もうかなり前になるんだけど、担任の先生としたことがあります。






相手は国語の先生だった。






1年生の時の話だけど、当時1年生は10クラスあって、俺たちのクラスだけ担任が♀だったんだよね。



中学の頃から不良(悪ぶってただけかも?)だったんだけど、勉強は450人中20~30番の成績。



地元でもダサ高&進学高校で有名だったところへ俺が進学するってことで、周りのやつ等は信じられないって表情だったよ。



入学式で同級生や上級生に舐められないようってことで、髪の毛を脱色&パーマ。



進学校にヤンキーってことで注目を浴びたよ。






入学式の混雑する中、同じクラスのやつらが迷子にならないようにって、俺の頭を目印に教室へと帰ってきたってエピソードが生まれるぐらい目立ってた。






入学式が終わって教室で一通りのオリエンテーリング等が終わり、解散したと同時に担任Yが、俺ともう一人に残るように指示。



もう一人のやつはただの天パだったので、即刻釈放。



俺も天パですと言おうと思ったがさすがに無理だった。






Y「K君、君の髪の毛はどうなってるの?」






俺「えっ!?どうなってるってどういう意味ですか?」






Y「パーマがかかってるみたいだし、色も違ってるみたいだし?明日までに直してきなさいね?」








当時はツッパリがかっこいいと思われていた時代なので、すかさず反抗。






俺「俺がどういう髪型しようと先生には関係ないでしょ?」






Y「あのね、君がそういう髪型しているとこの学校が周りの人達からどう思われるか考えてごらんなさい。君一人のために皆がそう思われるのよ?」






お説教が続くが本題と関係ないので省略します。



でも、お説教の後、Y先生が俺に学級委員長になるように言った。






これにはまいった。



なんの根拠で言ってるのか分からないが勿論断った。



が、Y先生もしつこく食い下がる。






結局、「明日、各委員を選出するから考えておくように」って言われて、その日は教室を後にしました。






翌日、担当を決めるHRが始まった。



自分のやりたいものに立候補。






高校の出席順って生年月日ではなくて、50音順で並ぶんだよね?



で、俺はKだから前から7番目なんだけど、なぜか後ろから希望をきいてんの!



他の担当(美化委員とかどうでもいい担当)は早々と埋まっていった。



案の定、委員長とか書記とかは埋まらない。



だんだんと俺の順番が近づいてきた。






俺の前に座ってる天パが、「K、委員長になれば?」って言ってきやがる。






「そんなの興味ないよ。お前やれば?」って言ったら、「いや俺なんかじゃ無理だよ」って。






当たり前だろって思ったけど、結局天パが委員長になったけどね。






で、そんなこんなで俺の順番。



図書委員になろうと思って言おうと思った瞬間、Y先生と視線があった。






昨日の先生のよいしょ(君ならできるよ。先生は人を見る目があるとか言われた)。



人を見る目があったらヤンキーをクラスの役員には推さないでしょと思ったけど、目立ちたい一心で出た言葉は・・・。






「副委員長に立候補します」だった。






周りかわら、「おぉ~!」と驚きにも似た歓声が上がった。






50音の後ろからの立候補と、昨日のよいしょと直前の視線合わせ。



これが、後々起こる先生との関係に発展するとは誰も想像できなかったことだと思う。



そう、一人の人を除いては。






その後は普通の学園生活を送っていた。



でも今考えるとY先生はなにかにつけて俺にかまってたような気がする。



俺が髪の毛の色を元に戻し、パーマも少し残して髪の毛を切った時も。






Y「うんうん。K君そっちの方が全然似合うよ。よしよし」






頭を撫ででみたり、顔に傷が出来て派手なカットバン貼ってたときも。






Y「あれ?K君顔どうしたの?でも少し派手だよね?」






そう言いながら俺の頬をつんつんしてみたり。






当時、大人や教師に対して反発心しかもっていなかった俺はむっとしならが、「やめてくれよ」っていきがってました。






Y先生は年齢は多分27、8歳ぐらいだったと思った。



で、1、2年前に結婚したばかりって話を聞いた。






Y先生の容姿は、小柄でめがねをかけていた。



胸のサイズは今思えは多分Aカップ(だと思う)。



めがねをかけてるって言ってもネクラタイプじゃなくて、ブスでもない。



第一印象はちょっときつめで近寄りがたい印象を持たれると思う。



授業中とかに騒いでいる時に注意する怒った顔が中々素敵だったとかおちゃらけて、相手に同意を求めるとき、はにかみながら相手を指差して同意を求める表情&しぐさがとっても刺激的という評判がクラスではたっていた。






当時、思春期真っ只中だった俺たちのオナペット登場率としては、かなりの上位にランクしていたと思われる。






なにせ“新婚”って響きだけで2、3回は抜ける年頃ですからね。



男性には人気があり、女性にはなぜかあまりウケがよくなかったみたい。



俺はオナペットに使用したことはなかったけどね。






1学期の中間テストが終わり、成績上位50番は廊下に張り出された。



俺は1年全体で(多分420人ぐらいいたと思う)20番ぐらいに位置していたと思う。



勉強らしい勉強もしなくて、この成績が取れたことになぜか落胆した。






(この学校も所詮こんなもんか。なんか物足りない)って思ったよ。






で、しつこようだがまたここでツッパリの美学(って当時自分に酔っていた)で、学校を辞める決心をして、Y先生に相談。



もちろんY先生は大反対だよ。



だって入学してからまだ2ヶ月も経っていないのに、教え子が退学ってことになると色々問題あると思うんだよね。



しかも俺、副委員長だしね・・・。






Y先生、色々説得するんだけどなんかその説得が余計に俺の気持ちを煽るんだよね。



辞める、辞めさせないって押し問答を30分ぐらいしてたかな?






Y先生が俺も手を握って泣きながら・・・。






Y「あのねK君、先生がなぜ君を委員長に推したか分かる?」






俺「うん?入学試験の成績がよかったからでしょ(実際かなりの上位だった)?」






Y「それだけじゃなくて、先生はK君に期待してるの」






俺「なにをですか?」






Y「K君ならクラスのみんなを引っ張っていってくれると思ったからよ」






俺「俺にはそんな素質ないですよ。先生買い被りですよ」






(でも入学式では俺の頭が目印になって迷子がなかったからある意味引っ張ってるかな?)






Y「K君!」






いきなり大きな声でY先生が俺の名前を呼んだから、俺ビックリして、「はい。先生」って素に返事しちゃったよね。






Y「先生はK君がいなくなると寂しいのよ!先生のこの気持ち分かる?」






はっとしたY先生の顔。



Y先生のバツの悪そうな顔の意味が、その時には理解できなかった。






俺「40何人もいるうちの一人がいなくなってもそんなに変わらないですよ?」






・・・って思った通りのことを言った。






Y「いや・・あのね・・あれよ、あれ」






ってなんだか支離滅裂なことを言うY先生。



ようやく落ち着いたのか・・・。






Y「せっかく色んな学校から皆が集まって、新しい生活が始まったばかりで1学期も終わらないうちに仲間がいなくなったらみんなどう思うと思う?寂しいと思うでしょ?そう思っている皆をみる先生も寂しいわよ。そう思う先生の気持ち分かるでしょ?ねぇ分かるでしょ?」






なぜか寂しいを妙に強調してました。






俺「まだ2ヶ月しか一緒にいない仲間(って言えるのか?)がいなくなっても誰もなんも思わないでしょ?俺は別に仲間なんて思ってないし」






Y「そんなことないわよ。K君がそう思うならそれでいいわよ。じゃ、ご両親はどう思うかしらね?お母さんとか悲しむと思うわよ?」






俺「・・・それは」






(不良は母親に弱い)






ちょっと弱気になった俺をみて一気にY先生がたたみかける。






Y「ご両親を悲しませることは絶対にしちゃダメ。親を悲しませることは最大の親不孝よ」






俺「・・・」






Y「ご両親にこの話はもうしてあるの?誰かに相談したの?






俺「・・・いいえ。先生しか知りません・・・」






Y「先生しか知らないのね?」






なぜか1オクターブ高い声で聞き返してきたので「はい」って短く答えると・・・。






Y「じゃ、この話はこれでお終いね。ご両親を悲しませるといけないからこの話は先生とK君だけの話にしよう」






・・・と笑顔を交えて言うY先生。



俺もしぶしぶ「はい」と返事をして学校を後にした。






期末テスト(中間と同じく20番ぐらいの順位)が終わり、夏休みまでの間に全校生徒が参加する球技大会の時に事件のきっかけとなることが起きた。






バスケを選択した俺は、クラスメートのしょぼさも手伝ってか初戦敗退。



その後、放課後まですることもなく暇になった俺は、最近親しくなったO(成績は下)を誘って屋上にタバコ(俺は中2から喫煙、今はやめたが)を吸いに行った。






一服し、他の競技を見に行こうと階段を下りていく途中に、全く知らない先生とすれ違った。



球技大会中には校舎に入ってはいけなかったので、当然先生に呼び止められた。



俺はタバコはポケットに入れていて見つからなかったが、Oは巾着に入れて手に持っていた。






当然見つかってOは職員室へ。



俺も一緒に来るように言われてご同行。






職員室の外で待っているよう先生に言われた俺は、先生の姿が見えなくなることを確認して、防火扉の影に隠して身体検査をされたが事なきを得た。






知らんぷりすれば良かったが、ここでまた不良の美学が。



仲間だけを犠牲者にすることはできない。



俺も実際に吸ってたんだから同罪だ。



・・・ってなんか、当時本当に自分に酔ってたんだよね。






結局自白して夏休みが始まったと同時に停学ね。



夏休みと同時に停学ってことでクラスメートは誰も気づいてなかったよ。



自宅謹慎、毎日反省文を書かなくてはいけないってことで憂鬱な高校生活最初の夏休みの幕開けですよ。






停学期間は初犯で、タバコってことで1週間だった。






2日の午前中、上半身裸で自分の部屋でタバコを吸っているとチャイムが鳴った。



当時社宅に住んでいたんだけど隣りあわせで親と子供の部屋は別所帯になっていた。



俺は2歳年下の妹と住んでいた。






親の目が届かないってことで、仲間の溜まり場になっていたので、チャイムが鳴った時もどうせ仲間だろ?ってな感じで玄関を開けるとそこには目を丸くしてY先生の姿が。



俺は別になんとも思ってなかったのだが、上半身裸の俺をみたY先生は・・・。






Y「K、K君・・・すぐに上を着なさい!」






すごい勢いでまくし立てる。



俺は上半身裸は全く気にしてなかったが、さっきまで吸っていたタバコの臭いと灰皿が気になっていたので・・・。






俺「じゃ、少し待っててください」






そう言って、大急ぎで部屋を片付けた。



部屋を片して再度玄関を開けると・・・。






Y「ご両親はいるかしら?」






俺「お母さんがいますよ。隣に」






Y「隣って?」






俺「うちアパート2軒借りてるんですよ。こっちは俺と妹、両親は隣ですよ」






Y「あぁ、そうなの。K君と話がしたいんだけど、いくら生徒とはいえ二人っきりになる訳にはいかないので、お母さんを交えて三人で話をしましょう」






俺「(二人っきりってこの先生自意識過剰ジャン!?俺がなにかすると思ってんの!?)はぁ~、じゃこっちの部屋にどうぞ」






・・・って感じで3人で近況報告などを話しつつ1時間。






Y先生が帰った後・・・。






母「見た感じはきつそうだけど、なかなか可愛い先生ね」






俺「そっか~?ブスじゃん」(またアウトロー根性がでた)






母「あんたのこと心配してきてくれていい先生じゃないの」






俺「自分の成績稼ぎだよ」






・・・ってな感じでその日に反省文には、『今日、僕のことを心配して忙しい中Y先生が訪問してきてくれた。自分の為に貴重な時間を割いて来てくれたY先生には申し訳なく思うっています』って心にも無いことを、遠くで聞こえる祭囃子をBGMにしながらノートにしたためながら、蚊取り線香の臭いを嗅ぎながら、窓全開で扇風機をつけっぱなしでその日は寝ました。






停学3日目。



午前11時頃、暑い中を起きてるのか寝てるのか分からない気分の中、部屋の電話が鳴った。



出るのがめんど臭かったのでしばらく放置。






しかし、母は仕事、妹は部活動なので(父はもちろん仕事)誰も電話に出る人はいない。






しつこいぐらいに鳴っていたので、諦めて電話に出ようとした瞬間に切れてた。



切れたと思って手を引っ込めた瞬間にまた電話が鳴った。






今度は素早くとって「はい」とぶっきらぼうに返事をする。






「私、S高校のYと言います。あれっ?もしかしてK君?」






俺「あっ!先生、なんか用っすか?」






Y「ずいぶん電話に出るのに時間がかかるのね?もしかして出かけてたの?自宅謹慎なんだから外出は禁止よ?分かってる」






俺「出かけてないですよ。寝てたんですよ」






Y「今何時だと思ってるの?休みだからってだらけた生活を送ってはダメでしょ!」






俺「することもなくって暇だから寝るしかなんですけど」






Y「じゃちょうどいいわね。明日学校へ9時までに来るように」






俺「えっ!?なんで?」






Y「停学中は何度か学校へ来る決まりになってるの」






俺「そうなんですか?そんな話初耳なんでけど?」






Y「みんなそうしてきてるわよ」






俺「(ほんとかよっ!?)はい、じゃ明日行きますよ」






Y「遅刻しないようにね?」






後日、一緒に停学をくらったOに聞いたところ、Oも家庭訪問と登校があったらしい。






しかし、ちょっと俺とOは違っていた。



O(俺と同じクラスね)はY先生に、登校する時に、確か英語と社会の本とノートを持ってくるように言われたらしい。



俺は持ち物に関してはなにも言われなかった。



Oは英語と社会の先生にマンツーマンでみっちり勉強をさせられたらしい。






俺はY先生に、「K君勉強道具持ってきた?」と聞かれたが、持ち物に関してなにも言われてなかったので、「いえ。先生からなにも言われてないのでなにも持ってきてません」って答えた。






Y「えっ?昨日電話で言ったわよね?」






俺「いえ。ただ今日9時までに学校に来るように言われただけです」






Y「そうだったかしら?先生言ったと思うけど?」






俺「(本当に聞いてないので)なにも言われてないですよ!」






ちょっとむきになって言い返すと・・・。






Y「じゃ先生が言い忘れたんだ。ごめんね」






・・・って素直に謝ってきた。






Y「じゃ、K君することないわよね」






俺「じゃ、帰っていいっすかね?」






Y「ダメよ。せっかく来たんだらか。ちょっと待って考えるから」






俺「(せっかくってなに?)」






Y「よしっ。じゃ先生の仕事手伝うこと。いい?」






俺「(いい?って、拒否ることできるんかよ?)なにするんですか?」






Y「2学期に使う資料を作ってるんだけど、その資料のホッチキス止めをして」






俺「いいですよ。でその資料ってどこにあるんですか?」






Y「職員室においてあるから一緒に取りに行こう」






職員室は2階にあり、俺たちが今いる部屋は1階の端っこにある生活指導室。






夏休みってことで、生徒はいないし、1階にある事務室は無人だし、人の気配は一切ない。



職員室に行くと3、4人の先生が雑談をしていたが、俺たちには目もくれなかった。






2人で資料を抱え(かなりの量があった)、生活指導室へと戻っていく俺たち。



資料は一部40ページぐらいを100部ぐらい作らなければいけないらしい。



考えただけでもうんざりだが、やるしかないと思い作業開始。



最初は黙々と作業をしていたが、30分ぐらい経ったかな?






Y「今日は暑いね。なんだか喉が渇いてきたね。休憩しようか?」






少しでも早く帰りたかった俺は・・・。






俺「休憩って、まだ始めたばかりじゃないですか。もう少ししてからでいいんじゃないですか?」






Y「そう?・・・先生喉がカラカラなんだけどね」






俺「じゃ、なんか飲んできたらいいじゃないですか?」






Y「う~ん、そうね。ちょっと一人でやっててくれる?さぼっちゃダメよ?」






俺「(先生のほうがサボりじゃないの?)さぼんないっすよ。先生も早く帰って来てくださいよ?」






Y「すぐ帰ってくるわね」






そう言って先生は部屋を出て行った。






早く帰りたい一心で一人黙々と作業を続ける俺。



5分ぐらい作業をしていたら、指導室のドアが開きそこには肩で息をするY先生が。






俺「先生どうしたの?息が荒いけど?」






Y「溶けるといけないと思って、走ってきたの」






そう言って差し出す先生の手にはアイスが握られていた。






Y「暑い中、先生の仕事を手伝わせて悪いと思ってね。これは先生のおごりね。はい」






俺「ありがとうございます」






アイスをもらい、俺は椅子に座った。



先生は俺の対面に座ってアイスを食べだした。






学校の先生におごってもらうってシチュエーションが今までなかったので、ちょっと嬉しいような恥ずかしいよな、なんとも言えない気分が湧き上がってきた様な気がした。






それまで、世の中の大人(教師を含む)に対して反発心しか持っていなかったし、担任のY先生のことをなんとなくいけ好かない(勿論女性として意識なんてしてない)って思ってたし、こうして生徒を呼び出したり、家庭訪問をして点数稼ぎをするY先生に嫌悪感すら抱いていた当時ツッパリの俺だったが、走ってアイスを買ってきてくれた先生の姿を見てほんの少し、Y先生に対する見方が変わったきたのもこの瞬間だった。






いつもは俺から話し掛けることはなかったんだけど、アイスをもらった手前、何か話さなくては・・って妙な気を回して先生に話し掛けた。






俺「先生?」






Y「なに?K君?」






勢いづいて答えるY先生(なぜか嬉しそう)。



その先生の返事の勢いに少しひるんだ。






先生も俺が先生に対して反抗してるって自分なりに気づいていたと思うので、俺が話し掛けて、少し打ち解けたと思い嬉しいのかなって、この時はそう思ったね。






何を話すか考えずに話し掛けた事と、先生の勢いのある返事に押されて・・・。






俺「いえ、別になんでもないです」






Y「自分で話し掛けといて、なんでもないですは無いでしょ?なぁに?」






俺「・・・」






Y「なに?どうしたの?」






俺「別になんでもないです・・・」






Y「なんでもないのに話し掛けるの?。変なK君ね~。今日はずいぶん大人しいのね?教室ではいつもにぎやかなのにね?今日はどうしたの?」






俺「どうもしないですよ。ただちょっと・・・」






Y「ちょっとってなによ?言いなさいよ」






・・・って指をくるくる回しながら問い詰めてくるY先生。






俺「やっぱ先生と一緒にいると緊張しますよ」






別に変な意味で言ったんではなく、みんな教師に対して少なからず苦手意識を持ってますよね?



そのニュアンスで俺は言ったつもりなんだけど、案の定Y先生もなにかを勘違いした模様。






Y「なになに?女性と一緒の部屋で緊張してるってこと?」






そう言いつつ、まだ指をこっちに向けてくるくると。



ちょうどトンボを取るときのように指を回すY先生。






Y「残念ながら私は教師で、君は教え子。緊張するような間柄じゃないでしょ?」






俺「いや!先生、そんな意味でいったんじゃないっすよ!?ただ教師と一緒にいると緊張するって意味ですよ!?」






思春期だった俺は必要以上に反応した。



そう勘違いされると猛烈に恥ずかしい年頃だったので。






Y「はいはい。分かったわよ。そんなにムキになることないじゃない?」






俺「ムキになってませんよ!!!!!(かなりムキになってたけど)ホント先生、変な意味で言ったんじゃないっすよ!?」






Y「分かった分かった」






子供をあやすような先生の態度にカチンときた俺は・・・。






俺「先生こそなにか勘違いしてるんじゃないんすか!?俺、先生のこと嫌いですから!」






Y「・・・」






俺「・・・」






しばらくの沈黙のあと(本当は数秒しか経ってないと思うけど)、最初に口を開いたのはY先生だった。






Y「K君、ちょっと待って。いい?先生は生徒のことが好きなの。それこそK君を始めとする教え子みんなが好きなの。その好きな生徒から面と向かって嫌いって言われた先生の気持ち分かる?」






そう言って、Y先生は泣き出しました。






この先生よく泣くなって思いつつしばらく放置。



なかなか泣き止まない先生。






罪悪感を感じたのでフォローを入れる俺。






俺「先生が、子供扱いするから俺も心にも無いことを言っちゃったよ。先生ごめんなさい」






Y「K君、相手の立場に立って物事を言いなさい」






・・・みたいなことを言ったと思うが、泣きながらなのでうまく聞き取れないが、適当に相槌をうって返事をする俺。






俺「はい。反省してます。でも俺、女性にからかわれるのっていやなんですよ。少し前も彼女とそういったことで喧嘩してまだ仲直りしてないんですよ」






そう言った瞬間、Y先生はそれまで目をハンカチで押さえていたが、その手を退けて驚いたように俺を見つめて・・・。






Y「K君、彼女いるんだ!?」






驚いたように尋ねるY先生。






俺「えっ?いますよ。中学からの付き合いでもう2年になりますよ」






Y「そうなんだ・・・彼女いるんだね。先生ちっとも知らなかったよ」






呟くように話すY先生。






俺「先生に分かるわけないじゃないですか。生徒でもそんなに知ってるやつら居ないですからね」






しばらくお互い無言の後、沈黙を破ったのはまたもやY先生だった。



もうこの時Y先生は泣いていなかったけどね。






Y「どんな子なの?どこの学校へ行ってるの?」






そんなことを聞かれたと思うけど、これは全く先生には関係ないので・・・。






俺「彼女のことは先生に関係ないと思うし、いま喧嘩中で思い出すのも嫌なので話したくありません」






Y「まぁ~確かに先生には関係ないと思うわね。でも仲直りしたくないの?喧嘩の原因はさっき聞いたから分かるけど、それぐらいで怒るのも男らしくないんじゃないの?」






俺「男らしくないとかじゃないですよ。あっちも何回言っても子供扱いするんですよ」






ってな感じで先生の誘導尋問に引っ掛かり、ずるずると情報を漏洩する俺。






俺の彼女は同じ学校に入学していて、クラスは俺は2組で彼女は4組。



Y先生は4組の国語も担当しているので、俺が名前を言うとすぐに分かった。






Y「あぁ~あの子なの?可愛い子よね?」






俺が言うのもなんだけど彼女は可愛かったよ。



高校に入ると同時に、同級生の間でだけではなく他校にも可愛いって有名になるほどの器量だった。



自分の彼女のことを可愛いって言われて喜ばない男はいない。



ご多分に漏れず、俺もそうだった。






気分をよくした俺は、Y先生のうまい誘導尋問に乗せられて彼女とのことを話した。



付き合うきっかけからつい最近までの他愛のない出来事を話した。






ここでY先生が、核心をついてきた。






Y「二人はどこまでいってるの?」






俺「えっ!?」






ここで何もないって答えればよかったんだろうけど、突然そんなことを聞かれた俺は答えに窮した。






俺「・・・なにもしてないですよ・・・」






しどろもどろに答える俺に対してY先生が・・・。






Y「なんで答えに詰まるの?何もなければすんなり答えられるでしょ?やましいことがあるから答えられないんじゃないの?」






俺「いえ・・あの・・・いや・・・突然そんなこと聞かれたら誰でも答えに詰まると思いますけど・・・」






Y「いいえ。何もなければ答えられるはずでしょ?何かあるんでしょ?」






俺「無いですよ!たとえあったとしても、それこそ先生には関係ないでしょ?」






実は、5月に俺はチェリーを卒業していた。



彼女も処女だった。



このへんの話はまた違う板で機会があれば披露します。






Y「あぁ~その言い方やっぱりなにかあるんでしょ!?白状しなさい!」






(白状しなさいって、校則で禁じられてる不純性異性交遊を先生に言うわけにはいかんでしょ)






俺「ほんと!なんもないですよ!もうこの話は終わりにして、作業再開しましょうよ?」






なおも食い下がるY先生を尻目に作業を開始する俺。



作業再開早々にまたY先生が・・・。






Y「別に何かあってもどうこういう訳じゃないんだし、話すぐらいいいでしょ?」






俺「いえ。あれば話しますけど本当になにもないですよ。だから話すことはないですよ」






Y「K君ぐらいの年頃なら異性に興味あって当然だから、何も無いってのが返って不自然よ」






俺「(って先生なに煽ってんだよ?)でも先生、校則にもいけないってあるじゃないですか。やっぱ校則は守らないといけないですからね」






Y「校則を守るって・・・現在停学中の君が言うのぉ~!?おっかし~。君は校則の前に法律を破ってるのよ?分かってる?でも先生も不純性異性交遊を校則で禁ずるのはどうかって思うわよ。性欲を抑えると余計にそういったことに興味が湧いてきて、歯止めが利かなくなると思うんだよね」






性欲って言葉にドキドキしながら・・・。






俺「でもやっぱ間違いが起きたら、大変だから禁じてるんじゃないんですか」






Y「あら?K君は結構大人な考えしてるのね」






自分のことを大人扱いしてくれたことに関して少し気分をよくして作業を続ける俺。






またY先生が話し掛けてきた。



今度はさっきの話とは全く別の内容で、俺の家族こと。



父の仕事や、母のこと、妹のことを聞いてきた。



両親は日中は仕事で、妹は部活で月曜から金曜までは夕方まで一人でいることを話した。






Y「じゃ君が自宅謹慎しているかどうかってのはご両親は分からないんだね?」






俺「そうですね。両親は日中いませんから」






Y「じゃ妹さんは?」






俺「妹はお母さんより遅く帰ってきますよ。それに妹は俺が外出しても両親に告げ口なんてしませんよ」






Y「ふ~ん。でもあと3日は外出は禁止よ?分かってる?」






俺「分かってますよ」






そんな会話をしているうちに作業は終わった。



学校での出来事を期待していた皆さまには申し訳ありません。



さすがに学校ではなにもなかったです。