私は一体なにをしているのでしょうか・・・。



もういい年をした大人の女なのに、晒け出したおっぱいを震わせながら雨の中をジョギングしているのです。



仕事を持ったれっきとした社会人なのに・・・馬鹿すぎます。



一瞬、今走っている自分のことを、自分自身だと思えなくなる瞬間があります。



私がこんな馬鹿なことをするわけないのですから・・・。






でも、このまぬけ過ぎるほどの馬鹿馬鹿しい行為に、私は我慢できないぐらいに高揚していました。






(もっと、お馬鹿なことをしてみたい・・・)






もう抑えきれないほどウズウズした気持ちでした。



Uターンします。



スポーツブラをずらしたまま、とりあえずパーカーのファスナーだけを戻しました。



さっきのS字カーブに戻ろうと思っていました。



もうすっかり全身ずぶ濡れです。



できるだけ早くさっきの場所に戻りたい一心で走っていました。






S字カーブの出口に戻りついたところで後ろを振り返りますが、やはり見える範囲の距離に人影はありません。



そのまま反対側までS字を走り抜けて、そちらの直線の様子を窺いました。



祝日の早朝でこの天気とはいえ、さすがにそろそろ誰か歩いて来ていても不思議ではありません。



でも眺める限り、まったく人の姿はありませんでした。





ラッキーとしか言いようがありません。






(よしっ、やっちゃえ)






ほとんど勢いだったと言っていいと思います。



興奮が行動を後押ししていました。



私は、今走り抜けてきたS字カーブの入口を背にして立っていました。



目の前に伸びている直線の先を見つめて、人が来ていないのを確認しながら、またパーカーのファスナーを下ろして外しました。



そして、今度はパーカーを脱いだのです。



アスファルトは雨でびちょびちょでしたが、構わずその場に置きます。



中途半端にずり上げられたスポーツブラに挟まれて、おっぱいが可哀想な形に潰れてしまっていました。



そのスポーツブラにも手をかけます。



これを脱いだら、上半身は完全に裸になってしまいます。



とても冷静とは言えない、とんでもない判断です。



でも私は迷うことなくこのブラを脱いでいました。






このブラはスポーツ用ですのでホック式ではありません。



頭をくぐらせて脱ぐタイプのものです。



頭をくぐらせる時に腕を高く上げて少し背中を反らせるような体勢になりました。



おっぱいを丸出しにしたまま胸を張るような感じになって、それが『脱いでいる』という行為を改めて私に実感させました。



そして少しだけ恥ずかしくなりました。



もちろん誰にも見られているわけではありません。



でも、羞恥心は打ち消せません。



この時の私は、まさに異様な興奮状態でした。



再び、心臓がすごい勢いで鼓動しています。






地面に置いたパーカーの上に、脱いだスポーツブラを投げました。



ついに、上半身ヌードになっていました。



ブラを脱ぐときにぶつかってキャップが落ちてしまっていたようです。



拾い上げて、これもパーカーの所に投げます。



肌を出してドキドキを楽しむどころではありません。



上半身は完全にヌードになっているのです。



異様な興奮はますます高まり、気持ちを昂ぶらせます。



すっかり大胆な気分になっていました。






このボトムスはシューズを履いたまま着脱できるように、ふくらはぎの辺りまで開くジッパーが裾の外側に付いています。



そのジッパーを上げて開きました。



躊躇はありませんでした。



ボトムスを一気にふくらはぎまで下ろします。



これでほとんど全裸です。



頭から膝の下まで、すべて雨が濡らします。



冷たいだけのはずの雨なのに、寒さを忘れていました。



雨が裸を濡らすことが、『私は本当に屋外で服を脱いでいるんだ』ということの証明そのものでした。






(気持ちいい・・・)






外で裸になったことは期待していた以上の心地よさでした。



『感動』とまで言ったら大袈裟でしょうか・・・。



私は左足1本で立ったまま、まず右脚を持ち上げました。



左手でボトムスの右裾を掴み、右手で右足首を掴みます。



片足で立ったまま脚を開いて、ひざを『く』の字に曲げ、すごい格好です。



そのままそっと裾から右足を抜きました。



右足を地面に置いて、左脚を上げます今度は左足からボトムスを抜くのです。



左ひざを抱き寄せるように胸に引き寄せて、すねの辺りにぐちゃぐちゃになっているボトムスに手を伸ばします。



再びすごいポーズになっています。



性器から、恥じらいのおつゆが溢れ出しています。



焦っていたために、裾がシューズに引っかかりました。






(落ち着いて、落ち着いて・・・)






片足立ちでぴょんぴょん跳ねるようにバランスをとりながら、強引に足首を引き抜いてしまいました。



私は遊歩道の真ん中に立っていました。



身につけているのは、ソックスとシューズ、そして首からぶら下げている鍵だけでした。



もう完全にオールヌードと言っていい姿です。



言いようのない陶酔感に包まれます。






私は、23歳の普通の女です。



今さら信じていただけないのかもしれませんが、本当の私は、大人しい性格で恥ずかしがり屋の女の子なのです。



そんな私が、いつ人が通ってもおかしくない遊歩道で、本当に全裸になったのです。



ここまでやってしまったことが自分でも信じられません。



クラクラするような感覚と同時に、心臓が破裂しそうなくらいにドキドキして、ものすごい緊張感に襲われていました。






ブラを捲り上げたり、ボトムスを下ろしたりして体の一部を露出するのと、完全に脱ぎ捨てて全裸になるのとでは、天と地ほどに緊迫感が違いました。



体の一部でも服に通ってさえいれば、いざという時は、引っ張ったり、ずり上げたりしてすぐに直すことができます。



でも全裸ですと、咄嗟にはどうにも出来ないという不安感がすごく強くて、精神的に負けそうになります。



立っていられずに、その場にしゃがみ込んでしまいそうな気分です。



ほとんど勢いで全裸になってしまったものの、公の場で『真っ裸になっていることの頼りなさ』と『襲ってくる不安』は、上手く表現できないぐらいの重いものでした。



恐怖と言ってもいいくらいです。



それだけに、どこかこれまで感じたことのないほどの罪悪感がありました。



文章で説明するのが難しいのですが、そういった『負の気持ち』が、私に快感をもたらしていました。






性器から溢れてくる恥じらいのおつゆが、太腿を伝っています。



屋外で全裸にまでなったことで、達成感にも似た満足がありました。



マンションを出た時は、ここまでやるつもりは本当にありませんでした。



せいぜいボトムスを下ろしてお尻を出してみたり、パーカーを開いて胸を肌蹴てみたりとイメージしていただけだったのです。



それなのに、全裸になって、すべてを雨に晒している私・・・。






(これで服を着てしまうのは勿体無い)






陶酔感に溺れる私と、冷静に状況を判断する私が頭の中で同居していました。



長い文章になってしまっていますが、パーカーを脱ぎ始めてからの実際の時間は、せいぜい30秒といったところです。



まだしばらく人は来ないはずですし、その点はまだ確信を持つことが出来ていました。



私は脱いだ服をまとめて右手で掴みました。



そしてさっきのS字中央に向かって走り出していました。






(私、今、真っ裸で外を走っている)






興奮の極致でした。



いつものジョギングコースを、いつものように走っている私がいました。



オールヌードで走る快感・・・。



私の胸は特別に大きいわけではありません。



それでもスポーツブラで上半分を押さえつけられていたさっきとは違い、今度はおっぱいの跳ね方がまともではありません。



大勢の人が通るはずの遊歩道で、服も着ないで走っている女の子・・・。



どうしても信じられないことに、それは他の誰でもない私なのです。



昨日だって会社で真面目に仕事をしていた私が・・・。



降りしきる雨の中、あられもない姿です。






ものの10秒、それとも20秒・・・?



とにかくあっという間にS字カーブの中央まで来ました。



さっきの四つん這いポイントです。



日常生活では体験し得ない異常な興奮に溺れていました。



アスファルトは水びたしでしたが、そんなことにも構わず、私は服を地面に投げるように置きました。



雨に打たれながらその場に跪きました。



もう止められません。



私は再びその場で四つん這いになりました。



オールヌードのまま、お尻を上に突き出します。



下半身を興奮が襲います。



今度は開脚を邪魔するボトムスを穿いていません。



・・・全裸なのですから。



思い切って股を開きます。



興奮が意識を煽ります。



性器とお尻の穴が広がるように意識しての四つん這いでした。






(ああ、いやぁ・・・!)






自分でもびっくりするくらいに性器からどんどんおつゆが垂れてきます。



激しく降る雨が、私のオールヌードの体に叩きつけます。



四つん這いで全身にシャワーを浴びているような感覚です。






(こんな遊歩道の真ん中でぇ・・・。今、後ろから人が来たら、もう私だめ・・・)






『まだ来るわけない』とわかっていても、焦燥感が募ります。






(ああん、この私よ、私なのに・・・)






お尻の穴に意識を集中させます。



ここは誰でも自由に通る遊歩道です。



道路と一緒です。






(お尻の穴が見えちゃってるよぅ・・・)






誰もが自由に通る場所で、絶対に人に見せられないポーズ・・・。



脳を溶かすような快感が押し寄せてきます。






(いやぁ、いやっ私ったら。今、あのカーブの陰から人が現れたら・・・)






雨の中、全裸でアスファルトに這いつくばる女の子・・・。



お尻の穴まで丸出しにしている私・・・。






(絶対に来ちゃだめぇ!)






そんな私の姿を見たら、その人はどう思うでしょう・・・。



私はどんな言い訳をすればいいと言うのでしょうか。



感極まって、その反面どこか惨めな気持ちにさえなってきました。



汚い水溜りについている自分の手が悲しすぎます。



私は誰にも借りはありません。



誰にもこんな姿を披露する筋合いはありません。



冷たい雨に全身を打たれながら、四つん這いの股を突き出している・・・。



そんな姿を人に見せるわけにはいかないのです。



四つん這いになってから1分近く経っているはずです。






(もうだめ。もうやめなきゃ)






プレッシャーに限界を感じた私は立ち上がって服に手を伸ばしました。



パーカーもボトムスも雨でぐじゃぐじゃでした。



レインコートのような生地ですので搾ることもできません。



スポーツブラも泥に汚れていました。



脱ぐ時は簡単だったのに、着るのはもどかしいぐらいに手間取った気がします。



やっとの思いですべて元通り着ました。



張りつめた緊迫感から解放されて、どっと疲れました。






私は自分のマンションまで歩いて帰りました。



なんだかもう、とても走る体力が無かったのです。



パーカーもボトムスも、雨天にアウターとして普通に着る分には申し分ないのですが、内側が濡れてしまうと着心地はもう最悪でした。



濡れた生地が素肌にぺったりくっついてストレスそのものです。



大雨のおかげなのか、結局その後もずっと最後まで誰にも会うことはありませんでした。



体力的には疲れきっていましたが、精神的には満足そのものでした。






(土曜日も、もう一度行こう・・・)