俺の初恋は幼稚園、そして2番目の恋は小学4年の時だった。



これは、その時のお話。






旅行に行った時に無料でもらえる下敷きを何枚か持って帰った。



ほんと下らないもので、紙でできた下敷きだった。



それをクラスの奴らに配ってやろうと思ったのだ。



仲がいい連中にはあらかた配り終わり、下敷きが1枚余っていた。






俺「よかったらこれもらってよ」






ちー「ありがとう!」






俺は隣の席の「ちーちゃん」に下敷きをあげた。



なぜか余り物の旅行先の名前が書いてある下敷きを大事そうに仕舞ったちーちゃん。



それからちーちゃんはその下敷きをずっと大事そうに使っていた。






俺「なんでそんなのずっと使ってんの?」






ちー「大事なものだから」






俺は正直嬉しかった。





女の子が俺のプレゼントを大事に毎日使ってくれているのだ。






ちーちゃんとは席替えで席が離れてしまい、それから数ヶ月が過ぎ、俺達は5年生になった。



ちーちゃんとまた同じクラスになった。



1学年3クラスしかないから結構な確率で同じになる。



俺は小学5年生の時に、おそらく人生で最初で最後のモテ期に入った。



俺の写真を女子がコバルト文庫に挟んで、学年で1番人気、2番人気の子からラブレターをもらった。



チョコレートは5個くらいもらったような気がする。



もちろん、ちーちゃんからももらった。



いじめられてた女の子を助けてあげたら、その子もくれた。






ある日、ちーちゃんから一緒に遊ばないかと誘いを受けた。



女の子から一緒に遊ぼうと誘われたのは実に幼稚園以来のことである。



俺は二つ返事でOKした。



俺はちーちゃんが好きだったから。






ちょっとがっかりさせるかもだけど、ちーちゃんはソバカスがあって目が細い、キツネのような顔をした女の子だった。



正直、あんまり可愛くないほうだと思う。






俺「どこに行くの?」






ちー「教会に行くの。みんなも来るよ」






俺「キョウカイ?何それ?」






ちー「楽しみにしてて」






そして次の日曜日、ちーちゃんの地元までチャリで走った。



小学校は同じだが、だいぶ離れていたので大変だった。



着いたら、ちーちゃん、けいこちゃん、けんじくん、てつやくんの4人が待っていた。



4人は『キョウカイ』という場所でよく遊んでいるらしく、「キョウカイって何?」と聞いてもクスクス笑っているだけで答えてくれなかった。






しばらく歩くと小さな教会があった。



そしてドアを普通に開けた。






俺「え・・・怒られるじゃん。帰ろうよ」






みんな「大丈夫だって。こっちこっち」






俺は不安だった。



悪いことをしたらダメ。



お父さんとお母さんとの約束だった。



教会は結構小さい造りで、礼拝堂は10人くらい座ったらいっぱいになりそうなくらいだった。






俺「これがキョウカイ?入っていいの?遊び場ってどういうこと?」






ちー「ここの神父さんが夏の間は海外に行っちゃうの。窓が壊れてるから簡単に入れるんだよ」






俺「まずいよ。怒られちゃうよ」






ちー「大丈夫だよ。みんなここで遊んでるし、ばれないよ」






不安になりながらも、みんなについて行った。



礼拝堂の奥には神父さんの部屋みたいな部屋があった。



洋服棚、本棚、机、テレビ、ビデオデッキ・・・まぁ当時の男の人の一人暮らしって感じだったと思う。



けんじくんが奥からお菓子をいっぱい持ってきた。






けんじ「食おうぜ、ほれw」






けいこ「こっち開けるねー」






てつや「ポッキーこっちー」






俺「どうしたのこれ?」






けんじ「ここ、いっつもお菓子があんだよ」






俺「まずいよ・・・そんなの食べられないよ」






ちー「大丈夫だってー。心配性だなー、もー」






俺は結構注意されて育っていたほうだったのかな、みんなの大胆な行動が信じられなかったのをよく覚えている。



でも俺は空気を読んでお菓子を摘むことにした。






けんじ「あれ見ようぜwこいつに見せたいw」






みんな「いいねー、見よう見ようw」






俺「(?)」






けんじくんがビデオデッキの再生ボタンを押した。



そこで再生されたのは、アダムとイブが神様から誕生し、イブが悪魔の実を食べてどーのこーのって内容だった。



なぜこれをみんなが嬉しがって見ているのか、想像できたと思うが、アダムもイブも素っ裸だったのである。



俺はその時、AVとか見たこともなかったので、母親以外の女の裸に興奮した。



みんな、男の子も女の子も下品に笑っていて奇妙だった。






けいこ「女の股って穴が開いてるでしょ?あれ、なんで開いてると思う?」






てつや「ちんこ入れんだろ」






けいこ「そうそう。なんでアダムとイブはなんにも知らなかったのに入れたんだろうね?」






けんじ「穴が開いてたからじゃね」






みんな「ぎゃははははは」






正直、引いた。



そして疲れていた。



早く帰りたいと思った。






でもそこから、お互いの好きな人の言いあいっこタイムがスタートした。



男はみんな恥ずかしがって黙っていた。



女の子2人はぶっちゃけた。



ちーちゃんは、けんじくんと俺が好き。



けいこちゃんは、けんじくんとてつやくんが好きだった。






(なんだよ・・・俺は2番目かよ)






それからなぜか全員でのじゃんけんを強制的にやらされた。



なんのじゃんけんかは教えてくれなかった。



(たぶん俺は若干いじめられてたと思う)






ちーちゃんが負けた。



ちーちゃんはけいこちゃんとヒソヒソ話を3分間くらいしていた。






けいこ「ちゃんとやってよ。あたしもやるんだから」






ちー「わかったよ!来て!」






俺はちーちゃんに手を引っ張られ、教会の奥の方へ連れて行かれた。



そこには湯船も何もない狭いシャワールームがあった。



お世辞にも綺麗とは言えなかった。






ちー「シャワー浴びたくない?」






俺「は?」






ちー「浴びたいよね?」






俺「全然」






ちー「お願い、シャワー浴びなくていいから服脱いで入って」






俺「やだよ」






俺は浴びたくなかった。






(なんでこんな所でシャワー?)






俺がNOの態度をとっていたら、ちーちゃんは泣き出して脱衣所から出ていってしまった。



するとけいこちゃんが来た。






けいこ「あんた、ちーのこと泣かさないでよ!」






俺「だってシャワーなんて入りたくないもん」






けいこ「じゃあ、あんたけんじにボコってもらうけどいい?」






俺「は?なんで?」






けいこ「入る?入らない?どっち?」






俺「・・・入る」






それから俺は涙目になりながら服を脱いでシャワー室に入った。



そしてドアを閉めた。






(なんだよ、これ。いじめか?どうしよう・・・)






そんな心配をしていたらドア越しに人の気配がした。






ちー「ごめんね。ちょっと待ってて」






ゴソゴソ・・・。






(!?)






小5でもわかった。



ちーちゃんが服を脱いでるって・・・。



あー・・・こういうことか。



俺は今から女の子とシャワー浴びるのか・・・。






ちー「開けるね」






ガラ。






期待させて悪いが、ちーちゃんは学校指定のスクール水着を着ていた。






俺「それ、持って来たの?」






ちー「着てきたの」






それから5分くらい無言で2人でシャワーを浴びた。



俺は緊張で震えてた。



外からまた人の足音がした。






けいこ「ちゃんとやってよ!早く!」






ちー「好きだよ」






いきなりの告白だった。






ちー「カラダ、触っていいよ」






ちーちゃんはスクール水着の上半分を脱いだ。



全然胸はなかった。



Aカップくらいだった。



俺は素っ裸。



思春期に入るか入らないかくらいの年齢、フル勃起していた。



おっぱいとまんこを触った。



フェラとかはしてくれなかった。



それからけんじくんが邪魔しに来て、裸の俺とちーちゃんを笑った。



俺とちーちゃんはそのまま服を着て、みんなのところへ戻った。






その後、けんじ×けいこ、てつや×けいこ、けんじ×ちーの順でシャワーに入った。



みんな、おっぱいやらまんこやらちんちんを弄りあってた、たぶん。



俺は邪魔だから来るなとけいこちゃんから釘を刺されていた。



暇だから礼拝堂の椅子に座って待っていた。



そこで短い時間だけど、俺にとってトラウマなことが起こる。






「ちんこデカいwwww」






「うわーーーwまんこ、すげー臭いwwwおえええええええええ」






「臭くない!!ちんこのほうが臭いよね?」






「ねー!」






「まんこのほうが臭いよな」






「嗅がして」






「きゃ、やめてー」(嬉しそう)






「もう、痛いってばー」(嬉しそう)






こんな会話がシャワー室から聞こえてきた。



俺は気になってシャワー室の方へ歩いていった。






けいこ「あんたはダメだって!」






おっぱい丸出しでけいこちゃんが俺を牽制した。



俺は1人でしょぼくれた。



それから教会の周りを探検したり、海に石投げたりして遊んだ。



帰り道がわからなかったので、ちーちゃんに途中まで送ってもらった。



俺はずっとムスッとしてた。



ずっとちーちゃんは、「なんで怒ってんの?」と聞いていた。



分かれ道で右と左に分かれるとき、「じゃあね」と手を振って、俺とちーちゃんの関係は終わった。