午後4時すぎに解散場所の駅前に到着しました。



従業員たちが三々五々帰っていく中で、私は妻に近寄り声をかけました。






「帰ろうか?」






「私、お買い物して帰るから・・・それから夕食は適当に済ませて・・・」






妻はそれだけ言うと小走りにタクシー乗り場へ行き、タクシーに乗り込んでどこかへ行ってしまいました。






「雄治さん、じゃあね・・・」






ママも手を振りながら駅の改札口に消えていきました。



私は結局1人になってしまいました。



妻を追いかけてもあの調子では避けられてしまうだけと思い、実家に行っている息子を迎えに行き、簡単な食事を済ませて家に帰りました。






妻はどこへ買い物に行ったのか、なかなか帰ってきませんでしたが、私が風呂に入っていた9時くらいに台所で物音がしたので、妻が帰ってきたことが分かりました。



私は早く妻と話がしたくて、風呂に入ったばかりでしたが身体も洗わずに慌てて出ました。



しかし、妻の姿が見えません。



寝室を覗いても妻の姿はなく、どこにいるのか探していると、いつもの寝室ではない、別の部屋で寝ていることが分かりました。






「美由紀、どうしたんだ?」








「・・・疲れてるの・・・」






妻は頭からスッポリ布団を被っていました。






「話がしたいんだ・・・いいかな?」






「・・・明日にして・・・」






小さい声でしたが、私を一切寄せつけないような雰囲気がありました。



私は気になっていたことを思い切って言いました。






「何かあったのか?昨日の晩・・・」






しかし何の返事もありません。



今日はもう何を言っても無駄だと思い諦めました。






次の日、私はママのところへ行ってみることにしました。



すべてがわからないまでも何か知っているはずだと思ったのです。



仕事を終えた私はスナックに行きました。



3人の先客があり、ママは「いらっしゃい・・・」とだけ言って水割りを出してくれましたが、その後は先客の相手をしていました。



1時間くらいして先客が帰ったので、ママはカウンターの私の隣に座りました。






「お疲れ様だったね。何かあったんだろ?あの日の晩のこと・・・美由紀は何も言ってくれないし、俺を避けているんだ・・・」






「そう・・・」






ママは立ち上がって入り口の鍵を閉めました。






「今日はこれでお店閉めちゃうわね」






ママは自分が飲むウーロン茶を持って再び私の隣に座りました。






「言うわ、あの日のこと・・・」






「やっぱり何かあったんだな・・・」






「でも雄治さんが誤解しないように、これだけは言っておくわ。私は雄治さんや美由紀さんを騙して旅行に誘ったわけじゃないのよ」






「どういう意味だよ?」






「私が罠を仕組んだなんて思われたくないから・・・」






「罠?美由紀が罠に落ちたのか?」






「罠っていうのは正しくないかもしれないけど・・・」






「もうどうでもいいから、知っていることを全部言ってくれよ」






ママはあの晩のことを話しはじめました。



ここからはすべてママから聞いたことで、私が見たわけではないのですが、書きにくいので一応私が見たように書きます。



ご了承ください。






時は温泉旅行の初日の夜9時くらいに遡ります。



場所は社長の部屋です。



私が部屋を出ていった後も5人は飲んでいました。



だんだんアルコールがすすむにつれて、ママの両側に座っていた黒人たちがママの身体を触りはじめました。



最初は浴衣の上から太ももを撫でる程度でしたが、ママの浴衣はだんだん肌蹴ていき、帯も解かれてしまいました。



黒人たちは社長の屋敷に居候していて、安月給でよく働いてくれるので、社長が家族同然のように面倒を見ているということです。



ママとしては社長が可愛がっている黒人たちのすることに拒否できるはずがありません。






やがて、ママはブラとパンティも取られてしまい、黒人たちから玩具を扱うかのように身体中を触られはじめました。



黒人たちはますますエスカレートし、2人とも浴衣を脱いで、社長と妻の見ている前でママを犯し始めたのです。



最初は下を向いて見ないようにしていた妻でしたが、黒人たちの巨大なモノがママの身体を貫通し、卑猥な言葉が飛び交いはじめると、居た堪れなくなり立ち上がりました。






「私は・・・先に休ませていただきます」






ドアの方を向いて出ていこうとする妻に社長が声をかけました。






「どうしたんだ?美由紀さん、まだいいじゃないか」






「いえ・・・私には別世界のことですから、これで・・・」






「別世界?ママとこいつらの乱交が別世界ってことかい?そんなことはないと思うぜ」






「本当にこれで・・・お先に失礼します」






「ちょっと待てよ。美由紀さんの身近にいる人もやってることだからなあ・・・別世界ってことはないぜ、なぁ、ママ?」






出ていこうとした妻が振り返りました。






「どういうことですか?」






「ママ、言ってやりな・・・」






社長は不適な笑いを浮かべて言いました。






「・・・そんな・・・私から・・・言えって・・・言うんですか・・・」






ママは黒人のモノを受け入れながら、必★に声を搾り出すように言いました。






「ママから言うのがいいじゃないか、一番よく知ってるから」






「ママさん・・・どういうことなんですか?」






妻はママの方に向き直って言いました。






「・・・美由紀さん・・・ごめんなさい・・・」






「ごめんなさいって・・・」






「しょうがねえな、俺から言おうか・・・ママとあんたの旦那はできてるんだよ」






「え!」






妻は大きく目を見開いて、その場に立ち尽くしました。






「・・・嘘です・・・そんなこと・・・絶対嘘だわ・・・」






「嘘かどうかはママがよく知ってるさ」






「・・・ママさん・・・嘘なんでしょ?」






「・・・本当にごめんなさい・・・」






「・・・聞きたくない・・・そんなこと・・・」






しばらく呆然と立っていた妻でしたが、やがてその場に座り込み、大粒の涙を流しはじめました。



20畳くらいの大きなリビングの真中で、ママと黒人たちの淫らな乱行、泣き崩れる妻、そしてそれらを眺めている社長・・・。



そんな光景が30分くらい続いていました。






「ああっ・・・イクっ・・・」






黒人の巨根の餌食になったママはソファの上に大の字になって倒れてしまいました。



社長は泣き崩れたままの妻に近づき、肩を抱いて再びソファに座らせ、妻の前に水割りを置きました。






「美由紀さん・・・ショックだろうけど、所詮世の中は男と女しかいないんだから・・・夫婦の関係なんて脆いもんだよ」






妻は涙も枯れてしまい、喉が乾いたのか、前に置いてある水割りを飲みはじめました。






「夫婦なんか単なる共同生活者と思えばいいんだよ。何も難しく考えることはないさ。美由紀さんも、もっと人生を楽しめばいいんだよ・・・」






妻はゆっくりと水割りを口にしながら言いました。






「・・・そうですよね・・・私、今まで何かに縛られ続けてきた気がします。家のこととか体裁ばかり気にして・・・」






「そうそう、人生は一度きりだからな。今しかできないことをもっと楽しまないと後悔するぜ。美由紀さんはまだまだ若いんだから」






妻の顔が少しずつ明るくなりました。






「そんな、社長さんみたいに若くないんですよ。あと2年もすれば40のおばさんですから」






「俺に言わせりぁ、美由紀さんはまだ女としての悦びを知らないな」






「・・・女の・・・悦び?」






妻は社長の方に視線を向けました。






「そう・・・1人の女としての悦びさ」






社長は続けて言いました。






「特に肉体的な悦びに際限はないし、年令も関係ない。むしろ年を重ねるほどに肉体的な悦びは増してくるんだ」






社長は妻の方を真っ直ぐ見ていましたが、妻はやや視線をそらせて言いました。






「私は、毎朝主人と子供のお弁当を作って送り出して、夕方に2人が帰ってくるのを待つ・・・毎日がそんな生活でした。それでよかったし満足もしていたんです。でも・・・もしかしたら、女としての自分を見失っていたのかもしれません」






「主婦や母親としての喜びや幸せもあるだろうけど、それは精神的な悦びの一部だからな。でも、それだけでたった1度の人生が終わってしまっていいのかよ。肉体的な悦びを知らない女は女じゃない」






視線を逸らせていた妻は社長の方を見ました。






「私、社長さんのこと、今までよく知らなかったんですけど、こうしてお話してみて、人間の大きさっていうか懐の深さを感じます。私より年下だなんて思えないです」






「俺も色々やってきたからな。今年で33だけど、倍の年くらいの人生経験はあるぜ。幸い警察の厄介にはなってないけど、★にかけたり★されかけたり・・・命がいくつあっても足りないくらいさ。数え切れないくらいの女をものにしてきたしな」






妻を見る社長の目が光ったように見えました。



社長の浴衣の間からはチラチラと下半身が見えていました。



ボクサーパンツのフロント部分は大きく盛り上がり、男のシンボルがとぐろを巻くように納まっていました。






「肉体的な悦びにどっぷり浸ってみないか?これからの美由紀の人生を俺が変えてやるよ」






社長はいつの間にか美由紀と呼ぶようになっていました。






「社長さんったら、こんなおばさんを捕まえて・・・」






社長に真剣な表情で見つめられ、その視線から逃れるように妻は言いましたが、少しずつ社長の言葉に引き込まれていきました。






「美由紀はおばさんなんかじゃない。今が女としての盛りだからな。俺から肉体的な悦びを受けたら、どんな女にでも変わっていくぜ」






「どんな女・・・にでも、ですか?」






「ああ、高級クラブの人気ホステスにもなれるし、ヌードモデルやAV女優ならすぐに抵抗なくできるようにしてやるよ。すぐに金が欲しいなら、客がとれるソープ嬢にしてやってもいい。可能性は無限にあるさ」






社長は畳み掛けるように続けました。






「体裁とかしがらみとか、そういうものを一切捨てろ。1人の女、生身の女になるんだ。余計なものは一切脱ぎ捨てて全裸になって身体を俺に任せてみろ」






妻は魔術にかかったように黙って社長の話を聞いていました。



やがて妻は少し飲みすぎたのか、その場に倒れこんで眠ってしまいました。






「お前たちはもういいぞ、ご苦労だったな。それと例のものを奥の部屋に用意しておいてくれ」






社長が労いの言葉をかけると、黒人たちは一旦奥の部屋に入った後、部屋を出ていきました。






「ママもお疲れだったな。美由紀はぐっすり寝てしまったな、しばらくここに寝かせておくかな」






これは、ママだけ部屋に戻っていいという意味のようでした。






「あの・・・美由紀さんは・・・?」






「ああっ、気がついたら後で部屋まで連れていってやるから」






ママはそれ以上は何も言えませんでした。



美由紀の身に何が起ころうとも・・・。






ママから聞いたのは以上です。



ママから生々しい話を聞いて、私はしばらく言葉が出ませんでした。






「そ、それで・・・美由紀は部屋に帰ってきたんだろうな?」






ママは下を向いてしばらく黙ったままでした。






「どうなんだよ?ママ・・・」






「・・・雄治さん、怒るかもしれないけど、私が社長の部屋を出てからは・・・美由紀さんがどうしていたのかわからないの・・・」






「なんだって!あの時、電話したら、『部屋に戻ってぐっすり眠ってる』って言ったじゃないか!あれは嘘だったのか!」






私は怒りに震え、カウンターを叩きながら叫びました。






「ごめんなさい。でもあの時、社長の部屋にいるって言ったら、雄治さん部屋まで乗り込んでいたでしょ?そんなことされたら私が困るわ・・・」






「当然乗り込むさ。美由紀は俺の妻なんだぜ。どうして嘘を言うんだ!結局ママにも裏切られたってことか」






私は散々ママを責めましたが、ママは下を向いたまま黙っていました。






「・・・それで・・・美由紀は朝まで社長の部屋にいたのか?」






「たぶん・・・そうだと思うわ。朝起きた時、美由紀さんがいないから社長の部屋に行ってみたの。そしたら美由紀さんがいたから・・・」






美由紀は社長の部屋で一夜を明かしたようでした。



何があったのかわかりませんが、何もなかったとは思えません。



目の前でママと黒人たちの乱交を見せられ、そのママと私が浮気していることを暴露され、その上社長に肉体的な悦びを与えてやると口説かれて・・・何もない方が不思議です。






「美由紀はどんな様子だった?」






私はやや落ち着いてママに聞きました。






「意外と元気そうで明るかったわ。『ここで朝まで寝ちゃった』って私に笑って話しかけてきたから」






「・・・そうか・・・」






どうやら冷たくされているのは私だけのようです。






「社長は・・・俺のことを知っているのか?バーテンに扮していたことも・・・」






私はだんだん恐ろしくなってきました。



社長はママの店の常連客であり超得意客、そしてそのママは私と肉体関係がある・・・。



ママと私の負い目を利用して、社長は私の妻を最初から奪い取るつもりだったのか?






「・・・これ・・・」






ママは私の問いには答えず、茶色の封筒を私の前に差し出しました。






「なんだよ・・・これ?」






「今日、社長のところの従業員さんが持って来られたの。あなたに渡して欲しいって・・・」






「俺に?どういうことだよ?」






私は封筒の中を開けてみました。



中にはプラスチックのケースに入ったDVDが1枚入っていました。






「これを見ろってことなのか?」






「何も言われなかったからわからないわ」






私はスナックを飛び出しました。



一体このDVDの中には何が映っているのか?



たぶん妻が映っているのでしょうが、妻であって欲しくない・・・。






私は家に帰るや否や、居間に入って鍵を掛けました。



妻は出かけているのか家にはいないようでしたが、もうこうなってはDVDの中身を確認するのが先です。



私はDVDをセットし、再生ボタンを押しました。



画像が出てくるまで心臓が飛び出すくらいバクバクしていました。






<続く>