俺は趣味で女装をする変態だった。



よく勘違いされるが、男が好きなわけではない。



俺が女装をする主な目的はストレス発散の為だった。



別人格になることは心を開放してくれた。



ハロウィンでバカ騒ぎをしている同じ大学の女たちと一緒だ。






俺はコンプレックスの塊だった。



低い身長、貧弱な体・・・女にモテる要素がない。



しかし女装をすると俺のコンプレックスは女としての魅力に反転された。



小さくて華奢な女の子になれたから。



男っぽい顔もマスクで隠せば男だとバレることはなかった。



それに俺はアイメイク次第でいくらでも可愛くなれた。






その日も、俺は女装をして夜の街を徘徊していた。



熱帯夜の蒸し暑い空気も、露出の多いキャミソールとミニスカートのお陰でかなり軽減されていた。



深夜の街には、俺を男とは知らずにナンパしてくる酔っ払いや、エロい目で見てくるジジイ、階段でスカートの中を覗こうとするガキや、侮蔑の視線を浴びせてくるババア、視線を逸らすブスやデブ・・・。



色んな人々俺を見て様々なリアクションをした。



この感覚は決して男では味わえない。






(気持ちいい・・・)






特に俺を性的な目で見てくる男たちが愚かに思えて最高だった。



普通の男は持っていない男を性的に興奮させる能力。



俺は自分の“女の魅力”を存分に発揮させた。



男の俺は、男が興奮するツボを知っていた。



俺は、男ウケするファッションや仕草をした。



それは普通の女には嫌われる行為だったが、俺は女として女友達を作るつもりがなかったので、そんなことは気にしていなかった。



女はあざとくて抜け駆けをする。



女なんか嫌いだ・・・。



言い換えれば、モテる女が嫌いなのだ。






俺は胸を強調し、細い脚を露出させ、気づいていないふりをしてパンチラやブラチラをして、男たちを弄んだ。



男たちの中には、俺をオカズにしてシコる奴もいるはずだ。



人に見られることは快感だった。



女物のパンティの中に収まっている俺のペニスの先は、我慢汁で女のように濡れていた。






そして女装外出を存分に楽しんだ俺は家路に就いた。



しかしワンルームマンションのエントランスに到着すると、深夜なのに住民の姿があった。



若い女だ。



女装中の俺は女が苦手だった。



俺みたいな女を敵視してくるからだ。



特に人目がない場所では、敵愾心を隠すことなく攻撃してくる。



すれ違い様にわざとぶつかってきたり、何もしていないのに、「あんた邪魔よ!もっと端を歩きなさいよ!」と文句を言ってきたりする。






俺は集合郵便受けを確認する振りをして、女がいなくなるのを待つことにした。



しかし、その女はエレベーターの扉を開けたまま動こうとしなかった。



俺を待っているようだ。



狭いエレベーターの中で2人きりになるのは困る・・・。



しかし、俺と目が合った女は微笑んでいた。



珍しい反応だ。



やむを得ない・・・。



俺はその女に会釈をしてエレベーターに乗り込んだ。






「何階ですか?」






「・・・」






俺は声を出すと男だとバレるので、ジェスチャーで自分で階数ボタンを押す意思を伝えた。






「あっ、同じ階ですね」






女は勝手に俺が同じ階の住人だと思ったようだ。






「夏風邪ですか?私もクーラーを付けっぱなしで寝るんでよく風邪を引くんですよ」






マスク姿の俺を見て、女は俺が風邪だと思ったようだ。



と言うか、その女は間近で俺を見ても男だと気づいていない様子で、男に媚びたファッションをしている俺に好意的だった。



男の格好をしている時の俺は、女性から話しかけられた経験がなかった。



恐らく俺が男の格好をしていたら、女は俺を待たずにエレベーターの扉を閉じていたはずだ。






深夜に外出していた女は手に財布とペットボトルの水を持っていて、服装は綿のキャミワンピにカーディガンを羽織っているだけの軽装だった。



恐らくその女は、風呂上がりに喉が渇いたので部屋着のまま外の自販機に水を買いに行っていたのだろう。



お団子にした髪にパイル地のヘアバンドをした女からは風呂上がりの匂いがした。



多くの男がそうだと思うが、俺も女の濡れたうなじを見ていると男として興奮してきた。






「今日は暑いですね・・・」






女は独り言のように呟くと、まるで俺と肌の露出を競うかのように着ていたカーディガンを脱ぎ始めた。



自分が住んでいるマンションのエレベーターの中。



しかも時間は深夜。



普通に考えれば、男と鉢合わせする可能性はゼロだ。



女は自分の部屋に到着したかのように油断していた。



薄い綿のキャミワンピは透けていて、女がブラジャーをしていないことが分かった。



俺は50センチ前に立つ女に欲情し、心臓が爆発しそうになった。



俺のペニスは勢いよく充血し、穿いていた女物のパンティの上からはみ出していた。






「どうぞ」






エレベーターが7階に到着すると、女は『開』のボタンを押しながら俺に微笑んだ。



俺は自分の部屋のない階で先に降りるわけにいかず、会釈をして女を先に降ろすことにした。






「じゃあ、おやすみなさい。お大事に」






俺は親しげに挨拶をしてくれる女の後ろ姿を見送った。



共用廊下の照明に照らされた女は無防備で、キャミワンピから透ける体が艶めかしく見えた。






(えっ!ノーパン?)






女のキャミワンピには、パンティのラインが透けていなかった。






(ノーパン、ノーブラで外出!露出狂か?)






部屋着の下がノーブラなのはよくあることだ。



しかしパンティを穿いていないことは不自然だった。






(この女は意図的に露出をしている!)






女は水を買いに行くふりをして、深夜の露出を楽しんでいたようだ。



俺は衝動的に女の後を追って歩き出していた。



俺の勃起したペニスは女物のパンティの上から完全に露出していて、歩く度にミニスカートの前を不自然に揺らした。



玄関ドアを開けて、こちらを振り向いた女のキャミワンピの隙間からは生の乳房が見えていて、女の部屋の明かりに照らされた股間には陰毛が透けて見えていた。



俺は微笑む女に抱きついていた。






「えっ!」






柔らかい体をした女は驚いて声を発した。






「静かにしろ!」






俺の男の声を聞いた女の体は硬直し、俺に押し倒される形で部屋の廊下に横たわった。






ドンッ!






女の部屋の玄関ドアが閉まる音がした。



俺が女の股間を触ると、生の女性器はすでに濡れていた。






「やめて!・・・やめてください・・・」






女が抵抗しながら俺の髪の毛を掴むと、俺のショートボブのウィッグが取れ、本来の姿が露出した。






「男?!」






俺の短い髪を見た女は事態を把握したようで、恐怖の表情を浮かべると震え始めた。






「この露出狂!男が欲しかったんだろ!」






俺は女の体に覆いかぶさりながら女の愛液で濡れた指を見せた。






「いや・・・違うの・・・」






「何が違うんだ!アソコを濡らしながら深夜を徘徊?立派な変態だろ!」






俺は自分のことを棚に上げて女を責め、自分のスカートを捲ってペニスを露出させた。






「えっ!ちょっと!やめて!あっ・・・いや・・・」






俺はペニスの先端を女のアソコに押し付けた。






グチョ!






女のアソコは本人の言葉とは裏腹に、すんなりと俺のペニスを咥え込んだ。






「簡単に入ったぞ!そんなに男が欲しかったのか?」






俺はわざと音が鳴るように腰を動かした。






グチョ、グチョ、グチョ・・・。






「やめて・・・音をさせないで・・・あっ・・・ダメ・・・いや・・・」






女は口では嫌がっていたが、本気の抵抗をしなくなっていた。



俺が女のワンピースを捲ると、女は背中を浮かせた。



女は抵抗を諦めたようだが、自分が感じているとは思われたくないようだ。



俺は女のワンピースを胸まで捲って乳房を露出させたが、全てを脱がさずにワンピースで顔を覆ってやった。



これで女は感じている表情を俺に見せなくて済むだろう。



やがて俺は絶頂を迎えたが、中に出すことはせず、女の腹の上に射精した。



そして冷静さを取り戻した俺は急いで女の部屋を出て、屋外階段を下りて自分の部屋に入った。






部屋に着いた俺は、自分のしたことを後悔した。



もし女が1人暮らしではなく中に男がいたら・・・。



俺は、ただでは済まなかった・・・。



いや、そもそも俺のしたことは犯罪だ・・・。



指紋が女の部屋に残ってる・・・。



と言うかウィッグを置いてきてしまった・・・。



それに精液は決定的な証拠になる・・・。






俺は外の様子が気になって眠ることが出来なかった。



しかし、翌朝になっても外は静かだった。



マンションに警察が来ている気配はなかった。



俺は男の格好で大学に出掛けたが全く勉強が手につかない・・・。



そして大学から戻ってもマンションには異変はなく、昨日のことが嘘のように感じた。






<続く>