俺が出会い系を始めたのは大学1年生で、まだ童貞だった頃。



今は23歳だから、それほど昔の話じゃない。






県外に行った友人の、『都会じゃ出会い系で知り合うのが当たり前なんだぜ』という言葉に乗せられてやってしまった。



(出会い系なんかサクラばっかじゃねーの?)と思ってたし、なんとなくプライドが邪魔して出来なかったが、友人も出会ってやれたらしいのでやってみることにした。






その時の俺のターゲットは30代前半から40代前半の人妻で、(人妻で筆おろし最高!)と訳のわからない考えがあった俺はとにかく送りまくった。






で、最初の女は『E』としよう。



32歳で、俺の家から車で一時間ほどの距離。



Eと楽しくメールをしていた。



肝心なのが相手の顔。



はっきり言って見ず知らずの男女が求めているのは顔である。



メールをしつつ、さりげなくEに頼んで写メを送ってもらうとイモトアヤコに似た感じだった。



普通に考えたら無いけど、そこは出会い系。



やれるのであればレベルはグッと下がるのである。






で、俺の写メも送るのだが、この時、俺は失敗を犯したのである。



理由は言わずもがな・・・俺はハッキリ言って普通より顔は劣っている。



出会い系に於いては顔の善し悪しより、写メ詐欺が使えるか否かで勝負は決まる。



俺はまだ駆け出しということもあり、普通に写メを撮って送った。



返事は・・・帰って来た。



これはいけると思った、大学一年生の夏。






しかし二、三回メールした後、返って来なくなった。



追撃してみるもダメ。



俺は完全にイモトアヤコに筆おろししてもらう気満々だったのに、それが不可能になることにショックを覚え、しばらく出会い系から遠のいた。



それから大学二年生まで出会い系はお預けであった。






大学二年の確か夏だったと思う。



よくつるんで遊んでいたバイトの後輩も童貞らしく、お互い童貞を捨てたいと悩んでいた。



その後輩は後に、俺と共に出会い系で色んな女とセックス出来るまで成長することになるが今回は割愛する。






で、後輩と始めたのが某出会い系サイト。



嘘のプロフに身を固めて、大量爆撃バンバンメールしては写メ交換して、不細工なら切り捨てという荒業ばかりしていた。



その頃は俺も前回の屈辱も踏まえて、詐欺写メを作成しておいた。



なおプロフの偽りは基本的に自分の年齢+2歳くらいにしておき、相手が学生ありなら学生、OLや人妻なら社会人と、柔軟にプロフを変えていた。






そんな矢先、『X』という女から「メールしよう」と来た。



Xは俺と同い年の大学生で、車で30分の距離である。



来る者拒まず去る者追わずの俺は、迷わず連絡を取り合った。






しかしこのXという女は写メを一向に送りたがらない。



必★に懇願してみたが全く駄目である。






しかしXは、「写メ見るくらいなら直接会おうよ」と言ってきた。






正直なところ俺は怖かった。



出会い系でいきなり見ず知らずの女と会って無事に帰れるのであろうか?



ましてや俺の顔を見て帰ったりされないだろうか?



そして仮にエッチすることが出来ても、うまく出来るだろうか?



さまざまな不安が浮かんできたが、それらを払い除け、確か次の日の深夜に会うことにした。



当然、前日は緊張と期待と恐怖でほとんど寝れなかったので、大学の講義の際に睡眠をとっておいた。






そして予定時刻が迫る頃、待ち合わせ場所へ急いで向かった。



会う直前に後輩に連絡をした。






「◯時までに俺から連絡がなければ警察へ連絡してくれ」






俺は今でも出会い系をする際は必ずこのような連絡を信用出来る友人にしている。



もちろん、その後輩もよく俺に連絡してくる。



大事なことは、会うことよりも己の安全であると俺は考えている。



お陰でまだ無事である。






待ち合わせ時刻になって一服すれど、一向にXは来ない。



これはすっぽかされたなと思ったが、とりあえずメールを送ってみる。






すると、『あと5分だけ待って欲しい』とのこと。






待ち合わせ場所は無人駅なので人も少なく、確実に俺だと分かるから車まで来てくれと連絡して待つ。



5分くらいで女が一人歩いてきた。



俺の心臓ははち切れそうになっていたと同時に、妙な吐き気を覚えた。



緊張の瞬間である。






やってきたの大柄な汚い雌豚だった。






俺が出会い系の現実を知った瞬間でもあった。



可愛い子は出会い系をしなくても彼氏が出来てエッチが出来る。



反対に、可愛いくない子は出会い系をしなければ彼氏も出来ないしエッチも出来ない。



挨拶を済ませて車に乗せて走る。






俺「今夜は寒いね」






X「うん」






俺「こっから家遠いの」






X「いや」






俺「そっか、どんくらいかかるの?」






X「秘密」






俺「・・・」






会話すらできない不完全な生物を乗せてしまった俺の車は夜の国道を走る。



メールではかなりおしゃべりなくせして、いざ会うとまるで会話ができない。



出会い系の地雷女にはこういう女が多い。



そうした地雷を避けるためには、会うまでにじっくりメールすることが重要だ。



それは俺の顔のせいもあるかも知れないが、イケメンの後輩でさえ、そういう経験があるから一概には言えないだろう。






とりあえず喉が渇いていたのでカフェに行くことにした。



とにかくこの大柄な屑をカフェに降ろして飲み物を頼む。






俺「どうして会おうって思ったの?」






X「わかんない」






俺「わかんないとは変なヤツだw」






X「変なヤツ言うなあー」






ハッキリ言って気持ちが悪い。






俺「結構SNSであったりするの?」






X「前の彼氏とはSNSで付き合った」






俺「まじでか、男前やった?」






X「割と」






俺「俺とどっちが男前?」






X「お兄さんのほうが男前だよ」






俺「冗談でも嬉しいからその言葉受け取っとくよ」






X「いや割と本気」






この屑が!






俺「そっか、ありがとな」






X「お兄さんは私みたいな女は嫌い」






俺「そんなこともないよ、20歳って若くて羨ましいし綺麗だと思う」






X「若いって2つしか違わないじゃんw」






同い年でこんなに気持ちが悪い女がいることにショックだった。



そして女がえらい俺に興味を示してきていることに対しても吐き気を感じてしまうほどであった。



当然ながら童貞は守る方向で行った。






俺「そろそろ出ようか、明日は仕事だから早く帰らなきゃ」






X「えー、もうちょっと話そうよお」






俺「また今度な、メールでもお話は出来るだろう?」






そう言って店を後にし、はじめの待ち合わせ場所へ向かった。



時は既に3時くらいだったと思う。



社会人になって分かったが、仕事を明日に控えて3時まで遊ばないし遊べない。



俺だけかもしれないが。






駅に着いて下ろそうとした時、Xはこう言った。






X「ねえチュウしよ」






俺「は?」






X「チュウしたい」






俺「何言ってんの?」






X「ねえしてよ」






俺はキスだけは高校の時に済ませておいたのでキスは問題は無いが、こんな不細工とキスをするくらいならアジャコングにラリアットされた方がまだマシである。






俺「そんな気分じゃないから帰りなよ」






X「嫌だ、したい」






そう言ってXは俺に無理やりキスしてきた。






普通なら羨ましいかも知れんが、デカくて気持ち悪い女にキスをされるのは拷問である。



口だけは閉じていたが、向こうに口の周りをベロベロ舐められた。



それが頭にきてしまい、俺は女を無理やり降ろして、そのままサヨナラも言わずに帰ってしまった。






後輩に連絡をして呑みに行った。



後輩に大笑いされてヘコんだ。



俺は後輩にご馳走になり、飲み潰れたので家まで送ってもらった。






朝起きるとXからかなりのメールが来ていた気がする。






『ゴメン悪かった。話したいから電話して欲しい』






こんな類だったと思う。



すぐにアドレスを変えて着信拒否にして俺は日常に戻った。



初めて会った出会い系の女がこんなヤツで最悪であったが、キスを奪われたという事だけ見れば、デビュー戦は引き分けである。






俺は再び出会い系を始めることにした。



Xと会ってから2週間後位か、とにかくすぐだった気がする。



後輩からメールが来た。






『出会い系でDTSしました』






D童T貞S卒業。



すぐさま後輩に連絡を取り、家に行った。



ドヤ顔の後輩を尻目に後輩の携帯を開く。






『気持ちよかったね』



『また会おうね』






・・・とのメール。






俺と同じSNSを使っているのに何という天と地の差であろうか。



しかもその相手のプロフを見ると、ギャルではあるが、まあ可愛い。



すっぴんは酷くても、写メを見る限り可愛い。






「先輩も早くヤりましょうよー、気持ちよかったですよー」






その言葉に後押しされ、ひたすらに出会い系をする俺。



気付けば冬になっていた。






<続く>