いつものようにエッチなネットサーフィンをしていると、なんの偶然かとんでもないサイトにぶつかってしまった。
これを運命の悪戯と呼ぶのだろう。
私が少し変わるきっかけになったのだから。
そう・・・、そのサイトには外国の街中を履物以外何一つ身に着けずに歩き回る女性の姿を写した画像があった。
人の居ない山の中や、海辺ではない。
衣服を身に着けている人達の中を全裸で歩き回る、そんな光景である。
それも真昼間の大きな通りや広場や商店街をである。
それを見て変態と軽蔑しきれない、何か羨ましさのようのものを感じていた。
もっとたくさんの写真を見たり、サンプル以外のビデオを観るには信販会社のカードを使って申し込まなければならない。
住所や本名も書き込まなければならない。
もっと見たいのだが、外国、それもヨーロッパのカード会社なのに申し込む勇気がなかった。
仕方なく関連リンクを彷徨い、相当な労力と時間を費やし、かなりの量のサンプル画像と5種類のサンプルムービーを手に入れた。
どのくらいの日数をかけただろう。
これらを克明に見ていくと、ドイツの都市『ボン』であることが分かった。
さらに、ほとんどのシーンに現れる女性がいることに気がついた。
色白で髪の長い、たいてい黒い服を着て写真を撮っている。
時には全裸の女性の服も持っているようだ。
さらに何人かの男性スタッフの存在にも気が付いた。
日本で言えば、裏物の露出ビデオか写真集の撮影をしているのだろう。
ちなみに、このスタッフの女性も全裸で歩き回っているシーンが幾つかあった。
ほとんどの女性は剃毛している。
全裸よりも恥ずかしい姿だ。
年齢層には幅がある。
女性特有の曲線が現れ始めた少女から、中年の女性までいるようである。
そんな中にサングラスをかけている人がいた。
顔さえ隠せば、警察のお世話にならなければ、騒ぎさえ起こらなければ、私も全裸で賑やかな商店街を広場を悠然と微笑みながら歩いてみたい。
その為にボンに行きたい・・・。
私はいつの間にか、椅子に腰かけて組んだ足の力を入れたり抜いたりして微妙に太ももを動かしながら妄想していた。
この女性の真似をしたら、恐らく興奮して平然と歩いていられないように思う。
誰にも、親にも気づかれていない、そして経験すらない私の本性を曝け出して歩くのだろう。
今まで内に秘めた露出狂マゾが、剥き出しになったあそこを隠す毛もなく、手で隠せないように手錠か縄で縛られて歩くことを想像してしまう。
それとも、たった一本の紐であそこを隠すことが出来る股縄を結んでしまうのだろうか。
これは普段は抑え込んでいる妄想である。
下の毛を剃って全裸以上に肌を晒して・・・。
行き交う多くの人達から冷やかされたり嘲笑されたり、軽蔑されて罵られるのは良い。
だけど、騒がれたり、追いかけられたり、警察に通報されたりするのは困る。
私だって平穏な日常を捨てたくはないのだ。
あくまでも一時のアバンチュールとして楽しみたいだけなのだ。
軽犯罪であるのは分かるが、こんな性癖を持つ人間がいることを認めて欲しい。
真剣にそう思った。
息を荒くしながら不鮮明な小さなビデオ画面をパソコンで何度も見た。
写真もスライドショーにして何回見たことだろう。
パソコンを起動すると無意識のうちにその作業を行ってしまう。
次第に現実と妄想の境界線が曖昧になっていくような気がする。
この写真に取り憑かれたのだろうか。
一人暮らしで、彼氏もいない私。
下の毛を剃ったからといって問題があるわけではない。
ただ、もしも盲腸にでもなったら、とても恥ずかしい思いをするだろう。
人生何が起こるか分からない。
そんな理由で、一度もツルツルにしたことはない。
全裸で外を歩けるわけもないのだから。
でも・・・、一つくらい秘密を持っても、誰に迷惑をかけるわけでもないし・・・。
そんな言葉が頭の中に響くようになる。
悪魔の誘惑とはこのようなものだろう。
それに、お風呂で毛を剃るなんて、とても興奮することのようにも思えてきた。
ついに私は誘惑に逆らえなくなった。
そして週末の土曜日、朝から部屋の掃除をした。
まるで神聖な儀式の準備をするようにバスルームを入念に綺麗にした。
夕食後、買い物を兼ねた散歩から戻り、コーヒーを煎れてゆっくり飲んだ。
気持ちを落ち着かせるためだ。
風呂上がりに身に着ける、真新しい純白のパンティと男物のシャツも用意してある。
昨日の帰りに買ってきたのだ。
もちろん部屋も綺麗に片付けた。
ベッドの側にデジカメも三脚も置き、準備は全て整えた。
後は私が決心するだけだ。
時計の針は午後10時を指している。
あのサイトの写真が頭の中をフラッシュバックしている。
コーヒーはカップの中で冷たくなっている。
指が震えている。
胸が高鳴っている。
変態行為の入口に立つ戸惑いなのだろうか。
それとも、これから訪れる妖しい世界への期待感なのだろうか。
すでにパンティのあそこはひどく汚れ、疼いている。
(私は何をしようとしているのだろう?)
自分でそのことをもう一度反芻する。
何度も考え、何度かこの時間、この曜日に下見をした計画を。
10時半、カップを置き、やっと立ち上がる。
ミニのワンピを落とす。
ブラジャーとパンティがまだ体に残る。
ブラを外し、パンティに手をかける。
テーブルの上に置いた鋏と剃刀に目が釘付けになる。
これを脱いだら、鋏で毛を落とすのだ。
そう決めていた。
目を閉じ、パンティを下ろす。
お尻が現れ、膝を通過させ、足首から抜く。
何も身に着けていない生まれたままの姿になる。
膝立ちとなり、ゴミ箱に跨がってあそこの毛に鋏を入れる。
シャキ・・・シャキ・・・と音がするたびにあそこが丸坊主に近づく。
本当に丸坊主になった。
バスルームに行きシャワーを浴びる。
あそこにお湯を当てる。
左手の指で開くようにして汚れを流す。
撫でるとチクチクした。
ノズルを湯船に入れ、手で泡を立て、あそこに塗る。
手の震えが収まると、泡で見えなくなったところに湯で温めておいた剃刀を当て僅かに滑らす。
ジョリッとした感覚と共にツルツルの肌が現れた。
心臓は壊れんばかりに踊っている。
これからのことが頭をよぎる。
全て毛を剃り落としたら男物のシャツをまとう。
ボタンは外しておく。
そのままベッドの横にセットしたカメラの前に立つのだ。
そしてパンティを少しずつ脱ぎ、カメラに収める。
どこまで下ろしても黒いものは見えないはずだ。
下腹部の縦に入った恥ずかしい溝が見えるだけだ。
最後はベッドの上で体を起こし、顔が写るようにして足をM字に開く。
おそらく濡れて開いたあそこが黒い物に邪魔されず写るだろう。
セルフタイマーの作動している時間の緊張感が私を堪らなくしてくれるはずである。
フラッシュの光が、きっと未知の快感領域に導いてくれると思う。
1月ほど前の土曜日のこと、例のサイトの関連ページをネットサーフィンして探していた。
時間は日付変更線を超える前後である。
郵便物も新聞も取り出していないことに気が付き、私の住む3階から1階のエントランスまで階段を使い降りていった。
ダイエットでもないが、少しでも運動のためにエレベーターは使わないことにしている。
行きも帰りも誰にも会わなかった。
そういえば、2階の住人はたまに見かけるが、それより上の人とは会ったことがない。
考えてみれば面倒なのであろう。
それに最近では土曜日に遅く帰ってくる人など稀なのだろう。
車で帰る人は裏から建物に入るので、こちらの階段は使わない。
最寄りの駅の最終電車の時間を考えれば、深夜ならここは無人の空間になるかもしれない。
悪魔がまた私の耳元で囁く。
『深夜なら全裸になれる』と・・・。
『金曜日はタクシーで帰る人がいるかもしれないが、土曜なら確率はずっと下がる』とも。
また悪魔が囁く。
『監視用のモニターもない』のだと。
私は何をしていても記録されることない無人の空間を発見した。
一度部屋に戻ることにした。
午前1時半。
終電はとっくに終わり、このマンションに戻る人はいないはずの時間である。
部屋を出て階段を最上階まで上るが誰にも会わない。
10階まで歩く人などいるわけがない。
廊下に出ず、そのまま1階まで引き返す。
誰もいない無人の空間。
1階のエントランスは蛍光灯の光で明るく照らし出されているが、無人に変わりはない。
背徳感のもたらす緊張に心臓が限界まで動いている。
異様に肌を晒しているわけでもなく、何一つ悪いことをしているのでもないのに、小さな物音一つで心臓が止まってしまうに違いない。
体中が今までになく敏感になっている。
ブラに包まれた乳首も、あそこも恥ずかしく反応している。
気持ちを落ち着かせようと外に意識を運ぶ。
表に出てみても猫の子一匹いない。
大きな通りに面していないので、しばらく立っていても誰も通らない。
駅から遠ざかる方向に歩いてみた。
すぐに住宅街となる。
無人の街だ。
(これなら全裸で歩ける)
また悪魔が囁く。
10分ほど歩くと、街灯の明かりが薄っすら照らす小さな公園に着いた。
公園というより小さな広場だ。
トイレもなく、ベンチが低い植え込みに囲まれて数脚置いてあるだけで、ホームレスもいない。
いざとなったらベンチの陰に身を伏せれば通行人にも分からないと思えた。
後ろは高い石垣で、その上には住宅がある。
両側は普通の住宅である。
もちろん、こんな時間だから電気も消えている。
それから毎週土曜の深夜、下見のつもりでこの時間に片道10分間の散歩を繰り返した。
一度も誰とも出会わなかった。
ジョリ・・・ジョリ・・・。
下腹部の恥ずかしい溝が露わになる。
手の震えが収まるのを待つ時間が徐々に長くなる。
目を閉じる。
公園のベンチの下に隠すように置いた箱が気になる。
中には手錠が入れてある。
ネットの通販で注文して、今日届いたばかりだ。
昼間に何度も開け閉めの実験をした。
全く問題はなかった。
鍵は台所のテーブルの上だ。
公園で手錠を後手にかけ、部屋に戻る予定である。
なくなっていたら、楽しみが半減してしまう。
あれから3時間近く経っている。
誰にも見つけられていなければ良いのだが。
次第に下腹部の翳りが失われていく。
もう石鹸など必要ないほどヌルヌルと滑りが良くなっている。
摘んだり引っ張ったりしながら、だらしなく口を開けたあそこの周辺に剃刀を当てている。
もうすぐ無毛になるのだと思うと、吐息が漏れる。
無毛の翳りのない下腹部・・・。
ついに妖しい興奮と快楽の世界に踏み込んだのだ。
悪魔だけが歓迎してくれる世界に・・・。
たったこれだけのことで、あそこは充血して顔を覗かせ始めている。
ほんの少し押せば鞘が滑り、完全に露出してしまう。
触れたら、それだけで頭の中に真っ白な光が弾けるだろう。
目を強く閉じ、小さな誘惑を振り払う。
サイトで読んだ告白にあるような、“高みの世界”に行くために。
気持ちを静めてから体を洗い始める。
今晩、この手首に手錠をかけるのだ。
首にはそう遠くない将来に首輪が嵌る。
乳首にも洗濯ばさみが飾られる。
下腹部は用意した包帯で股縄を施す。
露出とは逆だが、飾り付けをする部分にボディソープを泡立たせ、順番に手で優しく擦るように洗う。
ぬるめの湯で体を流す。
あそこはノズルからの水流が直接当たらないように気を付け、手のひらで湯を受けて浸すようにしながら流す。
直接、湯を当てることは今の私には刺激が強すぎると思えたからだ。
バスタオルで体の水気を丁寧にとる。
過敏になっているあそこは、そっと押さえるようにした。
何も隠さない本来の私がここにいる。
品行方正で真面目な私は、あそこの毛と共に失われた。
露出の快感に憧れる無毛の淫乱女がいるだけだ。
悪魔の誘惑に身を任せた私だ。
バスルームを出て、男物のシャツを羽織り、新しい白い清純そうなパンティに足を通す。
汚して脱ぐためだけに身につけるのだ。
これで股間の秘密は大人しいセミビキニの中に隠された。
肌蹴た白いシャツからは小振りの胸が覗いている。
喉がカラカラだ。
冷蔵庫からアイスティーを取り出し、お行儀悪く紙パックに直接を口をつけて飲んだ。
一息つき、空の紙パックをそのままにしてお化粧を始めた。
深夜にサングラスの外出も変かと思い、普段とは人相が変わるほど濃くした。
無意識のうちに自己防衛の意識が働いたのだろう。
厚化粧の品性に欠ける女が鏡の中にいた。
自己満足の笑みを浮かべている女の顔だ。
ベッドの前に立つ。
念のために私物は全て片付け、私であることを特定できる物はない。
床はありふれたフローリング、クリーム色の壁と布団のカバーは全て白にした。
その範囲でしか撮影されないようにデジカメもセットしてある。
顔さえ入れなければ大丈夫だと思う。
まずはベッドの前で膝立ちとなり、セルフタイマーを使って1枚写した。
顔は入るが、後でトリミングか目線を入れて処理するつもりだ。
思った通り、セルフタイマーの作動を告げる赤い発光ダイオードの点滅が疼痛に似た刺激を下腹部に送り続ける。
そして強烈な光を全身に浴びた。
体の奥が収縮した一瞬、頭の中はカッとした真っ白な光が弾ける。
浅いリズミカルなピストンから、急に子宮近くまでの深いインサートを受けた感じだ。
過去の経験が蘇るが、違いはこの先にある。
過去の経験では徐々にこうして高みに昇るのであるが、今晩はどうなるのだろう。
赤い発光ダイオードの浅いピストンとフラッシュの深いインサートは、部屋のドアを開けて出て行くためのものだ。
快楽を求めるだけのメスに導き、変身させる光なのである。
汚れたショーツはいつの間にかベッドの横に捨てられていた。
気が付くと大きくM字に開いた股間の奥まで鋭い光を浴びていた。
壁に頭を預けM字の間から顔を出して、腰の両脇から手を出し、あそこを大きく広げているのだ。
アナルまで映し出されていた。
道徳観念も倫理観も麻痺し、露出の快感のみを求める女がのろのろとベッドから起き上がり、玄関に向かう。
靴箱の上に用意してある部屋の鍵をつけたストラップを手首に絡めた。
時計を確認すると、1時半を少し回っていた。
全てシュミレーション通りに進行している。
長さを確かめて調整した包帯を掴む。
ウエストを一周させ、腰のところで一旦結ぶ。
余った部分を股間を潜らせて前に持ってくる。
Tフロントショーツの要領である。
下腹部に走る縦の溝を隠すように上に引っ張った。
お臍の下で再度結ぶ。
伸縮するタイプなのでキツめに食い込んでくる。
過敏になっているためか、呻き声を抑えられなかった。
思った以上の刺激だ。
股縄を施しての外出は初めてである。
実験しておけば良かったと後悔する。
それほど刺激が強く、予定よりも時間が長くなりそうに思えてきた。
ジョギングシューズを履く。
腰を落とした瞬間、また声を出し呻きながら下駄箱によろける。
こんなことで本当に外を歩けるのか心配になった。
『絶好のチャンスは今しかないない』