中学校の文化祭で作業をサボってたら、普段はそれほど仲の悪くない女子が怒り出してしてしまい、それをマジギレと見切れずに仲間とダラダラしてたら、チョークのカスが沢山付いた黒板消しを投げられた。
それが運の悪いことに、モロに俺の股間を直撃。
痛くはなかったけど、恥ずかしいところに白い粉が付いてしまった。
頭にきたけど投げ返すわけにもいかず、「何しやがんだ~!」とこちらもマジギレして、掴んだ黒板消しを思い切り地面に叩きつけた。
勢いで教室を出てから屋上手前のフロアに着き、(やっちまった・・・)と反省してた。
もちろん体育座り。
しばらくしたらパタパタと足音が聞こえてきて、その女子が俺のことを探しに来た。
「あっ、ここにいたっ!」
「なんだよ、ここにいちゃ悪いのかよっ!」
「あの、ご、ごめんね。痛かった?」
「痛くねぇよっ!」
「でも・・・わ、わざと狙ったんじゃないよ?」
「あんなもん狙って当てられたらたまんねぇよっ!」
「そ、そうだよね」
「それより、超恥をかいたじゃねぇかっ!」
「そんなことを言うけど、あんただってサボってたじゃん」
「サボってたけど、黒板消しをあんな所にぶつけられるほど悪いことだったのか?」
「だから、それは謝ってるでしょ?」
「もういいよっ!」
「な、なによ、人がわざわざ謝りに来たのに!」
「謝りに来て、また喧嘩になってるじゃないか!」
「じゃあどうすればいいのよ?」
俺は少し考えるフリをして、思い切って切り出してみた。
「オッパイに触らせてくれたら許してやるよ」
ビクッとなって絶句してる。
もちろん本気で言ったわけではない。
でも、困らせてやろうと思ったことは確かだ。
「そ、それは・・・」
「なんだよ、出来ないのか?」
女子はみるみる顔が真っ赤になったかと思うと目がウルウルし始めた。
(やばっ、ちょっと調子に乗りすぎたか)
そう思ったけど、何と言って撤回すればよいのかわからず、俺も黙ってしまった。
「まだキスもしたことがないのに・・・」
小さな声でそんな風なことを呟いてるのを俺は聞き逃さなかった。
「キス?」
「うっ・・・」
「じゃあキスでもいいよ。お詫びの印にやってもらおうか?」
もちろん、“ほっぺにチュ”のつもりだった。
じつはその女子は結構可愛い子なのだ。
ほっぺたにキスをしてもらうだけでも十分に気が晴れるはずだ。
「本当にそれで許してくれる?」
「あぁ、いいよ。まぁ俺もサボってたのは確かだしな」
「わかった・・・。でも誰にも言わないでね?」
彼女はそう言うと、無造作に近くに寄って俺を抱き締めると、びっくりしている俺に構わず、いきなり口にキスをしてきた。
この行動には完全に予想を裏切られた。
ブチュ~っと口と口が接触し、可愛い彼女の顔が目の前に・・・。
びっくりして固まったままの俺から少し離れて・・・。
「えへへ・・・初めてキスしちゃった・・・。誰にも言わないって約束だよ?」
と、ニッコリ笑ってさっさと階段を下りてしまった。
それから1分くらい放心状態になってた。
その後、彼女のことが好きで好きでたまらなくなったのは言うまでもない。
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