オレ、元カノを十数年振りに抱きました。



そして、その彼女は私の隣に居ます。






男ばかりの会社の店長代理で女性と知り合う機会も殆どないし(出入の業者はオッサンばっかり)・・・休み無いし・・・仕事終わるの遅いし・・・。



数年前までは彼女も居てそれなりに普通の生活もしてたけど会社の業績悪化と共に、社員→派遣→パート→無し・・・って具合に人員整理されて、名前だけの昇格+給料カット+仕事は増える一方=モーレツ会社人間って感じで悪循環。



当時の彼女にも親からも「結婚は?」って言われていたのに何かタイミングを逃して、そしたら田舎帰って見合いで地元の旧家に嫁いでしまって女のほうも悪循環って具合だった。






そんなオレに、会社から急に1週間休暇を取れって話になって・・・でも3日前ですよ言われたのが!!



そうなると旅行に行くにも誘うのにも時間無さ過ぎですよ。






って事で、去年結婚した学生時代の後輩がいるんですが、遠方だった事もあり結婚式にも行ってなかったので事情を説明してみると、是非遊びに来て下さいとの返事。



話を聞くと、奥さんは妊娠中であり、嫁の実家に行く以外予定なしとの事だった。






後輩は泊まれって言ってくれたんだが、一応すぐ近く(歩いて10分位)のビジネスホテルを取った。



当日、新幹線と在来線を乗り継いで途中の駅から電話をすると後輩は都合が悪く駅まで奥さんが迎えに来てくれるとの事。



奥さんの顔は写真で知っているので駅ではすぐに見つける事ができた。






そして、3人一緒に食事に出かけた後、後輩の奥さんに送ってもらい飲みに行く事になった。



3軒程飲み歩きフラフラになった後輩を送って行き、後輩宅のインターホンを押した。



ところが、オレが押したインターホンは隣の家のものだったのだ。






そこで出てきたのは、オレの人生で初めての彼女、信代だった。



彼女も「えっ!!!」て感じで気付いていたようであった。



信代は高校の2年先輩で少し天然な所もあったが、色白で背は高くスレンダーで非常に人気のあった先輩であった。



当時高校入学間もない頃に一目惚れしたオレは部活の先輩から信代が彼氏から振られた事を聞き、熱心に毎日のように口説いた事を思い出す。



そして、夏前から丸2年間付き合った。



勿論オレの初めてのヒトでもあった。



その後、信代の転勤と共に高校生のオレの手の届かなくなったヒトであった。






後輩は信代に謝ると後輩の奥さんも気付いて玄関先まで出てきて、一緒にスイマセンと謝っていた。



後輩宅で水を一杯飲んだ後、ホテルに戻るつもりで待たせていたタクシーに戻ろうとエレベーターの前で待っていると後ろから声が聞こえた。






「植田さんですよね?」






紛れも無く信代の声だった。



振り返るとやはり信代だった。



オレは近寄り抱きしめた。






「だめ!」っと一言だけ言うと、信代はそっと紙切れを差し出した。






ちょうどエレベーターが到着し、運転手が怪訝そうな顔をしながら「まだですか?」とやって来た。



すると信代は「お願いします」と言い家に戻って行きました。






オレはホテルまでのタクシーの中で右のポケットにしまいこんだ紙切れをずっと握り締めていた。



ホテルの部屋で見た紙切れには、信代の電話番号とアドレスが書かれてあった。






直ぐにでも電話をしよう、メールを送ろうと思いましたが、家庭もあるだろうと逸る気持ちを抑え、眠りに就いた。



翌朝、後輩には二日酔いだと嘘の電話を入れ、その後信代に「電話、大丈夫?」とメールを送った。



すると、直ぐにOKの返信があり電話を掛けた。






十数年振りのぎこちない会話の途中で信代が「何で進ちゃんがここにいるの?」と言いこの地に来た経緯を説明していた。



オレは「少しでいいから会えないか?」と言うと、信代は待合せ場所を駅前のホテルに指定しました。



その時は、食事をして近況報告等しながら昔話ができればなんて思っていたのだが、ホテルに現れた信代は今にも泣きそうな顔をしていた。



ティーラウンジで泣き顔の女性といると目立ってしまうのでオレは信代に部屋を取るのでそこで話をしようというと信代もそのほうが良いと言ってくれた。






部屋に行くと信代は「進ちゃん、ごめんなさい」と言いながら泣き出してしまった。






泣き止むまで自然と抱きしめていると、信代は「今から言うことを聞いて」と言い椅子に座り直した。



そして、会社の上司と不倫したので転勤させられた事、高校生だったオレは浮気を許してくれないだろうと連絡を絶った事、別の不倫がバレて子会社に飛ばされた事、その不倫した相手と結婚した事、家から勘当された事、旦那が会社の若い子と不倫をしている事、結婚して10年程になるが子供はいない事、ここ3年位は抱かれていない事など矢継ぎ早に信代は言った。






不倫のツケは戻ってくるもんだと信代は繰り返し言いながらまた泣いていた。



オレに出来る事は唯一抱きしめる事だった。






信代は「抱きしめるだけなら後で私が後悔するから止めて!」と言いました。






オレの気持ちは高まった。



信代の長いストレートの髪を掻き揚げると指でそっと涙を拭った。



腫れ物に触るが如くゆっくりとしたキスの後濃厚なキスをした。



見つめ直すと涙で潤んだのとは違うオンナの眼になっていた。



背中のファスナーに手を掛けた時、信代が「進ちゃん待って、シャワー」と言いましたが、オレは「昔みたいにお姫様抱っこさせてくれ」と言い、そのまま服を脱がせました。






当時のオレは、初めて信代と過ごすクリスマスの時お姫様抱っこをした。



それは、信代が憧れていた事を知っていたからだ。



そして、次の年も同じホテル同じ部屋でお姫様抱っこをした。



そして、彼女の誕生日にお姫様抱っこをしながらプロポーズもした。



彼女の両親にもその話をしていた事を思い出した。



3回目のクリスマスは過ごせなかったが・・・。






信代は「重くなったからイヤ」と言うものの嫌がる様子は見せない。






久々に見る黒の下着から見える信代のカラダは全然弛みがなく綺麗なままだった。



下着姿のままお姫様抱っこでバスルームまで連れて行った。



ブラに手を掛けると「恥ずかしい」と言い抱きついてきた。



そのままキスをしながらホックを外す。



信代は自分で器用にショーツを脱いでいる。



脱いだ瞬間にスルッとオレの腕から離れ反対を向き、バスルームに入って行った。



オレは何一つ脱いでいない。



慌てて服を脱ぐオレ。



バスルームから「やっぱり恥ずかしいから待ってて」と信代の声。



オレに待つほどの余裕は無い。



そのまま服を脱ぎバスルームに突き進む。



シャワーを浴びている信代を後ろから抱き寄せると信代は「進ちゃんとの頃とは違うよ、汚れたオンナだよ」と言いながらまた泣き出した。



オレはバスタブに湯を溜めながら「こうやって全て話してくれたじゃないか」とさっきよりも強く強く抱きしめた。



バスタブに湯が溜まり一緒に入ろうと言うと小さく頷くのが判る。



後ろから抱き上げながら体を廻し対面する形で湯船に収まった。






信代は「さっきから私ばっかりよね、進ちゃんはどうしているの?」と尋ねてきた。



オレは何人かと付き合ったりしたがずっと独身だと言った。



信代は「まさか私のせいじゃないよね?」と言いながら今日始めての笑顔を見せた。



そして、旦那が不倫相手と旅行中であることを告げた。



オレはこの瞬間、今、信代を抱かないと心に決めた瞬間でもあった。



何故ならあと2日旦那が帰ってくるまで余裕があったからだ。






風呂から上がると俺は信代の心を解放させるが如く全ての胸の内を打ち明けるように仕向けた。



すると、不倫・勘当・その他で友人とも連絡が取りにくくなった事や、知らない土地で本当の友人がいない事、略奪愛で奪った旦那だから何時かこんな日が来るのではと思っていた事、カラダの手入れは欠かさずしていた事も判りました。



そして2~3時間掛けて信代の安堵の表情を確認したオレは思い切って連れ出す事を提案した。






「どうせ帰って来ない旦那の事でモヤモヤする位だったら出掛けよう」と。






後輩には会社から緊急事態の連絡があり今日中に戻らないといけないと嘘を言い、ビジネスホテルへ戻り荷物を取り駅で信代と再度待合せた。



時間は夕方近くなっており「何処に行きたいか?」と問いかけると、信代は「花火が見たい」と言い、オレは咄嗟に電車で1時間程の場所にある某遊園地に向かった。



夏場の遊園地は必ず花火が付き物だと思ったからだ。






遊園地に着くとナイト営業の張り紙があり花火の告知もありホッとした。



花火の時間までもう少しある。



これ以上信代に話をさせるのは酷だ。



気分転換にでもと何か乗るか?と聞くと「アレ」と観覧車を指差した。



信代は何か吹っ切れたように腕を絡ませてきた。



辺りは薄暗くなり周りは若いカップルばかりだ。






観覧車に着くと係員が「花火までもう少し時間がありますよ」と教えてくれたが、逆に「閉園までの間、貸切とは言わないがずっと乗っていたいんだが」というと「今日は人が少ないから3回分で良いよ」と言ってくれた。



観覧車に乗ると暫しの沈黙の後、信代は「初めてキスした日のこと覚えてる?」と言い、すかさずオレは「俺の誕生日の前日」と答えた。



そうだ、オレの誕生日の前日は地元の花火大会の日だ。






「だから花火が見たいと言ったの?」とオレ。






信代は頷くと






「あの頃はキレイだったのになぁ。私」と呟いた。






そのまま抱き寄せた。



オレはゆっくりとやさしいキスを何度もした。



そして、信代はオレのほうにカラダを向けた。



おでこと頬にキスをした。



昔オレがよくしていたキスだった。



人前でキスするのが恥ずかしかったのだ。



結局殆ど花火は見ていなかった。



ディープなキスもしなかった。



しかし指だけはしっかりと絡めたままだった。



閉園までまだ少し時間があったが観覧車を降りた。






係員に何故だか「お疲れ様でした」と言われ、二人して見つめ合ってから笑いが込み上げて来た。






そういえば昼あった時から何も食べてない。



オレは「信代、メシなにが食べたい?」と聞いた。



信代は「進ちゃん、やっと名前呼んでくれたね」と言い抱きついてきた。



何か後ろめたい気持ちが名前で呼ばなかった理由だったのだろう。



が名前で呼ぶ事で信代のココロと当時のオレの気持ちの隙間を埋める自信と確信が生まれたのも事実だ。



タクシーを拾い、程近いホテルに向かった。



夕食を共に取り、明るい話題の会話も増えた。



そして信代の顔には昼に会った時には微塵も見せなかった満面の笑みがこぼれていた。



夕食後、日は沈んだものの蒸し暑い中ではあるが散歩に行こうと誘った。



信代は不思議そうな顔しながら明るく頷いた。






散歩中、少し景色の良いベンチを見つけ、オレは「今から2日間、オレの彼女に戻ってくれるね」と言い、信代は「今だけ昔の頃に戻ろう。いや、進ちゃん私の方こそ、戻らせて」とくっ付いてきた。






スポーツ馬鹿で、女性の扱いも知らなかったオレをいろいろ教えてくれた当事のままの雰囲気だった。



オレの中で何かが壊れたように涙がぽろぽろこぼれてきた。



信代は昼間オレがしたみたいに涙を拭ってくれた。



そのまま信代主体のキスをした。



お互いの気持ちを確かめるが如く何度も何度もキスをした。



すると、信代は「ホテルに戻ろう。そして昔のようにお姫様抱っこして」と耳元で囁いた。



オレは無言で頷いた。






「ここからしながら戻ろうか?」とオレ。



「ここからじゃ遠いよ。進ちゃんも少しオジサンになったんだから、カラダ壊しちゃうよ」






ホテルに戻りエレベーターを降りる時、いきなり後ろから抱き抱えた。



信代は「キャッ」と言うような声を上げたが構わずそのまま部屋の前まで運んだ。



少し膝を曲げカードキーで信代にドアを開けさせた。



確かに体力は落ちている。



でも、そんな事より今は当時の思い出を再現したかった。



キスをしながら信代をベッドにそっと置いた。



信代は「一緒でいいよね、お風呂」といい、バスルームへ向かった。



追いかけようかと思ったが、必ず彼女は戻ってくると確信していた。



案の定、彼女は戻ってきた。



信代がオレの服を脱がす。



胸元にキスをし、見上げながら「進ちゃん、私すっごく濡れてるよ」と言う。



オレも信代の服に手を伸ばす。



昼間見た黒の下着とは違うピンク系のシルクの下着だった。



ブラを外し、乳房を手に収める。



カラダのラインは以前同様綺麗だったが、胸の張りはさすがに十代とは比較しようも無い。



それでも、十分綺麗だ。



下に手をやりショーツの上から触るとじっとりと粘り気がある。



信代の感じている声が漏れる。



しかし、愛撫をするでもなくそのまま脱がした。



バスルームへ連れて行く為だ。






バスルームでは、まずオレがソープランドの如く頭の先から足の先まで洗ってもらった。



そして、オレは信代の体を隅々まで洗い返した。



不倫ばかりしてきたのに乳首も性器自身も使い込んだモノではなく綺麗だった。



ただ違う点はクリトリスの発達だった。



そして、そのままじゃれあう様にバスタブに入った。



信代はオレの上に重ねるように体を合わせ、「後ろからぎゅって抱きしめて」と言う。



まるで映画のワンシーンみたいだった。



オレはうなじから首元へとキスをする。



信代は手をオレの股間へ伸ばし上下に擦り「進ちゃんのおちんちんビンビンに固くなってる」と悪戯っ子のように囁く。



負けじと「信代の大洪水よりましだよ」と言うと、「もう我慢できない。早くベッドへ連れてって」とおねだりしてきた。






風呂を出ると、「早く入れて。進ちゃん、昼間から焦らし過ぎ」と少し怒り口調だ。






そりゃ旦那に3年も構ってもらえず、昼から今迄散々焦らしたんだから・・・。



正常位でオレは一気に突き入れた。






「ああーーぁ」悲鳴にも近い声だ。






奥まで入れると腰を振らず、信代を見つめた。



信代は見つめ返し頷いている。



ゆっくりと長いストロークで腰を振り始める。



すると、信代は直ぐに「イク、イク、イッちゃう」と言いカラダを紅潮させビクビク震わせている。



信代の奥がオレの息子を締め付ける。



射精感はまだ無い。



そのままゆっくりとしたストロークを続けると、またも信代は絶頂を迎えた。



良く考えてみると今迄女性にプロポーズしたのは、彼女だけだった。



その彼女がよがっているのだから唯々純粋に嬉しい。



もっと一杯イカしたい気分だった。






そのまま信代が数度絶頂に達した頃、「進ちゃん、タイム」とかすれた声で言ってきた。



対面座位の形になり、繋がったまま「ありがとう、進ちゃん」と言いながら抱きついている。



ひとまず休憩といった所か?このまま腰を動かそうとすると「進ちゃんにもイって欲しいの」と騎乗位になった。



多分これはオレの腰を気遣ってくれての事だろう。



学生時代より激しい腰痛に悩まされている事を憶えていてくれたみたいだ。



本当に嬉しかった。



信代の腰の動きは物凄く激しかった。



オレに気持ちよくなって欲しいと特に上下の動きは激しかった。



さっきはオレに主導権があったのに直ぐに形勢逆転といったところだ。



射精感が込み上げてくる。






「信代、イキそうだよ」と言うと、



「大丈夫だからそのまま出して、私も一緒にイクから」と言い、イクのを我慢している信代を見ていると幸せな感じがした。






オレも下から突き上げ必★にいこうとした。



オレの「イク」の声に反応したかのように信代の中が激しく締め付けた。



オレの人生の中で一番の射精感だった。



信代の締め付けの度に奥からどんどん精子が溢れてくるような激しい発射だった。



信代はそのままオレの体にぴったりとくっつけていた。



カラダを抱え起こすと「抜かないで」と言いキスを求めてきた。



そのまま抱きしめていると「このままが良い」と呟きながら信代は眠ってしまった。



恐らく1時間位は抱きしめていただろうか。



信代が深い眠りについているのを確認しベッドに優しく寝かせた。






オレはタバコを燻らせながら「いくら抱かれてないとはいえ人妻だぞ」という悪魔の囁きと「昔の彼女を取り戻した」という感情の中で信代を見つめた。






愛しくも切ない中、暫し自問自答を繰り返した。



オレは信代が忘れられなかったのか?今ならそのまま連れて行くこともできる。



でも純粋だったオレを裏切った女だぞ!不倫を繰り返し略奪愛で結婚した女だぞ!などと考えながら・・・。



オレは何時の間にかソファーで眠りについていた。






翌朝といってもまだ5時頃だった。



オレは信代に起こされた。






「進ちゃん、そんなところで寝てたら腰に悪いよ」と。






そして立ち上がろうとすると腰がいつも以上に重い。



ヤバイ状況だ。



オレは信代に「熱めの湯で風呂を入れてきてくれ」と頼んだ。






風呂に入ると少し腰の感じは良くなった。



暫く浸かっていると「進ちゃんどう?」と言い信代が入ってきた。



そして又一緒に風呂に入った。



この時ようやく思い出した。



信代は肌が弱く性器周辺は特に弱かった。



エッチを覚えたてのスポーツ馬鹿は猿のように求めてよく怒られてたっけ。



だから当時はよくイチャイチャするもののエッチの回数は少なかった事を・・・。






ふと興味を持ち信代に聞いてみた。



すると「肌が弱いのはそのままだが大分と良くはなった」ような答え方をした。



しかし、その直後「私のカラダが原因で子供できないんだよね」と呟いた。



旦那が浮気をするのも子供を作って信代と離婚する理由にしようとしているとの事であった。



信代自身も離婚する事は仕方ないと思っていると言った。



ただ、経済的な理由で先延ばしにしているとも言った。



旦那は前妻との間にも子供が無く、自分に問題が有るのではと、病院に行き検査の結果、信代に問題が有る事が判り別のオンナに走ったと言うのだ。



それでも良き妻でありたいと願い努力したものの信代は捨てられかけていたのだ。



正直、オレは旦那に対し★意を覚えた。



しかし、十数年前の元カレに★意をもたれる旦那に対しても失礼だとも思った。






自立の為、ヨガ教室でインストラクターをやっている事も信代は教えてくれた。



ただヨガ教室の収入だけでは生活ができないので旦那から慰謝料を取りたい為、賢妻を繕っているとも言った。



旦那の実家はその地方の資産家で次男である事や前妻との慰謝料も実家が一括で払っている事を知っての行動だとも教えてくれた。






風呂から上がると重い空気を断ち切ろうとしたが、なかなか良い言葉が出ない。



朝食のバイキングに行く途中、信代は腕を組んできた。






「進ちゃんが明日の朝までは昔のように戻ってって言ったんでしょ!」






明るく信代が言う。



オレの頭は混乱していた。



朝食の間のことは殆ど覚えていない。



信代はラブラブのように振舞っていた。






適当な時間になり、ホテルを後にし近くの植物園に立ち寄った。



オレも少しは理解できていた。



昨日の遊園地とは違いあまり若い人達は居ない。



オレは敢えて人目に付くようにキスをした。



何度も何度もキスをした。






「やっぱりチョット恥ずかしい」と信代は言った。






その後、3ヵ所ほど廻り、夕方ターミナル駅前のホテルにチェックインした。



夕食は信代が気になっていたイタリアンに行った。



その晩は一緒に風呂に入ったり、イチャつきながら過ごしたがエッチは結局しなかった。






朝になり、信代は旦那の帰りの時間がわからないので午前中に戻りたいと言う。



オレも最初から承知の上だ。



最寄り駅まで送ると頬に軽くキスをした。



隣の家はオレの後輩の家なので家には送ってやれない。



彼女もそれはわかっていた。






そして、「私から連絡するまで、進ちゃんは連絡しないで」と言い、信代はうっすらと涙を浮かべていた。






オレは帰路につきながら夢ではなかったのかと何度も抓ったりしながら帰宅した。






それから4ヶ月程経った頃だった。



信代からのメールだ。



旦那が浮気相手に子供ができたので離婚を切り出してきた事。



慰謝料として大変高額を示してきた事。



オレのところへ行ってもいいか?と言う内容だった。






オレは、短く「信代、待ってるよ」と返信した。






半年後、信代は満面の笑みでオレの所にやってきた。



勘当されていた実家にも離婚の事は連絡をしたと言った。



そして、オレの所で暫く世話になるとも言ったそうだ。



オレのところへやって来たその夜、信代の携帯が鳴った。



信代の母からの電話であった。






「進ちゃん、こんなバカな娘、いつでも放り出して構わないよ」と。






翌週、信代の実家に行った。






「なんで信代は進ちゃん所へ嫁がないんだ。そんな娘に育てた覚えは無い」と言った親父さんは2年前に亡くなっていた。






次の信代の誕生日にプロポーズから丁度20年目に籍を入れます。






長々とした文で申し訳ありませんでした。