私はリビングを覗いた。



Yが妻を見下ろしながら、全裸になっていく。



その年齢にしては屈強な裸体が現れる。



浅黒く大きな男の裸体だった。



妻の拘束が解かれる。



そしてYの手は、未だ大きく息を吐き続ける、妻のファスナーに手を掛けた。



妻は動かない。



Yがワンピースを裾から捲り上げ、妻の頭部から引き抜く。



妻は少しだけ抗ったが、強引にその両手を上げさされたのだ。



下と揃いのラベンダー色のブラジャーを、妻は着けていた。






「ダンナは未だ帰ってこないよ」






未だソファーに上半身を埋めたままの妻に、Yは初めて声を掛けた。



妻の剥き出しの下半身が、異常に白く思えた。



妻が何かを言った。



私には聞こえなかった。






「ダメだ。もう一度だけ犯すよ、奥さん」






Yの声は、低く大きい。





妻を見下ろし、両手を腰に当てている。






「心配するな、亜希子。お互いに他言は無用だ。俺は約束する」






Yはこの時から、妻を呼び捨てにした。






妻は黙したままだった。



何を考え、思っていたのか。



Yは仁王立ちで喋り続けた。



妻を一目見た時から、こうしたかった事。



私がSM行為を妻に行っている事。



それを妻が受け入れているM女である事。



(これを言わなければ、次の寝室での行為は不可能になってしまいます。敢えて言わせました。)






「今から、寝室でお前がMか確認してやる、来い」






Yは妻を強引に引き立たせた。



妻は俯いたまま首を振っている。



その顎を掴み、Yは妻の顔を上げさせる。



妻が視線を外す。



それは私の方を見る結果となった。



私は跳ぶ様に身を隠した。



(この時はもう気付かれたと思いました)






暫くの間、二人の声が聞こえません。



もう駄目かと思った瞬間、再度の妻の喘ぎ声が洩れてきたのです。



覗いたその光景は、強烈に卑猥なものでした。






妻がリビングの中央で、立ったまま床に両手を付いていました。



いつの間にか全裸にされ、その裸の背中を私に向け、尻はYに向けられていました。



Yはその前に中腰になり、妻の尻を両手で掴みしめていたのです。






「ここだな。亜希子のオマンコは」






指を出し入れしている様でした。



逆様に垂れ下がった妻の束ねた髪が、箒の如く左右に揺れていました。






「俺のと、ダンナのチンポ・・・どっちが大きい」






妻はそれには答えず、首を振って嗚咽を洩らします。






「言ってみろ。俺だろ?亜希子」






言いながらYは、片手で妻の尻を打ち据えます。



湿った打音が響き、妻は悲鳴を放ちます。



数度程打ち据え、Yが再度妻に聞きます。






「言えよ。俺だな、そうだな、亜希子」






妻は嗚咽を洩らしながら、はい、そうですと細い声を洩らした。






「寝室で、俺に、どう犯されたい。白状しろ」






尻を打ちながら、Yは更に責め続けます。



妻は泣きながら白状させられました。






「猿轡を噛まされ、縛られてバックから犯されたい」と。






私は、妻に対して★意にも似た嫉妬を感じていました。



そして、重大なミスを犯していた事にやがて気付くのです。






私は、その妻とYとの痴態を凝視し続けた。



その卑猥な姿勢を保てず、ともすれば床に崩れそうになる妻を、Yは中腰のままで何度も叱咤し、尻を打ち据えて立て直させる。



結果、妻は床に両手を付いたまま両足を大きく開き、背後にいるYに全てを曝け出す姿勢を取らざるを得なくなっていた。



それは丁度、跳び箱を真似る人の格好に似ている。



それを全裸で、夫の居ない自宅で、その友人に命令され、妻は従っている。






「もう一度聞く。俺とダンナ・・・チンポが長いのはどっちだ」






Yの執拗な言葉の責めが続いていた。



時折、尻を打ち据える打音がリビングに響く。



妻は啜り泣きながら喘いでいた。






極度の興奮状態に入ると、妻はよく声だけで泣き始める。



啜り泣いていても、涙を流す訳では無い。



身体が震え出し、声だけで泣くのだ。



一度聞いた事があったが、その時妻は軽くだがイキ続けているのだと、答えた。






尻を打つ打音、甲高い悲鳴。






「あなたの方です」と、泣き声がしている。



「あなたの方が、長くて大きいです」と妻は白状している。






「ダンナとどっちの方が感じるんだ」






尻を打つ。



打音。



悲鳴。






「あなた、で、す」






そう呻いて身を捩る妻。






「俺に、前からこうして欲しかったのか」






高い打音。



叫び声・・・。






私は、その痴態を裂けるほど眼を見開いて凝視していた。



そして私が何年も費やして、妻に植付けたSとMとの関係を、たった一度の陵辱で征服し、妻を屈服させたYに対して言い様の無い脅威を感じた。






『この二人は・・・前から関係が在ったのではないのか?』






そんな錯覚(であると思います)さえ、覚える程二人の行為は凄まじく、淫靡な行為に思えた。



妻は本当に此の侭、Yの性奴隷になってしまうのではないのか。






指と舌で散々に絶頂を与えられ、妻は床に突っ伏した。



Yは立ち上がる。



その股間に生える肉棒は、赤黒く膨張し節くれ立って反り返っていた。



そしてそれは恐ろしいほど長く見えた。



充血した眼で、うつ伏せて動かない妻を見下ろす。






十三畳強のリビングに設けた照明は、うつ伏せた妻の真白い裸体を照らしている。



束ねた髪が乱れ、その汗ばんだ項から背中へと纏わりついていた。



Yは立ったままで、妻を見下ろしている。



もう私の存在など眼中には無いのだろう。



再び怒張した男根は、もう妻を貫くべく天を衝いている。



その下腹部に付きそうな程、反り返って膨張していた。



私は何故かその男根から眼が離せずにいた。



あの肉棒を根元まで呑み込んで、音を発して揺れた妻の尻。



もう決して私では満足できないだろう。



そんな思いが脳裏を過った。






Yはうつ伏せて動かない妻の両足を、手を使わずその足で左右に割った。



V字に両腿が開かれる。



妻はそれでも動かない。



まるで全裸の★体の如く、されるがままであった。



盛り上がったその尻に、Yの右足が乗せられる。



その肉の感触を、Yの足は楽しむかの様にゆっくりと踏み、裏で撫でる。



そして尻を離れ、その右足はYに開かれている股間に潜った。



妻の床に投げ出した手が、微かに動く。



私はその時、あるミスを犯している事に漸く気付いた。






(寝室に仕掛けたビデオカメラ・・・その録画スイッチを押し忘れている・・・!)






寝室での陵辱が今回の最大の目的でした。






そのクローゼットの中には、それらSMの道具が全て揃っています。



寝室は十畳在り、ベッドもキングサイズでその気になれば、3Pさえも可能な大きさです(ただ私の嗜好ではありませんが)。



その寝室内のある場所にカメラを隠し、所謂ピンホールで全ての行為が盗撮できる様にしてあったのです。






私は自宅を出る際、余りにも動揺していた為に、その直前にスイッチを入れる(テープは最大でも2時間)事を忘れていたのでした。






この計画を考えたのは無論、私です。



ただそれは単に妻をYに犯させるのでは無く、その場を見てみたいという想いからです。



今更何をと、一笑に伏されそうですがこの条件は絶対でした。



さすがにリアルタイムでは見れませんが、後にはその全貌を幾度と無く見る事が出来ます。



それが不可能となった訳です。






今の状況なら、Yの妻に対する行為は相当なものになる事は確実でした。



それを私が見れないのなら、その陵辱の間、気が狂わんばかりの時を過ごす術など、この私が持っている筈もありません。






(どうすればいいのだ・・・とても堪えられそうにない)






苦渋の汗が、身体中から吹き上がったその瞬間・・・。



私は妻がゆっくりと身体を起こすのを見たのです。






「さあ・・・寝室を案内してもらおうか。亜希子」






妻はYには答えず、壁の方にその顔を向けました。



そして突然立ち上がったと思うと、床に散らばった下着と服を掴み、よろけながらリビングから出て行ったのです。



その乳房と尻を揺らしながら。



Yでさえ、声を掛ける隙がありませんでした。






私は一瞬の動揺の後、妻の行動の意味を察知しました。



妻は浴室に向かったのです。



壁には時計が掛けられています。



時刻はAM12:30・・・私が家を出て既に80分強が経過していました。



(計画は11:00スタートでした)






「ニ、三時間はかかる」






その私の言葉を思い出したのでしょう。






妻はある意味、未だ冷静さを欠いてはいませんでした。



私が若しニ時間程で帰宅するなら、それまでに妻は、その身体を清めておく必要がありました。



(きっと身体のみ、しかも湯だけで石鹸等は使用しないでしょうが。髪が濡れているのも不自然です。)



妻は今をそのギリギリと見たのでしょう。



あれだけYに対して狂わせられながら・・・。



私は女の凄さ、そして狡さを見せつけられた様な思いでした。






Yは私に背を向け、閉まったドアを見つめています。



浴室はその廊下の右奥。



そのドアが閉まった音が響きました。






「・・・おい、Y」






庭先から、私は未だ全裸のYに静かに声を掛けました。



それは自分でも驚く程、枯れた声でした。



Yが憮然とした態度で私に近づきます。



無言でいるYに、私は妻の行為の訳、そして寝室のカメラの事も全て伝えました。






「ここまでだ、今日は」






私は小声でそう言いました。






言い換えれば満足しているとも言えました。



Yは無言でテーブルに近づき、コップに残る生温いビールをあおります。



そして暫く経って私の方を向きました。






「俺は、もう一度亜希子を犯すぞ、犯す!」






私を睨むその眼は、血走っていました。



一瞬、★気にも似た感情をその眼に見ました。






「何言ってるんだお前、もう今日は無理だ」



「いや、出来る。いい方法を考えた」






「深追いするな、危険だぞ!」






Yは私の意見など無視し、勝手にその方法を話しました。






「それで・・・妻が本気で抵抗したらどうするつもりだ」






妻はもう現実に帰っている筈でした。



今浴室で身体を洗っている間にも、その興奮はかなりの速度で冷えているに相違ないのです。






「絶対に大丈夫だ・・・今度はお前の目の前で、失神させてやる」






私はYをその対象に選んだ事を後悔せざるを得ませんでした。



この間僅か数分ですが、Yの妻に対する欲望と執着心は、強大なものへと変貌していました。






「見てろよ、お前は。あいつが尻からオマンコ突っ込まれてイキまくるのを、よ」






Yの股間から、狂気に膨れ上がっていく男根が揺れていました。



そしてYは、妻のいる浴槽へと侵入したのです。






どれほどの時間が過ぎたのでしょう。



私は言い様の無い焦りと、嫉妬、怒り、そして失敗への恐怖に戦いていました。



幾ら一度、妻を征服したとはいえ、今回だけは妻も本気で抗うだろう。



そう確信していました。






そして、リビングの扉の奥から聞き覚えのある、妻の悲鳴が聞こえてきたのです。



「アアッ」とも、「オオッ」とも取れる甲高いあの声。



それに重なる、肉のぶつかる打音。



それが近づき・・・。






リビングのドアが、音を立てて激しく開きました。



私はそれを見て思わず、うめいていました。



全裸の妻が床に手を付き、這っていました。



その尻は高く掲げさせられています。



Yがその背後に立ち、妻の腰を掴んでいます。



時折激しく腰を叩き付け、妻を叫ばせました。



先程リビングで取らされた格好のまま、妻は貫かれていました。



Yは妻を浴室もしくは廊下で、その格好をさせて貫き、このリビングまで妻を這わせて歩いて来させていたのでした。



妻が崩れそうになり、Yがその腰を引き上げます。






「まただ、バランスを保て」






掲げた尻に両手の平手が打たれます。






「歩けなかった罰だ、受け取れ」






妻の掲げた尻に数度、Yが激しく腰を打ち付けました。



尻から腿、そして微かに覗く垂れ下がった乳もが揺れ動きました。



妻は垂らせた首を激しく左右に振って、嗚咽を洩らします。






濡らさずにおこうとして結い上げた長い髪は、乱れて垂れ下がり、妻の細い項を逆様に露出させていたのでした。