アンコールワットを見たくて一人でカンボジアに旅行に行った。



シアンコールワットとアンコールトムを一日かけて歩き回り、その日の夜は繁華街に繰り出した。



白人の観光客や、現地人で繁華街は溢れかえっていた。






バーの道路に面した側で、カエルの唐揚げを摘みながら飲んでいると、ポン引きらしきおっさんに声を掛けられた。






「ドゥユーウォントレディー?」






こんな感じだったと思う。



俺はすぐさま、「イエスオフコース」と答えていた。






ポン引きは最高にいい笑顔をこちらに向けると、ケータイでどこかに電話し始めた。



ポン引きに連れられて着いた所は『ナイトクラブ』と呼ばれるところで、港なんかにあるコンクリートの建物みたいな、★風景な感じだった。



中は薄暗くて、ぼったくりのキャバクラみたいだった。



店の奥をよーく見てみると、数十人の女がこちらを見ていた。



ここでちょっとテンションが上がったが、がっついていることを悟られたくなかった俺は、何事もなかったかのような表情をして待っていた。






しばらくするとカラオケボックスみたいな個室に連れて行かれて、待つように言われた。



ソープの待合室にいるような、そんな感じだ。



5分ほど待つと、やり手ババアみたいなやつが若い子を十人ぐらい連れて部屋にやってきた。



カンボジアの人は、やっぱり日本人に比べると色黒で顔立ちが濃い。



どっちかというとあまり好みな子がいなかったので、チェンジを要求した。



その子たちはすごすご帰っていき、すぐに別の子たち十人が部屋に入ってきて、満面の笑みを浮かべてアピールしてきた。






その中の一人の子が結構タイプ。



(比較的)色白で、あっさり目な顔立ち。



ギャル系の服装で、ちょっと細め。



まあ向こうにはもともと、そんなに太った人はいないんだけどね。






その子を指名すると、やり手ババアとポン引き、俺とその子だけが部屋に残った。



もし一晩だけなら50米ドル、1日チャーターなら100米ドルと言われた。



確か当時のレートでは1ドル100円を切っていたので、迷わず1日チャーターコースを選んだ。






そこから自分の泊まったホテルまでは、ナイトクラブ専属運転手の後ろに女の子、ポン引きの後ろに俺というように分乗して移動した。



ホテルのフロントでは、「もしそのレディーとトラブルがあっても、当方では一切責任を負いませんよ」みたいな確認をされた。



女の子の方は、自分のIDカードみたいなやつをフロントに提示していた。



どうやらこういうのは日常茶飯事みたいだ。






ホテルの部屋に入ると、まず女の子からシャワーを浴びたいと言ってきた。



基本的に英語での会話なんだけど、英会話に自信がない俺よりも、彼女は英語が出来なかった。



ただ、ニュアンスはだいたい伝わってたので、意思の疎通に意外と問題は生じなかった。






「一緒にシャワー浴びる?」とふざけて聞いてみたら、怖い顔して「ノー!」って言われた。



事務的に事を済ませようとしてるんだなと感じた。






彼女がシャワーから帰ってきて、化粧も落ちたスッピンの顔を見たけど、濃い顔に塗りつけられた化粧より、素のままの方が美人だと思った。



あくまで日本人の好みなんだと思うけど。



入れ替わりで俺もシャワーを浴び、特に会話もなく二人でベッドに入った。



ベッドではおっぱいを舐めたり揉んだりしつつ、まんこをひたすら弄ったりした。



技術が未熟なせいか、あまり気持ちよさそうには見えなかった。






(これはハズレを引いたかな・・・)






なんて思いながらも行為に没頭しようとした。



で、挿入前にフェラを要求したんだけど、それも「ノー!」。



キスも「ノー!」。



仕方ないんで、自分でゴムをつけて挿入。



やっぱりマグロ。



事務的に腰を振って、1回戦終了。



シャワーを浴びて、その日はそのまま就寝。






次の日起きると、もう彼女は窓際のテーブルのところに座っていて、テレビを見ていた。



寝起きなのでうまく頭が働かなかったが、「ハロー」とかなんとか話し掛けたと思う。



ニコリともせずに、「ハロー」と挨拶してくれた。






昨夜の契約で、24時間は一緒にいることができるので、彼女と二人でマーケットに買い物に行くことにした。



カンボジアではタクシーがクソ安いので、ずっとタクシーで移動してた。



マーケットと言ってもスーパーマーケットみたいのじゃなくて、雨が降れば雨漏りするような屋根がついたマーケットだ。



でも地元の人の生活の中心的な場所みたいで、観光客より地元の人が多かったように記憶している。



円高なので、ただでさえ安い物価が、さらに安く感じることができた。



しかしアジアの旅行の醍醐味は、交渉だ。



値札のついていない商品の価格を尋ねて、そこから値引き交渉していく。



交渉が決裂することもあるのだが、余談ながら自分の経験上、一番しつこく食い下がってきたのがインド人、その次はタイ人だ。



カンボジア人はその辺は、比較的あっさりしていた。






ここで、同行している彼女に交渉をお願いしようとした。



そうすると、現地の言葉でダーっと話したと思ったら、瞬く間に半額ぐらいにしてくれた。



そこで彼女が、「このぐらいしか安くならなかったけどいい?」みたいに、ちょっと申し訳なさそうに聞いてきた。



俺が、「イエス!グレート!サンキュー!」みたいに大袈裟に喜んで見せたら、彼女は初めてちょっと微笑みかけてくれた。






お昼も夜も、あまり現地の人は行かないような、というか値段の都合で行けないような店で食事をした。



最初はおどおどしていた様子だったが、だんだん打ち解けてきたからか、夜には笑って会話できるぐらいに仲は深まっていた。



そこで色々なことを聞いた。



出稼ぎでカンオジア北部からシェムリアップ(アンコール遺跡群の観光拠点となっている)に来たこと。



毎月家に仕送りしていて、兄弟たちを援助していること。



かつて日本に在住していた男と付き合っていたが、帰国してしまった事。



将来はカンボジアを出て、日本で働いてみたいということ。



当たり前だが、体を売っている彼女たちにも、それぞれに夢や希望があるのだ。






夕食を食べながらそんな話をしていると、もう店に出勤しなければいけない時間が近づいていた。



俺は正直、もうちょっと彼女といたいと思った。



彼女がどう思っていたのかはわからない。



彼女がタクシーを捕まえようとした時に、「可能ならもう一日一緒にいて欲しい」と告げた。



一瞬困ったような顔になったが、「(やり手ババアに)電話してみる」と、ケータイで連絡をとり始めた。



結果はOK。



俺と彼女はもう一日、一緒にいられることになった。



その場で100ドルを払って、宿に帰った。






俺はこの時、両親ともに★去、嫁も子供もいない状態だったので、人肌が恋しかったのだと思う。



恥ずかしい話、彼女をちょっと好きになり始めてたのかもしれないし、同情していただけかもしれない。



細かいことは忘れてしまったが、まだしばらく彼女といたいと思ったことは確かだ。






食事が終わって宿に帰ると、昨日のデジャブかと思うぐらい同じパターンで、シャワーを浴び、ベッドイン。



でもこの日は、前日の内容とはちょっと違った。



まず彼女の方から、超濃厚なディープキスをされた。



なんなら俺が引くぐらい。



八重歯が唇に刺さってちょっと痛かったw






その後、おもむろに布団の下に潜り込んでいったと思ったら、昨日冷たく拒否されたフェラをしてくれた。



慣れていないのか、歯がカリのところに当たって痛かったが、彼女を傷つけると思って我慢してたw



でもやっぱり嬉しかったね、その時は。



少しずつ心を開いてくれてるっていう、そんな感じがした。






ゴムをつけて挿入した時の反応も、昨日より心なしか良かった。



こう、なんて言うか、入れていくと彼女の腰が浮いてくるみたいな。



一応感じてくれてるのかな、とか思った。



声も昨日は、「ア。ア」みたいにぶっきらぼうな感じだったんだけど、この日は、「アッ・・・!」みたいな感じ?



発音するのは簡単だけど、文字に起こすのは難しいねw



早漏なんでゴムの中で発射。



そのままベッドでゴロゴロしてた。






昨日は、お互い背中を向けて寝たが、この日は妙に俺に甘えてきた。



腕枕を要求してきたりね。



お父さんが恋しいのか、もしくはお父さんに虐待されてたのか、勝手な妄想をしているうちに寝てしまった。






次の日も観光とお買い物。



と言っても、銀座でブランド物を買うとかとは縁の遠い、雑貨漁りだけど。



俺は絵画とかが好きなので、油絵とかを見ていたが、絵一枚になんでそんなにお金をかけるのか不思議がられた。



で、彼女にも、何か好きなものを買っていいよと言ったら、えらい剣幕で遠慮された。



でもしつこく、洋服とかを彼女に宛てがって、「オー!ベリーグッド!」みたいなことを言ってたら、苦笑いしながら何着かワンピースを受け取ってくれた。



といっても1着800円とかだけどw



なんだか愛人になったみたいな感じで不思議だった。






街をぶらついていると彼女が、「自分の家に来て欲しい」と急に言い出した。



(これが美人局か・・・!)とか、そんなことは全く考えずにホイホイついて行った。



外人の観光客が滞在する辺りはある程度整備されているけど、ちょっと路地裏に入ると、道の舗装もされていない、ちょっと汚い地域に入る。



彼女の家はそんな場所にあった。



バカ面した日本人を連れて帰宅する彼女に、近所の住人たちの奇異な目が注がれた。






家に入ると、まず仏壇が目に入った。



本当にアジアの人は信心深い。



でも貧困から抜け出せないのは、なんでなんだろうね。



彼女が仏壇に水かなんかをあげているのを待っている時、一冊の本が目に留まった。



彼女に聞いてみたら、日本語を勉強するためのテキストだった。



なんでも前の日本人の彼氏に貰ったんだとか。



いくつか書き込みがしてあった。



もしかしたら彼女は本当に日本で働くことを夢見ているのかもしれないと思った。






彼女の使っていたテキストを二人で見ながら、俺は日本語を教えた。



幼稚園児に教えるレベルだけどね。



一生懸命不慣れな日本語の文字を書く彼女。



つたない発音で、東北訛りみたいな発音をする彼女。



なんだか急に愛おしくなり、彼女をベッドに押し倒し抱いた。






その日は本当に暑い日で、ホテルのエアコンの効いた部屋だったら良かったのかもしれないけど、二人で汗をかきながらセックスした。



無我夢中で判らなかったが、ゴムをつけずにやってた。



日本に帰っても楽しい日常が待っているわけでもなく、エイズで★ぬならそれでいいやぐらいに思ってたかもしれない。



とにかく、その時は彼女の部屋ですぐに抱きたかったんだ。






終わった後、「もう一日一緒にいよう」と提案。



彼女は快諾してくれた。



人目もはばからず腕を組みながら、リア充ばりにラブラブでホテルに帰った。



ホテルのプールで休んだり、食事したりした。






その日の夜、ホテルでテレビを見ていると、彼女の方から誘ってきた。



俺はただ彼女の下で、ガウンを脱がされ、なすがままになっていた。



下手くそなフェラを健気にやってくれているのを見ていると、痛かったけど愛おしいという感情が湧いてきた。






正常位になって腰を動かしていると、彼女が何かつぶやいた。



最初は小さくて何を言っているか聞こえなかったけど、良く聞いたら、「カムインサイド」って言ってた。



英語が苦手な俺の頭はフル回転した。






(たしか日本ではイクだけど、英語だとカム、だったよな・・・?)



(インサイドは・・・中か)



(え・・・?)






ということで俺は、『中で出して』と翻訳した。






俺は「ノー!ユーメイビープレグナント!(だめ!妊娠しちゃうよ!)」みたいなことを言ったと思う。






それでも彼女は、すごく強い力で俺の腰に足を巻きつけてきて、少し涙ぐみながら要求してきた。



やってはいけないと思うほど、人は興奮するだろ?



俺は人生初の中出しをした。



明日は帰国の日ということ、俺がただ観光でこっちに来たことは、彼女にはすべて話してある。



セックスが終わった後、彼女は抱きついてきて、「サンキュー」と何度も俺にキスをした。



ちょっと酒も入っていたし、なにがなんだか判らなかったが、無駄な充実感だけはあった。



いちゃいちゃしながら、その日はいつの間にか寝ていた。






帰国の日。



やっぱり彼女は俺より早く起きて窓辺に座っていた。



すごくいい天気で、彼女はまるで、神様の後ろから後光が差しているようだった。



なんとなく二人で黙って座っていた。



俺はこれが最後になるのは嫌だと思った。



モテない男は惚れっぽいから困る。



紙に自分のケータイとアドレスを書いて、彼女に渡そうとした。



彼女はそれを拒否した。






「いつか勉強して、自分の力で日本に行って働きたい。その時は、あなたを必ず見つけるから待っていて欲しい」






俺は母親の葬式の時以来、泣いた。



ホテルのロビーで彼女は笑顔で送り出してくれた。



一緒に日本に帰って、俺の仕事が終わったら二人で日本語の勉強をして、彼女に俺の★後も一生困らないぐらいの財産を残して、彼女に看取って欲しい。



下らないけど、そんな妄想もした。



でも、恐らくタクシーに乗ったらすべて終わる。



わかってはいるが、それを包み隠して、俺たちは笑顔で手を振って別れた。






帰りの飛行機では、ずーっと窓の外を見て彼女のことを考えていた。



この3日間は、俺がずっと独占していたけど、今頃また別の男に抱かれているかもしれないと思うと、ひどく苛立たしい気持ちになった。






数日間は腑抜けのようになっていたが、仕事が始まるとそうも言っていられない。



日常の雑務を淡々とこなすうちに、毎日考えていた彼女のことも、だんだんと思い出さなくなってきた。