高校を卒業してこれといってやりたい事もなく、かといって大学に進む事も考えていなかった僕は、調理師免許でも取ろうと思い調理系の専門学校に入った。
入学して一週間もするとクラスに自然とグループが出来てくる。
やる気マンマンの真面目集団。
やる気ゼロのギャル上がり集団。
同じくやる気なしのヤンキー上がり。
不思議にオタクに普通・・・。
クラスという狭い空間の中、様々なグループが出来上がっていった。
誰にでも当たり障りなく関われる性格なのでどのグループでも行き来できたが、僕は中途半端な集団が落ち着くのでそこに身を置いた。
毎日のようにツレの男二人が僕のアパートに学校帰りに寄っていきバカ騒ぎしていた。
「なぁハル?お前の班の女可愛くない?俺ちょータイプなんだけど」
「ハァ?どっちの娘よ?」
実習の班は男二人女二人の四人で区切られている。
「バカ!ナオに決ってんべ!もう一人はその・・・アレだ・・・ヤバイべ・・・」
後々判った事だがヒロは一目惚れしやすい性格らしい。
「ハル、お前なんか喋ったりしないのかよ?」
「いや、別に普通の会話くらいなら・・・」
こいつらにはまだ話してないが、実は僕にまだ女性経験はない。
高校も男子高だったせいもあるが女性との接点がほぼ皆無だったわけだ。
「お前よー、せっかくナオの近くに居るんだからちょっと協力してくれないか?」
「何をよ?」
嫌な予感がした。
「明日でもよ、学校終わったらどっか遊びに行こうとかさぁ、何でも良いからきっかけ作ってくれよ」
「まじかよ!何で俺が誘うのよ?理由がねぇべ」
ナオは顔も可愛いしスタイルもいい。
がしかし、僕が苦手なギャル系なのだ。
田舎から出てきた僕には、格好も話し方も振る舞いもすべて僕の理解を超えていた。
「とりあえず頼むわ、なっ!んじゃ俺、そろそろバイト行くわ、じゃあな!」
「おい!おまぇっ!ちょっ待てって!・・・」
慌ただしくヒロは部屋を後にした。
「はぁ・・・どうしたらいいべ?」
「まぁいつものように気楽でいいんじゃないの、適当にさぁ」
タカの府抜けた声に脱力した。
一ヶ月近くコイツとは一緒にいるが、家に寄らない日はいつも女と居る。
それもいつも違う女とだ。
確にいつもクラスの娘とは適当には話すが、誘うとなると話は別だ。
僕は明日の事を考えると憂鬱になってきた。
そして次の日の午後実習が始まった。
何をきっかけにナオを誘うか、頭の中はそれで一杯だった。
まぁ3対3で遊ぶことになったら、もしかして俺にも何かあるかも・・・。
などと、そんなことばかり考えていた。
「それでは始めてください」
厨房に先生の声が響いた。
やばい、全然説明が頭に入ってない。
何からしていいか分からず、あたふたしている僕にナオが声を掛けてきた。
「んじゃハル、みじん切りしてよ」
「あっうん!わかった!」
突然張本人であるナオに話しかけられて動揺しまくった僕は第一刀目で指を切った。
「痛ぇっ!血ぃ出たぁ!」
「あ~ぁやっちゃったバカ!もぉ何してんのぉ?」
頭の中で僕は、お前のせいだろうが!と思いながらも強がって見せた。
「ちょっと切っただけだよ、問題ねぇよ」
「もぉいいから、センセー!このバカちょっと保健室連れてきまーす!」
「ハァ?何言ってんだよ平気だってば!」
「いいから早く来なって!」
まずい、このままでは二人きりになってしまう。
僕はナオに強引に引っ張られて保健室に連れて行かれた。
厨房から出る時、タカの冷やかしとヒロからの冷たい視線に見送られながら。
保健室までの廊下でナオはコック帽とエプロンを外した。
手を引かれて後ろを歩いてた僕の鼻をナオの髪からの甘い匂いが刺激した。
「ん?どうしたの?指、痛い?」
ナオの香りと指からの出血で、なんだか頭がぼーっとしてきた。
「すいませーん、指切ったんですけど、誰かいないですかー?」
どうやら誰もいないらしい。
保健室はしんと静まり返ってナオの声だけが響いた。
「誰もいないみたいだな・・・じゃあ戻るか」
なんとかこの場を逃れたい僕がこう言うとナオは・・・。
「ハァ?何言ってんの?血ダラダラ出てるし、ハル顔色悪いよ、・・・しゃーない私が診てあげよう!」
「大丈夫だって・・・」
「いいから早くそこ座って!」
僕は子供を座らせる感じでナオに無理矢理座らせられた。
「さてとっ・・・何からしようかな♪」
コック服の一番上のボタンを外しながらナオは救急箱を探っている。
『お前ちょっと楽しんでるだろ!』とツッコミを入れたかったが、傷の痛みに耐えれず僕は黙っていた。
消毒液とコットンを手にナオが座ってる僕の前に膝をついた。
上からの視線だと白衣の隙間からナオの肩にかかるブラの黄色の紐と首筋に目を奪われた。
「じゃあいくよっ!染みたらごめんね?」
さっきまでと違って不安そうな顔で消毒を始めた。
「痛っ・・・つっっ・・・!」
「ゴメンッ、ごめんね、もう少しだから我慢してね」
どちらかというと泣き顔に近い顔でナオが言った。
消毒液の匂いとナオの髪の香り、泣き顔、ブラの黄色、首筋がさっきよりも強く感じた。
(もっと近くで感じたい!)
ふと僕の頭にそんな事がよぎった。
「これで良しっと!ねぇハル、もうこんな時間だし授業終わるまで休んでこうよ!」
包帯を巻き終えて離れてゆく指が名残惜しかった。
こんな近くにいい女が居るのに何も出来ないなんて気がおかしくなりそうだった。
ナオがベッドに横たわりながら僕に話し掛けてきた。
「ねぇハル、今日暇?」
横になるとまた肌蹴た上着から胸の谷間が見え、無意識に僕は凝視していた。
「ねぇってばぁ、聞いてるのぉ?」
「!っあぁ暇だけど何?」
「バイト休みで暇なの、だからヒロとか誘ってカラオケとか行かないかな?って」
「別にいいよ、んじゃそっちもミユとかに声掛けといてよ」
思わぬ事に向こうからお誘いがあった。
これは僕にとってはありがたい事だ。
「ヒロとか誘って」って言っていたけど、もしかしてナオもヒロの事を気になってるのかもしれないと思いながらも、複雑な気持ちで僕は誘いに乗った。
チャイムとほぼ同時にドアが開いた。
そこから顔を覗かしたのはナオのグループの千秋だ。
こいつのイメージが強すぎてギャルが嫌いなのだ。
でもナオだけはこの短時間でイメージが変わった。
僕の偏見だっただけなのかもしれない。
「ナオ?まだ居るの?休み時間だよ、タバコ吸いに行こ~」
「うん、行く行く、ハルも行こうよ」
僕は小さく舌打ちをした後、「先に行っていいよ、これありがとう、じゃあ後で」と、指を見せながら手を振って見送った。
立ち上がるに上がれない事情もあった、カチカチだったのだ。
二人を見送った後、ドアに鍵を掛けて、今までナオが寝ていた温もりが残るベッドに体を沈めた。
先程の光景、長い髪、潤んだ唇、指、上着から覗かせた胸を思い出し、枕に鼻を押し付けてナオの匂いを思いきり吸いながら、包帯で不自由な右手で擦りあげていた。
教室に戻るとヒロが血相変えて飛びついて来た。
「てめぇ、あいつと何してたんだよぉ、まさか・・・!」
「何もしてねぇよ!」
できなかったと言った方が正しいが僕は事の経過を説明した。
「やるじゃんハル!でかしたぞ心の友よ~!」
ヒロはさっきまでとは違い満面の笑みだ。
タカは女が絡む話は断った事がないのでこちらのメンバーは決まった。
ホームルームを終えてナオが話し掛けてきた。
「ゴメンね、うちら、ミウと二人だけなんだぁ」
ヒロはナオ目当てだし、タカはナンパ師なので僕が浮くのは目に見えていた。
タカを誘ったのは後悔した。
「いや、別にいいよ、そんじゃ行こうか」
僕は憂鬱で重い足取りのまま前を歩く二組の後ろを追った。
部屋に入ると各々アルコールを注文して騒いだりしていたが、半ばヤケ気味に飲み続け歌っていた僕に、少し酔っぱらったナオが隣に来て僕に肩を預けた。
頬がほんのり赤く、さっきとは違う香水の匂いが漂っている彼女は昼間より色気があって、胸がざわついた。
「ハル楽しんでる♪歌上手いねー、じゃあさ次はこれ歌ってよ!FOHのアイビリーブ!」
意外だった、僕の好きな歌を指名してきた。
「これ好きなの?俺も好きなんだよ、いいよねこれ」
「だよね、だよね!その指のお礼にナオに気持ちを込めて歌ってよ」
イントロが流れた。
僕の肩にナオは首を預けたまま嬉しそうにしていた。
サビに入ると小声でナオも口ずさんでいるのが聞こえる。
「ハル・・・ありがと」
そう言うとナオはトイレ行くと部屋を後にした。
すかさずヒロが立ち上がり後を追って行った。
一方タカはミウといい感じだだった。
(あぁ、そろそろばらけるんだな・・・)
そんな予感がしていたらナオとヒロが帰って来た。
「悪い!皆、俺先に帰るわ。ちょっと用事で今すぐ行かないとならんくなった」
あぁやっぱりな、好きにしてくれよもう。
なんて考えていたらナオから思いもよらない言葉がでてきた。
「よーし、じゃあ二次会はハルの家だー!」
「えっ!?ナオも一緒に帰るんじゃないの?」
「なんでぇ?だって飲み足りないじゃん!」
頭が混乱した。
予定外の出来事が起きそうになった。
「悪いけど俺行くわ・・・」
部屋からヒロが残念そうに出て行った。
「行こ!行こ!」
ナオが手を組んできた。
肘に当たる胸の感触が心地いい。
僕たちは店を出て自宅に向かった。
近くのコンビニで買い出し中にトイレにいたら、タカが何かを手渡してきた。
「適当なころになったら俺らどっか行くから、頑張んな」
三枚綴りのゴムだった。
んなうまくいくわけないと思いつつ、ポケットにそれを仕舞った。
店から出ると先に出ていたナオ達がソフトクリームを食べて待っていた。
「ん?食べたい?ほらアーンして、アーン」
気が付くと自然に口を開けてしまった。
さっきまでナオが舐めていたソフトクリームを口に入れた。
「美味しい?」
「うん、うまい」
色んな意味でね。
部屋に着き、一時間位リビングで四人で飲み、時計は11時を過ぎた。
「ナオ、そろそろ行かないと終電間に合わないよ」
時間に気付いたミユが言うと、「えぇーまだ飲むぅー」と酔っぱらったナオがダダをこねたのを見て、ナンパ師タカが動いた。
「ミユ、こいつダメだわ、置いてこう、帰るんなら俺が送るよ」
自然にこんな事が言えるコイツが羨ましい。
「え、でもなぁナオが・・・」
「いいから行きなってば!さぁハル、あんな奴ら放っといて飲むぞぉ!」
「ゴメンねナオ、じゃあ行くね♪」
「ハル・・・じゃあ・・・」
タカがニヤリと笑い、力みがちに僕の肩を叩いた。
ミウは嬉しそうにタカと手を組んで二人は家を後にした。
本日二度目の二人きりだ。
「帰らなくてよかったのか?」
「だってあの二人いい感じだったじゃん♪ハルは鈍チンだなぁ」
そんなことは僕でもわかってる。
聞きたいのはそんな事じゃない。
ナオは楽しそうに、家に着いてから何本目であろう500mlの缶ビールを開けた。
「いいかげんお前飲みすぎだろ、もうやめとけって」
「んじゃハルがこれ一気飲みしてよ、そしたら止めようかな♪」
正直僕は酒が弱い、今の状態でこんなもの飲んだら・・・。
「ハルはお子ちゃまだから無理かぁ♪じゃあ私が一気しちゃお~とっ♪」
そう言われた瞬間カチンときた。
僕はナオの手から缶を奪い、一気にそれを飲み干した。
「さっきから聞いてりゃガキ扱いしやがって!・・・ゲフッ!」
「すごいじゃんハル!イイコイイコ♪」
僕は突然抱きつかれ、ナオに頭を撫でられた。
あの指で頭を撫でられ、顔に胸が当たる。
部屋はテレビが受信しなくなり青い光だけだった。
距離はゼロセンチ。
僕の頭は考える事をやめ、体が先に反応していた。
背中に左手をまわし、右手は服の上から胸を触った。
同時にナオの指が止まった。
「ハル?・・・」
僕は俯いたまま黙っていた。
「ねぇヤバいよ・・・」
キャミソールの肩紐がハラリと落ちた。
細い首筋にキスをしたら体が小さく揺れた。
「もぅ・・・止まんなくなっちゃう・・・ょ」
止める気などない。
服の中に手を入れブラの上から触った。
シンプルな作りの肌触りのいい生地だった。
指でなぞると乳首が当たり、また体が揺れ、小さく吐息が漏れた。
「キス・・・したいな・・・」
目を閉じたまま、口元は僅かに微笑んだような顔をしていた。
僕は顔を上げ、二、三回軽く唇を触れさせると自然に舌を絡ませてきた。
薄くなって忘れていた香水の香りがして口の中は甘く感じた。
上着を脱がせると黄色のブラのホックを外した。
思っていたよりすんなり外れ、それを剥がした。
青い光に照らされて映し出された胸は想像していたよりも小ぶりで形の良いものだった。
「おっぱい・・・綺麗だね」
「もぉ・・・小さいけどね」
照れ笑いをしながらまたキスをしてきた。
手は胸を撫で、敏感なところを刺激し続けると小刻に体が震えている。
「ン・・・ンッ・・・ハァ」
先程よりも赤く色付いた乳首を舌先で舐め口に含むと声が漏れた。
ミニスカートのファスナーを下げると自分でそれを脱いだ。
たまらず同色のパンツに手をかけると制止された。
「待って、自分で脱ぐから」
「何で?」
「・・・だって・・・恥ずかしいもん」
体育座りの様な体勢からパンツをずらしていく。
一瞬、青い光に反射してパンツからナオへ糸が光っていた。
「綺麗だ・・・」
無意識に口にしていた。
乳房のカーブから舌を這わせ再び乳首を攻める。
同時に下の方にも手を伸ばした。
腕に茂みが触れた直毛でさらさらだった。
ビデオでしか見たこともない形も知らないソレを探るのは安易ではなかった。
僕はアナルを直接触ってしまったらしい。
「イヤッ・・・」
「・・・ごめん!」
そこもしっかり濡れていたので、そのまま指を滑らせて行くと肉のヒダに触れた。
そのヒダは動かない指を飲み込もうとしているようにしっとり張り付いている。
人差し指と薬指でヒダをこじ開け、中指で外壁をなぞらせると突起が触れた。
「ァンッ・・・」
体が震えている。
位置を確認するとまたソコを指で攻めた。
「ハァ・・・ァンッ・・・ン」
ナオを床に寝かせて僕は上着を脱ぎ両足を割った。
見たことのないソレはテラテラと光り、蜜で溢れていた。
「見ないでよぉ・・・もぉ」
僕は顔を近付け、近くでソレを凝視し、無意識で匂いを嗅いだ。
あまり匂いは無く何か物足りなさを感じた。
下から上にかけて思いきり舌で舐めた。