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てつ君








登場人物

私子・・・当時21歳 彼男とつきあっている

彼男・・・当時21歳 私子の彼氏。普段は普通なのだが嫉妬深い

A夫&B子・・・当時21歳 彼男の友人。













ある日バイトの帰宅途中に彼男から電話があった。

内容は近くにあるファミレスにいるので来てほしい、とのこと。

電話してくる声がなんとなく命令口調っぽかったのが気になりつつ向かう

で、ファミレスに着いたら彼男の他にA夫とB子がいた。

私「あ、こんにちは」

A夫&B子「・・・こんにちは」

私「どうしたの彼男?突然呼び出して」

彼男「・・・まあ、座れよ」

A夫&B子「・・・」

何かすごく空気が重かった。

なんかA夫とB子が冷たい目でこっちを見てくるし

居心地悪いことこの上ない。

とりあえずもう一度どうかしたのか彼男に聞いてみると

彼男「・・・おまえ、浮気してるだろ」

私「は??何言ってんの????」

ポカーンって顔してたと思う。

何言ってんだこの男は。全く見に覚えが無いんですが・・・

私「私、浮気なんてしてない!意味わかんないんだけど」

彼男「ふーん・・・開き直るんだ」

私「だからしてないって!!」

彼男「最低だな!おまえがそういうやつとは思わなかった!」

私「ひぇっ」



彼男に頬を思いきり平手で叩かれた。

口の中を切った

私「痛・・・なんなの、マジうざい」

彼男「はい逆ギレきましたよーーーうーーーぜーーーーーーー」

A夫「ちょ、おまえ叩くなよwwまあ気持ちはわかるけど」

B子「でも私子ちゃんさあ、そういう態度が彼男傷つけてるってわからない?」

私は嘘ついてないしお前らなんなんだ。

嫉妬深い彼男と付き合ってから半年、彼男以外の男と遊びに行ったことさえないのに

彼男が嫌がるからサークルの打ち上げとかも行けなかった

なのに呼び出されて来てみたらいつの間にか「浮気した女」に決定されてるし。

泣きそうになりながら否定を繰り返してたら、彼男に携帯を渡すように言われた

彼男「私子さあ、この前実家帰ったろ」

私「それがなに。ちゃんと前もって説明したじゃん実家に帰るって」

彼男「で、墓参りのために従兄弟の家にも泊まったんだよね?」

私「うん。家族と一緒にね」

彼男「これ誰だよ」



彼男が指したのは、私と従兄に向けて送ったメール

私『~~で忙しいけど、てつ君にも会えるしね!』

従兄『てつも私子ちゃんラブだしね^^喜ぶと思うよ』

私『なんかおいしいおみやげ買っていこうかな』

従兄『だからてつは減量中だって(笑)』



私「・・・・・」



彼男「楽しかったですかー?従兄君もグルだろ」

ひらひらと携帯の画面をこちらに向けて振る彼男

あーあ、もう逃げ場無いねって感じでジュース飲んでるA夫

浮気されて可哀想な彼男君、マジ浮気する女とか許せない!という表情のB子

○意が沸いた

私「・・・・・携帯返して」

彼男「はいどうぞ。いーけどね証拠はこっちで保存してあるし」

私「・・・」(携帯の写メをいじる)

彼男「なんか言えよ」

私「はい」(携帯画面を彼男に向ける)

彼男「あ?」

私「てつ君。」



私「これ、てつ君。柴犬のね」

画面には、柴犬をだっこしてる私

彼男&A夫&B子「「「え、」」」

私「日付確認してみれば?ああ、従兄に電話でもする?」

彼男「え、ええ・・・ーーーーうっそ、ごめん!!!」

A夫「は?犬?・・・マジ?」

B子「え・・だって、彼男君が浮気だって言うから・・・」

A夫「彼男に私子ちゃんが泊まりで男と浮気してるって言われたから、俺達・・・」

私「犬と浮気したとか馬鹿じゃないの」

彼男「ごめんって!!悪かったから!ていうか、まぎらわしいだろそのメール!」

私「まぎらわしい?私は前にちゃんと言ったよね。

  従兄の家に行くことも、従兄は犬を飼っていて会うのが楽しみだっていうことも。

  犬の名前は言ったことなかったかもしれないけど」



確かに『私の実家が飼っている犬』の名前は彼男との話に何度も出したことがあるが、

『従兄の家で飼っている犬』の名前『てつ君』の名前は出したことはなかったかもしれない。

ついでに他のメールも見せる。

姉との別のメールには『~~~従兄君が言ってたけど、てつ君メタボ気味らしいよ』

          『~~向こうで散歩連れてってあげるか!ダイエットに~~』



彼男「・・・・あ、」

A夫「マジかよ・・・・」

B子「え、何、勘違い?ちょっとお~やめてよ~」

私「彼男がこんな勘違い男だとは思わなかった」

彼男「ごめんって!!皆でちょっと懲らしめようと思っただけで・・・!」



以下、彼男達の謝罪オンパレード。

最近私子と会えなくて寂しかった

デートも断られることが多くなったし、他の男と遊んでると思った

メールで一気に不安になった

そもそも俺がこんなこと思うようになったのはお前が遊んでくれないから

浮気を認めさせて懲らしめようと思っただけで、別れようとは思ってなかった

頬を叩いて悪かった俺は最低だ、でもこれは愛してるからこそ許せなかったわけで云々

彼男と違って私は仕送りが少ないからバイト多めでないとと生活がキツイからだし

デート断ったのはインフルエンザだったからで

そもそもプレゼンとかテストの前日とかに遊ぶなんてできないわけで

そういやこいつのこういう子どもっぽいところ本気で嫌だったな

つーかほっぺいてーよ口の中の血がさっきから止まってないんだけど

あ、痛いこれマジで痛い。これ腫れてきてんじゃないの?そういや男に殴られたの初めてだ

ふつふつと怒りがこみ上げてきて

私「もういい」

彼男「え」



私「○ねえええ!!!!!!」



店中に聞こえるぐらい大声で怒鳴ってグーで彼男を殴った。

お前なんかいらんわ!短小包茎が!!と叫んで彼男にメロンソーダぶっかけて店を出た。

ついでにA夫とB子の服にジュース零した

わめき声が聞こえたけど無視した

元彼男が店の外まで追いかけて来たが

「こっちくんな包茎!」「ハゲ!ハゲ!このハゲーーーッ!」

って叫んだらまた同じとこ殴られた。

「やめてよ包茎彼男!」「ち○こ臭いしちっせーんだよ彼男!!」「短小包茎彼男!」と叫んで怯んでる隙に逃げた。

勘違いで人殴るようなやつと付き合ってられるか。

家についたら一緒に暮らしてる姉と遊びに来てた姉彼氏が私を見てギョッとして「どうしたの!?その顔!!」

鏡みたら頬も赤いが眼の横にまで殴られたような痕が。あの野郎・・・

頬を叩かれた経緯を説明すると姉&姉彼氏が激怒

「痛かったねえ」と姉に言われたところで私大泣き。

お風呂に入った後、呪怨2を姉達と観ているところに元彼男が家に来る

伽椰子登場直前シーンの「あ、あ、あ、あ、あ・・・」のところでチャイムが鳴ってひゃん!ってなった

姉と姉彼氏「どの面下げて来た!」

映画の悲鳴をBGMに姉と姉彼氏が元彼男めちゃくちゃ罵られフルボッコ

私子に合わせてくれと騒ぎ出したんで警察呼ぶぞと言ったらおとなしくなった

結局家に入れぬまま元彼男帰る。

その後携帯にすさまじい量の彼男着信とメールがあるも全て無視。

大学内で元彼男が彼氏気取りで寄ってくる度「こっちくんな短小包茎!」とか言って逃げたら諦めた様子

同じ学科の同級生やサークル後輩達に「彼男は短小包茎で性病持ってる」と広まったそうな。










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