
ま~、そんなこんなで結局約束の土曜日を迎えたわけなんだけど、姉貴とのことがあったからって訳じゃないんだろうけど妙に冷静っていうか、約束の日の事を意識せずにその日を迎えちゃったわけ。
行く時間直前まで、ラブホに行く事自体にリアリティを感じられなかったんだよね。
ま、それは俺がプールクリアして以降、先生の俺への対応が普通になったというか、特別な生徒を扱う感じじゃなくなったってのもある。
多分先生も意識的に俺を遠ざけようとしてたんじゃないかな、無理も無いけど。
普通ってよりも、むしろ他人行儀だった気がする・・・。
敬語なんか使っちゃったりして。
「◯◯クンこのプリント◯◯さんに渡してくれますか?」とか。
おいおい先生と関係する前だって、先生そんな言葉使いしなかったじゃんとか思ったけど。
今にして思えば俺だってそんなに信用できるかどうか分からないし、変に周りに俺が先生との体験談とかチクっちゃったら・・・とか思ったんじゃないかな。
逆の立場だったらマジ緊張もんだと思う。
可哀想に・・・。
だからもうほとんど先生が来てくれることなんか有り得ないのにトキメいてもな~みたいな。
ま~自ら約束したんだから、行くだけ行ってみるか?みたいな感じで完璧惰性って感じだった。
で、結局4時ぐらいになって、あ~タルイなぁ・・・とか思いつつ一応身支度してね。
ドアを開けたのよ。
真夏の4時っつぅとね、もー殆ど昼と同じ明るさなんだよね。
約束したときは夕方って意識だったんだけど「ありゃ、ちょっと約束早すぎたかな?」と思った記憶がある。
だってこんなに明るいのにラブホ前で待ってる中学生ってちょっと怪しくない?
いや、実際怪しいんだけど。人目引くだろ?とか思って・・・。
それでもまぁテクテクと30分の道のりを歩き始めたわけ。
30分あれば着く道のりを1時間前に出たんだからね。
相当時間的に余裕がある。
俺は歩道の脇の盛り上がった部分の上を歩いたりして、チンタラチンタラ歩いてったわけ。
ちょっと先生の事に思いを馳せてみる。
明るい盛りにラブホ前で待つ先生・・・。
(ブハ!有り得なね~!超有り得ねぇ)
一人想像しながらあまりのリアリティの無さに思わず噴出す俺だった。
俺が何でそのラブホを選んだかと言うと、この辺では珍しく民家が少ないっていうか周辺が雑木林だったの。
まぁ逆に言うと、だからこそラブホが建てられたってのもあるんだろうけど。
で、そこに高速だけが上をスーっとコンクリの無機質なグレーでビヨ~ンと長ったらしく通ってるだけなわけ。
要するに人目がないんだよね。
だから選んだという・・・。
で、結局そうね、最大級にチンタラ歩いても20分前後でその雑木林が見えるとこまで来ちゃった・・・。
時計を確認する俺。
「はやっ」
まだ4時20分かよ。
不思議と時間を引き延ばそうと思う時に限って時間が経つのが遅いんだよな。
そう思ってる間にも雑木林が目の前に迫っているわけ・・。
『痴漢注意』と赤い文字で書かれた看板が目に入った。
確かに痴漢が出そうな雰囲気だった。
だってエロ本とか無造作に捨てられてんだもん。
雨ざらしになって変色したりして。
が、逆にそれが妙に厭らしさを感じさせるんだよな。
実を言うと何で俺がここのラブホを知ってたかと言うと、このエロ本拾いを小学校の頃に友達としてたからなんだがw
で、まだ明るいのにも関わらず、気の早いヒグラシっていうの?あのカナカナカナ・・・とか夕方になると物悲しく鳴くセミ。
あれが鳴いてんのよ。
あのロケーションで鳴かれると何だか雑木林に★体でも捨てられてんじゃね?みたいな気になるわけ。
実を言うと小学校の頃、実際ここに虫取りに来た友達がそこで自★してる奴見つけた事あんのよマジ。
ノイローゼだったらしいんだけどね。
いや、んな事はどうでもいい。
そんな余計な事を考えるからますます気持ちが萎む俺だった。
(あ~やめときゃよかったな)と思いつつもここまで来ちゃったら引っ込みがつかない。
俺は雑木林の中の舗装された細い道路をテクテク歩いていったわけ。
あ~もう!蚊ウザイ!
やぶ蚊がプンプンいってんの。
俺は歩調を速めてラブホに向かって歩いていった。
ラブホは雑木林を抜けたところのちょっと坂を上がった小高いところにある。
ま~、いわゆる普通のラブホだ。
見えてきた見えてきた・・・。
さすがにここまで来るとちょっとドキドキする俺。
(先生が来てたりして?)みたいな、ありもしない妄想が急に脳内を巡り始めた。
もうあとちょっとでそれが確認できる位置だ。
が、確認したいような確認したくないような複雑な気持ちに襲われる俺だった。
だって居ないの確認しちゃったらもう終わりじゃん?
俺は意図的にインコース側を歩き、確認しにくい位置で歩を進めたわけ。
が、んな姑息な焦らし自演術など大した引き延ばしにもならないわけで。
もう俺がヒョイとアウト側に体を傾ければラブホの入り口部分を確認出来るところまで来てしまった。
急に立ち止まる俺。
(ど、どうしよ?せ先生が立ってたら・・・)
馬鹿な俺はこの期に及んで急にトキメキ始めてんの。
深くス~っと息を吸いハァ~と吐き出す。
で、ゆっくりと体を右に傾けはじめる俺。
(た、頼む居てくれ・・・いや居るわけね~・・・いやでももしかして・・)
ドックン!ドックン!と波打つ心臓の鼓動。
え~い!面倒くせーや!
俺は意を決し体を完全に右に逸らしラブホの入り口部分を確認したわけ。
(・・・居ない・・・人っ子ひとり居ないわ。)
ま、そりゃそうだ。
急に現実に引き戻される俺だった。
(そうだよな~居るわけねんだよ、ハハ。しかし一応約束したんだから入り口まで行こうっと・・・。)
俺はテクテクと入り口まで歩いて行った。
はは~ん、なるほど中は見れないようになってんだな。
何ていうの?ビニールの暖簾じゃないけど、門の上から下がってて車が入っても中は見えないようになってんのよ。
初めてマジマジ見て知る俺だった。
門の脇に空室ありって表示されてる。
(ま、そりゃそうだな。こんな明るいうちからセックスしようなんて思う馬鹿は俺ぐらいなもんだろ。)と、妙に納得する俺だった。
一応、ご休憩料金とご宿泊料金を確認する俺だった。
馬鹿な俺はセックス相手も居ないのに、一応財布の中を見て足りるか確認してたのを今でも覚えてる。
(うんうん一応足りるな使わないけど)
そう思いながら時計を確認する。
4時45分。
(う~ん・・・一応な、約束だからな。時間まで待つか?)
そう思いながら、いくらなんでもラブホ前に中学生が突っ立ってるわけにもいかないから、雑木林の坂の下まで降りたところで待つことにしたわけ。
どのみち先生もこっちから来るわけだし、先生の赤い軽自動車が来ればすぐにわかる。
とりあえずボーっと時間が経つのを待つ俺だった。
(フぅ・・・何であんな約束しちゃったかな?)
腰に手を当て、自分に呆れる俺だった。
するとそのときだ・・・。
ゴロゴロゴロと地響きにも似た小さな音が聞こえんの。
つい最近聞いた事のある、いや~な音だ・・・。
俺は恐る恐る空を見上げた。
晴れている・・・。
が、むこうの方にこの間見たのと全く同じ真っ黒い雷雲が迫って来てたのである。
「やっべ!」
俺は同じ過ちを繰り返したくない気持ちで一瞬帰ろうと思った。
が、そこが青さというか、若さなんだよな。
俺の中の青春君が「お前約束したのに、こんな事で逃げていいんか?ヘタレが!」と言うのである。
今なら間髪いれずに「いいんです!」と即答するとこだが、俺は要するになんと言うか・・・豪雨に打たれながら先生を待つ自分を演じたくなっちゃったわけ。
あ~恥ずかしちぃっす。
そうこうしてる内に雷鳴が大きくなり、ピカッ!と稲光が間近に迫っている・・・。
この徐々に迫ってくる感じの怖さってのいうのはちょっと言葉では言い表せないね。
さっきまですっごい明るかったのに急に真っ暗になるし。
怖ぇ怖ぇ。
ポツ・・・ポツ・・・と頬を打つ雨粒。
あ~、来た来た。
好きなだけ降ってください、俺は大きく両手を広げてプラトーンばりにこの豪雨を受けてとめてやるぜ!格好よく!(どこが?)
もう完全に自分ワールドに入る俺だった。
ポツ・・ポツ・・ポツポツぽつぽつビシャビシャ!ビシャ!ドッシャー!!!!と、俺の心の声が天に聞こえたのか、プールをひっくり返したんじゃないか?っつぅもんの凄い豪雨が俺の顔面を叩き始めたわけ。
(負けんぞ!俺は負けん!)
完璧、青春君に心を支配された俺は意地でも動かぬ気持ちだった。
ドガーン!!!とすごい雷が雑木林に落ちた。
たまげた、これにはマジ。
本当に間近に落ちると雷って鉄臭い。
これはこのとき初めて知った。
(あ~、俺★ぬんだ・・・)
先回りして悲劇の主人公を演じ始める青春君。
俺がここで★んだと知ったら先生だけが★んだ理由分かってくれるんだな。
な~んて超マヌケなことを思ってたw(氏ね)
(先生泣いてくれるかな?)な~んてな。
が、状況はそんなのんきな事を言ってる場合じゃない。
すでに許容量オーバーになったドブにかかったコンクリートの隙間からゴポゴポと凄まじい噴水を上げ始めている。
雑木林はかなり低い立地条件にあるため、見る見る俺の足元に水が迫ってきていた。
俺はしょうがないので小高いラブホの方へ引き返したわけ。
水かさがどんどん増してきている。
さすがに心配になって空を見上げる俺だった。
が、黒い雷雲は全く勢いを衰えさせる気配を見せない。
ラブホの所まできたら暗くなったからなのか料金灯とラブホのネオンが灯りはじめた。
(とりあえずここにかくまってもらうか?)と現実クンが俺に囁きかけるが「ダメ!それ格好イクナイ!」と青春君が却下する。
結果、俺は延々と土砂降りの中に晒されることに・・。
(バチだな、先生にひどいことしたバチだきっと)
俺は雨に打たれながらそう思っていた。
時計を確認してみる、もう5時40分・・・。
先生は絶対に来ない、もうそれは決定だ。
それは受け入れよう。
が、雨が止むまでは立っていよう、これはもう意地だ。
格好悪い状況だけに、ここだけは意地でも逃げたくなかった。
バチだと思って受けよう。
そう思って顔から滝のように流れ落ちる雨を拭わずに立ち続けてたわけ。
あまりにみっともなくて泣きそうな情けない気持ちだったけど。
雨が目に入るもんで雨で真っ黒になったアスファルトの道路だけ見てた。
パシャパシャ跳ねる雨の勢いが増したり少し収まったりするのを見てた。
も~ボーっとして、何分そうしてたのかもわかんね。正直。
と、その時だ。
坂の下の雑木林の方からバシャバシャと水を跳ねて走る車の音が聞こえたわけ。
(あ~、雨しのぐのにカップルが来るんだな・・・)と思って、俺は目立ちたくないからちょっと端っこによって車をやりすごそうとしたわけ。
俺の前を車が走り抜けていく・・・。
俺の分まで頑張れよセックス!
そんな気持ちでやりすごす俺だった。
すると俺の前10mぐらいのとこで車がキキ!と止まる音がする。
が、俺は関係ないので下を向いたままだった。
しかし車が急にバックしてくんの。
ブィーン・・・って。
で、俺のちょっと前のとこで止まったわけ。
パシャ!ウィーン、パシャ!ウィーン・・と、ワイパーの無機質な音だけが豪雨の中で辛うじて聞こえた。
さすがに俺は目を上げ車を見た。
暗がりの中でもすぐわかる。
先生の赤い軽自動車だった。
もしもと思い、助けに来てくれたのだ。
アヒャー格好悪ぃー!超格好悪いよ俺。
俺は駆け出して「ウォォォ」と逃げたかった。
が、そうもいかない。
何だよせんせ・・・放っておいてくれよ。
武士の情けで。そりゃないぜ。
ちょっとこんな無様な展開ないよ。
しばらく立ち尽くしているが、もちろん先生は車を動かす気配はない。
ただただワイパーの水を弾く音だけがむごたらしく聞こえてくるだけだった。
(しょうがない・・・)
俺は重い足取りで先生の車まで歩き、ドアを開けたのである。
車の中まで雨が降り込むので、とりあえず急いで乗り込みドアを閉める俺。
恐る恐る先生の顔を見る俺。
無表情のまま前を向いている。
そしてポイとタオルを差し出す先生。
黙って受け取りゴシゴシ頭を拭いた。
先生の車が動き出す・・・。
坂を上がりラブホの前を通り過ぎて行き、T字路のとこで切り返し、元来た道を走り出した。
(素敵なオチをありがとう神様)と、自虐的に思いながらフロントガラスに降り注ぐ雨を呆然と見入る俺だった。
ラブホの前を再び通り過ぎる・・・と思ったその時だ。
急に右にハンドルを切ると、なな、何とラブホの入り口に車が入って行ったのである。
急の出来事でびっくりして、グッタリしていた体を起こす俺。
(ななな何?いったい何?)
事態を飲み込めず、ドギマギして前方と先生の顔を交互に見る俺だった。
(どういう事?とりあえず雨止むまでここでやり過ごすってことっすか?)と思う間に、先生は駐車場に車を止めてしまった。
「降りなさい」と先生。
俺は従うしかなく、モタモタと車を降りたわけ。
先生モタモタする俺に近づき、手を引くとラブホに連れて行ったのである。
ホテルに入り、フロントの所に行ったんだけどさ。
どういうシステムだったのか若干うろ覚えなんだけど、フロントは確かにあったんだけど、人が居るような雰囲気じゃないのね。
どういうのか人が居るんだけど、相手側からこっちが見れないようになってるから居ないように感じてるだけなのかも知れないけど、とにかく先生もそのチェックインシステムみたいなのがよくわからないらしくてウロウロしてるわけ。
向こうから「いらっしゃいませ」とか言ってくるでもないしさ。
で、俺が辺りを見回したんだけど側壁の部分で各室の写真みたいなのがライトアップされてて、電気が消えてる所がどうやら使用中らしいって事は分かった。
その時は使用中の部屋が結構あったんで、俺はずっと見張ってたから(あれ?こいつらいつ入ったんだろう?)と思った記憶がある。
けど、今思うと単に清掃してなかっただけなのかもしれない。
で、よく見ると何だか分かんないけど、どうも金を入れるような所があったわけ。
あれ?ここに金を入れて部屋のボタンを押すと入れるのかな?と思ったら、ちゃんと書いてあるじゃん。
デカデカと。
「先生これ」って俺が言って説明書きを指差したわけ。
「あ」と言って先生興味深げに読んでいる。
「ふ~ん・・・今こうなってるんだ?」だって。
俺も何回かその後ラブホ使ったことあるけど、そういうのはあそこだけだった気がする。
「昔は違ったの?」と俺。
「うん・・」と答えて、先生が金を入れて勝手にボタン押している。
しばらく間があってから「バカ」と言って俺に肘打ちした。
「いてっ」と言ってみぞおちを押さえる俺。
すると部屋番ついたルームキーが出てきた。
・・・だったと、思うんだが俺も朦朧としてたんで定かでない、ごめん。
先生鍵を持ってエレベーターの方へ歩き出したわけ。
ヨタヨタとついてく俺だった。
正直このとき俺は先生とやれるとかやれないとかいう事を考えてたか?と言うと、全く考えてなかった。
ま~、時間も時間というか約束の5時をゆうに超えてたからね。
先生がどういうつもりで来たのかも分からなかったし、俺も正直ヘコタレてた部分もあったんで、単純に先生の後をついてっただけだったね。
壁紙とかが所々剥がれてたりして(あんま繁盛してね~な)ぐらいの事しか考えてなかった気がする。
でも、通路とかはランプ状のライトが数メートル間隔で点いてて、一応ロマンティックな雰囲気ではあった。
定期的に雨粒が入り口のガラス戸にパラパラパラと叩く音が聞こえる。
で、とりえずエレベータに乗り込んだわけ。
こ~いう時ってバツ悪いよなー。
ほんっとバツ悪いよ。
俺ただでさえエレベーターって苦手。
上がるまで回数示す数字追ったりして早く着かないか待つあの時間やだ。
たった数秒なんだけどね。
で、エレベーターが開き部屋の方へ歩く二人・・。
よく見ると先生サンダルじゃん。
急に心配になって駆けつけたのが見え見えだ。
(面目ないっす)
かなり使い込んだピッチリめのジーンズと、白地のTシャツだったと記憶してる。
柄は忘れた。
すると先生のムッチリしたお尻を見てたからって訳じゃないんだけど、何故かチンポが起ってんの。
疲れマラってやつ?
ビンビンに漲ってるわけ。
俺は先生のお尻を朦朧と見つめながら部屋まで先生の後をついてった。
歩くたびに右、左って、クイクイって尻の部分のジーンズにシワが寄るのを見てた。
部屋のドアを開ける先生。
当然、先生に続いて俺も入ろうとした。
そしたら先生「こらこら!いくら何でもそのまま入ちゃ駄目よ、服脱いで!」だと。
来た通路を見ると俺が歩いた後にポタポタと水が落ちてる・・・。
