もうすぐ100回目の成分献血ということで、その日はずいぶん張り切っていた。






24時間勤務が明けてそのまま寝ずに、飯も食わずに、献血ルームに入った。



献血の前にジュースの一杯でも飲んで、後は献血しながらリクライニングをフルフラットにして寝ようと決めていた。



そうすりゃ倒れることはないだろうと。






いつものように、馴染みのおばさん看護師と冗談を言いながら針を刺してもらい(全くの無痛)、水分補給のカルピスソーダを頼む。



フルフラットにて爆睡。



一時間後、無事に血小板成分献血が終了。



二杯目のカルピスソーダも飲み干した。



シートの背もたれを元に戻す。






「お疲れさまでした」






「どうも」






よっこらしょとシートから降りようとした。



目の前が真っ暗になった。






平衡感覚を失い、壁がどこで天井がどこかも分からない。



目隠しをしてグルグル回った時の、あの気持ち悪さを三倍にしたような気分の悪さだ。





なにやら周囲が騒がしい。



身体を大勢の人に掴まれているのが分かる。






ようやく自分の状況が分かった。



ベッドに寝かされている。



周りはアコーディオンカーテンで仕切られている。



たまに、献血前に心電図をとる人がいるが、どうやらその場所らしい。






横には看護師がついている。



35歳くらいか。



いつも見る、顔馴染みの看護師だ。



額に氷枕をのせ、右手で私のお腹を擦ってくれている。



どうやら吐いたらしく、枕とシーツが汚れている。



銀のトレイには、吐いたブツも窺える。



看護師の右手は相変わらず私の腹を擦り続ける。






正確に言うと、ベルトは外され、ズボンとパンツを陰毛が見える位置まで下げられた状態で、みぞおちから陰部の少し上あたりまでを、ゆっくりゆっくり、撫でるように擦られている。






「可哀想にねぇ。とんだことになっちゃったねぇ。でもゆっくりしていったらいいよ」






子供に諭すような口調で、慰めてくれる。






よく見ると肌艶も良く、二重で切れ長の目が涼しげな、結構な美人である。



唇がぽってりと分厚く、真紅のルージュが鮮やかに映える。



色っぽいと言ってもよい。



なんとも言えない良い匂いがする。



香水だろうか、彼女の体臭だろうか・・・。






私はうっとりとしながら、彼女の手の温もりをお腹の上に感じている。



20分もそうやっていただろうか。



体調もずいぶん良くなった。



それにつれて、彼女の手の感触が性的な興奮を呼び覚ます。






勃起している。



なにせ、パンツは陰毛が見えるくらいまで下ろされている。



はじめ下向きだった陰茎は、ツンツン当たる彼女の右手と性的興奮によって、完全に上向きになった。



つまり、亀頭が外部に晒されることになった。






「・・・」






看護師はあくまでも見えていないかのように、腹をさすり続ける。



手が、肘が、柔らかな前腕部が、亀頭に当たる。






「可哀想だよねぇ。せっかく献血に来てくれたのに。でも、これに懲りずにまたお願いね。もうすぐ100回だもんねぇ」






そんなことをぶつぶつ言いながら、彼女の手は滑らかに這い回る。






陰茎は完全に勃起している。



パンツは遥か下までずり下がり、亀頭どころか陰嚢まで露出してしまった。



看護師は、覆いかぶさるように私に寄り添い、指先から肘の全てを使って、まるでロミロミマッサージでもするかのようにすべやかに撫で擦る。



もはや亀頭はビクビクと脈打ち、多量のカウパー腺液がぬちゃぬちゃと漏れ出ている。






彼女の腕に食い込んだ亀頭部は、そのまま指先の方へと滑っていき、やがて白い手のひらがそれを捉える。



手のひらはそれを弾き飛ばし、柔らかい指先がふわりとくすぐったかと思うと、すぐにまたもち肌の前腕部に絡めとられ押しつぶされる。






そんな動きが10分も繰り返されただろうか。



陰部に加えられる性的刺激と、彼女の声、匂い、淫靡な唇の動きが渾然一体となって、私は、なすすべも無く射精した。






カーテンのすぐ向こうには普通に献血している人たちがいるというのに射精してしまった。



半分固形状になった白濁液は、看護師の白い指から掌、腕、肘・・すべてを覆う。






精液が噴出している間も、看護師は動きを止めない。



腰椎の痺れるような忘我の性的悦楽に、私は心まで白く染めてしまう。






「ほうら、気持ちいいねぇ。よかったねぇ。全部出しちゃいなさい」






看護師の声が遠くに聞こえる。



赤ちゃんをあやすようなその声を聴きながら、私はまたもまどろみに入った。