小学校の同窓会の葉書が来たのは、11月のことだった。






それは俺が卒業した小学校ではなく、卒業前に転校した、その転校する前の小学校の同窓会だった。



俺は何となく落ち着かない気分でその葉書を見ていた。






転校する前の小学校を思い出すとき、すぐに思い出すのは朝子のことだ。



背が高く、運動もスポーツもできた朝子。



音楽会ではピアノを弾き、習字では賞状を何枚も取り。



朝子は典型的な、優等生だった。






今でも思い出すのは、体育の時間に男女混合でサッカーをしたときのことだ。



同点で終わったので、最後はPKで決着をつけることになった。



キッカーは、朝子と俺だった。






3本勝負のうち、朝子はすべてを決めてみせた。






そして俺は、初めの一本だけしか入れられなかった。



プレッシャーに負けてしまったのだ。



女子たちが何となく馬鹿にしたように俺を見た。






俺は朝子にもう一度だけ勝負してくれと言い、朝子も面倒くさそうにしながらそれを了承した。








しかし、何度やっても俺は朝子に勝てなかった。



女子からは馬鹿にされ、朝子も俺をしつこい男だというような目で見てきた。






・・・そのときの悔しい思い出が、小学校時代の一番の思い出だった。






転校する前の小学校の友人とはご無沙汰だ。






転校した後、実際ほとんど連絡をしたことがなかった。



それでも、紛いなりにも数年間机を並べて過ごしてきた友人たちと会えるのだ。



俺は一応出席に丸をつけ、往復ハガキを送り返した。






そして、往復ハガキのことも忘れるほどの時間が経った後で、同窓会の正確な日時・場所が連絡された。






同窓会とは手間のかかるものだ・・・という、つまらない感想を俺は抱いた。






今からでも欠席してしまおうかと思ったが、行くといった手前ドタキャンするのはよくない。



渋々ながら、俺は同窓会のあるホテルへと足を運んだのだった。



同窓会に行ってみると、やはり懐かしい顔ぶれが並んでいた。






なるほど・・と、意味もなく納得した気分になる。






たとえば、日常の中でも旧友に出くわせば、懐かしく話をする。



そういうことが、まとまって人為的に起きるのが同窓会なのだ。



悪くはないかもしれない、と思った。






こうしてみてみると、変わらないヤツばかりという感じもする。



食事にパクついている者、酒を呑む者。



女子は女子で、昔と変わらず固まって話をしている。






そんな旧友たちと忙しく話をする中で、俺は後ろから声をかけられた。






「須藤君じゃないの。元気?」






それは、スーツを着て大人の女性になった、朝子だった。






「木村さんか・・・元気だったよ。俺がよく分かったね」






俺は朝子の苗字である『木村』を思い出し、やや堅い調子で挨拶をした。






「ヤダ、全然変わってないじゃないの、その顔、喋り方」






そういう風に言われても、あまり嬉しくはなかった。






なにしろ、小学校時代の俺といえば、なにかカッコ悪いイメージがあったと自覚しているのだ。



その頃と変わっていないといわれても、嬉しくはない。






・・・が、俺は黙っていた。






「木村さんも、雰囲気変わらないね。今、どうしてるの?」



「大学から、院に進学したの。理系だからね。で、須藤君は」






「俺は文系だからね、就職したよ」



「ふーん、そうなんだ・・・須藤君、理系っぽかったのにね。意外」






そんな風に言って、朝子は笑った。






そこで、朝子に声をかけてくる女子がいて、朝子は俺から離れた。



そして一次会は終了した。






クラス毎の二次会だったので、俺は朝子と同じところで二次会になったが、結局朝子ともう一度話す機会はなかった。






(そういうものなのかもしれないな。)






そう思いながら、俺は社会人になってから呑み始めたビールをあおった。






しかし、終わりになってからチャンスは訪れた。



二次会に参加した面々は遠くに向かう者ばかりで、地元に残る者が少なかったのだ。



そして、俺と朝子以外は皆、方向違いから別の者の車で帰ることになった。






俺と朝子は、最後の最後で二人になれたのだった。






朝子は俺と二人きりになった後、飲みなおしましょうと言った。



俺たちは、別の店に入った。






「・・・ねえ、須藤君。覚えてる、サッカーのこと」



「覚えてるよ。忘れてなんかない」






少し酔い始めた頭で、俺は返事をした。






そうだ。あのサッカーのことを忘れたことはない。






「あのときから、ずっと引っかかってたの。どうして須藤君、サッカーの勝負なんかであんなにムキになってたの?」



「さあな・・・ガキだったから、かもな。木村さんには悪いけど、女子に負けるなんてカッコ悪いって思ってたんだろ」






「あんなの、ただの遊びなのに?」






おかしそうに、朝子が笑う。






「そんなもんなんだって」



「ふーん・・・」






朝子はそれで納得したのか、それ以上は聞いてこなかった。



だが、俺は酒の勢いに任せて、朝子が聞いてきたこと以上のことを話した。






「・・・同窓会があるって聞いたとき・・・」



「え?」






朝子は俺の言葉に、よく聞こえなかった、という声を出した。






「同窓会があるって聞いたとき、俺、真っ先にそのサッカーのことを思い出したよ。朝子に負けて、女子に笑われて。馬鹿にされて、また勝負してくれって言って、負けて。・・・あれが、転校する前の小学校で、一番強烈な思い出だったのかもな」






少し自嘲気味に俺は言った。



自分が目の前の女性を『木村さん』ではなく、『朝子』と呼び捨てにしていることにも気づかなかった。



朝子はそれを黙って聞いていたが、やがて口を開いた。






「そういえば、わたし小学校の頃、アサコって呼び捨てで皆に呼ばれてたわね。・・・須藤君、はじめてさっきわたしのことアサコって呼んでくれた」



「・・・悪い。気に障ったか?」






俺は女性を勝手に呼び捨てにしたことに気づき、謝ろうとした。



が、彼女はそれをさえぎった。






「ううん。ちっとも気にしないわ。そう呼んでくれたほうが嬉しい」






思ったよりも無防備な顔で、朝子は笑いかけてくる。



眩しすぎる笑顔に、俺はドギマギした。






「・・・か、彼氏、いるんだろ。こんなところに、別の男ときていいのかよ?」






右手に光る銀の指輪を確認して、俺はそっぽを向きながら言う。






「彼氏?今はいないわよ」



「じゃあその指輪は」






「これ?ただのアクセサリーよ。・・・あ、ひょっとして、妬いたの?」






なんだか嬉しげに、朝子は指輪を見せびらかす。






「ち、違うよ、バカ・・・」






慌てて誤魔化した。






「・・・フフ、変わってないね、須藤君」



「このあと、どうする?・・・行きたいところで、いいわ」






「・・・どういう、意味?」






朝子に誘われているのか、と思った。






しかし勘違いでは困る。



俺はヤボだとは思ったけど訊き返した。






朝子は、「もうっ」というように眉をひそめたが、「・・・そういう意味かもね」と言い返してきた。






やっぱり、ヤボだったな・・・そう思いながら、俺は言った。






「じゃあ、そういう意味にとっておくよ」






それを聞いた朝子の目には、小学校の頃にはなかった妖しい光が宿っていた。



そして俺たちは高めのラブホテルにやってきていた。






・・・朝子が俺に惚れているから誘ったとか、そういうんじゃないのはわかっていた。



半分は、酒の勢いだ。






俺だって、朝子は綺麗になったとは思ったけど、惚れたわけじゃない。






お互い、今夜だけの遊びだった。



どうせ、遊びだった。






だから・・・俺はキスをする直前になって、こんなことを言った。






「朝子。あのときの続きをしようか」



「あのとき?」






「サッカーの続きさ。・・・俺が朝子を、本番前に3回イカせたら勝ち。イカせなかったら負け」



「ま・・・凄い自信ね。大丈夫なの?」






「俺が言い出してるんだから、いいだろ。それに、あのときの続きなんだから、3回でないとダメなんだ」



「で、わたしが勝ったら何があるの?イカせてもらえないぶん、何だか損みたいだけど」






そう言われても、困った。



全然考えてなかったからだ。






「・・・次の休みに、何でも言うこと聞いてやるよ。美味いもの奢れでもなんでもいい」






言ったとたんに、これでは『今夜限りの遊び』ではなくなると後悔したが、言った言葉は取消せなかった。






「じゃあ、わたしが負けたら須藤君の言うことを聞くのね?」






耳あたりのよい言葉だったが、俺はつっぱねた。






「バカいえ。俺はずっと朝子に負けてんだぜ。俺が勝ってもチャラだ」



「そう?そういうなら、それでいいけど・・・」






「どうする?やるか?」



「いいわよ。・・・そのかわり、言っておくけど、わたし、前戯で一度もイッたことなんかないから。それでもいいわね」






「上等」






俺は朝子をベッドに押し倒し、口づけた。



ちゅぷ、ちゅぷ、とお互い舌を絡ませ、音を立てる。






口唇に吸い付き、唇の裏側に舌で触れ、朝子の中を蹂躙していく。






「結構・・・上手じゃない。大口叩くだけのことはあるわね」



「まだまだ、ここからさ」






俺は朝子の手を持って、俺のズボンの上に置いてやった。






「もう硬いのね・・・でも、わたしを感じさせるんじゃなかったの?」



「握ってるだけでいいよ」






俺はそう言ったが、朝子も手持ち無沙汰だからか、俺のものをズボンの上から撫ではじめる。






「朝子も経験、結構あるの?」



「・・・それなりにね」






朝子は、それなりに経験はある、と言った。






でも、遊びでするのには慣れていないのだろう。



朝子の動きはぎこちないし、どこか態度の堅さは抜けない。



それをほぐしてやりたかった。






耳に息を吹きかけ、俺は囁く。






「朝子。・・・小学校の頃から好きだった」



「・・・ウソ」






俺は嘘をついた。






俺の初恋の相手は、転校した後、中学校に上がってから出会った子だ。



朝子には結局何の感情も持てなかった。






それでも、朝子にはそんな俺の嘘が分からない。






目に見えて動揺し、目玉を左右に細かく動かした。






「・・・そ、そんな・・・わたしも、あのとき・・・須藤君のこと好きだったのに」



「え・・・」






今度は俺が動揺する番だった。



愛撫の手を止めて、朝子の顔をみる。






真剣な目で、朝子は俺の顔を見ていた。



どうして今まで黙っていたのか、それを少し責めるような目で。






俺が呆然としていると、朝子は顔を崩した。






「・・・冗談よ。冗談」



「・・なんだ、冗談か」






おもわず肩の力が抜けた俺。



朝子は、俺のおでこと自分のおでこをくっつけて、笑いながら言った。






「須藤君だって、ホントは嘘ついてたんでしょ。おあいこよ」



「・・・まあな」






クスクス朝子は笑ったが、俺は、朝子をからかうつもりが逆にからかわれたことが悔しくて、耳を唇で挟んだ。






「ヤン」






小さく朝子が声をあげる。






そのまま、耳を舐めた。



耳を俺に任せながらも、朝子は眼を閉じて微笑んだままだ。



まだまだ余裕があるわよ、ということらしい。






「・・・須藤君、がさつかと思ってたけど結構上手じゃない」



「お褒めに預りどうも」






俺はそのまま耳を愛撫した。



左耳を舐めながら、右耳を指で何度かなぞり、指を耳の穴に何度か入れてやる。



もちろん、耳を爪で傷つけないように丁寧にだ。






「ウソ・・・こんなやり方があるんだ」






耳の穴に繰り返し指を入れてやると、朝子は驚いた声をあげた。






「ビックリした?」



「うん、でも・・・ゾクゾクする」






朝子は指を穴に入れられるたびに、少し緊張をみせ、少し瞼を震わせた。






俺は朝子のブラウスを脱がせ、ピンク色のブラを露わにした。



何度かブラの上をなぞってやると、朝子もそれなりの反応を示したが、期待したほどではない。



それならばと、すばやく朝子の後ろに回り、首筋から背中の方をなぞってみる。






「ア、アアアアアアア、アッ・・・」






こぼれるようにそんな声を漏らす朝子。






「こっちの方が感じるんだ?」



「・・・よく、わかったわね・・・感じるの、背中」






俺が背中をなぞってやると、朝子は嬉しそうに背中を反らせ、喉を上げた。






「あーん、あん、・・・あはーん」






声をあげる朝子は、どこか楽しげだ。






「あん・・・あん、あん、ねえ・・・?」



「どうしたんだ?」






今度は背中を舌で愛撫しながら、俺が尋ねる。






「どうして、背中が感じるって、わかったの?今までの男は、初めてで気づいた人なんていなかったのに」



「・・・はじめから気づいてたわけじゃないさ。ただ、朝子の胸に触っても、そんなに気持ちよさそうじゃなかったから先に背中に回った。それだけだよ」






「・・・それは、・・・アン、ソコ、いいわ・・・そう、もっと、もっと舐めて・・・それって、わたしを3回イカせようとしてるから、ってこと?誰にでも背中を愛撫してあげてるわけじゃないってこと?」



「たまたま3回イカせるとは言ったけど・・・でもだいたい、いつもかな」






それを聞いて、朝子は嬉しそうな、悔しそうな顔をする。






「それで、他の場所も、丁寧にやってくれるわけ?」



「相手の女性が、お望みならね」






「・・・幸せね、須藤君の彼女って」






そして会話は途切れた。






「ア、ア、・・・アーー、いい、いい、・・・ウ、ウ、・・・」






朝子は身体をくねらせ、快感を耐えるような態度をハッキリみせはじめた。



これだけの感度があるなら、時間をかければ前戯でもイケないわけではないだろう。






俺はまだ付けられているブラとショーツの上から乳首とアソコを撫でてやり、そのまま背中を何度も舐めてみた。






「ちょ、ちょっと・・・あ、あ、あ、・・・」






切羽詰った声をあげ始めた朝子。






いける。






そう確信した。



さらに厳しい愛撫を朝子に与える。






「アアアア・・・ッッ、アハッ!!!」






大きな声をあげて、朝子の筋肉が一瞬緊張するのが分かった。






「これで、一度目だね」



「・・・思ってたより、やるじゃない」






朝子は照れくさそうにしながらも、自分から俺にキスをした。



イったばかりの朝子は、全身をくつろがせているようだった。






その隙に、俺は朝子の腕を上げ、バンサイのようにさせる。






「な、何するの・・?」






戸惑うような表情の朝子。



しかし俺が朝子のワキの下に顔を寄せると、嫌がり始めた。






ワキを愛撫されるのは、初めてのようだ。






「そんなところ・・・イヤ」



「俺はいいけどな」






「須藤君がよくても・・・」






朝子は抵抗したが、俺は腕を強引に上げて、脇を一舐めした。






「キャンッ!」






朝子はくすぐったがり、脇を締めようとした。






しょうがない。



別の場所を愛撫しながら、抵抗を弱めていくことにしよう。






俺は朝子のブラの横から指を入れ、朝子のニプルを弄りはじめた。



そうしながら、朝子のワキの下を舐めることにした。



朝子はまだ抵抗しているが、初めほどは抵抗しなくなった。






「そ、そんなところ舐めても・・・くすぐったいだけよ・・キャン、ヤン」






そう言いながら、朝子はなお抵抗を続ける。






俺はそれでも舐め続ける。



ずっと舐め続ける。






やがて朝子も折れ始めた。






「しょうがないわね」とでもいうような顔になったところをみると、俺を放っておくことにしたらしい。






だが・・・さらに脇を愛し続けると・・・??






「!!」






何かを感じたらしい朝子が反応を見せた。






俺は朝子の顔をみた。



戸惑ったような表情だった。






そして、脇をもう一度舐めてみる。






「う・・・あ・・・」






朝子は声をあげた。






俺は嬉しくなって、また脇の愛撫に戻る。






「す、須藤君やめて・・・か、感じちゃう・・・脇舐められて・・いや、そんなの」






そう言いながらも、朝子は抵抗しようとしない。



俺はブラのフロントホックを外し、直接乳首を弄りながら、脇を舐め、乳首を吸い、あごの下や鎖骨までを指でなぞったりしてやった。






「な、なんなの・・・なんでこんなに・・・ハアンッ!や、やめて、アンッ!ハンッ!感じすぎちゃう、ま、またわたし・・・」






自分の身体の突然の変化に、朝子は驚いているようだった。






でも、こんなところで止めてやるつもりはない。



もっともっと、朝子を高みに追い詰めたい。






「アーン、アン、や、やめて、ホントにわたしいきそう・・・」






朝子は左右に首を振り、抵抗をしているようだ。



だが、男の俺には朝子が快感に止めを刺して欲しいようにねだっているようにみえてしょうがない。






それに応じるため、俺は最後に乳首の先を軽く捻ってやった。






「アアアアアアアアアアアアアッ!!」






そのとき、朝子は喉を上げて絶叫した。



荒い息を吐いて、朝子はベッドに崩れていた。






「・・・す、須藤君・・・いったい、どのくらいの人と経験があるの・・?」



「さあな。・・・5人ってとこか」






「わ、わたしも5人よ。でも、こんなに上手い人なんていなかった・・・須藤君、どうしてこんな」






「ビックリしたか?」



「ええ」






「妬いてるのか?」



「・・・!バ、バカァ!」






ぷい、と朝子は横を向いた。






「た、ただ上手すぎるから気になっただけよ!そんな、勘違いしないでよね!」



「わかったよ、じゃあ、続きをしてやるよ」






「ま、まって・・・」



「ん?」






「わ、わたしだけしてもらうのは不公平だから・・・あなたに、してあげる」






俺は呆れたような声を出した。






「『いかせっこ』は俺が勝手にやったことだぞ。別に朝子が俺にしてくれなくてもいいんだ」



「で、でも悪いし・・・」






「第一、お前オトコを前戯でイカせたこと、あるのか?」






それは下手をすると侮辱になるような台詞だった。



でも、今まで肌を重ねてきた感覚で、俺は何となく朝子が男を愛撫した経験はないだろうと踏んだ。






それは図星だったようで、また朝子は真っ赤になった。






「な、・・・ないわよ。・・・なんか文句あるの?」



「いや、別に」






「じゃ、じゃあ・・・してあげるわよ」



「あ、でもな・・・どうせなら」






「今度は、何?」



「朝子の、口の処女を貰いたいな」






「く、咥えるの!?」



「嫌なら別にいいぜ」






「・・・いいわよ、やってあげるわよ」






目の前に男性器を突きつけられて、朝子は戸惑っているようだった。






こいつ、ホントにフェラの経験ないな。






そう思ったが、ここでそれを指摘すればまた真っ赤になって怒るだろう。



黙っておいた。






朝子は目の前のペニスの先を睨みつけて、黙ったままだ。



あまりにもペニスに顔を寄せて凝視しているので、寄り目になっている。






そして息を吸い、ふうぅぅぅ、と吐き出すといきなりバクリ、とペニスに噛み付いた。






・・・噛み付いたというのは正確ではないが、まともに歯が当たったので俺は飛び上がった。



噛み付かれたようなものだ。






「うひゃああああぁ!痛い!」



「あ・・・」






俺はかなり痛いが、朝子の方もしょげていた。






「あ、朝子・・・」



「ご、ごめんなさい」






「・・・まず、先にキスするみたいにするんだ。それからゆっくり咥える。そうすればそれほど力まなくてもできる」



「わ、わかった」






「それから、眼を閉じとけよ」



「うん・・・」






朝子は再度俺のペニスに挑戦した。






男の方だって、歯を当てられた女性にペニスをいじらせるのは勇気が要ることなのだ。



だが、そんなことでビビっていることを知られるのは恥ずかしい。



朝子はまたじっとペニスを睨みつけたが、今度は言われたとおり眼を閉じて、唇をペニスの先に押し付けた。



そしてゆっくりと、ペニスを口の中に納めていく。






強く唇を押し当てているので、ルージュが残るだろう。



なんとか口に中にペニスを納めた朝子だったが、それからどうすればいいのか分からないらしかった。






「入れたり出したりだけでもいいし、そのまま舐めてくれてもいい。アイスキャンデーを噛まずに食べるみたいにするんだ」



「ん・・・」






鼻息だけで朝子は返事をした。






そうすると、朝子は口の中で舌を使い始めた。



亀頭の先だけだったが、ぺろりぺろりと舐め始めたのだ。






技術は拙い。



おそるおそるやっているところもある。






それでも、朝子の口の処女は俺がもらったのだ。



俺はしばらく、朝子の口の中でフェラを楽しんだ。






朝子は言いつけどおり、眼を閉じて、ゆっくりと口を動かし、フェラを続けていた。






それでも、朝子のフェラではさすがにいつまでたってもイキそうにない。



俺は朝子の髪を撫でながら、もういいよ、と言った。






朝子はフェラの途中で眼を開け、口からペニスを解放した。






「・・・やっぱり、いけそうにない?」






ひどく傷ついたような顔で、朝子は言う。






「はじめてのフェラでオトコをいかせてるオンナなんて、いないぜ。・・・手なら、いけるかもしれないが」



「手・・?手だったら、イってくれるの?」






異常な熱心さで、朝子は食いついてきた。






「・・・まあ、口よりは」



「やってあげる」






彼女はいきなり俺のペニスを掴んだ。






少し、力が入りすぎている。



痛くはなかったが、気持ちよくもない。






・・・あまり、期待できそうにないな。






正直な実感だったが、朝子は乗り気のようだ。



ここで拒否するともっと朝子は傷つくだろう。






ここはひとつ、教えてやろうかな。






「朝子、右手でピースしてみて」



「え・・?」






戸惑いながらも右手でピースを作った朝子だった。






「それで、人差し指と中指をくっつけてみて」






これから何が始まるのか、イマイチ理解できていないらしい朝子だったが、とにかく言われたとおりにやってくれた。



俺は朝子が作った二本突き出した指を、自分の手で握った。






「な、何するの?」



「このくらいの力で。こう動かすんだ」






俺はそのまま、朝子の指の上に手をスライドさせた。



シュ、シュ、と乾いた音がした。






朝子は自分の指をペニスのように愛撫されて真っ赤になった。



それでも朝子は真剣に指を見て、動きを覚えようとしている。






「それで、たまにこうしたり」と言いながら、俺は朝子のピンク色の爪のところを親指でなぞった。






カリを愛撫するやり方だ。






「こうしたりする」と言いながら、親指・薬指・小指を金玉にみたてて撫でてみせたりした。






初めてみる愛撫の仕方に、朝子は戸惑っていたようだ。



しかも自分の指でそれを実演されたことで、少し妖しい気分になってきたらしかった。






「わかった・・・やってみる」






朝子は右手でもう一度ペニスを掴んだ。



今度は、適度な握力で握ってきた。






「ウッ・・・」






それと同時に上下運動が始まる。



緩やかな動きは的確だった。






しかも、教えたとおりカリを刺激したり、金玉を手のひらで転がすことを忘れていない。



当たり前の話だが、それは俺が一番感じる手コキだった。






「須藤君、感じてる顔になってる・・・」



「朝子が上手いからだよ。も、もう少し強く握って、速くしごいてくれ。だんだんそうしていくと、イケるから」






「フフ、わかったわ」






男を感じさせている喜びを顔に見せて、朝子はさらに手を速めた。






朝子は変化をつけようとしているらしく、教えていないこともやりはじめた。



まず、さっき覚えたばかりの亀頭の先へのキスをした。






眼を閉じて、俺の醜い肉棒にそっとキスをする朝子。



みずみずしい唇が亀頭の先に触れるのをみると、またペニスに血流が流れ込んでくるのが分かった。






「・・・また、感じたの?」






無邪気にそんな質問をする朝子。






あどけない表情でそんなことを聞いてくると、まるで小さな子にいけないことを教えているような気分になった。



俺は、黙って頷いた。






「感じてくれたんだ・・・じゃあ、これは?」






そう言いながら、今度は左手の指先で亀頭をこすってきた。



強くされると痛くなる動きだが、朝子はかすかに触れてくるだけで、絶妙なタッチになっている。






「ウゥ・・」






思わず呻き声を上げた俺に、朝子は妖しく微笑んだ。






「すげえよ、朝子、どこでこんな・・・」



「・・・自分でするとき、手で触るから」






澄ましてそう答えてきた。






「朝子も、自分でするんだ」



「わたしだって・・・オンナよ」






そう言いながら、朝子はまた握りの強さと手の速さをあげてきた。



・・・だんだん、射精が近づいてきた。






「朝子・・・もう少し強めに。もうちょっと速く。イケそうだから」



「わかった・・・」






朝子は強くペニスを握り、できるだけ速く擦るようにしたようだ。



必★にペニスをしごく姿を見ていると、朝子に自分の性処理を任せたような、倒錯的な気分になる。



朝子の口からは、ハ、ハ、と息が漏れる。



激しく手を動かしているせいだった。






そういうものを見ているうち、グングン射精感は高まる。






やがてそれは我慢できるレベルを超えて、射精が抑えられなくなる。






「朝子、出るよ、いくよ」



「須藤君・・・」






朝子はずっと手を止めない。



そのままでは、朝子に精液が掛かってしまう。






俺は射精の直前、自分の右手でペニスを覆った。






「ウッ!ウッ!」






ドク!ドク!と精液が飛び、俺の右手に掛かった。



熱く白濁したものが手に残った。






朝子は驚いて手を止めてしまったので、俺は左手でペニスを握り、残った精液を搾り出した。