大学2回生の夏休み前。



レポート提出の課題があったのだが、締め切りギリギリまでやらなかった俺は、タメの女の子(S)に手伝ってもらった。



場所は俺の部屋だったのだが、さすがに女の子と夜中に二人きりというシチュエーションにはムラムラした。




(ま、この時は何も起こらなかったんだけどね)



無駄話も多かったので結局朝4時ぐらいまでかかり、Sに申し訳なく思った俺は、その日の昼にケーキを奢る約束をした。






ちなみにSのスペックは、身長155~160cmぐらい、胸はCぐらい、顔は『あいのり』のももが少し田舎っぽくなった感じ。



まぁ学部の中じゃぁ可愛い、ってか、あわよくば俺は食いたいと思ってた。



もっと正直に言えば好きだった。






レポート提出後、くたくたの俺は速攻家に帰り、クーラーをつけ、パンツ一丁で横になり、気付けば寝落ちしてた。






ガチャ。






物音が聞こえた気がして目が覚める。



が、激しい眠気に目を瞑る。






「おじゃましまーす」






(んー・・・え?)






状況が理解できずぼーっとしていると頭上にはSがいた。



なんで部屋にあがってるの?



あ、そうだった、ケーキ奢るんだった。



ん、Sの視線がおかしい。



俺は自分の下半身に目をやった。






(・・・う、嘘だろ)






捲れ上がったトランクスからフル勃起したあれが激しくこんにちはしていた。



Sも無言。






「ご、ごめん。男ってさ、朝はあれなんだよ。あの、ま、今は朝じゃないけど。えーっと今何時だっけ?」






全然誤魔化せてないが携帯を手に取った。



驚いた。



夕方5時。



そして着信7件。



オールS。






「昨日から寝てなかったもんね。しょうがないよ。ケーキはまた今度奢ってね。じゃあバイバイ」






人工的な笑顔で部屋を出てったS。



なんだ、このばつの悪い感じは。



俺はもうなんというか恥ずかしさと後悔と愛しさと切なさと心強さ・・・とりあえず何もかも面倒くさくなり、なんだか人生さえも面倒だという思いにまで発展した。



しかしSと気まずいのは嫌なので、ここは思いきって飲みに行こうと誘った。



あっさりOKだった。



Sも飲んで誤魔化して今日のことは無かったことにしたいのだろう。



俺は会って開口一番に言った。






「ごめん!今日のあれ、本当ごめん!」






Sは、「しょうがないよ、生理現象だよ」と言って笑ってくれた。



泣ける。






飲むうちにだんだんと和やかな雰囲気にった。



酔っ払った俺は、すでに終わった話なのに、「今日の俺の、びっくりした?」と、ほじくり返した。



アホだ。






S「逆にびっくりしない人とかいるのかな?」






すでに笑い話にできる感じだった。



助かった。



あんまり調子に乗ると台無しになってしまうので、話もそこそこに帰ることにした。



もちろん夜なのでSを家まで送ることに。



たった今日一日で二人だけの秘密ができて、急に距離が近くなったような感じがした。



かなり酔っ払った俺は最後の最後に調子に乗ってしまった。






俺「あー、なんかまたあの時みたいになってきた」






S「え、あの時って?」






俺「今日の俺ん家の、あの、寝起きの」






S「ばか」






俺「Sさぁ、これどうにかしてよ」






S「意味がわかんない」






俺「またまた~、Sさんとぼけちゃってー」






S「酔っ払いすぎ」






俺「だって、俺S好きだもん」






S「嘘だぁ」






俺「いや、本当だって」






S「やめてよ」






俺「好きだってー」






S「わかったわかった!じゃあ、あたしの家でね」






俺「まじで!?」






S「でも、あの・・・最後までは無しだよ」






夢みたいだった。



好きな子とこんなことになるなんて。






Sの家に着くと電気は点けずに上がり、一段落おいた後、俺は躊躇いもなくズボンとパンツを脱いだ。



Sはなかなか決心できずにいたが、しばらくして手コキを始めた。



ぎこちなかったが、逆に慣れてないんだなと安心した。



たまにこちらの顔を窺うSが可愛い。






俺「すげぇ気持ちいい」






S「本当?よかった♪」






Sは少し嬉しそうだった。



我慢できなくなった俺が、「口で・・・お願いできる?」と頼むとSは無言で頷き、ゆっくりと顔を近づけた。






俺「はっ、んっ・・・」






思わず息が漏れた。



ご無沙汰だった俺は久しぶりの感覚を存分に味わう。



動きは単調だが、シチュエーションに興奮して達するのは早かった。






俺「あ、イクイク!あぁ!」






Sの口の中で果てた。



Sはびっくりして身動きがとれないようだった。



俺は慌ててティッシュを探し、2、3枚取って渡した。



しばらく無言で時が流れたが、Sを見ているとどうしようもなく愛おしくなった。



そして俺は意を決して口を開いた。






俺「俺さぁ・・・好き、です。Sのこと」






S「えっ・・・」






俺「もしよかったら彼女になって欲しい」






S「・・・」






沈黙が流れた。



雰囲気がよくわからなくなり、あーこれはダメなヤーツではないかーとテンションが下がってきた。



すると・・・。






S「あのさぁ・・・あたしでいいの?」






(こ、これはもしかして!?)






俺「うん。もちろん。Sが好きだから」






S「あたしも◯◯君が・・・好き・・・だから・・・こちらこそお願いします」






そしてSは3年経った今でも俺の彼女です。






後日談。



S曰く、あの飲みの帰り道に酔った勢いで迫られ、ノリで好きと言われたのはすごい悲しかったんだとか。



俺のことが好きだったからがっかりさせたくないし、どうせその時だけの勢いだろうと思って、我慢して俺のを抜いてくれたらしい。






「男の人って、事が済めばタバコ吸ったり勝手に寝たり、そんなイメージだから、◯◯君も気が済んだら自分の家に帰るんだろうなと少し鬱な気分になっていたところに◯◯君が真剣に告白してきてくれたから、嬉しくて泣きそうだった」と。






あの時、Sの声が若干震えてのは、そういうことだったんだなと後で俺は知った。