
うそみたいな話なんだけど、俺の初体験って、14の時に37のオバサンとだったんだわ。
もう今から10年近く前の事なんだけど。
相手は、俺の友人(っていうか、同級生)の母親だった。
その同級生ってのは、ヒロシっていう名前だった。
ヒロシはジャニーズ系の顔をした奴で、結構女の子にモテてる奴だった。
まあ、中学生の時ってのは悪い奴ほど人気があった(当時はね)から、そいつも悪ぶっていた。
だけどそいつの姉ちゃんは中学の生徒会役員やってから学区トップの高校にいった、いわば才色兼備の女の子だったし、聞けば奴の親父さんは結構名の通った企業の役員だったらしい。
ヒロシ自身、頭は悪くなかったから、顔よくて成績よくて血筋もよけりゃ、モテるのも当たり前だわな。
しかし、成績は俺の方がよかった。
それがどうも、ヒロシにとって面白くなかったらしい。
そんなヒロシと俺は、同じ塾に通っていた。
あれは中学3年のゴールデンウィーク明けの事だった。
その月のテストで、たまたま俺が塾の実力テストでダントツでトップの成績を取ってしまった。
まあ総合成績ではいつも俺はヒロシより上にいたのだが、このテストではヒロシが俺より得意としている数学でも、圧倒的に差をつけてしまった事が、ヒロシの怒りに火を注いだようだった。
ヒロシは塾が終わると、帰りかけの俺を呼び止めて、因縁をつけ始めた。
正直、ものすごく怖かったよ。
ほんと、小便漏らしそうだった。
ほかの塾の生徒たちは関わり避けるようにそそくさと帰っちゃうし、一部残ってた女の子たちはジャニーズ系のヒロシの悪ぶりに目がハートになってるし。
誰も先生とか大人を呼んだり、止めたりしてくれない。
ヒロシも女の子の視線があるから、余計勢いだって俺の胸倉つかんだり、ひざで軽く蹴りいれたりしてくるんだ。
俺、恥ずかしいけど、泣いちゃったよ。
今から思えば、あの時泣き喚いて許しを請えばよかったんだろうな。
そうすればヒロシのプライドも満たせて、丸く収まったんだ。
だけど俺、怖くて怖くて逃げ出しちゃったんだ。
陸上部だったし足も速かったから、逃げ切れると思った。
だけど、腰がすっかり抜けてたんで、思うほど早く走れなかったみたい。
逃げた方角も悪かった。
まっすぐ塾の教室に戻って、先生に助けを求めればよかったんだ。
だけど俺、自分の自転車にむかって走っていったんだ。
そして、震える手で鍵を差込み、またがろうとした瞬間に、追いつかれた。
ヒロシの奴、すっかり逆上しきってて、信じられない事に俺にとび蹴りを食らわせやがった。
その時俺、右腕を骨折しちまった。
気がついた時は病院だった。
怖さと痛みとショックで、けりを食らった瞬間に気を失ってたらしい。
俺、それからしばらく学校に行けなかったんだ。
そりゃそうだよな、右腕はずっきんずっきん痛むし、同級生に理不尽な暴行受けて、トラウマ状態になってたし。
俺の母親はカンカンになって、ヒロシの件を警察沙汰にするっていきまいてた。
そりゃそうだよな、喧嘩して腕折ってきたのならともかく、これは一方的な暴行だもんな。
それに息子が登校拒否起こすし。
ヒロシの母親が何度も電話してきたり菓子折り持ってきたりしても、門前払いというか、俺の目から見てもものすごく邪険にあしらって、謝罪を受け入れる素振りも見せなかった。
ヒロシの母親は、そりゃもう必★だった。
毎日のように俺の家に電話寄越したり、謝罪に来たり。
まぁ無理もない。
警察沙汰になったら成績優秀な自慢の息子、ヒロシ君の高校進学は間違いなくパア、下手すりゃ有名企業で役員やってる旦那だってただじゃすまないわな。
ヒロシの母親は、重役夫人という肩書きにしては鼻につくようなところもなく、いたって常識的な、なぜこの母親からあんな乱暴な息子ができたんだろうと思うような、そんな人だった。
だがさすがにちょっといいところ家の奥様だけあって、俺の母親のように歳相応に太ったりする事もなく、そこはかとなく上品さも漂っていた。
それはジャニーズ系のヒロシの母親という事もあって、紺野美沙子に似た美貌だったせいもあったかも知れない。
とにかくヒロシの母親の必★だった事は、事件から10日以上も、毎日のように家に謝罪にきた事からも分かる。
たとえインターホンで追い払われても、毎日毎日、懲りずにやってきた。
家の母親も次第に軟化してきて、
「息子がヒロシ君を許すのであれば」
というようになってきた。
だけど、俺は許すつもりは一切なかった。
だって、そうだろう?
一方的に暴力振るわれて、腕まで折られて。
いっその事、少年院にでもいってほしかった。
そうじゃなきゃ、とてもじゃないが怖くて学校になんか、行けなかった。
2週間ほどたって、だいぶ俺の容態が安定してくると、俺の母親は安心したらしく、長い事休みを取っていたパートに戻っていった。
弟も小学校に行ってしまうので、俺は日中一人でテレビを見たり勉強したりしながら家で時間をつぶしていた。
そんな時、ヒロシの母親が家にやってきた。
おれの母親が
「息子がヒロシ君を許すのであれば」
と言ったので、そこに希望を見出してヒロシの母親は、なんとか俺にコンタクトを取ろうとしていたらしい。
ヒロシを許すつもりなど全くない俺は、これまでヒロシの母親と会う事はおろか電話やインターホンで話す事もかたくなに拒み続けてきたが、その日、とうとう俺はヒロシの母親と会う事にした。
ちなみに、ヒロシの母親が来た時、俺はテレビを見ていた。
その番組は火曜サスペンス劇場かなんかの再放送で、たまたま女がレイプされているシーンだった。
俺の息子は激しくおっ勃っていたところだった。
そのレイプシーンってのは、女が男に押し倒されたあと、女の切なげな表情がどアップになり、続けて女の手が激しく、男の背をかきむしる画面、そして切り替わった画面は既に事が終わり、呆然と女が立ち上がるシーンで、要は中学生が見たい女の裸が、全く見られないシーンだった。
ちんこは勃つには勃ったが、どうにも欲求不満なシーンだった。
ヒロシの母親に会ったのは、その時が初めてだった。
ほんと、息を呑んだよ。
だって、美人なんだもん。
同じ母親でも、こんなに違うのかって驚きもしたし、情けなくも思ったよ。
同時に、無理もないかって、思った。
だってあのジャニーズ系のヒロシの母親なんだし、あの美人なヒロシのお姉さんの母親なんだもん。
言っておくけど、別に俺はヒロシの母親に変な事をするつもりでヒロシの母親を家に入れたわけじゃないんだよ。
ただ退屈の最中だったし、ヒロシの母親に散々悪口を言ってやる事で、少しでもすっとするかなって、ただそんな風に思ってたんだ。
だけど、この美人の母親を見た時、丁度テレビでレイプされてたのが酒井和歌子っていう女優でこの母親と同じ年頃だったって事もあって、しかもそのレイプシーンで裸を見られなかったっていう欲求不満もあって、俺、ものすごく甘い衝撃が下腹部に走ったんだ。
ヒロシの母親は、ピンクのシャツの上に白いカーディガンを羽織り、やはり白のスカートをはいていた。
家に招じ入れると、甘やかな香水のにおいが俺の鼻腔を刺激し、ズキンと甘い衝撃が再び、俺の下腹部に走った。
「どうぞ中へ、お入りください」
玄関の鍵をかけながら、俺はヒロシの母親をリビングに通した。
前を歩くヒロシの母親の、スカートに浮かび上がるむっちりとしたヒップの肉感に、またもやズキンとなった。
リビングに入ると、ヒロシの母親はソファーにも座らず、菓子折りをそっと押し出すと、厨房の俺にむかって土下座し、
「このたびの事、本当に申し訳ございませんでした」
と、額を絨毯にすりつける。
俺は憮然として、
「申し訳ないも何も、これを見てくださいよ」
とギプスをはめた右腕を突き出して、
「僕、ぜったいヒロシを許しませんから」
といってやった。
ヒロシの母親は必★な目で俺を見つめ、
「ごめんなさい、許してください」
と再び頭をたれる。
「許して下さいって、どうして本人が謝りに来ないんですか?どうしておばさんひとりなんですか?ヒロシは謝る気、ないって事なんでしょ?」
と言ってやると、ヒロシの母親は一瞬ぐっとつまった。
「だったら僕、絶対許したくないなぁ。今年受験だって言う大切な時に右腕折られちゃって。僕、ヒロシの事、絶対許さない。あんな奴、少年院にでも入っちゃえばいいんだ」
みたいな事、言ってやったと思う。
ヒロシの母親、「ごめんなさい、ごめんなさい」と繰り返すばかり。
昔から口だけは達者だったから、俺はここぞとばかりこんな様な事を言ってやった。
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