未だに自分が狭量だったのか否か判断に迷う話なのだが、
人生で初めてキレた話をしてみたいと思う。
俺は小さい頃から喧嘩すらした覚えがない。
喜怒哀楽の怒の部分が欠落している人間だと自認してたんだ。
でもだから余計に始末に悪かったのかもしれない。
加減を知らないおかげで嫁にも会社にも大変な気苦労かけさせてしまった。
嫁と俺とは見合い結婚だった。
母と嫁母は同じコーラスグループに所属していてガーデニングを披露し合う仲だ。
だから嫁と知り合う前から彼女の母親とは顔見知りだった。
娘さんが俺の勤務する会社の本社に勤めていることも
何かの機会に伝え聞かされていた。
母からその友達の娘さんと会ってみないかと言われたのは
妹が出産した直後のことだった。
要するに妹が結婚出産したのに
未だに女の気配がない長男(俺)の事が気がかりという事だったんだろう。
あからさまな直球勝負を挑むところがいかにも母親らしいと言われれば母親らしいが
俺にだってプライドぐらいある。
妹が恋愛結婚したのに長男の俺が
母親のコネを利用したのでは格好がつかないだろう?
でも母は俺の口から断りの言葉が出る前に
すかさず嫁の写真を差し出してきたんだ。
シャシャ!と。
そういうところは本当に抜け目ないと思う。
いい子そうじゃない?と言われた。
黒縁メガネをかけた優しい笑顔の女性が写ってた。
確かに俺の目にもそう映った。
向こうは会っても良いって言ってるみたいよって言われた。
案外なことに向こうが見合いに乗り気らしかった。
俺は月に二回必ず本社に出向することになっている。
だからその日に軽くお茶でもという事で既に話が進んでいると言われた。
母はそういうとき必ず外堀を埋めてから攻めてくる。
断りきれない軟弱な俺の性格を熟知してるんだ。
母は「せっかく会ってみたいって向こうがいってくれてるんだから」
って言ってたけど実際は何処まで本当だったのかわからない。
母の性格からすると俺が乗り気だと向こうに伝えてる可能性は
十分すぎるぐらい考えられるからだ。
しかし何やかや言っても結局会う事にしたのは
写真の印象が良かったからなのは言うまでもない。
しかも学歴までしっかりしてるときたもんだ。
おかげで俺のちっぽけなプライドなんて何処かへ飛んていってしまった。
でも見合いは見合いでけっこうドキドキするものだと初めて知った。
待ち合わせの喫茶店にいくとき凄く緊張した。
喫茶店の扉を開けると窓際の席に彼女がポツンと座って待ってた。
こっち振り向くまでのインターバルが凄く長く感じたのを覚えてる。
彼女はメガネをしていなかった。
彼女なりにおめかしをして来てくれたんだと思う。
写真で見るよりぜんぜん美人だった。
笑顔だけは写真の印象そのままだった。
今思い出してみると俺はその時確かに不自然な何かを感じていた。
何でこんな美人が見合いなんかする必要があるの?という素朴な疑問。
しかし彼女の美貌を前に浮き足立った俺が熟考するわけもなく、
トントン拍子に結婚まで話が進んだ。
考えてみればそれも随分と不自然な話だったなぁと思う。
恋愛経験値が不足してたんだろうな。
結婚してすぐに彼女は子供を欲しがった。
幸いなことに彼女はすぐに妊娠し、会社を辞めた。
一児目を産むと彼女はすぐに二児目を欲しがった。
しかし一児目はあれほどすんなり出来たのに二児目はなかなか授からなかった。
聞くところによると二児目不妊症というやつらしい。
彼女はもう少し頑張りたいと言ったが俺は育休が切れる前に社会復帰を促した。
仕事を続けていても二児目が授からないと決まってる訳でもないし
内心彼女の方が稼ぎが良かったのでそれをあてにしたい気持ちもあった。
彼女は気乗りしない様子だったが、結局育休が切れる前に社会復帰した。
完全にやぶ蛇だった。
でも俺たち夫婦は子供が十歳になるまで
何の問題もなく円満な家庭を築けていたはずだったんだ。
喧嘩らしい喧嘩もした記憶がない。
嫁も喜怒哀楽の怒が抜けてるタイプなので喧嘩になりようがなかった。
そういう意味で俺らは似た者夫婦だと思う。
トラブルが発生したのは本社の慰安旅行だ。
本来支社勤めの俺は本社の慰安旅行に帯同したりしないのだが、
嫁の伴侶で俺自身本社の人と交流が多くなっていた事もあり、
俺も一緒に行ってはどうかと嫁上司が誘ってくれたのが成り行きだった。
嫁もそれを凄く喜んでいた。
しかし直前になって嫁が腹を壊して行けなくなった。
結果、俺一人で行くことになってしまった。
嫁の済まなそうな顔を見ると責める訳にもいかず、
つとめて喜んでる自分を演じて見せた。
実際、行ってみたら嫁上司も嫁の同僚も凄く俺に気を使ってくれた事もあって
一人でも十分楽しい時間を過ごすことができた。
雲行きが怪しくなったのは夜の宴会の時だ。
俺は嫁上司の前に座った。
いつも嫁がお世話になってますとか言って営業職らしくお酌した。
嫁上司は元ラガーマンで恰幅のいい人だった。
外貌同様性格も豪快で大きな声で笑う人だった。
次期社長の最有力候補であるらしいと嫁から聞かされていた。
それを裏付けるだけの人を引き付ける貫禄と魅力があると俺も思った。
確か最初は嫁上司の好きなゴルフの話とかしてた記憶がある。
お互いにお酌し合いながら色々な仕事の失敗談とか裏話とか
エピソードを交えて面白い話をしてくれた。
嫁と同期のAさんや若手のB君もその話に加わっていた。
様子がおかしくなりだしたのは
Aさんが俺と嫁の馴れ初めの話をしだした時だったと思う。
Aさんが「嫁子さんの一目惚れだったんだ?」とか、
そういう話で俺をからかいだしたとき嫁上司の酌のピッチが急に早まったように感じた。
いわゆる部下へのかわいがりという奴だ。
あ、潰そうとしてるな?と俺は思った。
でもそのとき俺はそれを意地悪でというより
悪戯心でやっているものだとばかり思っていた。
体育会系にはよくあることだ。
俺も応じるように同じピッチで嫁上司に返杯した。
普段、俺はほとんど酒を飲まないが見かけによらず飲めば一升酒ぐらいいける。
営業で飲んで俺を潰そうとしたお客さんを逆に潰してしまう事の方が多い。
酔いの勢いもあって、よし嫁上司と勝負だ!と俺だけ勝手に盛り上がっていた。
Aさんが「俺さん強いねぇ、嫁上司さん負けちゃうんじゃない?大丈夫?」と言った。
どこかの時点で一転して嫁上司が嫌味節になりだした。
あ、絡み酒だと思った。
俺の勤めてる支社は本社の天下り先だと言われた。
支社勤めはどんなに頑張っても
支社部長止まりで本社勤めにはなれないとも言われた。
そんなことは言われなくても支社の誰もが知っていた。
だから別に気にも留めなかった。
営業で飲むときのからみ酒は嫌というほど味わってきたから慣れていた。
むしろ次期社長候補の意外な一面を見れて興味深かった。
嫁は本社勤めだから俺とは格差だと言われた。
俺はそうですねと適当にあしらった。
そんなの屁でもなかった。
給料はいくらだと云われ400万ちょっとですと答えた。
嫁は450万以上貰ってるだろう?と言われた。
俺はハイと素直に答えた。
そこでAさんが「でも嫁子さんはそんな俺男さんに惚れてるんだもんね?」
と気遣う様な事を言った。
このときB君、嫁上司を見て、やばいという表情をしていたのを覚えてる。
営業の鉄則として、からみ酒をあしらう時に反論をしては絶対にいけない。
火に油を注ぐようなものだ。
適当にハイハイとあしらっておけばいい。
嫁上司が実は嫁が結婚する前からお互い想い合っていた
という事を話し出したのはこの時の事だ。
AさんとB君、さすがにズッコケて「嫁上司さ?ん」と呆れていた。
俺だって酔っ払いの妄言を真に受けるほど馬鹿ではない。
笑いながらそうだったんですか?全然知らなかったですと笑って聞いていた。
嫁と出張に行くとき、夜景の見えるレストランで食事をしたりよくしたそうだ。
食事ぐらいで想い合ってたなんて
嫁上司さんも意外とピュアなのね?とAさんがからかった。
B君が完全に酔っ払っちゃってますね、と俺を見ながら言った。
真に受けちゃ駄目ですよというジェスチャーだ。
手だってつないだ事もあるんだぞ!と嫁上司が少しムキになった。
B君がそれセクハラですよ?と言った。
嫁上司が「合意の上でだバカ」と言い返した。
Aさんがでもそれは結婚する前の話よね?
と確認するような事を言ったような気がする。
実をいうとこの辺から少し記憶が曖昧になってる。
それで嫁が子供産んで社会復帰してからも少し続いてたという話をしたのかな?確か。
2?3年とか具体的な数字を出して。
ここで俺はちょっと妄言にしては話がリアルだなと思った記憶がある。
酔っ払ってるだけに妄言がスラスラでる事に違和感を感じだした。
でも「私だって美味しいレストランだって誘われたら行っちゃうわ?」
とAさんが俺を見ながら言ったんだ。
俺をなだめようとしてくれてるのは酔いながらも理解していた。
そしたら嫁上司が満面に笑みでニン!と笑ったわけ。
その時の表情だけはいまだに忘れられない。
勝ち誇った表情というのかな。
○○事件って知ってるか?って嫁上司が言った。
俺はその事件を知っていた。
嫁が壮大に仕事でやらかした話だ。
「また嫁上司さんはそんなこと言うと嫌われますよ!」
とAさんが怒って言った。
きっと今度は嫁に攻撃対象を切り替えたと思ったのだろうと俺は思った。
違う違うそういう話じゃないと嫁上司は話をはじめた。
あれは5年前の話だと言うと
B君が違いますよ僕がした入社ときだから7年前ですと訂正した。
そうかそうかと頷きながら嫁上司は遠い目をしながら回想している様だった。
B君の記憶が正しい。
息子が三歳の頃だったと俺もはっきり覚えていた。
嫁が発注していたつもりのものが未発注のまま
直前まで気づかなかったという大失態だ。
大口の仕事だったから高級車10台分ぐらい吹っ飛ぶようなやらかしだった。
嫁が「私クビになるかもしれない」と言って青い顔して帰って来たから
その日の事は俺も忘れていなかった。
「結局俺が知り合いの居る他社に頼み込んで事なきを得たんだけどな」
と嫁上司が言った。
おや?と思った。
俺の記憶と齟齬が生じていると感じた。
嫁は明朝関西方面にあるクライアントに赴き謝罪と事情説明をした後、
とんぼ返りでトラブル処理に追われていたはずだった。
他社に依頼したという話は初耳だった。
しかしAさんとB君は「そうだったよね?」と
その日を思い出して感慨にふけっている様子だった。
「だから関西に行ってもやることなくなっちゃってな」と言いながら嫁上司は俺を見た。
「嫁子と観光してまわっちゃった」と嫁上司が言った。
心がズキン!と疼いた。
「嫁上司さ?ん」Aさんが咎めるように言った。
「夜になって夜景の見える所で飯食ってから港をちょっと散歩してさ」
AさんとB君が硬直して嫁上司を見てた。
場が一気に凍りついた。
「で、いい雰囲気になったからキスしちゃった」
酔いがまわって周囲の空気が読めなくなった上司は話し続けた。
「無理やりにじゃないぞ?向こうから舌入れてきたんだからな、ワハハ!」
もはや誰も上司の話を遮ろうとはしなかった。
止めたところで手遅れだと誰もが察していたからだ。
「それで帰りまでまだ時間があるから何処かで休憩するか?って誘ったら
嫁子が頷いたんでタクシー乗ってな、どっか休めるとこやってくれって頼んだんだ、
そしたら俺男お前、携帯に連絡入れただろう?誰から?って俺が聞いても
嫁子知らないってクビ横に振ってたけど、
俺着信でお前の名前見ちゃったからな、ガハハハ!」
止め手のない暴走列車は更に加速を続けた。
「それでホテルの前に着いたら嫁子のやつ留守電聞いて、
そしたら涙ぐみながらスイマセン!やっぱり帰ります!だってよ、
そりゃね?よな?!ガハハハ!」
そこで俺はプッツン!切れた。
闇雲に嫁上司の浴衣の袖を引っ張った。
嫁上司、お膳に足を引っ掛け少しだけよろめいた。
食べ残しの料理が散乱した。
俺は嫁上司の鼻っ面に自分の額を叩き付けた。
鼻血がボタボタと畳の床に落ちた。
周囲のざわめく声が少し聞こえたけど、もうそんなどうでもよかった。
クビにでも何でもしてくれ!という自暴自棄な気分になっていた。
でもラガーマンあがりの嫁上司はカッと俺を見据えたまま身じろぎ一つしなかった。
俺は顔面に右ストレートを見舞った。
血飛沫が舞った。
しかし嫁上司は潰れた鼻のまま俺を直視していた。
そんなの効かないよと小ばかにしたような顔つきだった。
続けて左ストレートを見舞おうとしたときB君が俺を羽交い絞めにして止めに入った。
「俺さん辞めてください!」と言われたような気がするが
本当のところその辺よく覚えてない。
ただAさんの「そりゃ怒るよ?」という泣きそうな声だけは聞いた記憶がある。
そのまま俺は宴会場を引き摺り出された。
ほとんど覚えてないけど俺はきっとかなり暴れていたんだと思う。
B君だけじゃ手が足りなくて他にも何人かに取り押さえられてたような気がする。
それで新人のC君に「やめろ!」とか偉そうなことを言われて
カッときて彼の腹に蹴りを見舞ったんだ。
そしたらC君に渾身の力で殴られた。
俺の人生の中で殴られた初めての経験だった。
B君はC君に「お前まで加わるな!」と嗜めた。
それでも飽き足らない俺は彼に向かって唾を吐いた、
彼にもう一発頬を殴られた。
ファイティングポーズをとって、やるなら俺がやってやりますよみたいな顔をされた。
俺は酔いとパンチの衝撃で完全に目を回していた。
気づいたら天井を見上げてた。
覗き込むAさんと常務の顔がボンヤリ見えた。
救急車呼びますか?というAさんの声と、
お前これは傷害だぞ!と言う常務のC君を嗜める声が聞こえた。
俺はムックリと起き上がり「帰ります」と一言いった。
まだ目がまわっていて少しよろめいた。
怒る気持ちも分からんでもないが、
あれは酔っ払いの妄言だ、真に受けてはいけないと常務に諭された。
確かに嫁上司は酔っ払ってはいたけど
言ってる事は妄言ではありませんと常務に伝えた。
俺は確かにあの夜嫁の携帯に留守電を入れていた。
息子が寝しなに嫁の事を心配して
「どうしたんだろうね?」と言っていたのを俺は覚えていた。
俺も何の連絡もよこさない嫁の事を心配していた。
しかしトラブル処理に追われてるのかもしれないとあえて連絡しなかった。
でも息子が寝付けず10時頃に
「やっぱり心配だから電話してみて」と言ったのを俺は確かに覚えていた。
呼び出し音が鳴っても嫁は出ず、
仕方ないので「お母さん頑張れ!」と二人で留守電に入れた。
そのいきさつを常務に伝えた。
みな一様に黙り込んだ。
漠然と事態を察しはじめたC君がスイマセンと謝ってきた。
俺はいいよ彼に言った。
別に殴られたことなどどうでも良かった。
俺はよろめきながら立ち上がった。
常務はどこへ行くつもりなのか聞いてきた。
帰りますと言った。
常務は財布を取り出し、俺に十万を手渡した。
真っ直ぐ帰らないでくれと言われた。
どこか別の宿を探してもいいしカプセルホテルでも良いから、
一夜を明かしてから帰ってくれと頼まれた。
冷静になってくれという意味だと俺は察した。
結局その金を受け取って家から一番近いネットカフェで一夜を明かした。
残りは手切れ金かなと考えたが
退職金と考えると随分安すぎるなぁとか思った記憶がある。
同じ様な体験談をネットで探してみた。
ここもその一つだった。
どれも(浮気)する気満々のエピソードばかりで何の参考にもならなかった。
そうこうしている内に嫁からメールが届いた。
確か私の愛を信じてとうような事が書いてあった。
常務から連絡がいったのだと察しがついた。
とても無機質で白々しい言葉に感じた。
既に夜が明け始めていたので俺は重い腰を上げ、家に帰ることにした。
十余年の中ではじめて家に帰りたくない!と凄く思った。
マンションのドアを開けると嫁が目を真っ赤にして立っていた。
酷い!どうしたの?と俺の腫れた顔を見て頬に手を伸ばした。
俺はその手を振り払った。
嫁は泣いた。
虚しかった。
私を信じられないの?と言われた。
それなら聞くが、あのとき君は何処でなにをしていたのか教えて欲しいと言った。
嫁は「え?」といって俺をみた。
夜8時頃、俺と息子が心配しているとき、君は何処で何をしていたの?と言った。
ひとが心配してる時、上司の汚い口の中に
君の舌を入れてたんじゃないのか?と言った。
息子が寝付けずに携帯に電話して欲しいと言ったとき、
君は何処で何をしていたの?と言った。
ひとが心配してる時、
君はホテルで上司に抱かれるつもりでいたんじゃないのかと言った。
嫁は口元を押さえながら嗚咽を漏らして泣き崩れた。
嫁は、でもあの時の二人の言葉で私は変わることができたと言った。
それまでの自分とそれからの自分は別人だと言った。
二人が私を生まれ変わらせてくれたと言った。
俺は真実を全てつまびらかにして欲しいと言った。
何故上司に思いを寄せていたのに俺と結婚しようと思ったのか
何故結婚して子供ができてもなお、二人で飯を喰いにいったりしたのか
その心境を教えて欲しいといった。
嫁は口元を押さえて激しく首を横に振った。
言ったら許してくれなくなっちゃうと言って嗚咽を漏らした。
真実を知ることが出来なければ
許すどころか君を憎しみ続ける事になるだろうと言った。
嫁は暫く子供の様にしゃくり上げていたが、ゆっくりと真実を話し始めた。
俺と付き合う前から嫁と上司はお互い想いを寄せていたこと、
しかし嫁は上司の家庭を壊したくないと思っていたこと、
上司もそれは望んでいなかったということ、
だからたまにご飯を食べにいくだけの関係を続けていたこと、
でもこのままだといつか間違いを犯してしまうと危機感を募らせていたこと、
そこに俺との見合いの話が舞い込んできたこと、
それを機会に会社から退こうと思っていたこと、
しかし社会復帰して再び上司への想いが募ってしまったこと、
このままではいけないと思っていたけど
食事だけならいいのではと自分に言い訳しながらズルズルいってしまったこと、
そこに例のトラブルが起きたこと、
クビ覚悟でいたのに上司が全て解決してくれたこと、
気持ちが舞い上がってしまったこと、
ホテルの前で「お母さん頑張れ!」という留守電の声を聞いて目が覚めたこと、
そこで私は生まれ変わったということ、
そこから七年間食事にいったことも想いを寄せることもなくなったということ、
だから今の自分とあの時の自分は違うということ、
今は俺の事しか見てないということを言われた
多分、そこに嘘はなかったと思う
しかし俺は脱力した
「やっぱりな、どうりで君が
俺なんか好きになるのはおかしいと思ってたんだよ、そういう事か」
そう言って俺は玄関の床にへたり込んだ。
「ちがう!ちがう! 優しくて素敵な人だと思ったから結婚しようと思ったの!」
「子供ができて三年も上司に想いを寄せてたって、
それじゃまるで俺はピエロじゃないか」
「でも今は違う! あなたは天が私に授けてくれた運命の人だと思ってる!
私を生まれ変わらせてくれた運命の人だと思ってる!」
「じゃ、何で携帯に出なかったんだよ、
次期社長様とラブラブな時に支社勤めの小物が鬱陶しいと思ったんだろうが!」
「凄く葛藤してたよ!でももう手遅れだって、
汚れた私があなたの電話に出る資格なんかないって思って出れなかったの!」
「やった方は悲劇のヒロインに浸れて良いな、
裏切られ続けてた側はたまったもんじゃないよ」
いつも穏やかな嫁が涙と鼻水まみれになって泣き崩れた。
「トラブル処理は嘘だったんだろ」
「ごめんなさい」
「ひとに心配させといて、悠長に観光巡りしてたんだって?」
嫁はもう言葉も発することもできずに肩を震わせるだけだった。
「ひとをバカにするのも程々にしろよ」
蚊の鳴くような声で、申し訳ありませんという言葉を搾り出すのが精一杯
という様子だった。
俺は二つに一つどっちか選んでくれと言った。
え?、と嫁が顔を上げた。
君が出て行くか俺が出て行くか決めてくれと俺は言った。
嫌だ!私出て行きたくない!と嫁がヒステリックな声を出した。
分かった俺が出て行く、君の方が稼ぎがいいしな、当然の権利だと俺は言った。
待って!と言いながら去ろうとする俺のシャツを嫁が引っ張った。
暫く嫁は嗚咽を漏らしながら泣いていたが「私が出ます」と小さな声で言った。
「支度は手伝うよ、残りの荷物は僕がまとめて君の実家に送るようにするから」
「今日出てくだけなの!別れるって認めたわけじゃないの!」
嫁は子供の様に床を激しくドンドン!と踏みつけた。
玄関を出て行く間際に嫁はボソっと「7年間頑張ってきたんだけどな」
と一言漏らしながら名残惜しそうな視線を俺に向けてきた。
いろいろと話さなければならい事もあるから、また連絡するよと俺は言った、
「別れないよ!絶対に別れないからね!」
という言葉を残して嫁は我が家を出て行った。
家に一人残されると彼女の財布が
テーブルに置きっぱなしになっているのに気づき慌てて追いかけた。
遠目に嫁が公園に居るのが見えた。
携帯で誰かと話していた。
俺は反射的に公衆トイレの影に隠れて誰と話しているのかを探った。
「何で今頃蒸し返すような事を言うのよ!」
と嫁が今まで見たこともないような凄い剣幕で捲くし立てていた。
その言葉で上司と話しているのが分かった。
俺が始めてみる嫁の怒の側面だった。
暫く罵詈雑言を上司に浴びせかけていたが、
最後に「絶対に許さないからね!」と言って携帯を切った。
俺が居るのに気づくとハッとした表情を見せた。
「財布」
「ありがとう」
と言いながらも嫁はいかにも不満そうに唇を尖らせていた。
不満そうな顔のまま去っていった。
たしかその時も、7年間の自分を見て評価してほしい
というような事を言われた気がするが、その辺の詳細は失念した。
嫁の具合が悪くて実家に息子を預けていたこともあり、
電話で事の顛末を両親に話した。
最初に電話に出た父は、今にして思えば
随分とトントン拍子に事(結婚)が進むなと思っていたと言われた。
どうやら俺と同じ違和感を父も感じていたらしい。
母からは、二人の事だから二人で決めてくれと言われた。
ただ子供の事を第一に考えてあげてくれと言われた。
それは親権を手放せということなのかと俺が言うと、
母は泣きそうになったのか声を詰まらせていた。
悪いことをした。
一人で寝床に入ると暗闇の中であの日の事を思い出した。
玄関先で慌てふためく母親を心配そうに見送る息子の事を思い出した。
俺たちの心配をよそに嫁が上司とデートしているシーンが浮かんだ。
家族だけがが占有していたはずの優しい笑顔が
実は他人に向けられていた事を考えた。
何だか胸がギュッと締め付けられる気がした。
それから嫁と上司のキスシーンを回想した。
細身な嫁の体を上司が抱き寄せるシーンが頭に思い浮かんだ。
凄く惨めな気持ちになった。
自分が虫けらの様な存在価値にさえ思えた。
頬の痛みが消えず、起き出して鏡を見た。
眼が腫れて痣だらけの無様な自分が映ってた。
バカか?、お前なんか好きになる女いるわけないだろう、と独り言を呟いた。
アイスノンを頬に当てながら寝たが結局悶々として一睡も出来なかった。
翌日出勤前に俺の上司から電話が入った。
本社へ直行せよとの事だった。
本社へ行くと痣だらけの俺を皆が遠巻きにジロジロと覗き見た。
既に会社中に噂が流れてる事が分かった。
相手が次期社長候補だけに騒ぎが大きくなるのは当然だった。
B君とC君が駆け寄って来た。
C君にすいませんと何度も笑って答えた。
B君が、あいつ更迭になるみたいですよと言った。
じゃ、次は俺の番だなと自嘲気味に笑った。
二人はまさかという顔をしていた。
正直、どうでもよかった。
指示通りに応接室に行くと専務と常務が待ち構えていた。
とりあえず、一連の騒動について詫びを入れた。
そんなことより、この先どうするつもりなのか尋ねられた。
離婚の方向で話が進んでいると答えた。
途端に二人は険しい表情になった。
再構築なら俺を本社に迎える用意があると言われた。
しかし離婚なら嫁もペナルティをを免れないだろうと言われた。
離婚回避なら、嫁は不問になるんですか?と聞いた。
俺がそれを望むなら、その線で検討してもいいと言われた。
暴力沙汰を起こした当事者(俺)が何でそんな厚遇を受けるのか疑問を持った。
事情がどうでも殴った相手が次期社長候補なら
自分にも何らかの処分が下されるだろうと覚悟していただけに拍子抜けした。
いずれにせよもう少し時間をおくという事で話は収まった。
帰り際にAさんとB君に呼び止められた。
例の喫茶店で少し話した。
婚前から嫁と上司の関係を疑う人は少なからずいたのだとAさんが教えてくれた。
二人が営業先から会社に戻らず直帰が多かったたり、確信ではないけど、
ただならぬ気配を感じていたとAさんは言っていた。
B君は復帰後は完全に(嫁と上司は)切れてると思っていたらしい。
訳あり物件だったんだねと俺が言うと
訳ありじゃなきゃあのレベルの物件は市場に出回らないわよと言われた。
その通りだと思った。
俺がうかつだったんだ。
社長候補の妾だから手を出せない雰囲気だったという事か、と俺が言うと、
妾とまでは思ってないけど手を出し難い雰囲気はあったと思うと
B君が正直に答えてくれた。
俺への厚遇提示はどうやら(慰安旅行に)同行していたクライアントの
お偉いさんからの進言らしかった。
Aさんが常務に事情説明していたときに、えらく俺に同情してくれていたらしい。
何でもその人も平社員時に上司に付き合っていた彼女を奪われた経験があるそうだ。
結局、向こうの両親が介入してきて俺の両親の帯同も余儀なくされた。
嫁は断固として別れないの一点張りだった。
実は俺は少し悩んでいた。
やはり息子はまだ母親から離すのは早すぎるかもしれないと感じだしていた。
小4にもなると具体的な説明がなくとも
子供なりに何となくなにがあったのか察するようで、
嫁が何で家に帰ってこないのかあえて追求してこなかった。
嫁がいたときは賑やかだった居間が静まり返り、
息子は自室に閉じこもってゲームと漫画で孤独を紛らわしているように見えた。
俺が率先して話しかけようとしても、必要以上に話してこようとはしなかった。
俺には必要なくても息子には嫁が必要なのかもしれないと感じはじめていた。
しかし俺がそれを切り出す前に義母から
離婚になれば必然的に親権はこっちに来ると言われた。
気持ちが一気に冷えた。
場の空気も一気に凍りついた。
稼ぎもある、虐待をしていた訳でもない、俺は全てを失うのかと思った。
結婚してからの10年は徒労でしかなかったのかと酷く落胆した。
凄く惨めだった。
向こうは一人娘、姓を継ぐ長男は喉から手が出るほど欲しいだろう。
結局俺はその手伝いをしただけの10年だったのかと思った。
義母にしてみれば嫁上司グッジョブといったところだろう。
しかしこっちにもプライドがあった。
司法がそう裁くならしかたありませんねと強がった。
もう後に引けなかった。
義母は不適な笑みを漏らした。
よっしゃ!という声が聞こえてきそうだった。
義父は同性という事もあり、俺の心情を慮ってか仏頂面を崩さなかった。
そこで母が「でも嫁子ちゃんは別れたくないんじゃないの?」と反撃に出た。
義母が「でも俺男さんの気持ちが固まってるようだから」と言い返した。
俺たちのせいで二人の友情関係にヒビが入ってしまったと感じた。
そしたら嫁が「お母さんは黙ってて」と言ったんだ。
義母はちょっと驚いた表情を見せながら「でもしょうがないでしょう?」と言った。
「仲裁に入ってくれると言ったから来て貰ったの、邪魔するなら出てって」
と嫁が静かに言った。
義母がまだ何か言おうとするのを義父が「おまえは黙ってなさい」と嗜めた。
結局義父の、もう少し時間をおいてから決断を下すという提案でその場は収まった。
息子とは週末に面会という事で話はまとまった。
帰ってから俺なりに親権についても調べてみた。
たとえ嫁が専業だったとしても
殆どのケースは母方に行くようになっていることを知った。
母親のDVで親権を取るのも至難の技だと知った。
DVを受ける子供ほど母親への依存心が強くなるらしい。
だから母親が育児放棄でDVだから父親になつくなんてのも嘘だと知った。
ネットでもてはやされてる逆襲話は殆どおとぎ話だという現実を知った。
冷静に考えてみれば男女のジサツ率や平均寿命をみても
女のほうが男より遥かに強い生き物だ。
憂き目をみる殆どのケースは男と決まっている。
だからこそおとぎ話が持て囃されるのだろう。
つくずく男は悲しい生き物だなと思った。
週末約束とおり、嫁に息子を会わせた。
せっかくだから海に連れていった。
嫁は親権の話を一言も出さなかった。
子供でもちゃんと空気を察する様で、
嫁と俺を仲直りさせるように必○に語りかけてきた。
健気だなと思った。
俺たちは以前の様な仲のいい夫婦を装った。
無邪気に波と戯れる息子を見つめる嫁の横顔を見た。
子煩悩な優しい母親の横顔だった。
やはり息子にとって必要なのは俺ではなく嫁なのだろう
という思いが確信になりつつあった。
息子の気持ちを最優先で考えてあげなさいと言った母の言葉の重要性を理解した。
これ以上俺のエゴを通してはいけないと思い至った。
生きることは苦行だと思った。
俺はゆっくり砂浜に腰を下ろした。
そのままそこに横たわり、両手を広げて大の字になった。
静かに目を瞑った。
そうすれば大地と一体化して嫌なこと辛いこと全部忘れられる様な気がした。
しばらくそうして波の音を聞いていた。
息子が俺の胸に二つの砂山をこしらえて「おっ●い!」と言ってはしゃいだ。
俺は笑ってそのまま息子に埋め立てられていくのを見てた。
お別れの時間がきた。
あれほど無邪気に遊んでた息子が泣き出した。
やっぱり無邪気なふりを演じてたんだと分かった。
嫁は困った顔をして「また日曜日に会えるんだから」と息子を諭していた。
息子は、やだやだ!と泣きながら嫁に縋りついた。
嫁も、ごめんねと言いながら泣いていた。
不覚にももらい泣きしそうになった。
いっときの感情の波に押し流されないように、
何度も嫁と上司のキスシーンを回想しようと試みたが無駄だった。
目の前のむせび泣く母子の光景にわだかまっていた気持ちが急速に萎えていった。
嫁がやっとの思い出縋る息子から離れた。
捨て犬の様なションボリした表情で嫁が俺を見た。
「分かったよ」
という言葉が思わず俺の口から漏た。
嫁が「え?」と聞き返した。
「子供には俺じゃなく君が必要だってことがよくわかった」
と言いながら、息子の口数が減って
自室でゲームと漫画ばかり読んでる状況を正直に話した。
嫁は黙って俺の話を聞いていた。
「親権は譲るよ、当然養育費も払う、それでいいだろ?」
と言いながら「何だかこれじゃ俺の方がペナルティだな」と付け加えて、
思わず笑ってしまった。
嫁が、お腹の調子が悪いって言ってたのは実は嘘だと告白したのはこの時だ。
二人目を授かったという。
正に青天の霹靂の告白だった。
「俺の子?」
思わず俺は聞いてしまった。
「身に覚えあるでしょ」と嫁、さすがにキッとなって俺を睨んだ。
それは上司にもあるんじゃないのかと俺が食い下がると、
疑うんなら調べても良いと言われた。
「100%俺の子だけど」と言い切る自信に満ちた表情からその疑念は払拭された。
嫁は「何か勘違いしてる様だけど」と言いながら、
上司との体の関係は一度もない事を強調した。
「ディープキスはしたけど?」
「すいません」
嫁は「お母さん頑張って!」の留守電を聞いてからの自分は別人だと
何度も熱弁をふるった。
「じゃ、留守電がなかったらどうなってたんだろうな?」
の一言に嫁は沈黙した。
「お母さんを許してあげて」と息子に言われてハッと我に返った。
息子の存在をすっかり忘れて話していた事に気づいた。
しばらく気まずい時間が流れた。
熟考した後、とりあえず子供がちゃんと育つまで同居って事でどうだ…
という折中案を切り出した。
言いかける俺の言葉を遮って、
「ほんと!?本当に!?」とさっきまでの沈んだ声から一転歓喜の声をあげた。
「だからあくまで同居って事でいいなら…」
「息子ちゃん!お母さんお家に帰って来ても良いって!」
って、嫁が息子の手を取ってはしゃぎだした。
女の切り替えの早さ恐るべしだ。
俺の「いや、まだ許したってわけじゃ」って言葉なんかぜんっぜん聞く耳持たず、
こうしちゃいられないって感じで義母に電話かけはじめた。
「あ、お母さん?俺さんが帰ってきていいって!」って、呆気にとられる俺をよそに
「そ?許してくれるって!」って嫁、矢継ぎ早に話しながら小躍りした。
ていうか許すなんて一言もいってないんだが…
「だからもう今日そっち帰らないから荷物送っといて!
ごめんね!荷物着払いで良いからね!」
って、しかもきょうから戻るつもりなのかよと…
嫁、帰りの車に乗るまで俺の片腕にギュッとしがみついて離さなかった。
表情覗き込んだらまた口尖らせて怒ったような顔つきしてた。
彼女なりに必○なんだという事だけは分かった。
「訳あり物件」
「え?」
「君のあだ名」
嫁、あからさまに悲しい顔になった。
「でも、あなたが改修工事して直してくれたの、もう訳ありじゃない」
「上司とのこと、お義父さんとお義母さんも知ってたんだろう?」
「相手の事までは知らなかったと思うけど、道ならぬ恋をしていたのは察してたと思う」
嫁は、今じゃ何であんなに入れあげてたのか全然思い出せないと言った。
俺は、今でもあの日の事を思い出すと眠れないと言った。
嫁は謝りながら、今は7年の実績だけどこれから一生かけて
あの頃の、のぼせた私と別人だと証明してみせると言った。
女は切り替えが早い。
男みたいにセンチメンタルに過去を引きずったりしない生き物だ。
俺が嫁と分かれれば嫁はきっといつか誰かと一緒になるだろう。
そこで今回のことを教訓としてそれなりの幸せな家庭を構築していくはずだ。
指をくわえてそれを眺めているよりは、
貸しを作って再構築する方が懸命だと判断した。
嫁上司から書面で謝罪を受けた。
何度も書き直して、最終的に本音を書こうと決断したという冒頭から文章は始まった。
自分が既婚でなければ、もっと早くに彼女と出会っていれば、
自分のものになったのにという募る思いが、
酔った勢いで出てしまったのだと思うと書いてあった。
それは俺はもちろん女房子供にも酷い裏切り行為だった、
自分の至らなさを痛感しているというような内容だった。
仕事では自分をコントロールできるのに恋愛ではまるで制御できず、
嫁が夢にまで出る有様だったから、
いつか醜態を晒すのではと自分でも危惧していたらしい。
最後に嫁が二児目を懐妊したことで俺へのジェラシーが、
ああいう形で出てしまったのかもしれないと綴ってあった。
俺は慌てて嫁を見た。
嫁は俯きながら、俺には安定期に入ったら言うつもりだったと言った。
何で上司に先に言うんだ!と怒った。
二人育てるためにはギリギリまで働き続けたいと思っていたけど、
俺が心配して辞めさせると思ったらしい。
上司には退社の時期と復帰の時期を相談するために
早めに懐妊を告げる必要があったと言われた。
まだ面白くない俺は、
「本当に俺の子なんだろうな?」と意地悪を言った。
「だから調べてもいいって言ってるでしょっ」
と言ってまたドンドン!と地団駄踏んだ。
どうやら嫁は一連の騒動で怒の感情が覚醒してしまったらしい。
「検査したって良いよべつに、本当にあなたの子だもん」
と言いながら嫁は膨れっ面して俺を睨んだ。
俺は「分かったよ」と言うしかなかった。
嫁上司は結局、地方支社の役員に天下った。
見下していた地方支社勤めに自分がなり、
俺が本社勤めになるとは何とも皮肉な結果だ。
嫁の話だと上司家族は帯同しないらしい。
旦那思いの奥さんらしいから帯同しないのは
間違いなく今回の件が関係してるだろうと言っていた。
嫁が自分のせいだと言って落ち込んでるから、上司に同情してるのかと言ったら、
違う違う!奥さんとお子さんによ!って本気で怒られた。
正直、今でも離婚まで考えるべきだったのか否か自分でも判断できずにいる。
長すぎるにも程があるわ
要約
至って普通の俺が不釣り合いな嫁を貰った。
円満に生活してたが嫁会社側の慰安旅行に招待された。
行った先で嫁上司と酒を飲む。
酔った弾みに上司と嫁のラブロマンス暴露される。
離婚寸前まで行ったが再構築中。
こう言う事か。
いかに簡潔にするかがこの類のスレの暗黙のルールだったりするかな。
確かに長文に耐性がないと嫌悪感ハンパないと思うわ。
意外と読みやすかったよ
でもまあ正直言って1レスで済むと思う
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