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イケメンでエリートの池田くん









合コンで知り合って意気投合したイケメンでエリートの池田くん(仮名)30歳。

私たちはすぐにつきあい始め、まもなく池田くんが一人暮らししているマンションの合鍵をもらった。

池田くんは自分はもういい年だから遊びで女性とは付き合う気はない、

子どもが好きだから早く結婚したいと言う。

当時25歳くらいだった私はそろそろ結婚を意識していた。

池田くんはおかあさんにも会わせてくれた。

「素敵なお嬢さんがお嫁さんに来てくれるのね」と、おかあさんは大喜びしてくれた。

私達の未来に何一つ障害はなかった。そう、あの日が来るまでは。



池田くんと付き合い始めて数ヶ月経ったある秋のことだった。

私は出張で海外に行く予定だったのだが、上司の病気で出張が急にキャンセルとなった。

しばらく私が海外に行くから会えない、残念だと言っていた池田くんを驚かそうと思い、

彼がまだ帰宅してないはずの夕方、合い鍵で池田くんの家に入った。



玄関には男物の靴が散乱していた。

靴を出しっぱなしにするなんて、きれい好きの池田くんにしてはおかしいな、

と思い、そっと寝室に近づいて行って驚いた。

ベットがきしむ音と、人の激しい息づかいがしている!



リビングには脱ぎ捨てられている服が散乱していた。

「池田くん、浮気なんてひどい」と思いながら服を眺めていたが、

そのうち私はこれはただの浮気ではない、ということに気がついた。



脱ぎ捨てられている見覚えのあるトランクスと、

池田くんの趣味では絶対ない派手なビキニブリーフ。

この前私がプレゼントした池田くんのシャツと絡み合って落ちているのは、

池田くんが絶対着ないような、サイズの一回り小さい使い込まれた革ジャン。



そっと寝室を覘くと、そこには池田くんと絡み合う男の姿があった。

仁王立ちしている池田くんをしゃぶっている若い小柄な男。

池田くんは呆然と立ちすくむ私に気づかず、男にむしゃぶりついていた。



私は、池田くんのために作ってきた肉じゃがをそっとゴミ箱に放り込み、

机の上に合い鍵を置いて、そっと彼の家を出た。



その後池田くんに呼び出されて一度だけ会った。

あのとき池田くんの家にいたのは、池田くんがずっと付き合っている彼。

彼はゲイだった。

でも、自分がゲイだと知ると母親が悲しむ、母に孫を抱かせてやりたい、

それだけの理由で形だけの結婚をし、子どもを望んでいたという。



私にも池田くんの苦しみはわかった。

一人の人間としてとして、池田くんを応援してあげたい気持ちもあった。



でも、隠れて男を抱いたベットで、愛してもいない私を抱いて孕ませて

親孝行の道具として利用しようとしている事実は受け入れられなかった。



「貴方のことを気持ち悪いとは思わない。

 男が男を愛することを格好悪いとも思わない。

 せめて貴方が先に彼の存在を打ち明けてくれていたら、

 友だちとして貴方を支援してあげられたかもしれないけれど、

 相手が男でも女でも、これは裏切りだよ。許せない」

と告げて、私はその場を立ち去った。



池田君はその後都会に出て、カミングアウトしたそうだ。

男の子と腕を組んで堂々と暮らしているらしい。

いろいろあったけど、私は今は遠くから、

彼が彼らしく生きていてほしいとそっと願っている。



>823

池田くんは「俺は女は抱けないと思っていたが、お前なら抱ける、

だから俺を助けてくれ、俺に子どもを産んでほしい」と拝み倒されました。

でも、男の体をねちねちなめ回していたあの唇でキスされるかと思うと

生理的に私が受け入れられませんでした。



今はもう大丈夫ですが、しばらくは男はなにもかもいやでした。

池田くんや、彼のボーイフレンドの顔を思い出しては、吐いていました。







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