「それにしても、すっげえ美人だな」



「足とか細くてめちゃ綺麗じゃなかった?顔も小さかったよね」



「でも、胸も小さくないか?」



「バカ、それがいいんだよ」



「シャツの張り具合から乳のなさが分かりすぎて、逆にエロかったよな」






これは僕がとある卸売り会社の営業部に配属された日、同期と交わした会話の一部です。






僕は同族経営のしょぼい卸売り会社に入社しました。



会社にも自分の人生にも何も期待していなかったのですが、同期の『渡辺』と『庄司』の3人で営業第二課に配属され、初めて自分の席に案内された時に大きな衝撃を受けました。






部長から僕達の教育担当として、隣の席の女性を紹介されたのです。



その女性こそが、主任として僕達の面倒を見ることになった若葉さんでした。



僕は若葉さんの可憐で凛とした美しさに目を奪われ、すぐに心まで奪われていました。






若葉さんは少し舌足らずの優しい声で一生懸命説明しながら各部署を案内してくれましたが、僕は完全に上の空で、いけないとは思いながらも、少し前方を歩く若葉さんの後ろ姿を舐めるように見つめてスケベな気持ちになっていました。



清潔感のある地味な服装ではありましたが、スカートから覗く足はすらりと細く伸びていて、脚フェチには堪りません。



初日だというのに僕達は3人とも説明の内容が全く頭に入らず、ただ若葉さんの美貌に見惚れているだけでした。






それから数日経って知ったことですが、なんと若葉さんは31歳で子持ちの未亡人だというのです。



とても30歳を超えているようには見えず、聞いた時は非常にびっくりしました。








子供がいることを知った時は若干引きましたが、面と向かって話をしているとやはり美人で、年齢も子持ちだということも忘れてしまいます。



だから当然3人で何度か飲みに誘いもしましたが、お子さんがいるのを理由にいつも断られていました。



特に庄司は積極的で1人でも誘っていましたし、若葉さんに個人的なメールを送ったりもしていたようです。






配属後半年くらいが過ぎると、仕事にも慣れてきて心に緩みが生じてきたこともあり、庄司が仕事でミスをしました。



普段は優しい若葉さんですが、この時ばかりは少しきつめに叱られました。



教育担当という立場であり、社内の組織的にも彼女は上司にあたるので当然のことなのですが、僕達3人の中では最も若葉さんと親しいと思っていた庄司はかなりショックだったようで、その日は居酒屋で荒れました。






「怒ってる若葉さんも綺麗だったよな」






僕のこの一言が発端になって、庄司はぐちぐちと文句を言い出しました。






「あの女、ぜってえ許さねー」



「なんだかんだ言って、俺達に残業を押し付けてんだろ」



「いつか、あの貧乳を丸出しにさせて詫び入れさせてやるよ」






酒の勢いもあり、僕と渡辺も話を合わせました。






「いいねえ。男の4割は貧乳好きらしいな。ちなみに俺も4割派だ」



「上品な顔して、意外と乳輪大きそう」



「若葉さんの乳輪か。想像しただけで、おっ勃つぜ」



「俺は足がいいな。なでなでしたい」



「いいねえ、あの足もたまらんよな」






などと、この日は若葉さんを肴に下ネタ話が盛りあがったのを覚えています。






それから数ヶ月間は何事もなく新入社員として必★に業務を覚えました。



若葉さんも変わらず可憐で美しく、隣の席に彼女がいるというだけで毎日とても癒されました。






僕は運動は苦手なので社内サークルなどには入らなかったのですが、庄司と渡辺は会社のテニスサークルに入りました。



ここで庄司と渡辺は専務との親交を得て、意気投合したようです。






専務は社長の息子で38歳。



一見遊び人風でしたが、仕事はできるようで会社の中枢でした。



僕も時々呼ばれては、庄司と渡辺と共に飲みに連れて行かれたり、麻雀の相手をさせられたりすることもあり、このメンバーで飲みに行くと当然のように若葉さんの話題になりました。



専務ほど交友範囲が広く社会を知っている人から見ても、若葉さんの美貌は抜きに出ていたようです。



酒が進むと自然に下の方に話は行くのですが、ある時こんな話の流れになりました。






「いつか、あの貧乳を晒させて今までの詫び入れさせたいんですよ」



「詫びって?若葉ちゃん何か悪いことでもしたの?」






「・・いえ、そういうわけじゃないのですが・・」



「なんだよ。ずいぶん恨みのこもった言い方だから、何かされたのかと思った」






「いえ、そうじゃないのですが、とにかく一度、若葉さんのヌードを拝んでみたいですね」



「仕事でデカいミスでもすればなー、そういうのも有りかもしらんが」






「え!本当ですか?」



「冗談に決まってるだろ」






「なんとかならないですかね?」






それから数日後、営業に出ていた若葉さんから電話が来ました。



内容は、若葉さんのPCを立ち上げて、販売単価の一覧を若葉さんが今訪問中の新規顧客にメールで送って欲しいというものでした。



僕が最初に電話に出たのですが、PCを立ち上げたりしている間に庄司に電話を奪われ、結局、庄司が若葉さんから電話で説明を受けながらメールの送信をしました。






先読みしている人もいるかもしれませんが、実はこれが大問題になりました。



この新規顧客は、キャンペーン中ということで、かなり安い単価で販売する契約だったのですが、庄司はその販売単価の一覧を大得意先のK社とS社に送ってしまったのです。



当然ですが、若葉さんの指示通り、若葉さんの署名&メールアドレスでです。



指示と違ったのは送り先だけです。



卸会社にとって、販売単価は命というほど大切なもので、同じ商品でも得意先によって販売価格は違います。



当然、K社S社から問い合わせがあり、大問題になりました。






「新人がやったことです!」とは言えなかったのか、課長と若葉さんですぐに謝りに行きました。






2人とも必★に謝ったようですが、その日、許してもらうことは出来ませんでした。






会社に莫大な損害を与えてしまって、若葉さんは責任問題になりました。



メールを送ったのは庄司ですが、庄司は新人であり、上司と電話しながらの作業でした。



指示した上司は若葉さんです。



若葉さんも全く言い訳はしなかったようです。



雇用契約書に謳っているように、会社に著しく損害を与えた者は懲戒解雇になり、損害を賠償請求される可能性もあります。






数日後、僕と庄司、渡辺の3人は、突然専務に呼ばれました。



怒られることを予測して緊張しながら大人しく指示通りに応接室で待機していると、隣の応接から声が聞こえました。



聞き覚えのある声!



その声は若葉さんのものでした。



若葉さんが隣の応接室に入ったのです。



専務の声はぼそぼそしていて何を言ってるかよく聞き取れませんでしたが、若葉さんの声は比較的聞き取りやすく、必★に謝っている様子がはっきりとわかりました。



途中、泣き声になっているようでした。






全員が耳をダンボにして聞いていると、突然内線が鳴り、隣の応接室に来るよう指示されました。



行ってみると・・・。



信じられない話ですが、これから麻雀をするというのです。



僕達は3人とも???状態でした。






専務の説明によると。



若葉さんは懲戒解雇と損害の賠償請求をされることが決まったようです。



しかし30過ぎた子持ちの女性、ただでさえ次の職場は見つかりにくいのに、懲戒解雇ではまともな仕事は終わったも同然。



お子さんが来年から学校へ行くことなどもあって賠償金もとても払えません。



なんとか自主退職にして欲しいと若葉さんは懇願したようです。






必★に懇願する若葉さんに専務も心を打たれ、なんとかしてやりたいと思ったそうですが、役員への根回しなどの労力は莫大、大失敗した若葉さんを、お咎め無しにするのもおかしい。



そこで、三度の飯よりも麻雀が大好きな専務は、麻雀勝負を提案したというのです。



若葉さんは、今回の件で大きな責任のある庄司と組んで専務と麻雀勝負をし、若葉さん&庄司ペアが勝利すれば、若葉さんは会社を辞めずに今まで通り働けることになりました。






「俺が負けたら、役員全員に土下座してでも若葉ちゃんを守るよ」






若葉さんは今回の失敗を仕事で挽回することを心から望んでいたのでしょう。






「お願いします。仕事でご恩返しできるように今まで以上に頑張ります」と頭を下げました。






僕は思わず、「負けた場合はどうするんです?」と聞いてしまいました。



若葉さんが息を呑む気配を感じましたが、専務はなんでもないことのように、「脱衣麻雀だよ」と答えました。






変な話ですが、嘘のような現実の話です。



うちのようなワンマン中小企業だからこそ有り得る話なのかもしれません。



いずれにせよ若葉さんは懲戒解雇や賠償金支払いを免れるチャンスを得たことになります。



若葉さんは真剣な眼差しで庄司を見つめて、「お願い」と切れ長な目に力を込めました。






麻雀は専務のお宅でやることになり、駐車場へ向かう途中、若葉さんに聞こえないような小声で専務が囁きました。






「あの様子だと、『今すぐ脱げ』と言えば脱いだかもしれんが、こっちの方が楽しいだろ?」






僕達は、背筋を伸ばして歩く若葉さんをちらっと見て生唾を飲み込みました。






車の中で、若葉さんに麻雀のルールを説明することになりました。



若葉さんはルールも知らなかったのです。



ルールも知らず、味方だと思っている庄司は実は敵です。



どう見ても若葉さんに勝ち目はありません。






真剣に僕の説明を聞いている若葉さんに同情しながらも、視線は自然と胸へ行ってしまいます。



ジャケットのボタンが閉められているため、その形は分かりませんが、膨らみがほとんど感じられない胸。



あと1時間もすれば、ほぼ確実にその胸元は開かれ、僕達の目の前に貧乳が晒されることになるでしょう。



若葉さんは明るい所で、乳輪の大きさも、色も形も、何もかもじっくり見られることになるのです。






(この可愛らしい唇も貪ることもできるのだろうか?)






僕は思いを馳せながら期待を胸に説明を続けました。






僕は若葉さんのサポート役ということで、専務、渡辺、若葉さん、庄司で勝負は開始しました。



やる前から結果は見えています。






僕が予想していたよりも時間は掛かりましたが無事に勝負は終わりました。



点数を説明していると、突然若葉さんは顔を下に向け、説明が終わるまで俯いたままでした。



どうやら点数によって若葉さんの脱衣の限度を専務と取り決めしていたようです。



ルールを知らない若葉さんとの約束です、恐らくいい加減なものだったと思います。



いずれしてもこの時点で、若葉さんはオールヌードになることが確定しました。



ストリップはまだかなとドキドキしていると、若葉さんが突然叫びました。






「お願いです。懲戒解雇は許して下さい。賠償金の方は毎月少しずつ払いますから」






いつも颯爽としている若葉さんの切羽詰った言い方にびっくりしました。



しかし専務の方は、かなり冷静でした。






「それじゃあ、もう一度勝負するかい?」






「無理です。麻雀では勝てそうもありません。お願いします。なんとか懲戒だけは許して下さい」






うわー、気づくのが遅いよ。






「そりゃあ、無理ってもんだ。勝負に負けておいて、そういうのは無しだ」






本当に切羽詰まっていたのか、いつも聡明な若葉さんからは想像できないような台詞が聞こえました。






「それは分かります。でも、どうしようもないのです。な、なんでもしますから・・・お願いします!」






『なんでもします』・・・良い響きです。



僕だけじゃなく庄司達も反応したようです。



しかし専務は全く反応しませんでした。



専務は少し考えている様子でしたが、突如、麻雀牌を一つ摘んで、若葉さんに見せました。






「これはハクね。真っ白のやつ。単純な勝負をしよう!牌を全て裏にして、ハクを何回目で引けるかを競う勝負をするのはどう?これなら分かりやすいでしょ?」






若葉さんは間髪入れずに、「やります!」とはっきり答えました。






「じゃ、簡単にルールを決めよっか。1人がハクを引くまで牌を捲り続け、ハクが出たら交代ね。例えば、若葉ちゃんが3回目にハクを引いたとする。そうしたら、また牌を全て裏にしてからシャッフルして俺が牌を捲る。俺が7回目にハクを引いたとすると、7-3=4で4点若葉ちゃんの勝ちだ。若葉ちゃんが5点取ったら、賠償、解雇全て無しでいいよ。5点を超えて、例えば6点勝ったら、さっきの麻雀で負けた罰ゲーム、つまり裸になる件だけど、1枚だけ何か着ていいよ。10点以上勝てば、麻雀の負け分もチャラになって裸にならずに済むんじゃないかな?」






これを聞いた若葉さんは少し笑みを浮かべたように見えました。



そして可愛い顔で質問しました。






「私が負けたら、どうしたら良いのでしょうか?」






「そうだね。さっき何でもするって言ったよね?それでいいよ。1点につき1時間、ここにいる全員の言いなりになってよ」






「こ、ここにいる全員ですか?・・・」






若葉さんは不安そうに僕達を見回しました。






「そう。ここいいる全員。ここまで付き合わせてるんだし、俺1人だけじゃ色々歯止めが効かなくなってもまずいしね」






よほど切羽詰っていたのか、たいした問答もなく、若葉さんはその条件を受け入れました。






<続く>