私は性欲が強いので、男性とすれ違う時には必ず股間をチェックするようにしています。



そんな習性のおかげか、露出狂にはすぐ気付きます。



他の男子に聞くと、露出狂などまるで存在しない伝説の生き物かのようなリアクションをされますが、本当はぼちぼち遭遇しているんだと思います。



同性の股間に興味がなさ過ぎて気付かないだけで・・・。






というわけで8月の下旬、久々に大物を釣りました。



中野で買い物をした帰り、地元のレストランの前で細身のサラリーマンがニコニコしながら中を覗いていました。






(娘さんでもいるのかしら?)






微笑ましく思いつつ恒例の股間チェックをしてみたところ、スーツのチャックからにょっきりと、硬く屹立したモノが飛び出ていたのです。



飛び出ていただけでなく、男性はソレをしごいてもいました。



もしかしたら“しごく”という表現がよく分からないという方がいるかもしれないので6文字で簡潔に説明しますと、彼がしていたのは“野外オナ二ー”です。






当然、それは犯罪行為であり、現行犯逮捕されれば会社もクビになるでしょう。



だから、通称『女子の味方』なんて言われている私は、その場で即刻取り押さえておくべきだった・・・。



・・・と、今なら分かるのですが・・・。






正直、興奮しちゃったって言うか。



だってタイプだったんですもん。



リーマンですよ。



細身ですよ。



アラフォーですよ。






私の淫夢が具現化したような存在じゃないですか。



それがチンコ出してしごいてたんですよ~。



目の前で。



そりゃあ、興奮しちゃうでしょ~。






というわけで、気が付くと私は彼を追いかけていました。



もちろんロマンスを求めて・・・。






しかし彼は半笑いで迫って来る私に気付いた瞬間、チンコもろ出しのまま自転車に乗って逃げて行ってしまいました。



失恋です。



というか、またしてもでした。



実は去年のクリスマス、韓流アイドルのライブを観た帰りに、秋葉原のドンキで同じような露出狂に遭遇したことがありました。



そしてその時の彼も超タイプで、喜んで凝視していたら、逃げられてしまって・・・。



私はそれから1ヶ月くらい彼のことが忘れられず、犯罪者に惚れてしまった罪悪感と異常性欲との間で押し潰されそうになり、新年早々七福神巡りなんてしてしまったのでした。






逃げて行く彼の背中に、あの時の怒りと悲しみと下心がフラッシュバックします。






(ここで逃がしたら・・・一生後悔する!)






私は強い意志を持って、自転車のペダルを漕ぎ始めました。



性欲と正義感が半分半分になったお得パックが起爆剤です。



ところが掛かっているもの(社会的信用、日常生活、家庭など)が大きい彼の逃走速度は凄まじく、私のお得パックでは到底追いつけませんでした。



なので、一旦諦めて引き返し、再び元いたレストランに戻ってみると、なんとまたそこに彼がいて・・・相変わらずチンコをしごいていたではありませんか!



思わず私が、「あっ!!」と声をあげると、彼も「ムイッ」という声(?)を出し、また逃走。



当然、私も追いかけました。






それから長い長い追走劇が続きました。



いくら走っても縮まらない距離。



2人の速度は比例してどんどん速くなっていきます。



街の景色も変わっていく。



夜の闇に吸い込まれて行く。



ここはどこ?



そう思う暇もなく追いかける私。



逃げる彼。



時々振り返る彼に笑顔で返す私。



ますます逃げられる・・・。



そして彼がとうとう叫びました。






「な、なんだよ!?」






「なんだよ」と言われても困ります。



私は純粋に彼のオナニーを見ていたいだけだったから。



だけどだけど、「見せて!」とは言えない乙女心も分かって欲しい!



どうして男って、いくつになっても鈍感なんだろう?



まあ、そこが可愛いんだけど・・・。



ってダメダメ!



何やってるのよ!



あんたは聖夜に同じような男に傷付けられて、今後一切、公然わいせつは許さないって決めた女でしょ!



どうして同じ手に引っかかってるのさ!



目を覚ましな!






私の中で、2人の私がせめぎ合う。



本当のキャラはどっち?






私の心に迷いが出来たからだろうか。



ふと目を離した一瞬の隙に、彼を完全に見失ってしまいました。



すると次の瞬間、とんでもない虚無感が襲ってきて、プシューーーと空気が抜けたようになったまま、私はその場から動けなくなってしまった。



燃え尽き症候群だったのだろうか?



とにかく、(ああ、私は本当にあの人のオナ二ーが見たかったんだな)とだけ感じた。



そして、帰ろう・・・と思って、その前に警察に通報した。



警察の対応はとてもドライだった。