<登場人物>
リカ:俺がヤッちゃった彼女、ストリッパーで巨乳。
コースケ:リカの彼氏で俺の友達、バンドでボーカルやってた。
ルイ:リカの先輩、本職のダンサー。
シン:俺。
コースケは仙台からメンバーを連れて出て来てて、以前バイトが一緒。
俺がアパレルで働いてたこともあって、衣装改造したり、ライブの手伝いで雑用とかローディーみたいな事とかもしてた。
ルイはコースケの事務所の紹介で、デカいハコでやるのにダンサーを入れようって話になり、その時に知り合った。
その流れでコースケがクリスマスにライブした時にリカを連れて来たらしい。
リカは元々外人ばっか来るようなクラブで踊ってたみたい。
常にかなりの弾けっぷりが出てるコで、この話の前に4人でカラオケ行ったことがあったんだけど、そこでも、「メドレーで唄えなかった奴が罰ゲームで脱衣」と言い出したり、倖田來未を唄いながら脱いでって全裸になるとか、平気で出来るコだったw
で、年末にみんなで遊ぼうって話になってコースケの部屋に集合。
コースケの部屋は結構広くて、寝室とは別にダイニングキッチンが付いてる。
キッチンと寝室の間には狭い廊下があり、それがトイレと風呂、玄関に繋がっててキッチンからベランダに出られる変わった造りになってた。
壁も厚く、扉を閉めると音はほとんど漏れてこない。
なんやかんやでワイワイやって、結局3時くらいには寝たのかな。
ベッドは当然1つしかないので、床にマットレスを敷き、コースケとルイがベッド、俺とリカが床で寝ることになった。
まぁこの時点でコースケとリカが一緒じゃないのがおかしいんだが、その時はリカとコースケが付き合ってるのを俺もルイも知らなかったんだ。
コースケは前々からリカがいてもいなくても「ルイ可愛い、付き合いたい」と言ってたので変に思わなかったし、ルイも満更でもない反応だった。
酒のせいかどうかはわからんが、しばらく寝付けずにいたのでキッチンで残った酒を飲みながらタバコを吸ってるとリカが部屋から出て来て、「寝ちゃった?」と聞いてきた。
「なんか寝れなくてさw」
「あたしもーwなんか落ち着かないんだよね」
しばらくはお互い黙ってタバコを吸ってたんだが、突然リカが切り出した。
「ねぇ、シンはどんなコが好きなの?」
そういえばリカとこういう話をするのは初めてだった。
いつも弾けてるから、なんか実感が湧かない。
「えー?リカみたいなコも好きだよw」
「ホントは?」
リカの瞳が潤んでるのを見て、思わず目を逸らした。
酒のせいだと思いたい・・・。
「なんで急にんなこと聞きたがるわけ?」
「いいじゃん、教えてよ。なんなら知り合い紹介するよ?」
「知り合いじゃなくてリカがいい」
「えーwじゃあいつもは彼女とどんなことしてるの?」
「んー。後ろから抱っこかな」
「あたしもそれ好き?w愛されてる感じするもん」
「だろ?だから好きなんだ」
「へー、意外だね。もっと冷たい人かと思ってた」
「どんな先入観持ってんだお前はw」
「えー、だって見た目だけで言ったらタバコと酒で生きてそうなタイプだよw」
「はいはい。★かよwま、リカになら優しいと思うけど」
「出たお世辞wいいけどねっ」
そう言うとリカは嬉しそうに寝室へと戻っていった。
しばらくするとまた扉が開いた。
誰かが便所でも行くのかと思ってそっちを向くと、なぜかリカが布団を抱えて立ってるのが見えた。
「コースケ達ぐっすり寝てるから、マットこっちに持って来ちゃったw」
「こっちの部屋寒くね?」
「いいってば。寒かったら抱っこしてwあたしもヨシヨシしたげるからw」
「アホかw襲われても知らんよ?つかお前は無防備すぎだよ」
「いいの。シンも抱っこ好きって言ってたじゃん。あたしもされるの好きだよwそれに・・・」
リカが口ごもる。
「なに?」
「もっと話したいから」
正直、リカはかなり好みだ。
友達なら誰にでも抱きつく挨拶で、大きく柔らかいおっぱいの感触を背中や腕で感じてたし、腰も折れそうなほど細い。
フィギュア選手みたいに必要なだけの筋肉が付いてるのは普段の動きで見えてたんだけど、見た目はかなり華奢な感じ。
「先入ってよ。あーゆー話の後だとなんか気恥ずかしいわ・・・」
「シンも緊張することあるんだ。らしくないよw」
リカがまたイタズラっぽく笑う。
この顔で笑われると何でも許せる気がする。
もちろん手を出すつもりはなかったが、リカの濡れた瞳を見たからかなのかやけに心臓がバクバクいってるのがわかる。
背中を向けて布団に入ると、リカがくっついてきた。
「やっぱ寒いw」
「だから言ったでしょうがw」
「えへへ。でもシンあったかいよ」
「そーですか、良かったね」
「こっち向いてよ。抱っこしてw」
「無茶言うな。チンコ突っ込むぞ」
「ヤダ・・・抱っこ・・・」
子供のような声でリカが涙ぐむ。
理性はもう崩壊寸前だったが、静かに泣き出すリカをそのままには出来なかった。
向き直り、リカの頭の下に腕を回す。
暗闇で良かった。
明るかったら顔が赤くなってるのが見えてたはずだ。
「これでいい?」
「シン優しいんだねぇwワガママ言っても怒らないし」
「お前が子ども過ぎるんだよ」
笑いながらひそひそと他愛のない話が続く。
束の間の静寂の後、沈黙を破ったのはリカだった。
「あたし、コースケと付き合ってるの」
一瞬、何を言ってるのか理解出来なかった。
「へ?マジで?」
「なのに一緒に寝てくれないし、いつもルイにくっついてるし」
「まぁ・・・分からんでもないけどな。男としてはw」
確かにルイはかなり綺麗だし、それなりにモテて彼氏も複数いたんだがw
リカには言ってないが、正直な話、コースケはファンの女を喰いまくってた。
なんだかんだで部屋に連れて来た女は30人を下らない。
彼女がいない時なら特に言うこともない。
グルーピーなんてそんなもんだしね。
だが、この場合は話が違う。
リカはファンではないし、そもそもルイとはビジネスの付き合いだ。
コースケのメジャーデビューしたいという熱意を見て手伝ってきた俺からすれば十分馬鹿げてるし、馬鹿にされてるとも思った。
自ら事務所とギクシャクする必要なんかどこにもない。
「ちょっと話してくるわ」
そう言って席を立とうとしたがリカに止められた。
「しょうがないよ。コースケ、モテるもんw」
と言ってもコースケのグルーピーなんぞたかが知れてる。
恋愛と音楽の区別もつかないガキばかりだ。
「お前はそれでいいのかよ?」
「いいんだ、別に。慣れてるから」
そう言いながらもリカの瞳は潤んでくる。
「まぁ・・・リカがいいなら何も言わないよ」
「シンなら・・・浮気しないよね」
肩のあたりにリカの頭がある。
それまで俺の胸に顔を埋めていたリカがパッと上を向いた。
瞳が相変わらず濡れているのが光の反射でわかった。
近過ぎだろ・・・。
心臓がバクバク言い出した。
「シン」
急に放たれた一言でさらに心臓は速くなる。
「なに?」
鼓動は相変わらず落ち着かない。
部屋中に響いてるように聞こえた。
「心臓・・・すごいね」
「こんだけ近けりゃ・・・緊張するわ」
「さっきの話ホント?」
「さっきって?」
「とぼけないでよ・・・」
「さぁね」
「シンなら癒してくれると思ったのに」
そう言うとリカはプイッと背中を向けた。
<続く>
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