出会ったときから一目惚れで、ずっと好きだった麻衣。



でも僕に振り向いてくれず、逆に彼女の恋の相談相手のような感じになっていた。



それでも諦めずにいた僕にチャンスが来て、付き合うことが出来た。



でも麻衣は、僕と付き合っても別れた先輩を忘れることが出来ないこと、僕はずっと二番だということを申し訳なさそうに告げた。



僕は、いつか先輩を忘れさせることが出来ると信じて、そんな条件でも麻衣と付き合い続け、とうとう結婚出来た。






そして結婚して2年経ったある日、偶然街で、麻衣の別れた彼氏である先輩と出会ってしまった。



迷いに迷ったが、麻衣にもその話をした。



結局、麻衣はもう一度先輩に会いたいと、泣いて謝りながら言ってきた。






そしてその日は来て、なぜか僕は先輩の嫁さんのアリーさんと過ごすことになった。



麻衣が元カレと会っているという最悪な状況にも関わらず、よりによってアリーさんとセックスをしてしまった・・・。



それは今まで経験したことのない激しくエロいセックスだった。






自己嫌悪に押しつぶされながら帰宅すると、すでに麻衣は帰ってきていた。






「・・・キスしちゃった・・・。先輩と、キスしちゃったよぉ」






泣きながら言う麻衣。



でも僕はアリーさんとのことがあり何も言えなかった。



すると麻衣が僕に抱きついてきた。






「ゴメンなさい・・・。どうしよう?私、わかんないよ・・・。どうしたらいい?」






泣きながら聞いてくる麻衣。



僕はこんな状況なのに、麻衣の涙を見たことで麻衣を助けたくなった。






「好きなの?まだ先輩のこと好きなの?」






僕は喉がカラカラになるのを感じながら何とかそう聞いた。






「・・・わかんない・・・」






麻衣は本当に困り果てた感じだ。






「でも、また会いたいんでしょ?」






「・・・うん。ゴメンなさい・・・」






「じゃあ思ったようにしてみなよ!またデートして、自分の気持ちを確かめてみなよ!」






「えっ!?そ、そんなの・・・」






ビックリして口ごもる麻衣。






「だって、ハッキリさせないと、心の中でどんどん先輩のことが大きくなるでしょ?心の中の人には勝てないよ。先輩と実際に会って、ちゃんとデートして、気持ちを確かめればいいよ。俺、今なら負けない自信があるw」






僕は努めて明るく言った。






「あっくん・・・。愛してる。本当にあっくんのこと愛してる。でもね、考えちゃう・・・。本当にゴメンなさい。気持ち、ハッキリさせるね」






麻衣は、申し訳なさそうに言いながらも、結局先輩とまた会うことを選んだ。



僕は口ではああ言ったが、自信があるわけではなかった。



取られてしまうかも知れないと、かなり本気で思っていた。



でもアリーさんが、セックスは僕の方が上と言ってくれたこともあり、僕は麻衣にそう言えたのだと思う。



そして僕も心のどこかで、もう一度アリーさんとセックスをしてみたいという欲望があったのかも知れない。






「じゃあどうする?先輩のアドレス、教えようか?」






話が決まり、段取りのためにそう言うと、「あ、教えてもらったから、メールしてみるね」と、さっきまでの深刻そうな感じから一転して、明るい感じになっていた。



俺がどう答えようと、また先輩に会うという気持ちは固まっていたようだ・・・。



そして僕の前の前でメールを始める麻衣。



ニコニコと楽しそうにメールをしている。






「送ったよwなんか緊張する~」






こんな風に言ってくる麻衣。



なんか昔を思い出す。



まだ大学生だった頃、麻衣は先輩との恋の相談を、よく僕にしていた。



麻衣に自分の気持ちを伝えられずに麻衣の恋の相談を聞き、それに真剣に答えていた。



僕には辛い日々だった。



今、その時の感覚が蘇ってきて、とても不安になってきた。



すると本当にすぐにメールが返ってきた。






「あっ!もう返ってきた!どうしよう、なんか緊張するよぉ~。あっくん、見てよぉ~」






麻衣はこんな事を言いながら本当にスマホを手渡してくる・・・。



コレはなんだ?



麻衣はなんか楽しそうだけど、僕の扱いはなんだ?



僕の立ち位置は?



不満が口をつきそうになったが、グッと飲み込みながらスマホを受け取った。






「はいはい」






少し呆れたように言いながら、スマホを操作してメールを読み始めた。



メールには、「メールをくれてありがとう」というお礼と、「さっそく明日デートをしよう」ということが書いてあった。



昔よく行ったオイスターバーに行こうと書いてあった。



内容を麻衣に伝えると、「良かったぁ~。断られたらどうしようかと思ったw」と、心底ホッとした感じで僕からスマホを受け取った。






「良かったじゃん。オイスターバーって、いつものとこ?」






「えっ?あ、うん・・・」






歯切れの悪い麻衣。



僕と麻衣とでよく行くオイスターバーに、先輩とも行っていたなんて聞いてなかった・・・。






「良かったじゃん!でも明日とは急だね」






「うんw先輩はいつもそうなんだよね。なんでも急なのw」






嬉しそうに先輩のことを語る麻衣。



この違和感というか、パラレルワールドというか、異空間に迷い込んだ気持ちだ。



いつもと同じように麻衣がいるのに、麻衣じゃない感じ・・・。



確かに僕は麻衣に、「二番でかまわない」と言って付き合い始めて結婚した。



でも麻衣は、もう先輩のことは吹っ切れていると思っていた。



先輩が帰ってきたことなど、言わなければ良かったのかも知れない・・・。



後悔から落ち込みながらその後の時間を過ごしたが、風呂に入っているといきなり麻衣が入ってきた。






「へへw一緒に入ってもいい?」






可愛らしく言いながら麻衣が入ってきた。



たまにこう言うことがあるが、たいていそんな時は麻衣は発情モードだ。



案の定、すぐに抱きついてキスをしてきた。



最近、麻衣は変わった。



昔は発情しているのを隠して、遠回しに誘っていた。



それが先輩の帰国を機に、積極的に僕を誘うようになっていた。



どういう形なのかはわからないが、先輩との再会が麻衣の心に大きく影響を及ぼしているのがわかる。






麻衣の舌が、僕の口の中をグチャグチャにしている。



こんな風に自分から舌を絡ますキスなんて今までほとんどしなかった麻衣だが、今はキスしたと同時に舌が飛び込んできた。



大島麻衣そっくりの可愛らしい顔を紅潮させながら、必★でキスをしてくれる麻衣。



それは後ろめたさからなのかな?と、変に勘ぐってしまう。






「凄いね。もうこんなだよw」






そう言って僕の勃起したペニスを握る麻衣。






「ホント凄い大きいね。大好きw」






そう言って、口を大きく開けて咥えてくれた。



麻衣は僕に対して、「愛してる」とか「好き」とかいう言葉は、結構頻繁にかけてくれる。



でも、「ペニスが大きくて好き」なんてセリフは初めて掛けてもらった。



大きいとか小さいとかいう言葉は、比較の対象があってこそのモノだと思う。



麻衣は先輩とのセックスを思い出しているのではないかと思った。



そして、先輩のモノと比べているのではないか?



そんな考えが頭を支配する。



アリーさんの話だと、先輩のモノよりも僕のモノの方がかなり大きいそうだ。



大きさで優劣が決まるわけではないと思うが、先輩より僕のが大きいということが、多少なりとも僕に安心を与えてくれているのは事実だ。






凄く嫌な考えで、本当は想像もしたくないけど、麻衣が今先輩とセックスすれば、僕とのセックスの方が気持ち良いと分かってくれるのではないか・・・。



そんな風に思った。



だからといって、麻衣と先輩がセックスをして欲しいなんていう風には思ってはいない。






でも僕はアリーさんとしてしまっている。



正直、凄く心苦しいし、負い目だ・・・。






<続く>