俺の子供が行く保育園にはミカ先生がいる。



表情も態度も柔和そのもの。



芸能人で言えば、木村多江に似ていた。






ある日、俺が一人でスーパーに行くと、「あの・・・」と、声を掛けられた。



咄嗟に誰か判らなかったがミカ先生だった。






「ああ、こんばんは。買い出しですか?」






時間は午後4時半。



買い出しにしちゃギリギリ遅い。






「い、いえ。買い出しと言うほどじゃないんですけど・・・」






彼女の手には弁当があった。



勝手に料理上手みたいなことを思っていた俺は苦笑いしてしまった。






「たまには弁当もいいですよね」






赤面するミカ先生をよそに、俺はそそくさと買い物を済ませた。



出口へ向かうと、タバコの自販機の脇にミカ先生がいた。






「あ、先生。さようなら~」






「はい!また来週もお願いします!」






一瞬足が止まったが、今日は土曜日なので来週ということだろう。






俺は車に乗り、スマホを開いた。



別に大した用事じゃない。



オークションサイトを見ていただけだ。



なんせ今日は妻も子も実家へ行っていて泊まりだ。



時間が★ぬほどあるのだ。



ふと顔を上げると、ミカ先生がまだスーパーの出入り口に立っていた。



気になって戻ってみた。






「あの、ミカ先生?」






「あ!また奇遇ですね!」






本気でそう思っているのかは知らないが、先生はなかなか天然だと聞いたことがある。






「どうされたんですか?なんかずっとここにいるみたいですけど」



「ごめんなさい。変ですよね」






「いや、なんかあったのかなと思って」



「・・・えーっと」






ミカ先生は戸惑っていた。



でもそれは俺への対処じゃない。



自分の中にあるものへの対処だ。



それに気付いた俺は心へ飛び込もうと決めた。






「なんかあったんですよね、やっぱり」






「・・・なかなか鋭いですね」






照れ笑いを浮かべながらミカ先生は俯いた。






「実は付き合っている彼に結婚を申し込まれたんですけど・・・」



「そりゃあ良かったですね!」






「はい。でも、彼には借金もあって。それで喧嘩になって」



「なるほど」






俺は園児の親に結構なことを暴露するミカ先生のタフネスにも驚いていた。






「ただ・・・あたし同棲してるんで、帰れないんですよね・・・」






木村多江ばりの歯痒い笑み。



ミカ先生は斜めになった弁当の袋を振り回していた。






「なるほどねぇ。でも、ここにいるってことは帰って謝りたいってことですよね?本当にバイバイしたいならもっと遠くに行くかなって」






「んん・・・本当はね。でも難しいのよ、色々と」






「あれだったら送って行きますよ、家まで」






俺の言葉に俯くミカ先生。



何度かの駄目押しを経て、やっと連れて行くことになった。



と言っても家はすぐ近くだった。



保育園の近くでもある。






家の前に送ると、玄関の前でやはり止まるミカ先生。



俺は車内で交換したSNSから一言、『頑張って!』と送り、ヒーローぶった笑顔でその場を後にした。






それからだが、なんとなくSNSでの交流が始まった。



内容はシンプル。



恋のこと、ご飯のこと、音楽のこと。



二日に一回くらいのライトなやり取りだ。



そのうち俺は思った。






(ミカ先生を抱いてみてえなあ)と。






しかし俺には家族がある。



あっちには保育園がある。



そのロミジュリ的苦悩が俺を加速させた。






木村多江的、柔和女性を口説くと考える。



このタイプは相手に優しいと思われることが多く、それは同時に彼女たちの足枷となり、『本当の自分はそうじゃない』といじける人が多い。



つまり、他人の被せてくる優しいという名のマスクを剥がし、君は君のままでいい、という三流シンガーソングライターの歌詞みたいなことを行為としてやることで、こちらへ強く引っ張ることができるのだ。






俺は保育園で会う度にSNSで聞いた悩みの答えをシンプルに説いた。



もちろんその答えの本質はすべて、『君は君のままでいい』というもの。



最初は「ありがとう」だった。



それが一ヶ月は続いた。



だが相手は女だ。



恋という化粧で顔が変わるもの。



ある瞬間から女の顔で俺を見るようになった。



チャンスだった。



俺はSNSで仕上げに入った。



結果、涙声のミカ先生から連絡があった。



悩みのすべてをぶちまけてきた。



俺は持ち得るすべての言葉で彼女を抱き締めた。






そうして日曜日の朝、彼女と二人で地元から離れたカフェで会った。



地元から離れる時点でミカ先生は察したのだろう。



いつもと違う化粧に俺の心は獣となっていた。






「先生、もう泣かないんですか?」






俺はわざと言った。



ミカ先生は吹き出した。






「バカにしてるんでしょ?」






「そんなことないよ。今日会えて嬉しいよ」






「・・・うん」






そこからは自然の流れでホテルに入った。



車を停めると、ミカ先生は何も言わずついて来た。



ホテルは中の上を選んだ。



女はお姫様として扱うのが基本だ。



場末のラブホじゃ愛は育たない。






ドアを閉めると、俺はすぐ振り向いてキスをした。



さっき彼女が飲んでいたアイスティーの味がした。



何分しただろうか。



その間、俺はゆっくりワンピースのボタンを外した。






「待って。シャワーだけでも・・・」






「遊ぼうよ」






「え?」






俺はそのまま彼女を裸にした。



キスをやめ、じっくりその肢体を見下ろす。



思っていたより豊かな乳房(おそらくEカップ)、キュッと締まったくびれも良い。



薄い陰毛は整えられている。



俺はそのまま彼女をお姫様だっこし、ベッドへ。



クイーンサイズのベッドに投げ出され、乱れた先生もまた美しい。






「お願い。カーテンは閉めて」






彼女の懇願を拒否した。



午後二時はまだまだ明るい。



しかし暗闇ではその肢体を楽しめない。






「ごめんね」






俺はそう言って裸になり、ベッドに立った。



彼女は絶句していた。



俺のギンギンに勃起したチンコを見たからだ。



長さは19cm。



太く、自慢のチンコだ。






「す、すごいね」



「普通だよ。見たことあるでしょ?」






「彼のはあるけど、こんなじゃなかったよ?」



「みんなこんなもんだよ」






そう言ってのける。



本当は自慢だ。



この瞬間が一番好きなのだ。






俺はまず覆い被さり、キスを楽しんだ。



その間も乳首への攻めは忘れない。



また、乳房を揉むのも忘れない。



乳房は外から中へ揉むのがベストだ。



しこりがないかを確かめるように深く外から中へ揉む。






ミカ先生は敏感だった。



もしかすると飢えていたのかもしれない。



いや、飢えているのだろう。



なんせ、こうやって既婚者に抱かれに来ているのだから。






クンニを始める。



「いや」と言うミカの腕を両手で押さえながら。



陰毛が鼻に当たると彼女の汗とボディソープの香りがした。



実に心地よい瞬間だ。



それだけでギンギンになれる。






クリを舐め、ビラビラを口に含み、よじれるミカの肉体を感じながら、俺は下半身をゆっくりミカの顔へ近づけた。



結果、69のポーズになる。



ミカの口は素直だった。



すぐチンコをしゃぶった。



慣れた口元が隠された彼女の素顔を見せつける。



俺はクンニをやめ、ベッドに立った。






「しゃぶってよ」






俺はギンギンのチンコを見せつけながら言った。



ミカはこちらを見ながら咥えた。



その大人しそうな口元はもはや淫乱そのもの。



性欲という腹が減った獣のように夢中でしゃぶる。



ジュポジュポと低い音を立て、貪り尽くそうとする女・ミカ。



俺はミカの髪を掴んだ。



しゃぶるのをやめ、ミカが顔を上げた。






「美味しい?」






俺がそう言うと、ミカは「美味しい」と優しく嘘をついた。






俺はミカを押し倒し、チンコを掴んだ。



ミカは微笑しながら枕元のコンドームを床へ投げた。



にやりとする俺を見て、ミカも笑った。






生の挿入は快感そのものだ。



ミカの笑顔に似た柔らかな膣が俺の肉棒を包む。



その優しくぬるい快感は飢えた俺とミカを繋ぐ。



飢えているのに清らかな気分だ。



ベッドをギシギシと揺らすと、ミカは悶えた。



ハードに動かすと反応はより強くなる。






「・・・んあっ!」






喘ぐミカの耳元へ口を寄せる。






「もっと大きな声出しな。保育園で出すよりもね」






「・・・ん・・・ば、ばかっ!・・・んんあっ!」






ミカは俺の腰にしがみつき、もっと動けとねだる。



俺はさらに深く前後運動を繰り返す。



まるでバカな犬のように動きまくる。



ミカの喘ぎ声は最高潮。



ほぼ絶叫だ。






「もっと・・・んんああっ!・・・も、もっと・・・動いてっ!」






「そろそろイクよ!」






俺が言うと、ミカは足で俺を押さえた。



それは合図だった。






「イクぞ!」






「イッて!・・・だ、出してっ!」






俺はミカの中へ射精した。



射精した瞬間もその後もミカの体はビクビクと痙攣した。



満足気な彼女の笑顔。



今までにない笑顔だった。






終わってからも二人でベッドに潜った。



キスをし、互いの性器を触り合う。



その後、三回戦まで終えて俺たちはホテルを出た。






数ヶ月して、ミカは保育園を辞めた。



理由は簡単。



妊娠したからだ。



俺はおめでとうも言えなかった。



ミカはなぜか俺を避けたからだ。






でもそれで良かった。



ミカを裸にした俺。



ただ俺はミカとやりたかっただけ。



ミカの膣にチンコを抱き締められたかっただけなのだ。



女の悩みなど糞食らえ。






おわり。