5月の連休に前々から行きたいと思っていた温泉に行ける時間ができました。



何人かの方から頂いたメールに共通する話題の場所、それが『へび◯湯』でした。






早朝、マイカーを『へび◯湯』に向け出発しました。



カーナビでも検索できないため事前に情報を集めての行動です。



誰か詳しいことを知った方と行くのが一番いいのですが、今回は私だけの単独行動です。






約4時間の道のりで近くまで来ているはずなのですが、入口がよく解らず迷子になっていると、1台の車が自信たっぷりに小道へと進んでいくのが目に入りました。



私の勘では、こういう車について行くと目的地に辿りつけることがありました。



今回もそれに倣い、その車の後をついて行きました。



道は途中から砂利道へと変わり、狭く粗い石だらけに変わり、そして警告を与える大きな看板がありました。






『特に夜間や女性のみでの立ち入りは非常に危険ですのでご遠慮下さい』






今まで混浴露天風呂と言われた場所に色々と行きましたが、こんな警告がある所は初めてのパターンでした。






(女性のみで来ちゃった・・・)






車を停めて考え込んでしまいました。



もしも知らない男性に襲われでもしたらどうしよう?



やっぱりパートナーを捜して来るべきだったのかしら。





今さら私なんか襲ってどうするのよ?



もう1人の私が囁くのです。






“行け”と・・・。






舗装されていない道を上下左右に揺られながら走ると、山中にいきなり監視カメラが付いた物々しいゲートが現れました。



(ある意味怖い・・・)






ゲートを通り、さらに走ること数分、車は目的地らしき場所に到着しました。



そこには10台ほどの車が停車し、先客がいることを知らせていました。



この台数だけ人がいることがわかりますが、果たして女性がいるのかまではわかりません。



もしかすると全て男性で、女性は私1人の可能性だって無いとは言えません。



不安を感じながらも車内で準備を始めました。



準備といっても簡単なもので、ただ着ている服を全て脱ぐことです。






これはある方が温泉巡りの記事で書いていたのですが、脱衣場がない時に屋外を移動する手段として、裸に大きめのトレーナーだけを着て浴槽まで行くというのを読んで、私もそれを真似ていました。



実際に脱衣場がない露天や、脱衣場があっても男女別になっておらず、1人だと何かと危険なことがあった場合に備えてこの方法をとりました。



これが露出なら隠れて行うのですが、不思議なことに温泉地だと人の目があっても車外に出て堂々と裸になれるのです。



私が脱いでいる傍を1台の車両が山道を下って行きました。






脱いだ服はバッグに入れて、大きめな男性用のパーカを羽織ると着替えは完成です。



男性用のパーカだと私の体くらいならお尻の下まで隠すことができ、そして濡れた体でもすぐ着ることもできるし、汚れても気にならないためとても重宝しています。



貴重品はポーチに入れて持ち歩けば完成です。



最後に一つ。



一応辺りを確認して、茂みの奥に隠れるように入り、しゃがんでおしっこを済ませます。



これで全ての準備が終わりました。






ポーチを手に川を下ると、十畳ほど広さにいくつかの浴槽と脱衣場らしき建家がある場所に着きました。



時間を掛けて九州の秘湯までやってきて、希望が叶ったはずでしたが、何か違和感を感じました。



周りにいる人の数を端から数えていくと、老夫婦1組、中年夫婦1組、カップル2組、単独男性8名、そして私の計17人。



十畳にこの人数・・・。






(狭すぎるわ!)






私の予想を裏切る結果でした。



連休中で天候も快晴と好条件が揃っていました。



私の計画では、私と数名の男性しか来ていないだろうと予想し、ここで淫らなことを行うには持ってこいだと思っていたんです。



これだけの方がいると、もう露出行為どころではありません。






先客に挨拶をした後、脱衣場でパーカを脱ぎ、その場の男性に体を見せるように時間をかけ、ゆっくりと丁寧に衣料品店の棚にある商品のようにパーカを畳んでいきました。



パーカを脱ぎ、そして初めて気付いたことが一つ。






(あ、体を隠すタオルを忘れた・・・)






もはや開き直るしかありませんでした。



片手で胸だけは覆うように隠し、あとは隠すことなくそのまま浴槽へ向かいました。



北海道なら女性はバスタオルを巻くか水着を着るのが普通だと思っていましたが、九州の女性達は誰もタオルで隠すことなく堂々としていたのが驚きでした。






私が増えたことで男性が少しずつ移動して、私の場所を空けて招いてくれました。



隣の方と挨拶を交わし、そしてありきたりな会話を始めました。



ここは以前は知る人も来る人も少ないひっそりとした秘湯でしたが、ネットの普及と混浴を恐れない女子の増加で今は有名な混浴露天風呂となってしまったそうです。






私にとって会話の内容は重要ではありませんでした。



気になったのは男性陣の視線がどこにあるかです。



恐らく皆、それぞれの好みの女性の体に向けられているはずです。






浴槽の縁に腰掛ける人、湯船に浸かる人とそれぞれでしたが、私は腰掛けて足湯を楽しんでいました。



そうした方がより自分の体を周囲に見せられるからです。



ただ浴槽の縁はただの岩なので、時々お尻をずらさないと、お尻に岩の痕がついてしまうのが問題でした。



またお尻を動かすたびに小さな石や砂がお尻についてしまい、それは例えるなら靴に入ってしまった小石のような違和感になって仕方がないのです。



お尻についた砂を払うために腰を浮かせると、隣の人達もそれにつられるように動くのです。



一度岩の表面についた砂を流してしまうため、縁に向かい手でお湯をすくって岩に掛けながら砂を流していきました。



ただ、その時は私の正面に座っていた方に私がお尻を向けてしまうので、その辺りの湯船に浸かっている人の顔の高さにちょうと私のお尻とあそこが来てしまうのです。



それを知って、わざとやっていることなのです。



私程度の小さな手ですくえるお湯の量などは微々たるもので、何度も何度も繰り返し時間をかけて流しました。



その間、私の正面にいる方々に私の弛み始めたお尻と小陰唇の一部を披露しました。






しばらくはゆったりとした時間でした。



私はその間も周りの人間観察を欠かしません。



一番落ち着きのない男性は、一番若いカップルの彼氏さんでした。



彼氏さんは自分の彼女、もう1組のカップルの女性、私、御夫婦の奥さんを隈なく眺めていました。



しかしそれに対抗し、私の目線はここにいる男性を年齢、容姿に関係なく、穴が開くほど見つめていました。



私の目線が移動して男性と目が合うと、お互いに視線を外す、これを繰り返しました。






こんな時、男性は何を考えているのでしょうか?



裸の女性を見て興奮して勃たないように我慢しているのでしょうか?



それとも純粋に温泉を楽しむために衝動を抑えることができてしまうのでしょうか?



そんな事を考えている私自身の乳首は少し硬く尖り始め、近くで見れば立っているのがわかります。






時計がないため、どれだけの時間が経っていたかはっきりとはわかりませんが、ご夫婦が湯船から上がり帰り支度を始めると、それをきっかけに他の方々も車へと戻って行かれました。



私の他に単独の男性3名、カップル1組が残りました。



例の若い彼氏さんは自分の彼女以外の裸が見られたことで舞い上がってしまったのか、帰ろうとする彼女さんをあの手この手で踏み留めようとしていました。






(この人は無害だわ・・・)






本当に有害な人は単独男性の中の1人でした。



水分補給用のペットボトルを持ち込み、長時間の滞在にも耐え、お風呂の中でも決して眼鏡を外さない。



決定的なのは女性を見つめる眼差しが異常に長く、その上、瞬きが少ないのです。



そしてその男性は決めたポジションから動かない。






(この人・・・慣れてる。きっと鰐だ)






『ワニ』と呼ばれる人達がいます。



混浴で女性をひたすら待ち続け、覗くことを生業とした人達・・・。



この性癖を持つ人達は、訪れる女性に対して言葉巧みに話しかけて近づき、バスタオルを巻いた女性には外すように誘い、そして体に触れようとするのです。






鰐さんは私より若い彼女さん(の体)に興味があるらしく、瞬きもせず彼女さんを視姦していました。



そんな視線に薄々気付いているのか、彼女さんは私に話しかけてくるのです。



これが彼女なりの抵抗だったのでしょうか。



当たり前ですよね、3匹のおっさんに話しかけるより、同姓の女性の方が話しやすいですから。






彼女は『可奈さん』という女性で、鹿児島から来られたそうです。



彼女から面白い温泉の話が聞けました。






可奈「鹿児島に砂に埋められる温泉があるんです」






私「ほうほう」






可奈「みんな海岸で首だけ出して埋められるんですよ」






私「海水浴でよくやるあれですか?」






可奈「そうです。浴衣を借りて埋めてもらうんです」






聞いて興味が湧いたので、いつか行ってみようと思いました。



そんな2人の会話を鰐さんはじっと聞いていたのでしょうか。



上から人の下りてくる足音が聞こえ、また人が増えそうでした。



今回は何もできずに消化不良でした。



もうこれ以上ここにいても仕方がないので、私は湯船から出ると、脱衣所に置いたパーカを着て車に戻ることにしました。



可奈さんもお湯から出るきっかけが欲しかったらしく、私を見て彼氏に聞くことなく出てきました。



脱衣場に1人くらいが入れる小さな個室があります。



可奈さんはそこに入って着替え、私はパーカを羽織ると先に車に戻ることを伝えて、そこで別れました。






車に戻る途中、駐車場で先に上がった人達がいました。



そして後から来た方々も浴槽へ向かう準備などをしているのが目に入りました。



その横で自分の車に戻り、パーカを脱いで濡れた体を拭いていましたが、誰も声を掛けてくるでもなく、チラチラと私の方を遠慮がちに眺めているだけでした。






(時期が悪かったかな、場所が悪かったかな・・・)






往復に約10時間、走行距離350km、お湯に浸かった時間20分弱程度、感動はプライスレス・・・そんなわけありません。



次はどこへ行こうか悩んでいます。