奥にカーテンで仕切ったエロ本コーナーのある、こぢんまりとした書店だった。



店は30代半ばくらいの派手な顔のおばちゃんが1人で営んでいました。



中学3年だった私は、カーテンの近くに並んでいる小説を選ぶふりをしながら、わずかな隙間から向こう側を覗くのが密かな楽しみで、一般の本屋には並んでないようなエロ本の表紙の扇情的なポーズや卑猥な言葉を家で反芻しては自慰をするのが日課でした。



妄想の中で、表紙の女性の顔がいつの間にか本屋のおばちゃんに変わり、おばちゃんを後ろから犯すところがいつもの射精のタイミングでした。






夏のある日、いつものように学校帰りに本屋に行くと客は誰もおらず、おばちゃんもいませんでした。



私はチャンスだと思い、カーテンの向こう側へ入りました。



そこには日本人や金髪の外国人の女性が表紙の本がずらっと並んでいました。



その中には私が初めて目にする縄で縛られた女性の表紙もあって、私は口の中がカラカラになりながらそれらの本を手に取り、夢中でページを捲っていました。






いきなり背後のカーテンが開けられました。



私がギョッとして振り返ると、そこにはおばちゃんが立っていました。






「ダメでしょ、中学生がここに入ったら」






おばちゃんは優しく微笑みながら私を嗜めました。



私は恥ずかしさのあまり持っていた本を元に戻すと、そこから逃げ出そうとしました。



しかし仕切り口が狭く、私とおばちゃんはまともにぶつかってしまい、勢い余って2人とも狭い通路に倒れこんでしまいました。



ちょうどおばちゃんの胸辺りに顔を埋める格好となった私は、Tシャツ越しに胸の感触を感じました。



少し汗の匂いが交じった香水の香りもしました。






「もう・・・、ほら起きて」






その声で私は我に返り、急いで立ち上がると、「ごめんなさい」とだけ言い残して本屋から走って逃げました。



家に帰ってから私は自己嫌悪に苛まれました。



家とか学校に連絡されたらどうしよう、恥ずかしくてこの町にはいられない、もうあの本屋には行くまい・・・。



そんなことを繰り返し考えていました。






しかし、10日程経っても私の周りには何の変化も起こらず、私は拍子抜けしました。



そうなると現金なもので、今度はあの時のおばちゃんの胸の感触や香りを思い出してまた自慰に耽りました。



実際の経験が加わったおかげで妄想は前よりも現実味が増し、おばちゃんはずっといやらしくなっていて、1日に3回、自慰に耽ることもありました。






私はおばちゃんに会って謝ろうと思いました。



いえ、それは自分への言い訳でした。



本当は謝罪にかこつけて、おばちゃんに会いたかったのです。






(会えば、またあんな機会が訪れるかもしれない、それ以上のことだって・・・)






私は20歳も年上の女性に焦がれていました。






次の日、本屋へと向かった私は、他の客がいなくなるまで辛抱強く店から離れた所で待ち続けました。



やっと客がいなくなったのを確かめ、私は意を決して店へ向かいました。






「あら、いらっしゃい」






おばちゃんは私を見て優しく言ってくれました。



私が何も言えず立っていると、「まぁ座って」とレジの前の椅子に座らせました。



そして麦茶を出してくれました。






「この間はごめんなさい」






私はおばちゃんの顔を見ずに謝りました。






「ううん、いいのよ。あなたの年頃なら興味を持って当然よ。でもあそこに置いてあるのは少し刺激が強いかもしれないわね」






おばちゃんが笑ったので、私もつられて笑いました。



でもその後は何も言えなくなり・・・沈黙が流れました。



しばらく重苦しい時間が経った後、おばちゃんが言いました。






「ねぇ、絶対誰にも言わないって約束できる?」






「えっ・・・」






私は顔を上げておばちゃんを見つめました。



おばちゃんの瞳は潤んでいるように見えました。



私はおばちゃんがどういうつもりなのかすぐに察しました。






(自分と同じことを考えている・・・)






そう確信しました。






「はい、誰にも言いません」






私は自分でも驚くほどはっきりと言いました。






「ちょっと待ってて」






おばちゃんは店の入口のドアに鍵を掛けると、『準備中』の札を掛けました。



そしてレジの後ろの引き戸を開けて、「こっちよ」と私を招きました。



そこは3畳ほどの和室でした。






「お昼や休憩はここでとってるの」






おばちゃんはテーブルを畳んで壁に立てかけました。



私達は狭い部屋で正座をして向かい合いました。



まるで儀式の始まりのようでした。






「本当に2人だけの秘密よ・・・」






おばちゃんは顔を近づけてきました。



私は返事の代わりにおばちゃんの唇に自分の唇を合わせました。



最初は唇をくっつけてるだけでしたが、すぐに私の唇はおばちゃんの舌にこじ開けられました。



私もそれに応えようと夢中で舌を動かしました。



歯磨き粉の味がしました。






(キスがこんなに気持ちがいいなんて・・・)






舌を絡ませながら、私は後頭部が痺れるような感じがしました。



2人とも息が荒くなっても唇を離そうとせず、そのまま畳の上に倒れ込みました。



私は薄目を開けておばちゃんの表情を盗み見ました。



おばちゃんは眼を閉じてうっとりとしていました。



初めて見る女性の表情でした。






おばちゃんの腕は私の首に巻かれ、指は髪を弄っています。



私は母とさほど変わらない大人の女性を自由にしている状況に息苦しいほど興奮しました。



私はやっと唇を離すと、今度はおばちゃんの胸に顔を埋め、思いっきり息を吸い込みました。



この間よりもおばちゃんの体臭を感じました。



それはいい匂いでした。



そのまま右手をブラウスの下に潜り込ませ、タンクトップみたいな下着越しに胸を揉みました。



ボリュームがあって柔らかでした。



私は直接触りたいと思い、下着をスカートからたくし上げ、手を潜らせようとしました。






「ちょっと待って。脱ぐから」






おばちゃんは上半身を起こすとブラウスのボタンを外しだしました。



私はブラウスやその下のピンクの下着を脱ぐ様子を瞬きも忘れてじっと見ていました。



腋の下に少し生えた毛が目に入りドキッとしました。



スカートに手をかけたところで私の視線に気づき・・・。






「ちょっと・・・恥ずかしいじゃない。あんまり見ないで。あなたも脱ぐのよ」






そうおばちゃんは言いました。



私は慌てて背中を向けてシャツやズボンを脱ぎましたが、パンツを下ろしていいものか迷いました。



振り向くとおばちゃんは何も纏っていません。



私もパンツを下ろしました。






「すごく上を向いてるのね。それにまだ汚れてないって感じだわ」






おばちゃんは私の股間を見て言いました。



私は恥ずかしさを隠すために抱きつきました。



服の上からとは違って、肌が直接触れ合う気持ちよさは比べようがありません。



私は改めてキスをした後、白いたっぷりとした胸に唇を這わせました。



そしてその頂点を口に含み、赤ちゃんのように吸いました。






「んふっ・・・」






おばちゃんの口から笑っているような声が漏れます。






「くすぐったい・・・の?」と私が聞くと、「ううん、気持ちいいよ」と言ったので、そのまま続けました。






私の胸の辺りにおばちゃんの茂みが押し当てられ、擦るように上下しています。



その茂みが湿っていることに気づき、(これが“濡れる”ということなんだな)と思いました。



私の唇はだんだんと茂みに近づいていきました。






「ダメ・・・、そこ汚れてるから」






おばちゃんは私の頭を両手で押さえました。



そして身を起こすと、「私がしてあげる」と言って、私を仰向けに寝かせました。






「すべすべしてるわ・・・」






おばちゃんの舌は私の首筋から胸へと移ります。



とてもくすぐたかったのですが、せっかくしてくれているので我慢しました。



舌は徐々に下半身を這い、とうとう待ち焦がれていた所に届きました。



付け根から先に向かって優しく舐められた時、私は思わず声を上げました。






「ここがいいの?・・・じゃ、ここは?」






おばちゃんは私の反応を面白がっているようでした。



おばちゃんの口に全部が包まれ、その中で舌先は先っぽをちろちろと刺激し、手は付け根をリズミカルにしごきます。



私は頭を起こし、おばちゃんに含まれている自分自身を見ました。



おばちゃんの唇は窄められ、捲られしながら上下しています。



その奉仕の光景に私の快感は最高潮に達しました。






「ああっ、あぅ」






その瞬間、耐えられなくなって射精しました。



私が出したものの大部分はおばちゃんの口に受け止められましたが、いくらかが私の胸やおばちゃんの顔や髪にも迸っていました。



波が遠のくのと同時に、おばちゃんを汚してしまった申し訳なさや怒られるという不安が生まれ、「・・・ごめん」と言いました。






「いいのよ。若いんだからすぐできるわ」






おばちゃんは私が早く達してしまったことを謝っていると思ったようでした。






「少し休憩しましょう」






ティッシュで汚れを拭き取ると私の横に添い寝をしました。






「こんなことするの、初めて?」



「・・・はい」






「彼女は?」



「いません」






「こんなおばちゃんでもいいの?」



「そんな・・・僕、今日はおばさんに会いに来たんです」






「嘘・・・」



「嘘じゃないです!僕いつもおばさんのことを想いながら自分で・・・」






「本当に?だったら素直に嬉しいわ」






言葉を交わしながら、私の手はおばちゃんの胸の突起を、おばちゃんは私自身を弄んでいます。






「じゃ私も正直に言うわね。私ね、あなたのことが気になってたの。でもあれから店に来ないから・・・。だから今日、あなたが来てくれて嬉しかった」






はにかみながら話すおばちゃんは、学校にいる同年代のどの女の子よりも可愛らしく、とても愛おしく思えました。






この人を自分のものにしたい。



この人をもっと歓ばせたい。






私の中に強烈な衝動が起きました。



私はむしゃぶりつくように抱きつき、唇に吸いつきました。



さっき口の中に出したものの味がしましたが構いませんでした。



おばちゃんも私の衝動に感応したのか激しく応えます。



私はいきなり唇を離すとそのまま体をずらし、股間に顔を埋めました。






「いや!そこはダメ!やめて、お願い!」






おばちゃんは腰を引きかけましたが、私は両腕でおばちゃんの腿をがっしりと掴み、顔を密着させました。



そこは熱く潤っていて、濃厚な匂いがしました。



どこが一番感じる所なのか判らなかったので、とにかく全体を隈なく舐めました。



おばちゃんは手で私の頭を引き離そうとしましたが、腕に力を込めて離れないようにしました。



私は一心に舐め続けました。






「んっ・・・あぅ・・・いや」






おばちゃんの抵抗が次第に弱くなりました。



手は私の頭に添えられたままです。



私の顔は唾液と中から溢れ出したもので既にびしょびしょでした。



でもおばちゃんが歓ぶなら、このまま何時間でも舐めてやると思いました。






「あっ、いいっ、そこ・・・いい」






私の舌が敏感な所を探り当てたようでした。



その部分を中心に舌を動かし、空いている手で胸を揉みました。






「そこ・・・そこっ・・・いいのっ」






おばちゃんの手が私の髪を掻き毟り、顔は強く股間に押しつけられました。



おばちゃんの腰が上下に動くので、私は顔全体で愛撫しているようでした。






「お願い・・・入れて・・・ねぇ、入れて・・・」






うわ言のような声がおばちゃんの口から漏れました。



顔を上げると、おばちゃんは苦悶の表情で、口は半開きになっていました。



私自身はすでに痛いくらいに反り返っていました。



私は体を起こすと、今まで顔を埋めていた所に自分自身をあてがおうとしました。






私はそのとき初めて、女性の入り口がそれまで想像していた所より下にあるということを知りました。



私はどういう角度で挿れればいいのか躊躇しました。



おばちゃんはそれを察し、自分の膝を曲げて少し上に上げると、私自身に手を添えて導きました。



先が入ると、後はすっぽりと抵抗なく根元まで入りました。






「あんっ、んんっ」






おばちゃんは電気が走ったようにビクッと震えました。



私も私自身に纏わりつく熱い蠢きに陶然としました。



下半身全部が包まれたような感覚でした。



腰が独りでに動き出し、おばちゃんの奥を突きます。






「んっ、んっ、んあっ」






私の律動に合わせて、おばちゃんも腰を動かします。



2人なのにひとつの連動した動きに、繋がっている歓びが湧き上がりました。



私はおばちゃんをしっかり抱き締めました。






狭い部屋の中で扇風機もつけずに交わっているので、2人とも汗でぐっしょりでした。



密着した肌と肌との間で汗がぴちゃぴちゃと音を立てています。



私はその音にも興奮を掻き立てられました。



私は目の前にあったおばちゃんの耳たぶを噛み、舌を差し入れました。






「いや、ああん、だめぇ・・・」






おばちゃんの声が切なくなってきました。



私は歓んでいるのだと確信して耳を舐め続けました。






「ああん、ああん、んうっ・・・」






私の腰に回されていたおばちゃんの両腕が凄い力で締めつけてきます。



おばちゃんの奥の柔らかい壁が私にねっとりと絡み快感に誘います。



もうこれ以上耐えられませんでした。



私はおばちゃんの頭に腕を回してぎゅうっと抱き締め、一段と腰を打ちつける速さを増しました。






「あっ、あっ、うーっ」






そのままおばちゃんの中に放ちました。



快感の波が幾度も押し寄せ、その度に迸りが放たれます。






「ああっ熱い、熱いの・・・」






おばちゃんはしっかりと私の腰を抱き、私の迸りを受け止めてくれました。






私は、ぐったりとした体をおばちゃんに預けました。



全速力で走った後のような息苦しさでしたが、下半身はあの蕩けそうな快感の余韻がまだ残っていました。



おばちゃんは愛おしそうに私の頭を撫でています。



私が、おばちゃんが重いだろうと体を離そうとすると、「このままでいて・・・」と私を抱き締めました。



私は手足を少し立てて、体重があまりかからないように支えました。



私自身はまだおばちゃんの中に入ったままです。






「うーん気持ちよかったぁ」



「僕もです・・・」






「・・・しちゃったね、私たち」



「はい・・・」






おばちゃんは頭を撫でていた手を止め、私の耳たぶを軽く引っ張りました。






「あなたはこれから色んな人といっぱい経験するんだろうね・・・」



「そんなの・・・わかりません」






「もしそんな時が来たら、ちゃんと避妊しなきゃだめよ。泣くのは女の子なんだから。私は出来ないって医者のお墨付きなんだけどね」



「・・・」






私は何て言っていいのかわからず黙っていました。






「・・・とにかく私に妊娠の心配はないから安心して」






おばちゃんは私の背中をぽんぽんと軽く叩きました。



私は釈然としないまま頷きましたが、おばちゃんが私のことを気遣ってくれていることはわかりました。






おばちゃんは私の顔を引き寄せると、「ねぇ、キスして」と言いました。



私はおばちゃんの唇を舌で軽く舐めるようなキスをしました。



おばちゃんも舌を出して、しばらく2人の舌は触れるか触れないかの微妙なタッチを繰り返しました。



一方で私は中指でおばちゃんの胸の頂点を軽く弄り、徐々に硬さが増してくるのを楽しんでいました。



その時、私は私自身が優しく締めつけられる感覚を覚えました。






「わかる?」






おばちゃんは微笑んでいます。






「・・・うん、わかる」






おばちゃんはまた私自身をきゅっと締めつけました。



ちょうどくびれの辺りへの心地よい刺激が規則的に繰り返され、その度に私自身が徐々に漲ってきました。






「あん・・・あん・・・」






私がおばちゃんの中でぴくんと脈打つたびにおばちゃんの口から喘ぎ声が漏れます。



そして十分に硬さが戻った私自身をおばちゃんが奥へ引き込もうとしたとき、私はわざと腰に力を入れて動かないようにしました。






「いや・・・」






おばちゃんはなおも両手に力を入れ腰を引き寄せようとしますが、私は抵抗しました。



私自身はおばちゃんの入り口で止まったままです。






「いや、お願い・・・」






おばちゃんはいやいやと首を振って焦れています。



私は私の中に湧き上がった感情が、自分でも不思議でした。



愛おしいのに苛めたいという感情でした。



私は入り口辺りを浅くゆっくりと動き、おばちゃんを焦らしました。






「ねぇお願い、奥まで突いて!」






おばちゃんは耐えかねてはっきりと懇願しました。






「じゃ・・・、後ろ向いて」






私は自分が発した高圧的な声に内心昂ぶりました。



おばちゃんは言われるままにうつ伏せになり、お尻だけを高く上げて私に向けました。



私の目の前におばちゃんが丸見えになりました。



今まで私自身が収まっていた所の肉の色も、そこから零れる白い滴りも、その周りの濡れそぼった茂みも、すぐ上の窄まりまでもが全部露わになっています。






私は片手をおばちゃんの腰に添えると、もう片方の手で自身を持ち、ゆっくりと進みました。



おばちゃんは待ちかねたように自らお尻を動かして私を迎えます。



私はおばちゃんの腰を持つと、ぐうっと突きました。



今までよりさらに深く奥まで届きました。



見下ろすとおばちゃんの肉の裂け目に私自身が根元まで刺さっていました。






おばちゃんは畳に頭をつけたまま、「おおぅ、おおぅ」と唸るような声を発しています。



その手には脱ぎ捨てたピンクの下着が固く握り締められていました。



2人のぶつかる音が部屋に反響しています。



まさに私が自慰の時に夢想していた場面そのままでした。



私はしばらくおばちゃんを打ちつけた後、おばちゃんの昇り詰めた声で三度放ちました。






それからも私とおばちゃんの秘密は続けられました。



でも秋風が冷たく感じられる頃、おばちゃんが言いました。






「主人の転勤で引っ越さなくちゃいけなくなったの」






それは、2人の関係がずっと続くものと信じていた私には受け入れがたいものでした。



しかし所詮中学生の私にどうこう出来ることでもありません。



私は聞き入れるしかありませんでした。



その代わり私は、最後は本屋ではなく別の所で逢いたいと言いました。






郊外のホテルで私たちは、たっぷりとお湯を張った湯船の中や広いベッドで交わりました。



最後は2人とも泣きながら体を合わせていました。



おばちゃんとはそれっきり逢うことはありませんでした。






その後、あの本屋はひと月も経たずに取り壊されました。



少ない常連客だけが来る本屋だったので、パートだったおばちゃんが辞めたのを契機に店の持ち主が決めたということを後で聞きました。



私は学校帰りにすっかり整地された店の跡地に立ち寄りました。



こうして平地になるとあまりの狭さに、あの出来事が一時の夢のように感じられました。






「残念だったね。本屋がなくなって」






ふいに後ろから声を掛けられました。



振り向くと、同じクラスの美雪が立っていました。






「ママがね、『あそこはいかがわしい本も扱っているから、なくなって良かったわ』って言ってたわ。あんたもここにそんな本を見に来てたんでしょ?ほんとっ男子っていやらしいよね」






美雪は口を尖らせています。



私はただひと言、「そうだよ」と言いました。



私が真っ赤になって否定するものと思っていた美雪は、意外そうな顔で黙ってしまいました。



私はもう一度だけ店があった場所を目に焼き付けると、振り返り、歩き出しました。



その後を美雪が続きます。






「ついて来るなよ」






「別について来てないわよ。私もこっちなの!」






そう言いながら美雪は私の横を並んで歩いています。






「あんた最近変わったね・・・」






「どこが?」






「わかんないけど・・・とにかく変わった」






(もし美雪におばちゃんとの出来事を話したら、こいつはどんな顔するだろうな?)






そんなことを考えると私は愉快な気分になりました。






<続く>