ずーっと昔、僕がまだ２０歳の頃の話。
ご多分に漏れずやりたい盛り、女大好きだった僕は女の子との出会いを求め、とあるファーストフードでバイトを始めた。
ちなみにハンバーガー系のお店ではない。
カッコイイとはお世辞にも言えないけど、流行のヘアスタイルやファッションをして、雰囲気美男子だった。
僕は姉が２人いる末っ子の長男で、その影響もあり、年上の女性にまったく興味が湧かなかった。
ライフスタイル全てにおいてマイナー志向が強く、付き合う女の子も美人系よりも可愛い系を好んでいた。
口も上手かったせいか二股をかけていた時期もあり、まあまあの青春時代といったところ。
ただ、今思うとそんな全てが、自分が抱えるコンプレックスに対して自己満足させるためのものだった様な気がする。
が、その頃はそんな事は考える事もなく、ただ、ひたすらエッチ道を邁進していた。
でも今までの人生の中で一度だけ年上の、しかも７歳離れた女性と付き合ったことがある。
自分の中では特別な経験なので今でもよく覚えている。
名前はＹ。
出会いは、Ｙがうちのお店にシェイクを買いに来た事から始まった。
担当はもちろん、僕。
僕がお付き合いをした女性の中では一番の美人。
年上だという事はわかっていたが凄く胸がときめき、緊張したのを覚えている。
年齢は２７歳なのだが、この時は２４歳くらいかなと思っていた。
それからＹはよくお店を訪れる様になった。
特にやましい気持ちを持っていた訳ではないが、彼女が来るとふざけ半分も手伝い、他のスタッフが対応していても無理やりチェンジして彼女と接触を持った。
（バイトの中では古参だったから出来る技）
後輩のバイトには、「あのお客様は俺が専属だから」と言ってまでいた。
でも年上の女性というキーワードが僕にはなかったのと、こんな美人俺には無理という思いが相まって、本当にやましい気持ちがあってそうしていた訳ではない。
ただ彼女と一歩でも近づきたい憧れの気持ちが強かった。
ある日、僕はショッキングな光景を見る。
町を歩いていたら、前から女の子を二人連れた親子連れが近づいてきた。
「こんにちわ」と声を掛けて来た主はＹだった。
その瞬間、終わったと思った。
今は人妻大好きな僕だが、その頃はパーフェクトに守備範囲外。
その日、僕はいつもこの件で話を聞いてもらっていた友達と飲んだ！
飲みまくった！
だがＹはそんな僕の気持ちは知らないので、その後も良く店を訪れた。
その頃、僕たちはスタッフとお客様だけでなく世間話をするくらいの仲にはなっていた。
Ｙが初めて来た日から３ヶ月位が経った頃だろうか、僕の中にＹに対して恋心の様なものが芽生え始めていた。
それからというもの僕は人妻である彼女に甘く切ない思いを募らせていった。
が、やはり諦め感が強く、その関係を維持するのがやっとだった。
ある日、この関係が変わる出来事が起きた。
僕はバイトを辞めることになった。
店長が変わり、古参のバイトが疎ましくなり、こうなった。
腹は立ったが他のバイトに迷惑はかけられないので１週間は残った。
その間に色々あったが、僕の心に引っ掛かっているのはＹの事。
こんな時に限って、彼女はお店になかなか訪れなかった。
焦る僕。
辞めるまでに何とかＹに会えたのだが、ドラマチックというかギリギリというか、最終日のラスト一時間前だ。
彼女に辞めることを告げると残念そうな顔をしてくれたが、なにしろ急の話なので彼女も何を話して良いのか判らなかった。
彼女は娘たちを幼稚園に迎えに行くために時間がなかったらしく、後ろ髪を引かれる思いで別れを告げた。
たぶん、たいした時間の出来事ではなかったと思うが、凄く長く感じたのを覚えている。
でも特になんの関係がある訳でないので、サバサバした気持ちでさよならをした。
ラスト１０分。
（２年間バイトしたお店バイバイ！）と感傷に浸っていると、Ｙが走ってやって来た。
最初は幼稚園の迎えが遅くなり急いでいるんだなと思っていたが、僕の方を向いて、「こっちへ来て」と指差し合図。
トイレに行く振りをしてお店を出てきたら、彼女は何も言わず１枚のメモをくれた。
そして走って去っていった。
一瞬呆気にとられたが気を取り直してメモを見ると、彼女の電話番号！
（やった～！）という気持ちでいっぱいになり、バイト最終日は最高の形で幕を閉じた。
僕は新しいバイトを始めた。
コンビ二の深夜のバイトだ。
最初は大変だったが、人手不足もありすぐ１人前扱いされ、周りも優しかった。
だが、僕の一番の悩みはＹだ。
電話番号を貰ったのは良いが、人妻で旦那の親と同居している人に、（どうしろっちゅうんじゃい！）という思いだった。
新しいバイトの最古参のＷさんに相談したら一言。
「美味しいな。リスクはあるが人妻が電話番号を教えて来るのは絶対やれる！絶対電話しろ！」
そのアドバイスに背中を押され、すでに１０日以上は経っていたが僕は電話をした。
電話には旦那の母親が出たが、営業チックな喋りで何とかクリアしＹが出てきた。
彼女の嬉しそうな声が印象的で、僕も嬉しかった。
僕らは３日後の、僕の夜勤バイトが明けた日の１１時に新宿で会う約束をした。
僕らはまずご飯を食べに行った。
彼女との許される時間は１４時までだった。
パスタのお店だった。
僕は寝ていなかったので食後、彼女との会話中に意識を何度も失いかけた。
でも彼女は笑って許してくれた。
僕は彼女に完全に恋をした。
話題も尽き、僕が夜勤明けという事もあり、帰ろうかという事になった。
小雨が降っていたが僕は傘を持っていなかったので、彼女の傘に二人で入り、駅に向かった。
また、諦め気分だった。
急の出来事だった。
僕は心臓が破裂する思いをした。
Ｙが僕の腕に腕を絡ませて来たのだった。
それでも僕は煮えきれずにいたのだが、このままでは終わってしまうという気持ちが新宿駅が近づくに連れ大きくなり・・・。
「Ｙさん駄目だ！」
僕は意味不明な言葉を発し、彼女の手を引きラブホテルに向かった。
ラブホテルの前でＹに、「いい？」と聞くと、彼女は無言で頷いた。
部屋に入りシャワーの後、ベッドで見た彼女の肢体は決して素晴らしいとは言えなかった。
元々大きくなかったオッパイは二人の娘の授乳で垂れていたし、乳首は大きめだ。
痩せ型なので妊娠の時の妊娠線が残り、お腹の辺に若干のたるみがある。
だが彼女の美貌と人妻特有の色気で十分カバー出来たし、何よりもＹは年上のくせに可愛い性格で、甘え上手で僕好みなのだ。
この日はとにかく時間が迫り、実際ホテル内にいたのは３０分位だと思う。
キスをして挿入しただけで本当に手付け程度だったが、たったそれだけで僕のセックスの稚拙さを露呈してしまった様な気がして恥ずかしかったが、彼女にますます夢中になっていった。
それから月に１～２度、僕の部屋で会うようになった。
いつもお弁当を作って来てくれたし、掃除等もしてくれた。
まるで恋人の様だった。
僕はその時に付き合っていた彼女にばれない様にと心配していたが、Ｙの楽しげな様子を見ていると何も言えなかった。
部屋以外でもデートを重ねた。
生まれて初めてフランス料理を食べに青山に連れて行ってもらったりした。
彼女の旦那は普通の会社員らしいが、旦那の父親が区会議員で家は裕福らしい。
Ｙは有名短大を卒業後、すぐに見合い結婚をし恋愛経験が少ないらしく、僕との付き合いが凄く新鮮で楽しいのだそうだ。
僕はＹに合わせようと背伸びをしたし、彼女も色んな面で僕を大人にしてくれたし夢中にさせてくれた。
ひとつはフェラチオだ。
かなりカルチャーショックを受けた。
とにかく気持ちが良かった。
今までは年下の彼女ばかりで、フェラチオ自慢の子もいたが全然月とスッポン。
Ｙの口は大きめで唇が柔らかくセクシーだった。
長い舌が必ず玉から絡みついてくる。
その後、舌が玉からアナルに妖しく動きながら這ってゆく。
アナルを責められるのは初めての経験で、僕は余りの気持ち良さに思わず声を出してしまう。
そんな僕を見て彼女は凄く嬉しそうないたずらっ子の様な顔をする。
若い子と違い、時間をかけて丁寧にしてくれた。
僕の竿やカリ、裏筋のたっぷり責めビンビンにしてから、キツめの大きな目で僕の顔を見ながら口でスロートしてくれた。
柔らかい唇がまとわりつき、生まれて初めて口でイカされた。
今となってはＡＶを観るとお決まりなフェラチオの仕方だが、当時はかなり新鮮だった。
今でもたまに風俗に行くが、これ程上手なテクにはお目にかかっていない。
もうひとつは中出し。
彼女は避妊リングを装着していたので、生でセックスが出来た。
最初の頃は少し違和感があったが、中出しの味を覚えるともう最高で、本命の彼女とのセックスは急激に冷めていった。
Ｙはよく、本命の彼女に嫉妬していたし、僕もＹの旦那に嫉妬した。
だが会うのは当然僕の部屋なので、臨場感が違うせいかヒートしていたのはＹだった。
最初の２ヶ月は月１～２回のペースだったが、やがて週に２～３回、果てにはお互いに空いている時間はいつでも・・・という風になった。
時間だけだはなく、場所までも・・・。
最初は僕の部屋とＹの家の中間地点のコンビニで別れていたが、最後はＹの家の門の前でキスをして別れるくらいになっていた。
これで旦那にバレない訳がない。
僕の本命の彼女もかなり感づいている。
僕はどうして良いのか判らなかったが、とにかくＹが好きだった。
だが２人の仲は半年と続かなかった。
別れも突然やってきた。
ある日、僕のバイト先に若い男が訪ねて来た。
年は僕とそう変わらない筈だ。
「Ｙさんと別れて下さい」と切り出された。
話を聞くと彼はＹの甥っ子であるらしい。
Ｙの最近の行動と僕と使ったデート費用のカード明細で、浮気がバレてしまったとの事。
Ｙは浮気は白状したが、僕の名前は一切明かしていないらしい。
ただＹの旦那も旦那の親も、世間体から離婚は望んでいないので、僕が引けば丸く収まるらしい。
僕は即答が出来ず、「考えておく」と言うのがやっとだった。
彼はＹが内緒で全てを話し、僕のところに寄越したらしいのだ。
手紙を預かっていていた。
それを読んだ。
凄く嬉しく悲しかった。
『（僕が）望むなら家を出る』と書いてあるのだ。
可愛い娘がいるのに・・・。
僕は悩んだ末に別れることにした。
本命の彼女に全てを打ち明けた。
彼女は大泣きをしたが僕を許すと言った。
彼女に対する謝罪の気持ちがＹとの関係を断ち切らせた。
その後、何度も恋をして、結婚もしたが、今も彼女のことを思い出す。
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