若い頃、派遣の仕事をしていた。



派遣先にはパートのおばちゃんや派遣で働いている女達が何人もいて、よく摘み食いをさせてもらっていた。



金が貯まることはなかったが、それなりに楽しく過ごせていた。



おばちゃんと言ったって結構綺麗な人もいるのだが、俺が狙うのはいつも中の上。



帰りが一緒になったときに飯を食いに行って、何度か一緒に飲んだ後、悩みを打ち明けるふりをして甘えてみると、結構慰めてもらえた。



俺が筆下ろしをしてもらったのもそんなおばちゃんの1人。



今から考えると『おばちゃん』と呼ぶにはかなり失礼なので、『お姉さん』と呼んでおくが、当時20歳になったばかりの俺にとっては、30歳過ぎの女性はみんなおばちゃんだった。






お姉さんは、幸子さんといった。



既婚で子供が2人もいる。



居酒屋の片隅で並んで飲んでいるうちに酔っ払ってきた幸子さんは、俺の肩に触ってきたり太ももに手を置いてきたりして、今から思うとかなり露骨で積極的だったと思う。






「それで、田中くんは彼女はいるの?」






「そんな人いませんよ」






「ふぅん、それじゃあ溜まってるんでしょ?」






俺が苦笑しながらも返答に窮していると、幸子さんは何を思ったのか俺の手をとって、短いスカートから伸びた自分の太ももで俺の手を挟み込んだ。






「温かいでしょ」








酔った目でそう囁かれて、俺はもうそれだけでビンビンだった。



指をもぞもぞさせて太ももの付け根辺りを触ってみると、幸子さんはギャハハハと笑い出し、耳に息を吹きかけるように、「エッチ!」と言った。



どっちがエッチなんだか判らなかったが、余計なことは言わずにいた。



正直に言うと、当時の俺は冗談で返す余裕もなかった。



少し前にトイレに行って化粧直しをしてきた赤い唇が、微かに俺の耳に触れたような気がした。






「出ましょ」






そう言われて俺たちは居酒屋を後にした。



会計は幸子さんが済ませてくれて、店を出ると幸子さんは俺の腕にしがみつくようにしてきた。



足取りが安定しないので、幸子さんの胸の膨らみが肘に当たってくる。



それを意識し過ぎた俺は、何もない道なのに何度もつまずきそうになった。






「田中くん、酔っ払ってるの?」






今なら、「それは幸子さんの方でしょう」と突っ込みで返せるのだろうが、当時の俺は足がもつれたことが恥ずかしくて苦笑するばかりだった。






小綺麗なファッションホテルに入って部屋に入ると、幸子さんは俺に抱きついてきた。



初心者にはハードすぎるディープキスを最初からお見舞いされて、頭がクラクラした。



1枚1枚着ているものを脱がされて広いベッドに押し倒されると、幸子さんはいきなり俺の股間に顔を埋めた。



俺のペニスから口を離した幸子さんは・・・。






「ねぇ、田中くん、経験あるの?」






そう聞いてきた。



強がってみせようか迷ったが、そんなのはすぐに露呈すると諦めて、俺は力なく首を横に振った。



すると幸子さんは・・・。






「ふぅん、そうなんだ。じゃあ私が全部教えてあげる」






そう言って身体を起こすと、自分の背中に腕を回して、着ているワンピースのファスナーを下ろした。



洋服がストンと幸子さんの足元に落ちた。



ワンピースの輪を跨ぐようにして幸子さんはベッドに戻ると、再び背中に腕を回してブラジャーを外すと脇に置いて、下着を脱いだかと思うと小さく丸めて枕の下に押し込んだ。



それを見ているだけで俺は鼻血が出そうだった。



まさか会社で一緒に作業をしているお姉さんと裸になって抱き合うなんて、出会った頃は思ってもいなかった。



厳密に言うと、そういったことを夢想しながら自分のものを扱いていたことはあっても、それが現実になるとは夢にも思っていなかった。






「田中くんが先に見たい?」






幸子さんはそう言うと、手のひらを俺の頬に当ててきた。



俺が頷くと、幸子さんはベッドに仰向けになり、『おいで』と言うように手招きをした。



俺は無我夢中で幸子さんに覆いかぶさると、あまり大きくはないがきれいなおっぱいにむしゃぶりついていった。



硬くピンと尖った乳首を吸い、すべすべのおっぱいを揉みながら、いつまでも赤ん坊のように幸子さんの胸に吸い付いていた。



緊張しすぎていたのか俺の身体は少し震えていて、幸子さんは俺の頭の後ろに手をやると、「可愛い・・・」と呟いた。






「あん、田中くん、上手よ」






幸子さんはそう言ってくれて、気がつくと俺のビンビンになったペニスはいつの間にか幸子さんの手のひらに包まれていた。



細くて長い指が俺の竿に絡み付いて、軽く締め付けたり緩めたりしていた。



つい、切なげな目を幸子さんに向けると、幸子さんはクスリと笑って、「まずは1回出さないと収まらないわよね」と言うと、どこからかコンドームを取り出して俺に被せてくれた。






「避妊は男のエチケットだからね」






そう教えられて俺が頷くと、幸子さんは再びベッドに仰向けになって俺の身体を引き寄せた。



膝を立てて仰向けになっている幸子さんは俺のペニスにそっと手を添えて自分の股間に引き寄せると、「そのままこっちへ来て」と言った。



引き寄せられるままに腰を進めていくと、俺のペニスは根元までズッポリ幸子さんの中に入っていった。



そこには想像していたのとは全く違った甘美な世界があった。



絡みつくような温かい襞に包まれて、俺のペニスは痛いほどに屹立した。






「ゆっくり、ゆっくりね」






そう言われたのに俺は激しく腰を振って、あっという間に幸子さんの中で果ててしまった。



あまりの早さに赤面したが、幸子さんは俺の頭を自分の胸に押し当てるようにして・・・。






「卒業おめでとう。よかったよ」






そう優しい声をかけてくれた。



枕元のティッシュを取ると、幸子さんはコンドームから精液がこぼれないように外してくれて、ティッシュで包み、屑籠に入れると俺の股間に唇を寄せた。






「綺麗にしてあげるからね」






そう言って萎えた俺のペニスを口に含むと、口の中で舌を這わせるようにして精子にまみれたヌルヌルを取ってくれた。






「次は田中くんが私を気持ちよくしてね」






膝を立ててベッドに寝転がると、幸子さんは俺の顔を自分の股間へと誘導した。



エロ本でしか見たことのなかった女性の性器がパックリと目の前で開き、俺のペニスは速攻で復活した。



けれども幸子さんは今度はすぐに挿れさせてはくれなかった。






「これがクリトリスだからね」






そう言って合わさった貝を2本の指で広げ、もう片方の手で俺に触れさせた後、「じゃあ、舐めてみて」と言われた。



しゃぶりつき、ぎこちなく舌を動かしていると、幸子さんは自分の股間に手を伸ばして、クリトリスの上の方を指で引っ張りあげるような仕草をした。



途端にピンクの小さな突起が顔を出した。



愛液に濡れて光った突起が可愛らしくて、俺は本能的にそれに吸い付いた。






「あん、そんなに強くしたらダメ・・・」






そう言いながらも幸子さんは腰を小刻みに震わせた。



どうしたらいいのかわからずにひたすら舐め続けると、やがて幸子さんは声を上げ始めた。






「そう、そこ・・・、ああ、もっと強くてもいいわ。ああ、それいい・・・」






俺は幸子さんに言われるがままに舌を動かし続けた。






「あ、そのまま続けて・・・、あ、あ、あ、そう、上手よ・・・」






幸子さんが俺の頭を一層強く引き寄せ、自分の股間を俺に押し付けたかと思うと、腰をガクガクと震わせて急に動きが止まった。






「あ、はぁ・・・」






大きく息を吐き出して幸子さんが言った。






「イッたわ。ありがとう・・・。とっても上手だったよ」






幸子さんはそう言うと再びコンドームを装着させてくれて、2度目の挿入を許してくれた。



2度目は俺も少しは冷静になれて、幸子さんの蜜壺の温かさを楽しみながらゆっくりと奥まで突いた。






「あん、おっきい・・・」






幸子さんの熱い吐息が俺の耳をくすぐり、俺はドクドクと大量の精子を吐き出した。



幸子さんは褒めて伸ばすタイプで、俺も幸子さんの期待に応えようと頑張った。



そうすると幸子さんに言われなくても期待通りのオルガをもたらすことが出来るようになって、幸子さんはその後も俺を定期的に誘ってくれた。



幸子さんの家にも呼んでくれて、女の身体をとことん教えてくれた。






「女はねぇ、こうされるとたまらないの」






そんな風に言いながら、ありとあらゆる体位でセックスを堪能させてもらい、何度もイカされ、女をイカせる英才教育を受けた。






そんな俺は、てっきり幸子さんと付き合っているものだと思っていた。



ところが幸子さんはそうは思っていなかったようで、俺は単なるセフレだった。



派遣先にイケメンの係長が赴任してくると、あっさりその男に乗り換え、あっさり俺を捨てた。



(その男もそのうち捨てられたけど・・・)






その頃には俺も幸子さんとのセックスに少し飽きてきていたので、もちろんショックは受けたが、特に揉めることもなく俺たちは別れた。



幸子さんに教わったテクニックは、その後も役に立っている。