私はあるサークルで妻と知り合った。






妻は凄い美人と言う訳でも無く、特に目立つ存在では無かったが、笑顔が可愛くて清潔感があり、いつも皆よりも一歩下がって微笑んでいる様な大人しい性格に惹かれて交際を申し込んだ。



妻は既に29歳だったが、いざ付き合ってみると半年経ってもキスすら許さず、どこか性的に問題があるのかとさえ思った事もある。



その問題が、過去に酷い性的虐待を受けたか、以前付き合っていた男に暴力的なセックスを強いられて、精神的に受け付けない様になっているとすれば上手くやって行く自信など無かったが、妻に惚れてしまっていた私は更に半年付き合ってから結婚した。






すると意外にも初夜では拒む事無くスムーズに終わり、妻が処女だった事にも安心して今まで拒んでいた理由を聞くと、信じられない事に「結婚して、子供が欲しいからという目的があれば良いけれど、そうではなくて、ただ本能を曝け出すだけの行為は、恥ずかしくて出来なかった」と言う。



その後も私が誘えば拒否する事も無く、子供もすぐに出来たのだが、何年経っても妻はあくまでも受身で何もせず、私が覆い被さる体位以外は嫌がって受け付けない。



そのような妻は、他人からもセックスとは無縁に見えるらしく、家で友人達と飲んだ時に「子供が一人いるという事は、優子さんも、最低でも一回はセックスをした事になるよな」と、からかわれたほどだ。



確かに妻は、拒みはしないが好きな方では無かったと思う。



おそらく自分を全て曝け出す事が恥ずかしくて、楽しむどころでは無かったのだろう。



そんな妻が変わり始めたのは、35歳を過ぎた頃からだ。






その頃娘が自分の部屋で眠るようになった事も大きかった様だが、徐々に感じ方が激しくなり、言葉には出さないものの色気のある下着を着けるなどして、遠回しにではあるが妻からも誘って来るようになる。



おまけにどの様な体位も拒まなくなり、私もその様な妻の変化が嬉しくて、妻の要求には全て応えていたが、半年もして娘が小学校に上がった頃には、生理の時以外毎晩のように迫られるようになり、5歳上の私には流石に毎晩は応えられない。






「あのー・・・言い難いのだけれど・・・」



「夫婦じゃないか。何でも言ってみろよ」



「アダルト・・・ビデオを・・・」



「AV?」



「他のお母さん達が・・・最近のは凄いと話していて・・・最近のも何も、私は一度も見た事が無いから・・・」








早速借りてきて見せると、最初は恥ずかしそうに横目で見ていた妻も、次第に私の存在など目に入らなくなり、画面に釘付けになって瞬きもしないで見入っていた。



あの妻が、AVを見て呼吸を乱しているのを見て興奮し、次第にダビングされたビデオは増えていく。



その後いつの頃からか、妻はビデオを真似するようになり、今迄なら私も腰を使わないと物足りなかったフェラも、少しでも油断すると出されてしまいそうになるほど巧になった。



妻が上になった時も、今迄なら恥ずかしそうにじっとしているだけだったので私が下から突き上げていたが、ビデオを見るようになってからは自ら積極的に動くようになり、時にはスクワットをしているかのように、大きく股を開いて上下に激しく動く事もある。



私はその様な妻に満足していたが、妻の欲求はそれだけに止まらない。






「あんなのでされて、本当に気持ちいいのかな?あんなのを使われたら、どの様な感じなのだろう?」






ビデオを見ながらそう言う妻に「バイブを買ってやろうか?」と言うと、流石に「怖いから私には無理」と言ったが「じゃあローターを買ってやろうか?」と言う問い掛けには、恥ずかしそうに俯きながら「はい」と答えた。



小道具が1つ加わった事でセックスの巾が広がり、妻は以前にも増して快感を貪る様になって行ったが、妻の急激な変化に驚いてばかりいた私も、昼は淑女で夜は娼婦の様な妻を楽しんだ。



そんな妻にまた変化が訪れたのは、娘が2年生になった頃だ。



今度はセックスの回数が激減し、終いには私が誘っても「ごめんなさい。お仕事で疲れてしまって」と言って拒否するようになる。



仕事というのは、娘が小学生になったのを機会に、一年前からパートとして勤め出した縫製工場。



連日拒む妻に浮気を疑ってみたが、私には大胆になれても、未だに海水浴場でも水着になれない妻が、私以外に裸体を晒すなど考えられず、妻に限ってそれは無いと打ち消す。






逆に私は妻の体を心配し、一度医者に看てもらう様に勧めるが、妻はただの疲れだと言って行こうとしない。






「私はミシンを担当しているから、この様な事もあるらしいの。最初の頃は張り切っているし、慣れない仕事で緊張しているから逆に感じないらしいけれど、細かな仕事だから一年くらい経って慣れた頃に、根を詰めていた疲れが一度に出る事があるらしくて。大丈夫だから心配しないで。ありがとう」






しかしその後も拒否され続け、セックスレスの状態になってしまう。






「夫婦生活も出来ないほど疲れるのなら、そんな仕事は辞めてしまえ」



「ごめんなさい。ようやく慣れてきた仕事だから続けたいの。今日は大丈夫だから」






渋々妻は応じたが、いざ始まってしまうと以前よりも激しく乱れ、久し振りのセックスで興奮した私が今迄に無いほど責め続けると、我を忘れた妻は、最後に私を奈落の底に突き落とすような言葉を叫んで果てた。






「オメコ・・イク~!」






セックスに積極的になっていた時でも、妻がその様な言葉を口にした事は一度も無く、仮に以前見たビデオが浮かんで真似をしたとしても、持っているビデオに出て来るのはオマンコと言う呼び方だが、確かに妻はオメコと言った。



私は不信感でいっぱいになったが、妻はその様な言葉を口にした事すら覚えていない。



情けない事に、妻が浮気しているかも知れないと思っただけで、私は吐きそうになるほど動揺し、真実を知るのが怖くて自分の中で必★に打ち消して、妻の行動を調べる事すらせずに逃げていたが、私の気持ちなど知る由も無い娘に止めを刺される。






「お母さん。今日どこに行ったの?社長のおじちゃんと一緒に、黒くて大きな車に乗っていたよね」






娘は以前妻が忘れ物をした時に、一度職場に連れて行ってもらった事があり、その時社長からお菓子をもらったので顔を覚えていて、理科の授業で川に行った時、その社長が運転する車の助手席に妻が乗っていたのを見たと言う。



妻に疑いを持つ前なら、気にもしないで聞き流していたかも知れないが、私は新聞を読む振りをしながら、妻と娘の会話に聞き入っていた。






「えっ・・・ええ・・・社長のおじちゃんと・・内職さんの所へお仕事を置きに行ったの」






妻はミシンを担当しているのに、どうして社長と内職さんの所へ行かなければならないのか。



何より妻は明らかに焦っていて、言葉に詰まっていた事が気になる。






「お母さんは、見た事のないお洋服を着ていたよね?」



「何を言っているの。もうその話はいいから、早く食べてしまいなさい」






妻の服装の事は娘の見間違いかも知れないと思ったが、内職回りをするのに、高級車に乗っていた事も気になる。






「いつも社長自ら内職回りをするのか?大変だな」






私は新聞を見ながら、あえて妻がなぜ一緒に乗っていたのかは聞かずに尋ねた。






「えっ?・・・ええ・・・あなたも知っているように、会社と言っても小さな会社だから、係りの人が休んだ時は・・・」






私は2人の関係に疑問をもったが、他の従業員の目もあり、昼間から社長と不倫しているのは考え辛い。



仕事中に妻と社長が何時間かいなくなれば、当然他の者の噂になり、人前では大きな声すら出せない、他人の目を人一倍気にする妻には耐えられないだろう。






妻が社長と不倫していると仮定して考えてみた。



二人が昼間からホテルに行っている事は考えられず、そうかと言って5時30分には帰って来ている事は娘の話からも間違いないので、仕事が終ってから会っている事も考えられない。



仕事が忙しくなったので頼まれたと言って、2ヶ月前から土曜も仕事に行く様になったが、私が休みなのでいつもよりも早い4時には仕事を切り上げさせてもらって、4時30分迄には必ず帰って来る。



休みの日は買い物に行ったり、まれに娘の同級生のお母さん達と食事に行く事もあるが、ほとんど私といる事が多く、特別怪しい行動も無い。



そう考えると社長と浮気するどころか、他の男とも妻が浮気出来るような時間はない。



それからは多少気にはなったものの、妻とは20歳近く離れている社長に嫉妬し、妻を疑っている自分が情けなく思えた。



しかしそうは思っても、やはり心のどこかで疑っていたのかも知れない。



何故なら、以前よりも妻の行動を注意深く見るようになっていたから。



そして気が付いたのは、妻は必ず夜の9時にトイレに入る事だ。



それは何かの途中でも、例えトイレに5分前に入ったばかりでも変わらない。



私は忍び足でトイレに近付いて、悪趣味だと思いながらも聞き耳をたてた。






「・・・はい・・・主人とは・・・」






妻は誰かと話していたが、声が小さくて聞き取れない。



翌日はもう少し近付いたが、やはり消え入るような声で話していて、分かったのは全て敬語で話しているぐらいで、内容までは分からなかった。



不信感が増した私は、思い切って妻の職場に行ってみようと決心し、次の土曜日、娘を近所の同級生の家に預けて妻の勤め先に向かうと、驚いた事に静まり返っていて誰もいない。



私が呆然として立ち尽くしていると、その縫製工場の社名が入ったライトバンが止まり、降りてきた年配の男に声を掛けられた。






「何か用かい?」



「今日は休みなのですか?」



「今日はと言うか、何年も前から土曜はずっと休みだ」



「ずっと休み?最近忙しくなって、土曜も仕事になったとか」



「いや。どんどん仕事は減っていく。一時は男の社員が4人いて、パートさんも30人以上いたが、今では中国製の安いのに押されて、男は俺だけでパートさんも7人しかいない。内職などは80件も抱えていたが、今では10件だけだ」






これで妻が、社長と浮気する時間が出来てしまった。



時間が出来たと言うよりも、朝の9時から午後4時まで7時間もある。



その後も男は、暇になって土曜が休みになった理由を一生懸命聞かせてくれたが、私にはどうでも良い話だった。






「みんなは休みなのに内職回りですか。大変ですね」






早く話が終わって欲しくて、嫌な気分にしない様な言葉で話に割り込んだが、今度はその事について話し出す。






「俺は定年も過ぎているから、このぐらいの事はしないとクビになる。だからここ2年は俺だけ土曜も出て来ているし、一日も休んだ事が無い」



「土曜意外も休んだ事は無いですか?」



「だから、ここ2年は一度も休んだ事は無い」






また一つ妻の嘘が明らかになってしまった。






「ところで、あんたは何の用で?」






妻の事は言い難く、咄嗟に同業者だと嘘を吐いた。






「仕事が無くて、何か回して頂け無いかと思って」



「社長は自宅にいると思うが、無理だと思うぞ。うちも仕事が減って困っている状態だから」






駄目元で行ってみると言って、社長の自宅を聞き出して向かったが、近付くに連れて心臓の鼓動が早まる。



社長の自宅は古くて大きな一軒家で、苔の付いた古い門柱にチャイムのボタンが埋め込まれていたので押したが、壊れているのか返事が無い。



仕方なく勝手に門を入ると、黒い高級車の横に妻の軽四が止めてあった。






玄関のチャイムを押したが、やはり返事が無いので裏口に回ると洗濯物が乾してあり、その中の真っ赤なパンティーとブラジャーが目を惹く。






「はーい。どなたですか?」






その時表の方から、聞き覚えのある声がしたので玄関に戻ると、そこには見た事も無いミニのワンピースを着た妻が立っていたが、私の顔を見るなり絶句して震え出した。



妻の後ろ髪が少し乱れているのに気付いた時、絶望感から何も言えずにその場を立ち去ったが、どの道を通って家まで辿り着いたのかさえ覚えていない。



1時間経って、ようやく妻は帰って来たが、何も言わずに涙を流しながら正座する。






「泣いていては分からない。詳しく説明しろ」






得意先の一社が倒産して、ただでさえ減り続けていた仕事は激減し、一番新入りの妻は人員整理の対象になったが、その時社長から違う仕事を頼まれる。






「どうして隠していた!」



「隠すつもりは無かったです・・・ただ・・その様な仕事は駄目と言われそうで・・・いつかは話すつもりでした」



「俺に言えないような仕事とは、どの様な仕事をしていた」



「工場にはいかないけれど、新しい商品の生地や材料を選んで決めたり・・・他所の商品を見に行ったり雑誌を参考にしたりして、デザインを決めたり・・・他には掃除、洗濯、炊事などの家事一切を・・・」



「社長の奥さんは?」



「半年前に離婚されて、出て行かれたので・・・」






妻は離婚した奥さんの代わりをしていたようだが、そこには性欲処理も含まれていたのではないかと疑ってしまう。






「社長に子供は?」



「いません」






妻の話しだと社長は一人暮らしになるが、それでは洗濯物の中にあった、真っ赤なパンティーとブラジャーの説明がつかない。






「社長は女物の下着を穿くのか?」



「えっ?」



「真っ赤なパンティーが乾してあったぞ」



「それは・・・私には分かりません。私は脱衣籠の中の物を洗っているだけだから・・・帰ってからの事は分からないので・・・」






妻の話を信じたい気持ちは大きいが、余りにも不審な事が多すぎる。






「あの格好は何だ!若い時でも穿かなかったような短いスカートを穿いて」



「お客様も多いので・・・私の服装は趣味が悪いからと・・・制服のようなものだと言われて・・・」



「とにかく、嘘を吐かなければならないような仕事は今日で辞めろ。分かったな!」



「はい・・・ごめんなさい」






急なセックスレス。



嘘を吐いて仕事に行く。



トイレに隠れて携帯電話。



ミニスカート。



乾してあった真っ赤な下着。






何より私の質問に答えている時のおどおどした態度など、不審な点が多すぎて信用出来ないが、私は真実を知るのが怖くなり、それは娘のためでもあると言い聞かせて、このまま済まそうとしていた。



しかし昼間はどうにか持ち堪えられても、夜になると考えてしまう。



妻が真っ赤なパンティーを穿かされて、ミニのワンピースを着て掃除をしている。



それを離婚した、欲求不満な五十男が笑みを浮かべて見ている。



はたして見ているだけで済むのだろうか。






いや、済むはずが無い。






何よりあの妻が、何も関係の無い男の前であの様な格好をするはずが無い。



私は飛び起きて、眠っていた妻のパジャマを荒々しく剥ぎ取った。



妻は訳が分からずに驚いて抵抗したが、目が覚めてくると私のパジャマを剥ぎ取って、逆向きに覆い被さってきて、音を立てて激しくしゃぶる。



私も負けない様に口で妻を責め立てると、妻は狂った様に頭を上下させて応戦して来たが、先に我慢出来なくなったようで、咥えたまま動きを止めて唸り声を上げていたかと思うと、急に口を離して大きな声で叫んだ。






「ダメ・ダメ・・・イク・・・オメコ・・イク~!!」






妻に限ってと思いたいが、またオメコと叫んでいる妻を見ていると、やはりこのままでは済まされない。






月曜日の朝、妻は仕事を辞めてくると約束して私と一緒に家を出たが、胸騒ぎがしたので昼休みに家に電話してみると妻は出ない。



心配で仕事どころでは無い私は、体調不良を理由に会社を飛び出し、社長の家に向かうと悪い予感は的中し、妻の車が止まっていた。






「あなた!・・・」



「何をしている!それに、その格好は何だ!」






妻はこの前とは違うミニスカートを穿いていて、大きな網目の黒いタイツが目を惹く。






「私が着いてすぐに得意先の方がお見えになっていたので、その話は後でと言われて、お茶を出したり食事の用意をしたりして手伝っていました・・・お客さんが帰られたら、きちんと話しますから」



「一昨日で辞める約束だっただろ!信用出来ないから、俺が話す」



「ちゃんと私が」






その時騒ぎを聞き付けて、痩せていて背の高い男が出てきた。






「どうしました?」



「主人が・・・」






私はなぜか社長の事を、太っていて脂ぎった厳つい男だと思い込んでいたが、実際は歳を感じさせない、スマートで優しい顔をした男だった。






「丁度良かった。



私も一度お伺いして、ご主人と話がしたいと思っていました」






社長の言葉で妻の顔色が変わり、必★に私と社長が話すのをやめさせようとする。






「あなた。私がきちんと話しますから、今日は帰って。今はお客様もみえるので、お願いですから」



「私でしたら、商談は終ったので失礼しますから」






いつの間にか社長の後ろに立っていた、スーツ姿の30歳ぐらいの男は前に出てきて、急いで靴を履くと出て行った。






「お客さんは帰りましたから、優子さんも帰って頂いて結構ですよ」



「優子は先に家に帰れ!」






妻は涙目になっていたが、終いに涙が溢れ出し、バッグや着て来た服を抱えて飛び出して行った。






「奥様に別れた妻の代わりをさせてしまって、誠に申し訳ありません」



「その事は聞いている」



「いいえ、そうでは無いのです。お気付きだとは思いますが、妻の代わりにセックスの相手までして頂いています」






私はそこまでの関係であって欲しくないと願いつつ、その事を聞き出そうとして2人で話す決心をしたのだが、相手から先にあっさり認められてしまった事で困惑した。






「私が全面的に悪いです。どうぞ、殴るなり蹴るなり好きにして下さい」






社長は床に正座して目を閉じたが、動揺していた私は何も出来ない。






「そんな事をして何になる!どう責任をとるつもりだ!」



「申し上げ難いのですが、お金で解決させて頂くしか無いと思っています」



「金で済ませる気か?」



「他に、どのように?」






この男を★したいほど憎いが、私に人★しをする勇気も無く、また娘の将来に託けて、それ以外の方法は無いのかと考え込んでしまった。






「奥様に対しての責任も、きちんと取らせて頂きます」



「どの様に」



「はい。私の様な者とこの様な関係になってしまっては、ご主人も奥様を許せないと思います。ですから奥様の後の事は、私が責任を持って面倒をみさせて頂きます」






この男は丁寧な言葉で、私から妻を奪おうとしている。






「ふざけるな!俺は離婚などしない」






私は何の考えも策も持たずに話し合いに臨んだ事を悔やみ、家に帰ると妻は泣きじゃくっていて話しにならない。






「どうしてこうなった!」



「ごめんなさい。許して下さい」



「いつからの関係だ!」



「許して下さい」






娘が帰って来たので追求するのを中断し、夜になってからまた聞こうと思っていると、社長から話し合いに来ると電話が入るが、娘がいる所では話し辛く、私が夜出向く事になった。






社長はこの間に銀行へ行って来たらしく、お金の入った銀行の封筒と、同じ事が書かれた二枚の示談書を並べて置いた。






「百万入っています。そこにも書いてありますが、離婚される場合はあと4百万支払いますから、どうかこれで許して下さい」






知らない人が見れば、誠意を示しているように見えるだろうが、この男が妻を諦めていないのは分かっている。



示談書を見て社長の名字は楠木だと初めて知り、全てに目を通したが、やはり今後の事が記されていない。






「今後一切妻とは連絡も取らず、会わないという事を記載しろ」



「それは出来ません。連絡を取り合ったり、会うぐらいでは不貞行為にはならず、法律には触れないはずです。優子さんが嫌がれば別でしょうが、嫌がらない限りお付き合いは続けさせて頂きたい。もっとも優子さんから抱いて欲しいと言ってくれば、また慰謝料を払う事になろうとも私は拒みません。優子さんの為のお金なら、いくら使っても惜しくはありませんから」



「妻は、二度とあんたに会わない」



「どうですかね?何しろ、最初は優子さんから抱いて欲しいと誘って来たのですから。夫婦は勿論セックスだけではありません。ただセックスの相性も、夫婦としての大事な一部です。人によっては、それが全ての人もいる。優子さんは、今後も私に抱かれたいと思っているはずです」



「嘘を吐くな。妻から誘うはずが無い。おおかた最初は無理矢理・・・」



「人聞きの悪い事を言わないで下さい」






私が妻の浮気を疑い始めた時、3ヶ月前にあった慰安旅行も気にはなったが、その時は集合場所まで私が送って行き、年配のパートさん達と楽しそうにマイクロバスに乗り込む妻を見届けていたので、この時に関係を持つ事は有り得ないと思って外したが、楠木の話しによると、妻と最初に関係を持ったのはこの慰安旅行の夜だったと言う。



この時女性は7人で、ホテルだった為に女性用にツインの部屋を3部屋と、シングルの部屋を一部屋取り、妻だけが一人になった。



妻は宴会で飲み過ぎてしまい、部屋に帰って休んだ方が良いと忠告したが聞き入れずに、二次会にも参加したと言う。



すると更に酔ってしまって、自分の足では部屋まで帰れない状態になり、責任のある楠木が送って行くと部屋に入るなり服を脱ぎだして、下着姿で抱き付いてきて言ったそうだ。






「酔うとしたくなるの。お願い、抱いて。このままでは疼いてしまって眠れないの」






妻は楠木の前に跪くと、素早く取り出して口に含んで来たので、我慢出来なくなった楠木は、妻を立たせてベッドに押し倒してしまったと言う。



昼間の大人しい妻からは考えられないような、淫乱で激しい妻に放してもらえず、結局朝まで相手をさせられた。



旅行から帰ると罪悪感に苛まれたが、目が合う度に色っぽい目で誘ってくる妻を見ていると、あの夜の事が思い出されて誘惑に負けてしまい、2人で仕事を抜け出しては関係を続けてしまう。



自宅での仕事に切り替えたのは、ちょくちょく2人で抜け出していたので、他の従業員から怪しまれ出したからだそうだ。






「もう嘘は沢山だ!」



「嘘ではありません。その証拠に、最初は優子さんの方が積極的だったのですが、次第に私が優子さんの魅力にはまってしまい、可也色々な事をさせてしまいましたが、優子さんは喜んで応じてくれました」



「色々な事?妻に何をした!」



「別れた妻の代わりに、セックスもお世話になっていたと言いましたが、実は妻には頼めなかったような事もしてもらっていました。本当に色々な事を」



「だから何をした!」



「いくらご主人でも、優子さんが恥ずかしがるのでいえません。それだけは勘弁して下さい」






確かに妻は性に対して貪欲になっていたが、あの妻が進んで恥ずかしい行為をしていたとは、やはり私には信じ難い。






「優子さんが私から離れる事が出来れば諦めます。優子さんは私を選ぶと信じていますが」



「優子は二度とここには来ない。金輪際近づくな!」






妻が私よりこの男を選ぶなどとは考えられず、この男とは早く決着をつけて、妻と向き合おうと思って始末書にサインすると、慰謝料を掴んだ。






家に戻ると、妻に涙は無かった。






「優子から誘ったのか!」






当然否定すると思っていたが、妻は下を向いてしまって顔を上げない。






「・・・離婚して・・・」






あまりの事に、私は言葉に詰まった。



この妻が他の男に抱かれていた事だけでも、それは私にとってどの様な問題なのか理解出来ないでいるところに、私と別れたいと言い出したのだ。






「どう言う事だ!」



「・・・離婚して・・・社長が・・好き・・・」






更に私は、深い闇に包まれる。



私が“離婚”を口にすれば、妻は「離婚だけは許して」と言って縋り付くと勝手に思っていた。



だから“離婚”“別れる”“出て行け”は、妻に裏切られた惨めな私の武器だと思い込んでいた。



しかし、その武器を逆に使われて、私は何も言えなくなっている。






妻の体が他の男を欲しがっただけでも許せないが、心は私にあると疑いもしなかった。



妻が小さな声で言った「社長が好き」が、私の心に重く圧し掛かる。



怒りや寂しさが交差して眠れない私は、次第に何か釈然としないものを感じる様になっていた。



私はこの事が発覚する前の妻の様子を思い出していて、妻はまだ私を愛していると思った。



これは私の勝手な思い込みで、そう思いたいだけかも知れないが、多少の浮気心はあったにしても、私と別れるほど本気になっているとは到底思えない。



もしもそうだとすると、私が出て行ってから色々考えていて自棄になってしまったか、あるいは私が楠木の家を出てから家に着くまでの間に、楠木との間で何らかの話し合いがなされた可能性がある。



私が家を出る前の妻は絶えず縋る様な目で私を見ていたが、楠木の所から帰って来ると、焦点の定まらない、全てを諦めたような虚ろな眼に変わっていた。



それを思うと話し合いと言うよりも、楠木に電話で何か言われたのか。



言い換えれば楠木に脅された事になるのだろうが、浮気が発覚してしまった今、妻に脅されるような材料は見当たらない。



やはり妻は、私よりも楠木に惹かれているのか。






しかし楠木にしても、疑問の残る行動が目立つ。



妻に未練がある様な事を言う割に、すぐに慰謝料を払って早くこの事を終わらせようともしている。



何より、簡単に自ら体の関係を認めた事が気に入らない。



妻との深い関係を誇示して、私に妻を諦めさせようと思ったとも考えられるが、それでも体の関係を簡単に認め過ぎる。



景気の良い時ならまだしも、普通なら少しでも慰謝料を少なくしようとするか、出来れば払わずに済まそうとすると思うのだが、お金で済めば良しと思っている節がある。



やはり私が聞きもしないのに自分からすぐに認め、その日の内に慰謝料を用意した事が納得出来ない。



冷静に考えれば考えるほど、妻や楠木の考えている事が分からない。



私の思い違いかも知れないが、妻は不倫の事よりも知られたくない事があり、楠木は妻への愛情とは違う理由で、妻に執着している様に感じる。






翌日仕事が終ると、私の足は自然と楠木の会社に向かっていた。



すると、みんな帰ったはずの工場に明かりが点いていて、先日話をした年配の男が一人で裁断をしている。






「誰かと思ったら、あんたか。どうだった?駄目だっただろ?」






私は先日少し話しただけなのに、何故かこの無骨な男に親近感を抱いていて、騙していた事を謝ってから優子の夫である事を告げた。



すると男の態度が急に変わって、仕事をやめて後片付けを始める。






「一緒にご飯でも食べに行きませんか?」



「俺は仕事が終ってから、飯の前に一杯やるのが唯一の楽しみだから、外で飯は食わない。車で来ていて飲めないからな」






そう言って車のドアを開けたが、急に振り返って私を睨んだ。






「何を知りたくて俺に近付いたのかは知らんが、俺は何も言わないよ。仮にもここで世話になっている身だからな」






そう言って車に乗り込んだが、エンジンは掛けずにドアを開けたまま、独り言の様に呟いた。






「慰安旅行の酒は不味かった。この不況にあのケチが慰安旅行に連れて行ってやると言い出したから、珍しい事もあるものだと楽しみにしていたが、得意先を2人も連れて来て、何でもあいつら中心だ。あれでは従業員の慰安旅行ではなくて接待旅行だ。煙草まで買いに行かされて、俺は奴らの使いっ走りだし、パートさんはコンパニオンじゃ無いぞ。朝早くから酒を浴びて、バスに乗り込むなり触るは抱き付くはで、それだけならまだいいが、ホテルでは」






慰安旅行の後、妻は工場の方に来なくなり、その夫である私が二度も訪ねて来た事で、何を知りたいのか察したのだろう。



男は「ホテルでは」まで言うとエンジンを掛けて行ってしまったが、妻の事で何か知っていて、私にヒントをくれたのだと思った。






仕事量が減って苦しい。



慰安旅行に得意先の男が2人。



パートさんをコンパニオン扱い。



男2人の為の接待旅行。



その夜、楠木は妻を抱いた。



大事な接待の夜、楠木は自分だけ良い思いをするだろうか。



私の脳裏には、おぞましい光景が浮かんできて、帰るとすぐに妻に対して鎌を掛けた。






「慰安旅行では楠木だけでなく、得意先の人間にも抱かれたらしいな。それも2人に。楠木を入れると、一晩で3人の男の相手をしたのか」






妻は驚いた顔をして私を見た後、大きな涙が毀れるのと同時に、狂った様に叫び始めた。






「私は社長と浮気しました。社長に抱かれました。でも他の男なんて知らない。一度に何人もの男の相手なんてしていない。私は社長に抱かれただけ」






私は「一晩で」と言っただけで、一度に相手したとは言っていない。



私の脳裏に浮かんでいたのは、1人が終わるとまた1人と、順番に部屋に入って来て妻を犯していく男達の姿。



しかし妻の言葉から、笑いながら夜通し3人で妻を辱めている姿が浮かぶ。






「私は社長に抱かれただけ。そんな酷い事はされてない。私は、私は」






妻の取り乱し様は尋常では無く、それが妻の答えだった。






「落ち着け!」






私が強く抱き締めていると、妻は1時間近く狂った様に泣き続けた後、ようやく少し落ち着いて泣き止んだ。






「何を聞いても驚かないから教えてくれ。俺は優子に起こった事の全てが知りたい」






しかし妻は、ただ俯いているだけで反応が無い。






「俺と優子は夫婦だろ。一心同体の夫婦だろ」






妻はようやく顔を上げると私を見詰め、大きく頷いた後ぽつりぽつりと話し出した。



慰安旅行には従業員の他に2人の得意先も参加していたが、彼らは朝から楠木の家で酒を飲んでいたらしく、バスが走り出すとパートさん達の身体を触ったり、抱きついたりして上機嫌だった。



パートさん7人の内では妻が30代後半で一番若く、その上は40代後半が3人と50代が2人、あとの1人は60代だったので最初若い妻が標的になったが、妻は不快感を露にしたので尻込みし、バスの中では少し派手目の40代の2人が、主に犠牲になっていた。



しかし夜の宴会では妻に執ように絡んできて、何とか酒を飲ませて酔わそうとする。



妻は彼らが嫌で仕方なく、お酌をされても断って飲まず、酔った振りをして触ろうとすると、手をピシャリと叩いて睨み付けていた。



すると、その様子を見ていた楠木は、彼らがバスの中で標的にしていた40代の2人の横に移動した隙に妻の前にやって来て、妻に酌をしながら、会社にとって2人がどれだけ大事な人間か諭し始める。






「彼らを怒らせたら、うちは終わりだ」






それを聞いた妻は彼らが再び戻って来ると、先ほどの様には強く断われなくなっていた。



大人しくなった妻に気を良くした2人は、両横に座って身体を密着させながらお酌をし、手を握ってきたりお尻を触ったりしてくるが、社長が前に座って睨んでいては、愛想笑いをするしか無い。



その後も3人は妻から離れず、やがて宴会はお開きになって他の者が席を立ち始めても、両横には得意先の2人、前には楠木、後ろは壁の妻は立ち去れず、気が付くと宴会場には4人だけになっていた。



他の者がいなくなると彼らの行為は更に大胆になって、ホテルの従業員が側で後片付けをしていても気にもせずに、抱き付いてきて頬にキスをしたり、両側から乳房を掴んで揉んだりもした。



例え関係の無いホテルの従業員にでも、しらふの人間にこの様な惨めな姿を見られるのは数倍恥ずかしく、楠木が二次会を提案すると、この頃には強引に飲まされた酔いも回って来ていて正常な判断が出来なかった事もあり、妻は二次会に付き合う事を承諾してしまうばかりか、一刻も早くこの状態から逃げたい一心で「早く行きましょう」とまで言ってしまう。






しかし妻が連れて行かれたのはカラオケルームで、そこでの妻はほとんどホステス状態でお酌をさせられ、返杯に次ぐ返杯で3人相手に半強制的に飲まされ続けた。



妻一人に対して相手が3人では、妻の酔いだけがどんどん酷くなって行き、楠木が歌っている間、得意先の2人に両側から触られても、手を撥ね退ける力も弱くなって行く。



カラオケをしに来ているというのに、楠木が歌うか曲が流れているだけで、2人はもっぱら妻を触っているだけの状態だったが、妻が「触らないで」と言おうものなら「それなら酒ぐらい付き合え。楠木社長が二次会に行こうと言い出した時、俺達は気が進まなかったが、君が早く行こうと誘うから付き合ったんだぞ」と言われて酒を勧められる。






妻は弱い方ではないが、既に限界を越えていて「もう飲めません」と断わると、一人に後ろから羽交い絞めにされて、もう一人の男に口移しで飲まされた。



その様な行為が延々と続き、終いに妻は泣き出したが、2人はそれでも許さずに「泣いて場の雰囲気を壊した罰だ」と言って、動けない様に両側から押え付ける。



妻は全てのボタンを外されて、2人の手によって剥かれてしまい、下着だけの姿にされると「そろそろ、これも取ってしまおうか」とパンティーを引っ張られながら言われたので、妻は必★に押えながら許しを請う。



すると楠木が仲裁に入り「これ以上は駄目です。うちの従業員を、そんなに虐めないで下さいよ」と言ってくれたので、妻はこれで助かったと思ったが「その代わり、下着姿でダンスをお見せします」と言われて奈落の底に突き落とされる。






妻はブラジャーとパンティーだけの姿でテーブルの上に追い立てられ、身体を隠して座り込んでいると「早く立って踊らないと、裸にされてしまうぞ。曲に合わせて、適当に腰を振っていればいい」と楠木に耳打ちされる。



またパンティーを引っ張られた妻が、手を振り払って立ち上がると、楠木は前に出て歌い始め、2人の男は足元に座って見上げながら「もっと足を開け」「もっと厭らしく腰を振れ」と笑いながら冷やかし続けた。



妻は少し動いた事で更に酔いが回り、崩れ落ちると下にいた2人に抱きかかえられ、ブラジャーを外されてしまったが抵抗する力も無い。






その時、終了の時間を知らせるベルが鳴ったが、2人は妻の乳房に纏わりついて離れず、従業員が終わりの時間になった事を知らせに入って来た時は、妻は惨めな姿を見られた恥ずかしさよりも、これで助かったと安堵する。



妻は自力では歩けない状態で、両側から支えられてホテルの部屋まで戻り、朦朧とした意識の中ベッドに放り出されると、3人の男がまだいるにも関わらず、酷い睡魔に襲われた。



するとどこからか「脱いでしまった方が楽になるぞ」という声が聞こえて来た後、また誰かの手によって服を脱がされている様だったが、それが夢なのか現実なのかも分からない状態で、何の抵抗もせずに眠ってしまう。



そこからの記憶は途切れ途切れで、気が付くとパンティー一枚の姿で男の膝に座らされていて、オッパイを揉まれながらキスをされていた。



また意識が遠退いた後気が付くと、今度は全裸にされていて、先ほどとは違う男がオッパイに吸い付いている。



下に目をやると、これ以上広がらないというほど大きく脚を開かれていて、もう一人の男が腹這いになって覗き込んでいたが、力無く「やめて」と言うのが精一杯で、身体が鉛の様に重くて自分では脚を閉じる事も出来なかった。



次に息苦しさで気が付いた時には、口には硬くなったオチンチンが入れられていて、下ではもう一人の男が最も感じる突起に吸い付いていたと言う。



私は妻の惨めな気持ちを思い、これ以上聞くのを躊躇った。






「どうして言わなかった?それが本当なら犯罪だ」






妻は激しく首を振る。






「感じてしまったの。私、感じてしまったの」






妻がこの様な目に合った事自体信じられない思いだったが、その後妻の口から更に信じられない言葉が飛び出した。






「これは強姦ではなくて和姦だと言われました。私が喜んでいる証拠のビデオもあると」






楠木は昼間旅行の様子を撮っていたビデオカメラを持って来て、妻の痴態を撮影していたらしい。



私はこれまで妻の浮気を疑っていても、間違いであって欲しいと願うだけで、どこかで気持ちが逃げていた。



浮気が確定した時は、これ以上関係を続けて欲しくないと願っていただけで、この様な事から早く逃げたいとさえ思った。



心の中のどこかで、私さえ我慢すれば元の生活に戻れると、安易に考えていたのかも知れない。



しかし今の私は、三人の男に対して★意を覚えている。



3人の男に対する怒りで狂いそうだった。






この様な場合、強制猥褻や強姦を証明するのは簡単では無いだろう。



ビデオの件もそうだが、訴えもせずにその後も妻自ら楠木の家に通って関係を続けていては尚更不利だ。



誰も証人のいない密室での出来事で、妻には一切怪我も無く、無理やりかどうかは水掛け論になる。



訴え出ても、おそらく判決までは数年掛かり、その間妻は好奇の目に晒される。



好奇の目に晒されるのは妻だけではなく、私や娘も同じ事だろう。



仮に勝訴したとしても、妻が3人の男に辱められた事実は消えず、世間にとってこれ程面白い話題は無く、被告よりも特別な目で見られ続ける事は間違い無い。



ましてや証拠不十分で敗訴にでもなったら、妻は一度に複数の男に抱かれて喜んでいた、淫乱な女だというレッテルを貼られる事になる。



世間の人がこれを聞けば、恐らくほとんどの人が、許すな、告訴しろと言うだろうが、その世間が同情を装いながら後ろ指を指す。



男の私でもそう思うくらいだから、女の妻が訴えずに隠そうとした気持ちは頷ける。






ただ疑問に思う事が無い訳では無い。



私は妻がこの様な目に合っていた事を、微塵も感じ取れなかった。



私が鈍感なだけかも知れないが、セックスを拒否されてようやく浮気を疑っただけで、妻が特別落ち込んでいた様子も無かったような気がする。



逆を言うと、それだけ妻は惨めな自分を知られない様に、隠す事に必★だったのかも知れ無いが、それでもどこかに辛さや惨めさが現れても不思議では無い。



そう考えると、最初は酔わされて無理やりされたのが事実であっても、その後は妻も、嫌がりながらも喜びを感じてしまったのかも知れないと疑ってしまう。



妻の話が全て本当だとすると、この様な事を考えてしまう事自体、妻を酷く侮辱している事になるが、私はその疑問を拭い去る為に、全てを知りたくて妻に辛い質問を再開した。






「辛いだろうが、全てを教えてくれ。その後どうなった?その後、楠木に抱かれたのだな」






妻の酔いは徐々に醒めてきたが時既に遅く、獣の格好にさせられて一人に後ろから入れられている状態で、もう一人には口を汚されていたと言う。



2人は妻の身体を散々弄び、ようやく満足して自分達の部屋に帰って行ったが、今度は残った楠木にバスルームに連れて行かれ、指で開かれて中までシャワーを浴びせられる。



2人の男に責め貫かれ、上下の口を同時に汚されるという常識では考えられないような行為をされた妻は、ベッドに連れて行かれて身体を開かれても、ショックから立ち直れずに抵抗する気力さえ失っていて、心の無い人形のようにベッドに身を横たえて、楠木にされるままの状態だった。



しかしそんな妻も女の性からは逃れられずに、夜が明ける頃には自ら楠木の背中に手を回していたと言う。






他の者が起き出さない内に部屋に戻ろうとする楠木に「この事が知れれば、恥を掻くのは優子だ。何しろ、一晩中あんな恥ずかしい声を上げ続けていたのだから」と言われた妻は、旅行中は他の者に知られない様に、眠気を隠して何事も無かった様に振る舞うのがやっとで、家に帰ると今度は私に知られないように、平静を装うのに必★だった。






「確か旅行に行く前は、優子達だけツインに3人だから、一番若い優子がエキストラベッドになると言っていなかったか?」



「女性は奇数なので、私達一組だけは3人部屋になると聞いていました。でもホテルに着くと、エキストラベッドでは可哀想だからと、女性用にツインが3部屋とダブルの部屋が用意されていて、部屋割りを見ると私一人がダブルの部屋になっていて・・・」






これは酔った勢いで起こった事ではなく、最初から仕組まれていたのだと思った。






「得意先の2人とは誰だ?」



「一人は50代半ばぐらいの問屋の社長で、池田社長と呼ばれていました。もう一人は30歳前後の若い社員で、量販店をいくつも抱えている大きな問屋の跡取りだと聞いています。社長は若と呼んでいましたが、名前は確か遠藤だったと・・・」






若い方の男は、昨日楠木の家から逃げるように出て行った、スーツ姿の男だと直感した。






「もしかして、昨日楠木の家に来ていた男か?」






妻は小さく頷いた。






「この様な事をされたのに、どうして仕事を辞めなかった?」



「あの夜の私の行動を不信に思った人もいて、あのまま辞めて私がいなくなれば、余計疑われて噂になってしまい、いつかあなたの耳に入ると・・・。それに一番年上のパートさんは、有希の同級生のお婆ちゃんで・・・だから・・・噂になれば有希の同級生のお母さん達にもいつか知られて・・・。とにかく、あそこから離れるのが不安で怖かった」



「それにしても、あそこには優子に酷い事をした楠木がいるのだぞ。その話が本当なら、二度と顔を見たくないだろ。会うのが怖いだろ」



「怖かったです。でも社長には逆に、お互いに酔っていたから、夢を見たと思って忘れろと言われて・・・」






しかし妻の判断は間違っていて、最悪の方向に進んで行く。



数日が経ち、仕事が終って帰ろうとした時に楠木に呼び止められて「旅行中に撮ったビデオの鑑賞会をするから、明日はここではなくて自宅に来い」と言われる。



危険を感じた妻が断わると「俺達だけでは寂しいから、それなら誰か他の者を呼ぼう。井上がいいかな」と妻が一番知られたく無い、娘の同級生の祖母の名を出す。






翌日仕方なく家に行って、楠木に案内された部屋のドアを開けると、案の定あの2人がいたので、妻はドアの所に立ったまま中には入れない。



そこから画面を見ると、観光地での様子などが映っていて「心配しなくても、今日は誰も酔ってはいない。みて見ろ。ただのビデオ鑑賞会だ」と楠木に後ろから押される。



妻は2人から離れた所に座ったが、心配でビデオを見るどころではなかった。



すると急に2人から歓声が上がり、画面を見ると今までとは違い、下着姿でベッドに横たわる、自分の姿が映し出されていた。






妻は立ち上がって部屋を出ようとしたが、ドアの近くに立っていた楠木に腕を掴まれる。



すると座っていた2人が立ち上がって近付いて来たので、妻の脳裏にあの夜の恐怖が甦り、何とか逃げ出そうと激しく抵抗したが、男3人の力には勝てるはずも無く、無理やりテレビの前に連れて行かれると2人に押え付けられ、残った一人に髪を掴まれて、無理やり自分が辱められている映像を見せられた。



その日を境に、妻は楠木の自宅に勤めるようになり、毎日の様に3人の内の誰かに抱かれ、それは2人同時の時もあり、時には3人に責められる事もあった。



楠木は妻に「ここにいる時は旦那や子供の事は忘れて、全く違う人間になってサービスする事に専念しろ」と言って、妻が着た事も無い様な服を買い与え、下着までも派手な物に着替えさせるようになる。






「どうして俺とのセックスを拒んだ」






妻の表情が険しくなった。






「それは・・・」



「それは何だ!」



「言えない・・・許して」






3人に弄ばれていた事まで話した妻が、言えないと言って黙ってしまった事で、まだこれ以上の事があるのかと怖くなる。






「全てを正直に話してくれ。そうでないと、俺は一生優子の事で要らぬ想像をして、苦しみながら暮らさなければならない」



「その頃から・・・縛られる様になって・・・」






初めて縛られて辱められた日、妻は何とかこの様な行為から逃れたくて、特に痕は残っていなかったが「こんな事をされたら痕が残ってしまって、夫にばれてしまいます。こんな事はやめて下さい」と抗議した。



するとそれが逆効果になってしまい「痕が残らないように、軟らかい専用の縄をわざわざ買って来て使ってやっているのに、それでも痕が残るから嫌だと言うのなら、今日から旦那とのセックスを禁止する。それならばれる心配も無いだろ」と言われ、毎晩9時丁度に電話を入れる事を義務づけられる。






「トイレで電話していたのがそれか?毎晩、何を話していた?」



「今夜も主人には・・・絶対に抱かれませんと・・・誓わされて・・・」






妻は何度も行くのをやめようと思ったが、その後も撮られていたビデオの存在が決心を鈍らせた。






「毎回ビデオに撮られていたのか?」



「いいえ・・・旅行の時を入れて・・・4度ほど・・・」



「そのビデオで脅されていたのか?」



「脅す事はしませんでした。でも・・・冗談の様に言う事があって」






楠木は汚い奴で、はっきりと脅す事はしなかったが、冗談の様に「このビデオを見て、ウンチもしないような顔をして澄ましている優子がこんな凄い事をしていると知ったら、さぞかしみんな驚くぞ。他の者には見せないが」と言ったりして脅す。



しかし妻に二の足を踏ませていたのはそれだけではなく、楠木に対する恐怖心だった。



旅行から帰ってから最初に弄ばれた日、終わってから涙が止まらない妻に楠木は、奥さんとの本当の離婚理由を明かす。






「2人に抱かれたぐらいで、怒って出て行きやがった。この不況に、少しは協力すれば良いものを、本当に勝手な奴だ」






楠木は再婚で奥さんは若く、妻よりも少し年下だったと言う。



楠木の会社は主に3社を相手に商売していたが、その内の1社が倒産し、ただでさえ中国製品に押されて困っていた楠木は、残った2社からの注文を増やそうと考えた接待が、自分の妻を抱かせる事だった。



これだと同じ秘密を持つ事で離れられなくなり、同じ女を共有する事で親近感も増して、より親しくなれると考えたのだ。



楠木は2人を家に呼び、自分は用を作って外出して、2人に奥さんを襲わせた。



しかし、当然奥さんは怒って2人を訴えると言い出して聞かないので、今度は自分の目の前で襲わせて、2人に辱められている奥さんに向かって「これは俺の性癖で、夫婦のプレーの一環だから、訴えても俺が証言するから無駄だ」と言ったそうだ。



奥さんの金遣いの荒さが原因で離婚したと聞いていた妻は驚くと同時に、楠木に対しての恐怖心を植え付けられてしまう。






「あの男が来ていたと言う事は、昨日も・・・」



「ごめんなさい。着いてすぐに玄関で、今後ここには二度と来ないと言ったら、最後に二人に抱かれてくれれば、これで最後だと相手を納得させられるのでビデオも処分すると言われて・・・1人は忙しくて急には来られなかったけれど・・・あの男に・・・」



「本当にそれで、縁を切ってもらえると思ったのか?」






妻は俯いてしまう。



考えながらではなくて淡々と話す妻を見ていて、話している内容に嘘は無いと感じた。



しかし、その淡々と話す姿に、何かズッキリしない物を感じてしまう。



最初こそ泣いて取り乱したが、それは惨めな自分を私に知られるのが耐えられなかった涙だろう。



これだけ辛い体験なのに、その後は泣きもしないで話す妻。






最初の頃は恥ずかしく辛い事だったかも知れないが、妻自身ずっと辛かったと思い込んでいるだけで、本当は徐々に辛い出来事ではなくなっていたのかも知れない。



言い換えれば、辛く苦しい中にも、喜びを見出したのでは無いだろうか。



この先どうなるか分からない不安の中、辛さを快感に変える術を見付けたのでは無いだろうか。



そうでなければ3ヶ月もの間、毎日の様にこれだけの辛い思いをしていれば、精神的にそう強くも無い妻は、多少精神に異常を来たしていても不思議では無い。



今も話しながら辛くて惨めな自分を思い出しているはずで、泣きじゃくって取り乱しても不思議では無い。






しかし妻は、泣きもしないで淡々と話す。



自分が壊れてしまわない様に、苦しみを少しでも喜びに変えられる様な機能が妻にあるとすれば。



苦痛を少しでも快感に変えられる様な機能が妻にあるとすれば。



自分を守る為に、その様な機能が備わっている人間がいるとすれば、妻は正しくその様な人間だったのでは無いだろうか。



気持ちではどんなに拒否して嫌がっていても、それ以上に身体が喜んでしまっていた事が、妻に訴える事を躊躇させ、苦しみながらも気が付くと楠木の家に足を運ばせていたのかも知れない。



私は楠木が撮ったという、ビデオを見てみたくなった。






翌朝、私は楠木の家に向かった。



暗い夜に考えているのと違い、明るい朝では割と冷静になれたつもりだったが、楠木の顔を見た瞬間手が出てしまう。



私が人を殴ったのは初めてかも知れない。



幼い頃に取っ組み合いの喧嘩をした事はあるが、殴った事は無い様な気がする。



私はボクシングを見るのが好きで、パンチはどの様に打つか頭の中では分かっていたが、やはり理論と実践とでは大違いで、腕の振りは大きく、おまけに最初から力が入ってしまっていて遅い。



それでも楠木の頬にヒットしたという事は、楠木もこの様な事には慣れていないのだろう。






「何をする!」



「それは自分の胸に聞け!」






妻が全て話した事を言うと、楠木は殴られた事よりも驚いたようだ。



おそらく、妻は恥ずかしくて絶対に話せないと思っていたのだろう。






「そんなものは、優子が自分を守りたくて言った、作り話だ。あれは犯罪でも何でも無い。優子も納得して喜んでした事だ。でもこれは違う。暴力は立派な犯罪だ。警察を呼んでやる」






楠木が携帯を取り出すと、流石に私は焦っていた。



なぜなら、妻に3人を訴えさせる事は考えていなかったが、警察沙汰になれば妻の事を話さなければならない。



そして私の罪を軽くする為に、訴えることになるだろう。



そうなれば考えていたように、好奇の目に晒されて被害を受けるのは妻であり、私や娘なのだ。






「呼ぶなら呼べ。こちらも訴えてやる」






訴える気は無かったが、このままでは引けずに強気に出てそう言うと、楠木は手を止めて薄ら笑いを浮かべた。






「どうぞ、訴えてくれ。世間に優子が淫乱だと知れるだけで、私は痛くも痒くも無い」






楠木は余程自信があるのだろう。



妻の話が嘘で無ければ、それだけ用意周到に練られた計画であった事を意味していた。






「優子は喜んで抱かれていたのだから、その様な訴えが通るはずは無い。私が人妻を抱いたのは事実だが、その事が世間に知れても、妻も子供も親兄弟もいない、守るものなど何も無い私にはどうでも良い事だ。そもそも、その事は慰謝料を払って決着している」






確かに守る家族もない楠木は、私よりも強い立場かも知れない。



楠木が手に持っていた携帯を開いた時、私は苦し紛れに2人の名前を出した。






「池田と遠藤も同じ考えか?」






すると楠木の表情は一瞬で強張り、今迄とは違って落ち着きが無い。






「あの2人は関係ない。私が優子に接待を頼んだだけだ。あの2人は優子の接待を受けただけだ」



「接待?無理やり酒を飲ませて卑猥な事をさせ、意識がなくなったところを3人で嬲り者にしたのが接待だと!」



「だから、そんな事はしていない。この事は、優子も旅行前から納得していた。いや、納得したと言うよりも楽しみにしていた。それでもいざとなると少しは罪悪感が出て来たのか、自分から浴びるほど飲んで酔っただけで、これは全て合意の上だ。あんたにばれたので優子は自分を守る為に、苦し紛れにそう言って逃げただけだ」






楠木の顔からは余裕が消えて動揺しているのが分かったが、守るものがない楠木が、得意先2人の事でそこまで動揺する訳が分からない。



2人を怒らせて仕事が減っては、食べていくのに困るのは分かるが、二人の事でそこまで動揺するほど今の仕事に愛着があるとも思えず、そこまで仕事熱心な男だとも感じられない。



ただ訳は分からなくても、楠木の弱点は池田と遠藤である事が分かった私は、ここに来た目的を達成させる為に、2人を交渉の道具に使おうと決めた。






「お前の話だけでは信用出来ない。今から池田と遠藤に会ってくる」



「あの2人は関係ない」



「そうは行かない。今から会社に怒鳴り込んでやる」






私が立ち上がると、楠木も慌てて立ち上がった。






「優子も喜んでいたという、証拠のビデオがある。それを見ればあんたも納得するはずだ」



「お前がビデオの事を話したから、俺も本当の事を話そう。俺が今日ここに来た本当の目的は、そのビデオを取り戻す為だった。仮に勝訴しても俺達夫婦は世間から笑われる。だからこの様な事は早く忘れたいと思ったが、妻からビデオの存在を聞いて、そんな物をも持たれていては、忘れる事など出来ないと思った」






私はわざと弱気なところを見せた。






「それならビデオを渡すから、今日のところは帰ってくれ」






案の定楠木は、ビデオを渡せば全て形がつくと思ったようだ。






「しかし、ここに来てお前の顔を見たら、自分はどうなっても良いから、お前達を潰したくなった」






今度は少し強気の事を言うと、楠木は小走りで部屋を出てビデオテープを持って来たが、それは3本だけだった。






「妻の話しだと、もう1本あるはずだ」



「確かにあるが、大事な証拠のビデオを全て渡す事は出来ない」






私は妻がどの様な事をされて、どの様な反応を示したのか知りたい気持ちもあったが、それよりも楠木が妻の恥ずかしいビデオを保管している事が嫌だった。






「お前はやはりそう言う男だった。交渉決裂だ。こうなったら名誉毀損も糞も無い。今から池田と遠藤の会社に怒鳴り込んでやる。刑事で訴えてお前が言う様に駄目だった場合、不貞行為の民事で裁判にしてやる。お前に弱味が無いのなら、先ずはあいつらを潰してやる。刺し違えてでも、必ず潰してやる」






楠木は、私が2人の所には行かない事を条件に、ビデオを全て渡すと言い出した。






「よく考えれば、俺達が無理やり犯したという証拠も無い。優子が自分の意思で、喜んで抱かれに来ていたのだから、その様な証拠があるはずも無い」



「ビデオを見て、どのビデオでも妻が本当に喜んでいたら、諦めて離婚する」






私がビデオを取り返したい一心で、更に口から出任せを言って安心させると、楠木は信じたのか声を出して笑い出す。






「それならビデオを渡してやろう。あれを見たら離婚は確実だから、ビデオは離婚してから、またゆっくりと撮ればいい」






妻が私と別れれば、妻はまたここに来ると思っている。



妻はそれほど喜んでいたのだろうか。



私はダビングして何本も持っていないか確かめる為に、ビデオを取りに行く楠木の後をついて行った。






妻は私がビデオを持って帰って来た事を知ると、私の手から奪おうとして掴み掛かって来た。






「返して!これは見ないで!お願い、返して!」






私が無言で妻を突き飛ばし、①とだけ書かれたテープをデッキに入れると、妻は泣きながら部屋を飛び出して行ったが、画面の中ではその妻が下着姿で横たわっている。



すると池田だと思しき男がパンツ一枚の姿で登場し、妻を抱き起こしてキスをしながら、ブラジャーを外して優しく乳房を揉み始めた。






池田「人妻らしい、ムチムチとした身体が堪らんな。白い身体に、この黒い乳首がまた厭らしい。さあ、ここはスペシャリストにお願いしようか」



楠木「何ですか?そのスペシャリストと言うのは?」






池田が妻をそっと寝かせて離れると、やはりパンツ一枚になった遠藤がベッドに上がって、いきなり乳房に吸い付いた。






池田「遠藤君はオッパイフェチらしい。楠木社長は見ていなかったが、最初に圭子さんを抱いた時、延々とオッパイを吸ったり揉んだりして、圭子さんを大人しくさせてしまった」






圭子さんとは、楠木の別れた奥さんのようだ。



その後どれほどこの状態が続いたのか分からないが、画面では池田が全裸になっていて、突き出たお腹の下では、短いが黒くて太いオチンチンを既に勃起させていた。






池田「楠木社長。ここを撮ってくれ」






池田の指差す妻の股間がアップになると、そこでは薄い布が濡れて張り付き、妻の形を露にしていた。






池田「好きこそ物の上手なれか。意識が朦朧としているのに、遠藤君にオッパイを責められただけで、こんなに濡らしてしまっている」



楠木「池田社長。そろそろ御開帳と行きませんか?」



池田「そうだな。さて、優子奥様はどんなオメコをしているのかな?優子奥さん、こんなに濡らしていては気持ち悪かっただろ?私が脱がしてやろうな」






池田はパンティーを抜き取ると、妻の脚を大きく開いてその間にうつ伏せになり、顔を近付けて覗き込んでいる。






「や・め・て」






その時妻の弱々しい声が聞こえた。






池田「気が付いたか?」






妻の顔がアップで映ったが、目は開けていても焦点は定まらない。






池田「そうでなくては面白くない。よし、そろそろ一度楽にしてあげような」






しかし妻は、依然焦点の定まらない目で、ただぼんやりと上を見ていた。






池田「返事はどうした?こんなに濡らしているくらいだから、このままでは辛いだろ。早く楽にして欲しいだろ?」






妻はゆっくりと頷いてしまったが、朦朧とした意識の中、楽にしてやるという言葉しか頭に入らず、その意味など考える事が出来なかったのだろう。






池田「そうか、そうか。それなら、使用前使用後じゃないが、その前にこの厭らしいオメコを撮ってもらおう。遠藤君、手を貸してくれ」






2人が両側から脚を持ち上げ、胸に着くほど折り曲げて、更にそれを左右に大きく開いた為に、濡れていた妻のそれは少し口を開いてしまった。






池田「ほー。なんて厭らしいオメコなんだ。早くも口を開いて、催促しているぞ」



楠木「奥まで撮れる様に、指でマンコをもっと開いてもらえませんか?」



遠藤「外観はポッテリとしていて厭らしいのに、オマンコの中は綺麗ですね」






3人の会話から、妻に“オメコ”と言わせていたのは池田だと分かった。






池田「もう我慢出来ん」






妻の脚を下ろして大きく開き、その間に腹這いになった池田が、妻が出した液体を吸い取る様に音をたてて舐め始めると、遠藤もまた乳房に吸い付いた。






「ウーン・・・ウン・・ウン」






その時、妻の口から篭った声が漏れる。



すると池田は口を離し、遠藤の反対側に座って今まで吸い続けていた所を人差し指でそっと擦りながら、妻の顔を覗き込んだ。






池田「気持ちいいのか?何処が気持ちいい?ここか?」






「ウッ・ウッ・ウー・・・ウッ」






池田「それともここか?」






「アア~~~」






池田「教えてくれないと、分からないぞ。オメコを触って欲しいのか?」






「アッ・・ウーン・・ウーン」






池田「それとも、この顔を出したオサネか?」






「ア~~・・アーン・・・アッア~~」






声のトーンで分かっているはずの池田は、それでも妻を甚振り続ける。






池田「オマンコか?それともオサネか?」






「アッ・アッ・アッ・アッ・アッ」






妻が登り詰め様としているのが分かる。



こんなに早くと思ったが、ビデオでは所々切られていて全てを写されている訳では無いので、可也の時間責められていたのかも知れない。



いや、本当はカラオケボックスで辱められた時から、嫌だと思いながらも既に感じてしまっていて、身体に火が点いてしまっていた事も考えられる。






池田「そうか。両方嫌か」






池田は意地悪く、指の動きを止めてしまう。



すると妻の腰は、動かない指にオマンコを擦り付けるような動きを始めた。






池田「ハッハッハッ。みんな見てみろ。裕子奥様の腰が、はしたなく動き出したぞ」






3人の笑い声が響き渡る。



いくら酔っていて羞恥心が薄れているとは言っても、私には信じられない光景だった。






まだ少し朦朧としているとゆえども、意識が徐々に戻ってきている妻が、3人の男に見られながら、厭らしく腰を動かしている事が信じられなかった。



そもそも、人前で水着になる事も恥ずかしくて出来ない妻が、3人の男の前に裸体を投げ出している事自体、信じられない光景だった。






池田「優子奥様のオメコ汁で、指がビショビショだ」






その部分がアップになると、シーツには染みが広がっていて、池田の指に着いた液体は、妻が激しく擦り着けているせいで白濁している。



この時には遠藤も乳房を責めるのをやめてしまい、厭らしく動く妻の腰を、ただじっと見ていた。






「アッ・アッ・アッ・アッ・イヤ・イヤ・イヤ」






池田「我慢しなくてもいいぞ。一度気を遣って楽になりなさい」






「イヤ・イヤ・イヤ・アア~~~~」






妻は3人に見られながら、それも動かぬ指に自ら擦り付けて達してしまった。






遠藤「もう我慢出来ない。上を使いますよ」






そう言って急いでパンツを脱ぐと、先だけが顔を出した、細くて長いオチンチンが勢いよく飛び出す。



遠藤は妻の顔の横に座ると、大きな息をしている妻の手を取って、上から包むように自分の手を添えると、わざわざ妻の手を使って包皮をずり下げる。



するとピンクに近い鬼頭全体が顔を出し、それを妻の口に押し付けて、顎を掴んで口を開けさせた。






「ウグ・・ウグ・・ウー・・・ウー」






池田「昼間逆らった罰に、休憩はなしですよ」






池田はまた妻の脚の間に寝転ぶと、わざと大きな音をたてて舐め始める。






遠藤「舌を使え。舌を動かさないか」






妻にわざわざ包皮を剥かせた事もそうだが、動かない妻に焦れて、顔に覆い被さる形で腰を使い出した遠藤を見ていると、この男の異常さに怖さを感じる。






池田「そろそろ優子奥様の、オメコの具合を確かめさせてもらおうか」






池田は起き上がると黒い物を妻のオマンコに当て、感触を確かめるようにゆっくりと腰を進める。






楠木「池田社長。優子の具合はどうです?」



池田「可也いい道具を持っているぞ。入れているだけで、グイグイ締め付けて来る」



楠木「圭子とは違い、おそらく優子にとって社長は2人目の男ですよ」



池田「そうか。旦那以外、男を知らないか。私が人生2人目の男か。それなら旦那だけが男では無い事を教えてやらないと」






池田は感激したのか、急に激しく動き出す。



今見ているのは、妻が辱められているビデオだと分かっていても、そう思って見ると余りにも惨めなので、知らぬ内に妻とは別人の女を見ている様な感覚で見ていた。



しかしこの言葉で、嫌でも私の妻だと実感させられる。



私しか知らない私だけの妻が、私だけの女で無くなった事を思い知らされる。



妻の中に私以外の男が入るとは、どの様な事なのか分からない。



その男の形がつく訳ではなく、汚されれば洗えばいい。



しかし単に入っただけでは無く、もっと深い意味が有る事は、この悔しさが証明していた。






楠木「そのまま出さないで下さいよ。妊娠だけは困りますから」



池田「そうだな。しかし気持ち良過ぎて、ここから出る決心が着かない」






画面に楠木の手だけが移り、そこにはコンドームが握られていた。






池田「仕方ないか」






池田はコンドームを受け取って、名残惜しそうにゆっくりと抜き去る。



当然妻は安堵の表情を見せると思ったが、私の期待はあっさりと裏切られ、妻は顔を激しく左右に振って遠藤のオチンチンを吐き出すと、大きな声で叫んだ。






「イヤ~」






池田「そうか。そうか。優子奥様も待たされるのは嫌か。あのままして欲しかったか」



遠藤「こら!ちゃんと咥えていないか!」



池田「遠藤君、その体勢は辛いだろ。今の内に四つん這いにさせたらどうだ?」



遠藤「そうですね。その方が私も楽です」






遠藤は妻をうつ伏せにして、軽く何度もお尻を叩く。






遠藤「はい、ケツを上げろ。もっとだ。もっと高く上げないか」






妻がお尻だけを突き上げた惨めなかっこうになると、遠藤は顔の前に硬く上を向いたオチンチンが来る様に、妻の下に滑り込む。






遠藤「早く咥えろ」






しかし妻は動かない。



その時コンドームを着け終えた池田が妻の後ろに膝立ちになり、焦らす様に手で持って妻に擦り付ける。






池田「早く楽になりたいだろ?それなら遠藤君の言う事を聞きなさい」






すると妻は片手で遠藤のオチンチンを掴んだが、流石に自分から口に含む事は出来ない。






池田「早くこれで往生したければ、遠藤君も気持ち良くさせてあげなさい」






池田に先だけを入れられた妻は、もっと奥まで入れてもらおうとお尻を押し付けるが、池田もその分腰を引いて焦らした。



妻は奥まで向かい入れようとお尻を振り始めたが、それでも入れてもらえないと知ると、とうとう掴んでいた物を口に含んでしまった。






遠藤「ただ咥えているだけでは駄目だろ。こうやって動かすんだ」






妻は頭を両手で掴まれて、無理やり上下に揺すられ、それを見た池田は一気に腰を前に進めた。






「ウグー」






もう妻の頭に遠藤の手は添えられていなかったが、池田の腰の動きに合わせて、必★に頭を上下させている。






遠藤「とうとう舌まで使い出しましたよ」






池田の腰の動きが更に早くなると、妻は堪らず口を離した。






「アッ・アッ・ア~・・アア~~」






すると池田も動きを止めてしまう。






「イヤ・イヤ~」






池田「優子奥さん、お口がお留守ですよ」






妻は必★の形相で口に頬張り、激しく頭を上下させる。






遠藤「よほど池田社長のオチンチンが気持ちいいとみえる。おおっ、そんなに激しくしたら出てしまうだろ。普段はあんなにお淑やかなのに、結構激しいんだな」



池田「私も出したくなって来ました。優子奥さんはどうです?もう気を遣れますか?」






妻は咥えながら、小刻みに何度も頷く。






池田「まだですか。それならもう少し我慢しましょう」



楠木「池田社長は、案外意地悪なのですね」



池田「何がです?優子奥様が返事をしないのに、私達だけ終わっては可哀想でしょ。普通気を遣る時はイクとか何とか言って、男に教えるものです」






「ウウーン・・・ウグ・・ウグ・・ウウッ・・ウグ」






池田「ウグ?イクではない様だし、何を言っているのか分かりません」






その時遠藤が妻の頭を押えた。






遠藤「口から出すなよ。そのまま続けろ」






「ウグ・ウグ・・・ウッ・ウッ・・ウグ・ウグ~~~」






妻はうつ伏せに崩れ落ちたが、すぐに腰を掴まれて元の体勢に戻される。






池田「まさか自分だけ気を遣る様な、はしたない事はしていませんよね?さあ、3人仲良く気持ち良くなりましょう。優子奥さんに合わせますから、ちゃんと教えて下さい」






しかし遠藤のオチンチンを口から出す事を許されない妻は、ちゃんと声を出す事が出来ず、また追い詰められて行く。






「ウグ・ウグ・・ウグー」






遠藤「俺を早く終らせれば。口が自由になるものを」






それを聞いた妻は、音が聞こえてくるほど激しく舌を使いながら、必★に頭を上下させた。






遠藤「いいぞ。その調子だ。そろそろ出してやるから飲めよ。出すぞ、飲めよ」






しかし妻は飲み込めずに、白い液体を涎のように口から垂らしていた。






池田「気を遣りたくなったら、いつでも言って下さい。優子奥さんに合わせてあげますから」






「イク・イク・イク・・・アアー・・イク・・もうイク・イク」






池田「ただ“イクー”なんて、はしたないですよ。上品な奥様はただ教えるだけではなくて、何処で気を遣るのか説明してから気を遣るものです。優子奥さんも、ちゃんと何処で気を遣るのか説明出来る様にならないと」






「ダメ・・イク・イク・イクー・イクー」






池田「だから、何処でイクのですか?口ですか?それともオサネですか?」






「アア~ン・・もうダメ~・・・イク・イク・イク・・ダメ・ダメ」






池田「駄目な奥様だ。これから長い付き合いになるのだから、今日のところは気を遣る事を教えてくれただけでも良しとしましょう。さあ、思い切り気を遣りなさい」






池田の動きが更に激しくなると、妻は狂ったように頭を左右に振り、髪を振り乱して登り詰めた。






「イク・イク・アッ・アッ・アア~・・・アアア~~~~~」






楠木「電池が無くなりそうなので、撮影はここでやめます」






楠木の声と共にビデオは終わり、私は何も映らない画面を見ながら考え込んでいた。



確かに妻は感じていた。



意識が無い時ならいざ知らず、最後の方は正気に近かったと思う。