ボロボロの抜け殻のような状態が続いた。



大学には通ったが、何も耳に入らない状態で、実質何もやってないが形式だけ見せかけて間に合わせる毎日だった。



時間があればパソコンに向かって、なにか掲示板を見たりしていた。



何もやってないから時間だけが余って、7月に入ってから、ふとゲームをやって中の世界を確かめたくなって、お金を払ってサービスを継続し、ログインした。






何も変わらない世界。






彼女との友人登録はまだ残っていて、今もログインしていた。



しかしやはり話しかけては来なかった。






所属していた団体からは除名されていた。



話せる友達はもういなくなっていた。






僕はログインしたとたん、急にやる気がなくなった。






傷心旅行をしているようなつもりで、数時間もずっとゲーム内をぶらぶらしていた。






彼女のキャラが通りかかった。






彼女のキャラは、僕とすれ違うと、ちょこんと挨拶のポーズをとって、そのまま走り去っていった。



何もしゃべらなかった。








ただ、挨拶されたのが僕にとっては本当に大きな救いに思えた。






それを境に僕は回復していった。



いまは、わりと自分を冷静に見れるようになった。



思い返すと、さまざまなところで反省すべき点がある。






最大の問題は、そもそもどこまで付き合っていたのかということだろう。






体の関係ばかりが先行してしまった。



30回近く彼女と行為を繰り返し続けながら、恋愛を深めることをしてこなかった。






彼女の術中にはまりながら、情けない格好でいかされたりして、男なのに体を弄ばれてしまったという自虐的な決め付け方もできる。



思いやりが不足していた点も多い。






一方で、彼女と共有していた時間は、出会った2月頃からゲーム内含めて考えるとはんぱじゃなく多いし、1日中彼女と話し続けたこともたくさんあった。






京都で一緒にいたときの彼女は本当に楽しそうで、単に体だけが目的だったのかと割り切るのにも躊躇を感じる。



もうちょっと普通にデートを重ねていくのも誘えばできたはずだ。



そのあいまいな状態を解決しようとしないまま、欲求に走ってしまった点が最大の反省点だと思う。



それによって、悲劇を回避できたかは分からないが。






学ぶ点は数多くあったので、人間的に成長できた気がする。



彼女には心から感謝している。






僕はまだときどきゲームでぶらぶらしていて、彼女はすれ違えば挨拶する状態から変わっていない。



僕がなにか行動を起こしたら、と思う方もいるかもしれない。






しかし、彼女には彼女自身たぶん何か深い闇が心の中に広がっている気がして、僕程度の人間では、どうにも付き合っていくことはできないと思う。






以上を懺悔の意味でここに記す。