恥ずかしがることもなく自然な態度で明るかった。



当時の俺は当然だが女性の体に全く興味はなかった。



同学年でも同じだった。



しかし、顔見知りだと何となく気にはなった。



上手く表現できないが、エッチな関心ではなく、憧れのような目で見ていたと思う。






Sさんは背が高くスタイルが良くて、バストも膨らんでいた。



あとから考えれば年齢に相応しい小ぶりな胸だったろうが、眩しく見えた。



はっきり覚えているのは、Sさんのアソコだった。



ワレメの上の方に薄くヘアが生えてるだけでワレメがはっきり見えた。



そのとき俺は、女の子はこんなふうに毛が生えて大人になるのかと漠然とした思いだった。



あくまでもスケベな感情ではなくて不思議な光景に感じていた。






俺はそれまで、『女の子にはチンコがなくスジがあるだけ』『大人は真っ黒で何も見えない』、その程度の認識だった。



女性を意識して見たのはSさんが初めてだった。



普段は同じ登校班で明るく元気に先頭を歩いているSさんが全裸で目の前にいる。



おっぱいが膨らんでいて、女の子だから当然だけどワレメがあって、毛が少し生えていてる。






(Sさんってこんな体をしていたんだ・・・)






それはいつも遊んでいた玩具の中身を覗いたような感情に似ていた。



母親に挨拶していたときも、まるで道で出会ったときと同じだった。



笑顔で何も隠さず素っ裸でお辞儀をしていた。



とても不思議な感じだった。






2人で湯船の縁に並んで腰掛けて話をした。



言葉ではっきり覚えているのは、Sさんが・・・。






「私、最初に◯◯君を見たとき、女の子だと思ったの。でもランドセルが黒だったから違うのかなと思ったわ」






その頃の俺は自分で言うのも気が引けるが可愛かった。



小さいときからよく女の子に間違われた。



それが子供心にものすごく嫌だった。



そのときも、(あー、また言われてしまった)とヘコんでいた。






Sさんは「女の子だと思った」と言ったとき、視線を俺のチンコに向けていた。



俺は無意識にチンコの先を摘んでびょーんと伸ばしてぱっと離した。



子供っぽい主張の仕草か、照れ隠しだったのだろうか。



Sさんはプッと笑い、下を向いて自分の股間を覗き込んだ。






『男の子は引っ張るものがあっていいな、女子はなにもないもん』






そんな感じの無言の表情だった。






そのあと俺は浴槽に入ったが浸からずに立っていた。



足は十分に着く深さだった。



2人がその浴室に入ったときは数人いたが、そのときは誰もいなかった。



俺と腰掛けているSさんが向かい合う格好になった。



俺は無意識にSさんの体をやたらと見ていたのかも知れない。



そういう視線を小6の女子なら敏感に感じていたはずだ。



しかし俺にエッチな感情がないことも察知して自然に振る舞っていた。






俺の背では見上げないとSさんの顔は見えない。



普通に正面を向いていると、腰掛けているSさんの胸、お腹、下半身が見える。



Sさんはずっと足をお湯に入れていたので、「熱くなった」と言って足を上げ、膝を曲げて浴槽の縁に座り直した。



いわゆる体育座りだ。



両足はぴったり合わせている。



Sさんはスネのところを指差して、「こんなに赤くなってる」と笑った。



女性は膝を抱えるような格好で足を閉じても、前からは股間がはっきり見えてしまう。



まるでタラコを重ねたようにぷくっと盛り上がり、スジ目がくっきり。



俺が見てしまうのは当然だ。






そしてSさんは、「(お湯が)熱いの」と言って、自然に膝と膝を離した。






いわゆるM字開脚になった。



ワレメの中身が開いた。



Sさんは広げた足のふくらはぎのところを差して、「ここもこんなに赤くなってる」と笑っていたけれど、俺は別のところに目が行ってしまう。






そのときの細部は覚えているようで覚えていない。



ただ、びっくりして思わずじーっと見続けたことは確かだ。



断片的な記憶では、鳥のトサカのような形、ぷちっと出ている小さな突起、割れ目と周囲の皮膚の色の違い・・・それくらいだろうか。






Sさんは自分の指でワレメからはみ出ている小さな突起を摘んで少し引っ張った。



もちろん、びょーんと伸びるはずもない。



俺はその意味がわかってアハハと笑った。



Sさんも照れたように笑った。



そのときは時間が止まったような感じだったが、一瞬の出来事だったに違いない。






そしてSさんは湯船に入った。



俺もつられて浸かった。



湯船の深さが微妙でお尻を着けると溺れるというか、鼻のあたりまで潜ってしまう。



いわゆる中腰だと落ち着かない。



浴槽の中で段差になっているところに行こうとしたが、Sさんはそれを感じたのか肌を合わせてきて、「私の膝に乗っていいよ」と言ってくれた。



少しだけ腰掛けるようにしたがSさんは俺の体を支えてくれた。



そのときの柔らかい肌の感触は忘れられない。






俺は恥ずかしさとくすぐったさで離れた。



何も言わずに立ち上がって離れようとしたので、Sさんは俺がバランスを崩したと感じて不自然な体勢になった。



俺の体を押さえるような姿勢でSさんの手がチンコに伸びて、タマと一緒にむぎゅっと掴まれた。






「あ、ごめんなさい」と言われた。






俺はまたアハハと笑った。






俺が湯船の段差に腰掛けたとき、Sさんが「◯◯くんのオチンチン触っちゃった、ごめんね」とまた謝った。



俺は返事に困って黙っていた。



Sさんはさらに・・・。






「男の子はオチンチンがあるから羨ましいな。女の子は無いからつまらない」






と、独り言のようにつぶやいた。



それまでのSさん口からそんな言葉が出たことが意外だった。






俺のチンコを触ってしまった照れと言い訳だったのだろうか。



Sさんがすーっと寄って来て、俺の手を取って自分の股間に導いた。



下から擦り上げるように、にゅるっとした感触、こりっとした感触、ざらっとした感触(ヘア)があった。






(『ほら、女の子は何もないでしょう』という意味か・・・?)






それも一瞬だったが、俺は反射的に手を引っ込めてしまった。



Sさんは、「ごめんね」と、また謝った。






そのとき俺の耳元でSさんがヒソヒソ話をするような感じで、「オチンチン触っていい?」とそっとつぶやいた。



俺は少し驚いたが、小さく「うん」と頷いた。



湯船の中で手がさっと俺のチンコに伸びた。



優しく摘むような、握るような、包み込むような触られ方はくすぐったさがあった。



そして、そっと先端を摘むと、少しだけびょーんと引っ張った。



そのとき俺はアハと笑った。






「ごめんね、ありがとう」と言われた。






そのあとSさんは、もぞもぞしていた。



何をしていたのかはよく分からない。



それはとても短い時間だったけれど、何か奇妙な感じがして妙に記憶に残っている。



お湯が揺れてよく見えなかったが、片手でオッパイをぎゅっと掴み、もう片方の手が下の方で動いていた。



俺はSさんが気分でも悪くなったのかと心配になって、「大丈夫?」と聞いた。






Sさんはニコっとして、「うん、何でもないの・・・。なんか痒くて」とさっきと同じような照れ笑いをした。






俺は安心した。






Sさんの下の方はわからないが、むぎゅっと揉んでいるおっぱいはよく見えた。



そういう仕草をすれば、そこに目が行ってしまうのは当たり前だ。



乳首がツンと伸びていた。



それまでどういう形をしていたのか覚えていないけれど、明らかに今までと違うことだけはわかった。






それからすぐに2人とも上がった。



俺は勃起もしなかったが(この年では当然か)顔は火照っていた。



Sさんの顔もポッとしていた。



そのとき、どうしても乳首に目が行った、というか確かめてしまった。



Sさんの乳首は赤ちゃんのおしゃぶりの乳首のようになっていた。



これらの体験はずっと後までトラウマとなって俺の記憶の底に残った。






Sさんとはそれから2度か3度、同じ銭湯で会ったと思う。



けれど思い出せない。



これまで書いてきて記憶を手繰ったが、全てが最初に会ったときの出来事か、二度目かよくわからない。



もしかすると何度かの体験が1回に重なっていたかも知れない。



低学年の頃の記憶とはそんなものだろうか。






その後も登校班で一緒だった。



俺はなんとなく恥ずかしくてSさんの顔を見られなかった。



彼女はそれまでと変わらず普段通り元気で明るかった。






見られていることを知って、わざと見せる。



あるいはさらに見せる。



そういう意識が女子にはあるのだろうか?



誇らしげに見せつけたかったのか。



からかい半分、あるいは相手の反応を楽しむ気持ちだったのか?



当時の俺は大人しくて気が弱い性格だった。



もし、活発でずけずけと何でも言うような性格だったら違っていただろうか。






いわゆる露出癖や露出症の気持ちに通じているのだろうか。



それが小6の女子にもあったのだろうか?



もちろん無自覚だろうけど・・・。



ずっとあとになって思い起こすと、Sさんは聡明で優等生タイプ。



クラスでもリーダー格できりっとした少女だった。



Sさんは俺が驚く表情を楽しんでいたのだろうか。



あくまでも自然体で、でも本当はわざとなのに無意識を装って・・・。






特にオチもなくてすみません。



拙く長い文章を最後まで読んでいただきありがとうございました。