整体師っていいよ。



まぁ色々あったんだが、プチ高級住宅街のプチ裕福な爺さん、婆さんを狙って始めた店。



正直、じじぃやばばぁを相手にマッサージをやってるお店なんてなかった。



だから、お洒落な感じの雰囲気に心がけて店作りをした。



いわゆる“変態悪徳整体院”って感じじゃなくて、皮張りのソファとか50インチの大画面ハイビジョンテレビなんかを置いて高級ブティックの一室みたいな雰囲気。






しかし最初の数ヶ月は、(もう★んじゃおうかなあ・・・)と思うくらい客が来なかった。



でも、マンションやら色々な家に決★の売り込み。



胡散臭いと思う★し文句を並べたビラ巻き。



これが意外にも効果があって、だんだん客は来るようになった。



フェイスブックやツイッターなんかで使った広告費がバカのように思えるほど簡単だった。






狙い通り、やって来るのは騙されやすい爺さん婆さん。



マッサージ自体は整体師の人に数ヶ月弟子入りって言うか、給料ほぼ無しでただ働きして教えてもらってたからそれでやってたんだけど、まあ爺さん婆さんなんかはマッサージより話中心みたいなもんで、俺もそこは心得てたから、半年もするとそれなりに食っていけるくらいは客がつくようになった。






お爺ちゃんお婆ちゃんにあんまり力入れると後で痛くなるから、施術中はほとんど擦ってるようなもんだったけどね。



でも、「ここに来るようになってずいぶん楽になった」とか言われて評判は悪くなかったと思う。



客は8割が爺さん婆さん、残り2割はサラリーマンって感じ。



サラリーマンにはそれなりに真面目にやったよ。






で、そのうちに、あるお婆ちゃん紹介っていうか、「お嫁さんがどうも肩が酷く凝るから見てやって欲しい」って言われたのよ。



俺としては客が増えるのは大歓迎だから、「是非来てください」ってことで来てもらった。






仮に『A子さん』とするけど、A子さんが来た瞬間に、(おっ!)と思った。



年齢は30歳と言っていたけど、もっと若く見える。



俺がその時32歳だったんだけど、5歳は年下って感じ。



しかも結構可愛い。



鼻筋が通ってて少し垂れ目の甘い顔立ち。



ちなみに40歳以下の女性のお客はその時が初めてか2人目くらいだった。



そんだけ爺さん婆さんに特化してたわけだ。






「はじめまして。院長の◯◯です(つっても俺1人だけど)」って言うと、「宜しくお願いします」って言って頭を下げてくる。






しかも、なんかいい匂いがする。



俺も男だからちょっと張り切った。






「最初だから30分にしましょうか」






そう言ってから、まずは椅子に座ってもらって背中から肩の辺りを触ると確かに凝ってる。






「今日は施術衣には着替えなくてもいいです。今日は肩を中心にやりましょうね」と言うと、「はい」と頷く。






ちなみに施術衣ってのは、マッサージの時に着替えるやつね。



水色の短パンと上着みたいなやつ。



女性の場合は背中がマジックテープで開くようになってた。






その時、うちでは上半身だけの時は治療台じゃなくてソファみたいなものに座ってもらって、テレビか本でも読んでてもらって、俺が立って後ろから肩を揉むというスタイルにしていて(出来るだけ家に近い感じでがコンセプト)、A子さんにもそうしてもらった。






ゆっくりと背中から肩にかけて凝りを解していったんだけど、やっぱり触るときは結構緊張した。



いい匂いしてるし、髪は上に纏めて真っ白なうなじが見えてて、仕事とはいえ役得だなと思った。



しかもA子さんは柔らかめのシャツとスカート姿だったんだけど、上から見たら細身のスタイルの割におっぱいもデカい。



触ってて得だと思える客なんてそうは居ないから俺も頑張った。



最初はホントガチガチだったけど10分くらいしてるとだいぶ解れてきて話も弾んで結構楽しかった。






「凄い気持ち良いですね」



「この背中の部分をしっかりと解すと肩が楽になるんですよ。この肩甲骨の下の部分、判ります?」






「あ、そこです」



「整体とかは結構いらっしゃるんですか?」






「いえ、全然。今日が初めてなんです」






A子さんは26歳で結婚して3歳の子持ち、ということもそこで判明。



子供はお婆ちゃんに預けてここに来たらしい。



あまりに楽しくて、微妙に時間をオーバーしたくらいだった。



A子さんもそこそこ満足してもらったようで、「何回かいらっしゃって徐々に体質の改善していきましょう」とか言うと、「はい、是非」とか言ってくる。






そんな感じでA子さんは週に1回来てくれる上客になった。



2回、3回目は1回目と同様、会話をしながら普通に上半身だけの施術をした。



子育ての苦労とか、そういう会話をしながら上半身を解す感じ。



元々信用してないって訳じゃないだろうけど身体を触る仕事だからね。



これでA子さんは俺のことを信用してくれたんだと思う。



帰るときには、「凄く肩が軽くなりました。ありがとうございます」って笑いながら言ってくれる感じ。



それも可愛らしくて、正直その時、俺はちょっとA子さんに惚れてた。






4回目の時、「じゃあ今日は施術着を着て、全身をやってみましょうか」って言うと、むしろA子さんの方が待ってましたって感じだった。



施術着を着替えるスペースがあってそこで着替えてもらうんだけど、そっちに全神経が集中したね。



膝丈上のブリーツスカートを今脱いでるのか!とか諸々(笑)






着替えて出てきたA子さんを見た瞬間、頭に浮かんだのは、『エロい』の一言。



施術着って一切の色気のないパジャマみたいな服だったんだけど、ブラを外したからか胸の部分がクンと持ち上がってて胸の形が丸判り。



婆さんばっか相手してたんで、(体のラインが判るってのがこれほどエロいとは!)と思った。






そしてそこで初めてA子さんに治療台に乗ってもらったんだけど、もうね、身体がいやらしい。



治療台にうつ伏せになっても身体のラインが全然崩れない。



施術衣の上からでも身体のラインが判る色白でスレンダーだし、肌とかも柔らかくてきめ細やか。






(仕事だよ、仕事なんだけど役得だ)と、俺は思わず溜息をついた。






爺さん婆さん、凝り固まったサラリーマンと比べるとやる気がまるで違ってくる。



触るだけで俺の方がパワーを貰うんじゃないかって感じ。



本気でちょっとやってやろう(整体をね)と思って上半身中心に。



その頃は結構軽口を叩けるようになってたんで、上から背中辺りを揉みながら・・・。






「徐々に身体が楽になってませんか?」






「あ、すっごいよく眠れるようになりました」






「そうでしょう?お子さんの夜泣きが終わってから寝つきが悪くなって、身体の調子崩す人も結構いるんですよ」






などと会話をしつつ、柔らかくて良い匂いのするA子さんに施術。



それまでのソファでの施術が効いていたから、A子さんはかなり慣れた感じで施術を受けてくれた。



やっぱり整体でも他人に身体を触られるってのは緊張するから、1回目の人とかは本当に身体が硬いこととかが多い。



でもA子さんは結構ふにふにと力を抜いた感じで施術を受けてくれて、手とかをやっても、「あーそこです。すごい」とか言って力が完全に抜けた状態。



脇腹の辺りとか、こっちも微妙に緊張する所も力を抜いたまま。



今までやってなかった腰の辺り中心にやると、凄く気持ち良さそうにする。






「あー、こっちも凝ってますよね。結構お子さんを抱っこしたりしながら立ってる時間多いんじゃないですか?」






「そうですね~。3歳だからもう結構重くって」






普通に腰を押してるんだけど、俺としてはかなりその下の柔らかそうなお尻に意識が行ってた。



しかも俺が腰を押すたびにお尻の形がくっきりと判る。



もちろん俺もお客さんだから何かをするって訳じゃなくて、その日は目と指を楽しませたって感じだった。






それ以降は、「腰もやりましょうね」ということで治療台でやることに。



正直、もうその頃は、A子さんが来る日が楽しみで仕方なかった。



昼の2時か3時からが多かったんだけど、自分でもどうかと思うけど、その後の30分を空けたりした(会話のためにw)。






「もう来ない」とか言われたら、マジで「金は要らない」と言ったと思う。






A子さんは専業主婦だったからか、会話に飢えてるって感じで会話も結構弾んだ。



友達風に喋っても、ちゃんと受け答えしてくれる。



っていうかそっちの方が好みのようなんで、回数を重ねるたびに俺も徐々にタメ口になっていった。






「子供がね、もうディズニーに夢中になっちゃって」






「へえ、子供ってそういうの好きだもんね。ジブリとかも好きなんじゃないの?」(腰揉みながら)






「トトロも大好きなの」






5回目くらいからはそんな感じ。



仕事から外れたらマズいとは思いつつ、でもタガが外れたのはしばらくしてから。



思い返すとタメ口がマズかった。



何か美人の女友達の身体を揉んでるみたいになってたから。






<続く>