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京都の同級生とその彼氏達、およびその友達と俺5









朝までビデオを見たあと、俺は知らないうちにそのまま眠り込んでいた。

リモコンを握って座り込んだまま寝ていたので、目が覚めたときには

テレビには青い画面が写っていた。



ふと家の電話をみると、留守電が15件入っていた。再生するとすべてナルミさん

からだった。ゴゼンゴジサンジュップンデス、という声で終わっていた。

時計を見るとまだ8時だった。ほとんど寝てないな、と俺は思い、少し

ためらったが、ナルミさんの携帯に電話をかけた。



彼女はすぐに出た。

「もしもし・・」

「森君!?昨日・・・何かあったんじゃないかって・・・もう・何で?

携帯も切ってたでしょ?私・・・」

 ナルミさんは鳴き声だった。

「ごめんなさい・・。昨日の夕方くらいからすごい熱が出て、病院行ってたんです」

下手なウソだ、自分でも情けなかった。

「熱?大丈夫?病院にいくほどなの?そのまま寝てて、すぐ行くから」

「もう引いたから大丈夫ですよ・・。それに来ちゃダメです。絶対うつります」

「でも・・ごめん・・全然知らなかった」

俺は少し咳き込む真似をして、そりゃ知らないでしょと、と笑い、いいですか、

絶対来ちゃダメですよ。もし心配だったら何回か電話してください。今日は

どうせ一日中家にいますから、といい、でも、、と言いかけるナルミさんに謝って

電話を切った。



あの男は、今日俺に会ったことを言うだろうか?言うな、そうなったら会ってないって

言い張ればいいさ。

寝不足で頭が痛くなってきたので、俺は考えるのをやめて布団に包まった。



電話の音で目が覚めた。時計を見ると11時だった。受話器をとるとナルミさんだった。

「大丈夫?」

「あ、、だいぶ楽になりました。熱も引きましたよ。なんだったんですかね?」

俺は笑ったふりをした。

「あのね・・・今京都なんだ」

え?来ちゃったんですか?うつりますよ!ダメですって!と俺は言ったが、

でも、、家にいても心配だし、、と少し泣き声になったナルミさんが言った。

「すいません。ありがとうございます・・。部屋にきてくれますか?」

ナルミさんは嬉しそうに、少し買い物してから行くね、といって電話を切った。

 俺はとりあえずビデオをデッキから出し、押入れのダンボールのそこの方に入れた。

男の名前が書かれた紙は、番号を「イギリスの船舶建造の歴史」の真ん中のあたりのページに写して本棚の戻し、細かくちぎってコンビニの袋に入れ、ゴミ箱の底に押し込み、上から他のゴミをかぶせた。

 窓を開け酒の匂いを外に出し、わざとらしく保険証を机の上においてナルミさんを待った。

 30分くらい立った後、インタフォンがなった。ナルミさんは大きな袋をぶら下げ、

部屋に入ってきた。

 ベッドで横になる俺に近づくと、いきなりぽろぽろ泣き出した。



「心配したんだから・・。交通事故とか、、」

俺は心の底から申し訳ない気持ちになって、ごめんなさい、でも、彼氏と話をするって

言ってたし、邪魔しちゃあれかな、と思いまして、と俺が言うと、

 そんなこと考えなくていいよ、でも、生きてて良かった、と笑った。



何か食べれる?と彼女が聞いたので、実は滅茶苦茶すいてます、というと、ちょっと待っててね、というとおかゆだったら食べれるよね?といい、流しに立った。

横になりながらナルミさんのエプロン姿を見ていると、ビデオの男との様子が浮かんできて仕方がなかった。徹夜だったので、油断するとすぐ寝てしまったが、目が覚めると

ナルミさんはことこと音を立てておかゆを作っていた。



ナルミさんが作ってくれたおかゆを食べ、また横になった。彼女は俺の枕元に座って

心配そうに俺にお顔を見ている。時々俺のおでこに自分のおでこをくっつけ、熱は下がったみたいだね、でも明日は会社休んだ方がいいよ、ううん、休みなさい、といった。

中学生の時以来の仮病だったが、ナルミさんはまったく疑っていないようだ。

「昨日・・」

俺は切り出した。

「彼氏と話せたんですか?」

ナルミさんは笑って、今日はその話はやめよ、ゆっくり寝ないと、といった。

俺は起き上がって、大丈夫です、教えてください、と彼女に頼んだ。

うん・・。じゃあ、、と彼女は口ごもり、横になっててね、といい、床に膝まつくと

ベッドに頬杖を付くような格好で俺の顔に自分の顔を近づけた。

「昨日ね・・ちゃんと話したんだ。やっぱり別れようって」

「そうですか・・。」

「そしたらさ、泣き出しちゃって・・。店のなかでだよ。とりあえず店を出て、どこか

誰もいないところに行こうっていったら、車を運転してインターのホテルに入れられて・・」

 「ホテル・・ですか・・」

俺はまた、昨日のビデオのナルミさんを思い出した。

「もちろん変なことはしないよ。それでね、他に好きな奴がいるのかってきくから、うん、って。そいつとはもう付き合ってるのか、って聞くから、まだだけどそうなりたいって言ったの」

「・・・・・」

「そうしたらね、わかった、、って。安心してじゃあっていったら」

彼女が笑って、

「最後に・・もう1回しないかだって、最低でしょ・」

ははは、と俺は笑った。したんですか?と少しふざけて聞くと彼女は、ばか、と言って

「送るっていうけど断ってホテルを出たんだけど、タクシー捕まらなくて結局駅まで

歩いちゃった。遠かったよ」

 何回も電話したのに、出てくれないんだもんと彼女は笑った。

すいません、と俺は言い、もうこれは、付き合ってくれと言わなきゃまずいだろ、と思った。

 昨日の男になんか言われて引っ込んだように思われるのも嫌だ、俺は彼女の目を見たまま暫く黙っていた。でも消えない。あんな男に突かれて声をあげていた彼女の

姿が頭から消えてくれない。チョーセンだろうが○○だろうが、そんなことは関係がない、いや、確かに色々あるかもしれないが、大きな問題じゃないだろ、でも、

この口であのむかつく奴のモノを咥えていたんだ・・

 黙ったままの時間が殆ど限界になりそうなとき、彼女が俺の頬をなで、

「大丈夫・・。森君仕事一生懸命だもんね。もう簡単にほかの人とつきあう気はないし、しばらくフリーも楽しいかなって思うんだ、へへ」

 と言った。ああ、俺はダメ人間だ。少しホッとしている自分を、殴ってやりたかった。いや、それも甘えだよな。



 「いっぱい聞いて疲れたよね、こんな話。ごめんね」

白のハイネックで、半袖のセーターの上からジャケットをはおり、彼女は帰ろうとした。

「明日会社休んでね。もしよかったら帰りによってもいい?」

と言う彼女を引き寄せ、キスをして、そのままベッドに押し倒した。黒のレース地のスカートを巻くりあげ、同じ色のストッキングを脱がせた。

「だめだよ。。つかれちゃうよ・・。ぶりかえすよ・・」

彼女は俺を止めようとしたが、俺は言うことを聞かず、トランクスをおろしヘソにつくくらいになっているモノを、そのまま横になった彼女の口元に近づけた。

 これだけだよ、、と言うと、彼女は俺のモノに顔を近づけ、柔らかい唇で先を咥えた。

 俺はベッドの上に正座するような格好になり、ナルミさんの身体をセーターの上から撫で回しながら、顔を横にして俺のモノを咥えている彼女の顔を見下ろした。

 ナルミさんは目をつぶり、ゆっくりと顔を右手で俺のモノを軽く握って、顔を小刻みに動かす。俺の手がスカートの中に入ろうとすると、左手で止め、薄く目を開け、

今日はだめ、つかれちゃうでしょ、といってまた目をつぶって顔を動かす。

昨日から続いている妙な興奮が、溜まっていたのか俺はすぐに限界になった。

彼女のショートカットの髪をなでたり、耳をさわったりして我慢しようとしたが、

いよいよやばくなってきた。

「ナルミさん。。ストップ。。」

彼女は目を開けて、首を横に振ると、少し身体を起こして頭の動きを早くした。

俺は軽くうめいて、彼女の口の中に出した。ナルミさんは動きを止めると俺のモノを口から抜いて、右手で唇を押さえ、そのまま、ごくり、と飲み込んだ。

 そのままにっこり笑うと、今日は本当にこれだけ、ちゃんと寝なきゃダメ、ね、というと俺に布団をかぶせて部屋を出て行った。



 次の日出社した俺を見て、ブースの向こうからナルミさんが少し睨んだ。俺はトイレから、「治りました。ありがとうございました」とメールを打つと、11時過ぎ、休憩に入ったナルミさんから、「無理しないで(>_<)」と返信があった。

 顔文字はなあ・・。俺はつぶやいた。



 俺の心配はすぐに現実のものになった。その日、いつものように11時過ぎまで残業をした帰り道、ナルミさんからメールがあり、「聞きたい事があるの。遅くてもいいから電話して」と書いてあった。

 家について電話すると、ナルミさんの声はいつもとは違ったトーンだった。

「どうしたんですか?」

「森君うそついてない?」

「ウソ?

「土曜日、病院で寝てたってホント?」

「本当ですよ、どうしたんですか?」

ナルミさんは、言葉を選びながら、さっき前の前の(ややこしいなあ)彼氏が家に来て、仕方なく外で話したら森君に会ったって言ってたんだけど、本当なの?と厳しい声で聞いてきた。

 あいつ、、と俺はむかついたが、当初の方針通り完全否定した。

「よく分からないですけど、俺はその人と会ってないですよ。なんでか分かりませんが

その人がウソついてる訳ですけど」

 彼女は少し黙っていたが、そう、、あの人何を考えてるんだろう、、とつぶやいた。

こんなウソが通用するかどうかは疑問だったが、おれと会って何の話をするんですかね?と笑い声を出し、彼氏でもないのに、とちょっと嫌なことを言った。

 「そう、、そうだよね・・。ごめんね夜遅く、彼女でもないのに」

「えっと、、そういう意味じゃないです。とりあえず俺そんな人と会ってないですよ、ちょっと会いたいですけど」

 彼女は、会わなくていい、私もなんとかあの人がこないようにするから、と言って

電話を切った。

 失敗したかな、俺は思った。思った以上にややこしい奴かも知らない。俺は色々考えて眠れなくなった。誰に相談したらいいのか・・。



 悪い頭で色々悩んだ末、一番事情が判ってそうな人に相談することにした。

でも、俺は何をしたいんだろう。彼女と付き合いたいのか?何か違和感があるんじゃないか?でもここでためらったら、あんな下劣な奴の思ったとおりになる、それは嫌だ。

 考えがまとまらないまま、俺はヨシコさんにメールをした。

「ナルミさんのことで相談があります。出来れば良子さんだけで、ナルミさんには内緒で」

 考えたわりにはいまいちのメールを打ち、しばらく返信を待った。2時頃まで待ってみたが、返事が返ってこないので寝てしまった。



 次の日、プレゼンの資料つくりの資料の基になる資料のもとになる資料の叩き台になる統計(まあ、二等兵の俺にはこんな仕事しかまだ出来ないわけです)を計算していると、携帯がなった。ヨシコさんだった。幸いなことに先輩たちは皆外に出て、社内には

副支社長しか残っていない。 

 俺は、すいません、頭が煮詰まってしまって、少し外してもいいですか?と聞くと、

内勤の女の子と楽しそうに甘いもの談義をしていた副支社長は、いいよいいよー。モリ君は根詰めすぎだから二条城でも散歩してきなよー、と軽くOKをくれた。

 新年会忘年会、新人歓迎会では黒夢を熱唱する副支社長、俺の尊敬する先輩の一人だ。

 俺は部屋を出て、階段を上がり、違う会社の入っているフロアに行きヨシコさんに掛けなおした。

 「あ、すいません。仕事中で。ヨシコさん大丈夫ですか?」

「大丈夫やで。昨日ごめんな、寝てたんできづかへんかってん。で、何相談って」

俺はかいつまんで事情を話した。ビデオのことはそのときは黙っていた。

「ふうん・・。ひつこい奴やな・・。でも森君が気にすることないんちゃう?」

「そうなんですけど、なんていうか、、」

「正直相談のポイントがようわからへんけど、ま、電話やったらうまく言えへんかもしれへんし、ええよ、どっかで会おうか?いつがいい?」

 俺は手帳をめくって、今日か、水曜日、それ以外だったら土曜日がいんですけど、わがままいってすいません、といった。

 うーん・・今日は無理やねん、、ちょっとスケジュール見てみるわ、メールするから、ほなねー、と

ヨシコさんは電話を切った。



 机に戻ると副部長が内勤の女の子に、「平井賢が唄うゲゲゲの鬼太郎」という

笑うポイントが難しい物まねを披露していた。

 7時ごろ、珍しく早く帰れそうになり、資料を片付けていると、ヨシコさんからメールが届いた。

「水曜日でどう?京都だと誰に会うか判らないので、梅田あたりで」

と書いてあり、最後に「もうせえへんよ(^o^)」と書いてあった。

 俺は了承のメールを送った。

 

 水曜日、アメリカ領事館の裏手にある、こじんまりとした店で俺はヨシコさんを待っていた。

約束より少し遅れて、彼女はやってきた。茶色のハーフコートを脱ぐ青の広い襟のシャツに茶色のタイトスカート、相変わらず黛○キによく似ている。

 遅れてごめんな、と言いながらヒールを脱いで座敷に上がり、すいませーん、日本酒のリストくださーいと言うと、襖をしめて、ひさしぶりやね、といった。

 一瞬俺の体の下であえいでいた彼女の声を思い出したが、それを振り払って、すいません無理いって、と言い、いい店知ってるんですねーと、とりあえずのビールを彼女に注いだ。

 大阪で働いてたとき連れて来てもらってん、といいつつ、突き出しを食べながら

ビールをごくりと飲んだ。

「で?もうちょっと判りやすいように説明してくれへん?」

 と彼女がいきなり切り出した。

 俺は、ナルミさんの昔の男が、俺のことを調べて別れろといってきたこと、その男は まだナルミさんをあきらめてないらしく、付きまとっていること、俺の家も会社もしっていること、などを話した。彼女は早くも日本酒を飲んでいたが、なんかおかしいなあ、といった。

「なんで風邪で寝込んでるなんてウソついてん?そんなウソつくから困るんちゃうの?

Nがそんな事してるってそのままナルミに言うたらええやん」

 ともっともなことを言った。ぐびっとお猪口をあけると、Nは私も余奥知ってるけど、確かに格好いいし、まあ、やーさんっぽい奴に惹かれるっていうのも私ら女にもあるし、でもナルミはあいつのこと、もう○ぬほど嫌がってるやん。ほっといたらええんちゃうの、と俺に聞いた。

 俺が黙ってると、何か隠してるやろ?そんなんやったらよう相談に乗らんわ、と言った。

 俺は迷ったが、ビデオの話をした。そんなものが存在して、なおかつ俺に渡したなんて彼女が知ったら、かなりショックだと思う、と言った。

「ビデオ。。。しょーもないことするなあ・・。まさか見たんちゃうやろね・」

「・・・・・」

「見たん?

「・・すいません・・・」

うーん・・。と彼女は黙り、見るなよ森君、といい、俺にも日本酒を飲むように命令した。

 

「あのさ、ひとつ聞きたいんやけど、森君ナルミのことどうしようと思ってるの?」

「どうしようって、どうしましょう。」

「あのな、正直私はあんた達つきあわへん方が良いと思ってるねん。森君はいい奴やし、そりゃ、あれもいいけど」 

 そこで少し笑い、でももうせえへんで、といった。俺はうなずいた。

「ナルミもいい子やと思う。でもな、あのこモリ君と会ってる時、めちゃくちゃ気つかってるやん。私やヒデだけのときと全然ちがうんよ」

「標準語ですしね」

 そうやろ、と彼女は、ジョウゼンミズノゴトシもういっぽーんと障子を開けて叫んだ。

「たぶん、あのこもうすうすわかってると思うねん。森君とナルミ、っていうか私たちはちょっと違う世界なんやなあってことが。でもあのこ無理してるもん。そんなん

結局しんどくなるだけやろ?」

 俺は黙ってうなずき、日本酒を飲んだ。

「モリ君やってそうおもってるんとちゃう?」

 「いや、、俺は別に・・」

彼女はタバコに火をつけて、ゆっくり煙をはくと、思い切ったように言った。

「私な、日本人違うんよ。私だけやなくて、ヒデも、ナルミも」

俺はお猪口を置いて、知ってます、といった。この前Nって人が俺に言いました。

 なんやねん、あいつ、自分やって・・・のクセに、というと、舌打ちをした。

俺は女の人の舌打ちを生まれ始めて聞いたような気がした。

「森君がな、これからちゃんとナルミとつきおうたとして、結婚できるん?両親は反対しーへん?お父さん何してるやっけ?」

「銀行員です」

「まあ、言うたら賢い人達やんか。森君の友達やって私らとは全然違う、難しい本読んで難しいこと考えて、ええ会社に入ってる人達ばっかりやろ?」

俺はだまっていたが、自分自身がナルミさんに感じていた違和感を言い当てられたような気がして動揺していた。

「もうそんな時代やないし、そんなん気にせえへん人やってぎょうさんおるよ。でもナルミはあういう性格やし、ずっと引け目を感じるかも知れへん。」

 ヨシコさんは三本目に立山を頼んで、俺をじっと見て続けた。

「森君やってそうや。あのこやあのこの親戚と、ホンマに仲ようやってけるか?私らとあってるときみたいな、おもてだけの付き合いちゃうんやで、ずーーっと付き合って

いかなあかんねんで?」

 またたくまに三本目を飲み干すと、ヨシコさんは言った。

「それができへんのやったら、余計なお世話や。さっさとビデオを捨てるなりナルミに全部話すなりして、森君は森君とあうようなこと遊んだらええやん」

 新しいタバコに火をつけて彼女は、「と私は思う」といってヨコワのつくりをむしゃむしゃ食べた。



 俺は考えをまとめた。必○でまとめた。k大現役合格のプライドにかけて考えた。

そして酒を一気に飲んで言った。不覚にもかなり酔ってきたが、頭の芯はまだ大丈夫だった。

「もうええです。じゃ言います。ナルミさん次第ですけど、俺は彼女に付き合ってくれって言います。ちゃんと付き合ってくれっていいます。国がどうとか頭がいいとか関係ないですわ。結婚するつもりで申し込みます。」

 それでええですか?俺は少し座った目で良子さんを睨んだ。

「それで改めて相談したいんですけど、あのNって奴が二度とナルミさんに近づかないように、あんなビデオが世の中に存在しないってことにするにはどうしたらいいですか?教えてください」

 俺は頭を下げた。ヨシコさんは俺の剣幕に少しびっくりしたようだっだが、ホンマやね?と聞いた。ホンマです、俺は答えた。

「実はね、ナルミもおなじようなこと相談してきたんや。あ、ビデオは知らんと思うけど、Nをどうしたらええんやろってね。私は森君とは上手くいかへんほうがええ、悪いけどまだNのほうがましちゃうか、と思ってたから聞き流してたんよ。でもわかった」

 俺は、どうにかなるんですか?と少し不思議になって聞いた。

「あいつへんなバッジ自慢したやろ?いつもそうやねん、サンピンのくせに。うちの親戚筋にその関係の人がおんねん。その人に頼んだら一発や。それでええ?」

 俺は、なんか大変な人と話をしてるな、と少し怖くなったが、頭を下げて頼んだ。

ヨシコさんは、はい、この話はお仕舞い、店変えよっか、と言った。

え?まだ飲むんですか・と俺が聞くと、当たり前やん、明日休みやねんで、と言った。

 俺は仕事なんだけど。



 二件目は太融寺近くの、やかましいバーだった。

終電はとうの昔になくなっていた。ヨシコさんはさっきまでとは全然違うトーンで、しきりにビデオの話を聞いてきた。

「それで、ナルミはそん、Nのんを口でしてたわけ」

「してました」

「その、なに、真珠入りのやつを?」

「そうです、あの、やめませんか、こんな話」

ヨシコさんはコロナを咥えて飲むと、やめへん、といい、

「ね、私より上手やった?」

「知りません」

「なんで知らんの?あのとき」というと、テーブルの下のおれのものをスーツの上から

さすった。

「充分楽しんでたやん?Nのをしてあげてるナルミと、森君のをしてあげてる私と、どっちがいやらしかった?」

「・・・ヨシコさんです・・」

へっへーと彼女は笑うと、コロナを追加した。

「しよっか?」

「は?」と答えると、ヨシコさんはヒールで俺のスネをけった。

「しよっかっていってるの。まだナルミの彼氏じゃないんでしょ?」

「でも、ヨシコさんはH本さんの彼女じゃないですか」

彼女はにっこり笑って、そう、だから今日は浮気、うしろめたさがええんとちゃう?

と俺にひじに胸を押し付けた。

「マジですか?」「マジですよ」

でも、、と俺が胸の感触を楽しんでいると、急のことはぜーーんぶ内緒、それでええんとちゃう?とヨシコさんは言った。



 バーから出て二分も歩かないホテルに、俺とヨシコさんは入った。

俺がスーツをきたまま、まだ少し迷っていると、一緒にシャワーあびよ、といって

ヨシコさんは服を脱ぎ出した。あいかわらずやらしい身体だ。

 俺は覚悟を決めて服を脱ぎ、一緒にバスルームに入った。

シャワーを浴びながら、たったまま舌を絡めた。ヨシコさんは両手の指で俺のモノを

さすっている。

「これやこれ、、、正直しばらくヒデとしても全然よくなかったんやで」

「ん、、ああ、、」

俺はヨシコさんの大きな胸をまさぐった。ヨシコさんはボディーソープを絡めて、俺のモノをさすり続ける。ものすごく気持ちがいい。

「今日は俺にもさせてください」

俺はずぶぬれになりながら、ヨシコさんの足元にひざまついて、この前覚えたばかりのポイントを舐め始めた。

「あ、、そんなん憶えたんや・・・」

ヨシコさんのそれは、ナルミさんのものより少し大きく感じた。俺は必○で舐め続けた。ヨシコさんは俺の頭をつかんで、色っぽい声を出す。

 舌が疲れてくる頃、ヨシコさんは、そんなんもういい、といい、俺を立たせた。

バスルームを出ようとする彼女の腕を掴み、洗面台に手をつかせ、後ろから一気に入れた。

「あ、、やっぱりすごい、、ん、、」

鏡に俺の間抜けな顔と、ヨシコさんの嬉しそうな顔がうつっている。鏡で見ると他の人間がしているみたいで、俺はさらに興奮して、彼女の奥の方まで突いた。

 ヨシコさんは大きな声を上げた。バスルームに反響して響いている。

俺は彼女の腰を掴み、一気にスパートをして、奥のほうに発射した。



 ベッドに戻り、俺はふちに頭をのせ大の字になり、両脚を開いていた。

俺の脚の間には、ヨシコさんがうずくまり、大きな胸ではさみながら俺のモノの先

をよだれで濡らしている。

 気持ちいい・・・

ヨシコさんは、時折首を傾けて、俺のモノを横に咥えながら舌を根本から先まで這わせる。

「ホンマにおおきいわ・・・舐めてても面白いもん・・」

ヨシコさんは俺のお尻をもちあげ、玉のほうも舐め、穴まで舐め始めた。

その間も片手は俺のモノをゆっくりさすりあげたままだ。俺は始めて体験する

気持ちよさに、情けない声を上げていた。

「あ、、あの、、」

「なによ?、、ん、、ぺろ・・いやなん?」

「いやじゃないです、、あ、、あかん、、」

ヨシコさんは、あかん、が出たやん、というと、頭を上げ、俺のモノを深々と

咥えて、ほほをすぼめながら頭を上下に動かした。

 ひ、、ひ、、俺は顔をゆがめてヨシコさんの肩を掴んだ。だいぶ日焼けの後は

落ちているが、まだうっすらビキニの後が背中に残っていた。

 もうあかん、、俺がうめくと、ヨシコさんは口をはなし、俺の顔を見ながらゆっくり

右手でモノをさすりあげた。

 俺はそのままの姿勢で発射した。ヨシコさんは右手のスピードを少し落として

さすり続ける。自分が出したものが、ヘソに溜まる。

俺は全身から力が抜け、呆然とヨシコさんの顔を見ていた。彼女は俺のモノを再び咥えて、舌を絡めた。

 すぐに復活した俺は、ヨシコさんを広いベッドに押し倒して、両脚を肩にかついで

腰を入れた。ヨシコさんは、これ、、よね、、とうめいて、背中をそらせた。

大きな胸をねじ繰り回しながら、俺は腰を激しく動かした。ヨシコさんは首を振りながら、両手をだらんと横に伸ばしていた。俺は両手でヨシコさんを持ち上げ、肩を掴んで

腰を送り込んだ。彼女は頭をそらせて高い声をあげ、後ろに手をついて身体を支えていた。

 俺が手をはなすと、彼女はごろんとあおむけになった。俺は彼女の体をひっくり返し、お尻を持ち上げ、後ろから突っ込んだ。ヨシコさんは俺のものが入る瞬間、長く細い声をあげ、やぱりすごいやん・・とうめいた。

 俺は一心不乱に腰を打ちつけ、三回目の発射を彼女の体の奥に飛ばした。

 

もう無理・・やめとこうや・・と荒い息をして彼女はしおらしく俺に頼んだが、

ここで寝てしまうと起きれないと思った俺は、もう1回彼女にのしかかり突っ込んだ。

あと一時間で始発が出る、それまでは、と思い、殆ど無抵抗になってる彼女の中に、突っ込んでこねくり回した。許して・・ホンマもうあかんって・・・とうめく彼女を

無視して、俺は腰を動かし続けた。出来ることは全部やってやる、と俺は思い、

限界を迎えると、抜いたものを彼女の顔にむけ、顔にかけ、そのまま口元に近づけると、ヨシコさんはおとなしく咥えて、俺のモノを掃除するように舌で舐めまわした。

 ぐったりとした彼女をなんとか立たせて、ホテルを出ると、外はまだ暗かった。

駅に向かおうとする俺に、無理、タクシー捕まえて、とヨシコさんは俺にもたれかかってか細い声で言った。

 俺は財布をのぞいたが、どう考えても足りない。カードを使えるタクシーを

なんとか捕まえ、京都まで高速で、と告げると、運転手さんは嬉しそうに、京都ですか、といった。

 後部座席でヨシコさんは俺の肩に頭を預けて、内緒やで、と目をつぶったまま言った。当たり前やないですか、と俺が言うと、ホンマ・・動物やん・・ナルミ絶対壊されるわ・・といい、寝てしまった。

 俺は九条のヨシコさんの家になんとかたどり着き、彼女を降ろしてマンションに戻り、シャワーを浴びてスーツを着て、そのまま会社に向かった。7時前の会社はがらんとしていて、通用口から社員証を出して中に入った。



 それから出社時間の九時まで、俺は自分の机で寝た。



その週末、ナルミさんと嵐山に行って、紅葉をみたのか人の頭をみたのか判らない一日を送った。

ナルミさんは、この前は変なこと言ってごめんね。昨日前話した人から手紙が来て、

もうあわない。すまなかった。森君とあったのもウソだ、って書いてあったの、と

伝えた。

「へんな感じだね」

「うん、へんな感じ、でも安心した。ヨシコに電話したら喜んでくれたよ。前から相談してたんだ。でも急にどうしたんだろ」

仕事速いなあ・・俺は少し怖くなったが、他に好きな人ができたんじゃないですか?俺とのウソはよく判らないけど、と笑った。

「ナルミさん、もしかしてあれですか?ちょっと淋しくなったとか?」

と俺がちゃかすと、バカ、と可愛い顔をつくって睨んだ。



 北山通りでご飯を食べたあと、二人でマンションに帰った。

俺は正座してナルミに頭を下げ、俺と付き合ってくださいといった。

ナルミさんは、あっという間に目を涙でいっぱいにして、うなずいたが、

「あのね、、なかなか言い出せなかったんだけど、私のお父さん、、韓国の人なの」

と言い出した。

 俺が黙っていると、

「黙っていたわけじゃないの。お父さんが亡くなって、お母さんの席に戻ればいいんだけど、お父さんのことは好きだから・・・」

 というと、我慢できずにうつむいてしまった。

「ふうん。で、返事は?」

俺はそれだけ言った。

「・・・・・きにならない?」

「なんで?」



彼女は泣きながら笑って、お願いします、と頭を下げた。



その夜、俺は彼女を3回ほど抱いた。安心した彼女はいつもより大胆に

あえいだ。森君好き・・好き・・と繰り返して俺にしがみついた。



疲れきった彼女は、三度目が終わるとすぐに寝息を立て始めた。

俺は彼女の寝顔を眺めながら、そう、日本人だろうがなんだろうが、そんなことは

どうでもいい、でも・・

と考え込んだ。そう、俺の違和感は「難しい本を読んで難しいことを考えてきた」

俺と、俺とは違うことを考えてきた彼女とのギャップなんだ。

どっちが偉いとかじゃないんだよな・・。俺はそんなことを考え出し、なかなか眠ることが出来なかった。

 

そのギャップは、思ったより早く俺と彼女の前に姿を現した。







少し続きを休みます。しょーもない経験談を長々と書いてしまい申し訳ありません。

もういらんと思われたら遠慮なく「イクナイ!」に投票してください。

読んでいただいた方、本当にありがとうございました。









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