会社の部署別対抗野球でファーストに滑り込んだ俺は足首を複雑骨折してしまった。



志願して出場したわけではないので完治するまで長期休暇を貰える事になったのはいいけど、今って骨がようやくくっつき始める位ですぐにリハビリさせられるらしい。



関節が固まっちゃうから。



それが痛いの何のって、最初の頃は絶叫した。






ようやく何とか関節が動くようになったら、かみさんがご褒美にって、東北の某温泉で湯治することになったのである。



温泉と言っても旅館ではなく、いや、旅館なのだが、湯治施設というか木造の宿舎みたいなのが旅館の横に建っていて、長期療養者はそこで自炊して暮らすというそういったもの。



まあ閉山前ギリギリという事もあって、他に泊まってる人も居なくて寂しいこと寂しいこと。



だってまだヨチヨチ歩きで自由に外を散歩する事もできないし。



本読んでてもすぐ飽きちゃうし。






もう限界!帰る!ってなった時に長澤さん夫婦がやって来た。



それが奇遇な事に、俺と全く同じ社員野球で足を骨折して療養に来たというんだから笑った。



年も俺と旦那さんはひとつしか違わなくて、「何か運命を感じますねえ」とか言って、それからはかみさんを山の麓まで車で酒買いに行かせて毎晩宴会騒ぎ。



誰も居ないんだから気楽なもん。



最後の方、もう殆ど全快になった頃なんて、年甲斐もなく肝試しって、おいちょかぶで負けた方が真っ暗な中、外の自販機でジュース買って来るとかいうアホなこともした。






「ああ、何か修学旅行に来たみたいだね」とか言いながら、遅まきながら青春を謳歌したわけだ。






でも楽しい時というのは一瞬で終わってしまうもので、あれよあれよという間に宿泊最終日になってしまって、みんな朝、「今日で終わりだね」ってシュンとしちゃって、「よし!今日はとことん飲むぞ!」って言って、かみさんにいつもにも増して酒を買って来させた。



暖房の効きがうちらの部屋の方が良いんで、いつもはうちらの部屋で飲んでたんだけど、その日に限ってなぜか暖房が殆ど効かなくて、結局長澤さんの部屋で飲むことに。



もう寂しさ紛らわす為に夜更けまでめくらめっぽう飲んでて、いい加減小便行きたくなってトイレ行って戻ってきたら部屋が真っ暗になってて、足下に布団の感触があって、ああもう就寝時間かって。



俺も酔っぱらってて立ってるのしんどくなってたからバタン!と布団に横たわった。






しかし暖房効きが悪いなぁ・・・とか思いながら天井を見てると、手に人肌の感触があって、(あ、かみさんだ)と思って、思わずギュッとその手を握り締めた。



かみさんも握り返してきて、そしたら沸々と性欲が湧き上がってきて、思わずかみさんの布団に転がり込んだ。



寂しさもあったと思う。



かみさん、何も言わずにじっとしているので、俺はそのままかみさんの上にのしかかると、キスをしながらパジャマのボタンを外して胸元に手を差し込んだ。



普段だと「アン!」の一言ぐらいあるのだが、まあ長澤夫妻に聞かれてはまずいと思ってるのだろうと、そのまま乳房にむしゃぶりついた。






とりあえず上半身を裸にすると俺も裸になって、きつく抱き合いながらお互いの肌の温かさを確かめ合い、寂しさを分かち合った。



その間もかみさんは「んっ」というくぐもった声と、「ハァハァ」という吐息しか漏らさず、今日はずいぶんと辛抱強いんだなと思いながら、いよいよかみさんの一番大事な部分に指を差し込んでいった。






「ハァン」とようやくかすれたような声を出したが、差し込む俺の腕をきつく両足で挟みながらそれ以上の声は漏らさない。



でもアソコはねっとりと湿り気を帯びてて、臨戦体勢は整っているご様子。



俺もたいがい酔ってたから、前戯するのもしんどくてパジャマの下もおろして、そのままかみさんの両足の間に体を滑り込ましていった。



結婚2年目、「そろそろ子供が欲しいね」と言ってた矢先の骨折だったから、今日こそは溜まりに溜まった子種をかみさんの中にぶちまけてやろうと思った次第。






ヌヌヌという湿った肉に包まれていく感触。



とっても久しぶりで、俺はまるで童貞君のようにひと擦りで射精しちゃいそうになった。



いやあ改めて、オマンコとやら、よう出来とる。






とりあえず一番奥までズヌヌヌウと入って、子宮口でコツンと亀の頭が、そこで行き止まりですよ!と制止されるまで挿入し、そんで改めてかみさんと唇を重ね合った。



レロレロと舌で咥内を掻き回しながらグリグリとチンポで中を掻き回す。



上と下とで掻き回す。



かみさんの膣(なか)を掻き回す。






レロレロレロレログリグリグリグリ・・・。






粘膜同士が擦れて最高に気持ちいい。



出す時は、とにかく子宮の入り口に亀の頭を潰れんばかりに押し付けて、溜め込んだ俺の子種を一滴残さずかみさんの子宮の中に注ぎ込むんだ。



そんな気持ちで一杯だった。






俺はかみさんの両足を抱え上げると、痛い位に亀の頭を子宮の入り口に押し付けた。






「アアン!」






さすがにかみさん、歓喜の声を漏らして体を仰け反らせた。



弓のように体をしならせると、真っ暗の中でも微かに乳房の盛り上がりがそれと確認できる。



かみさんも受け入れ態勢万全だ。



あたかも『あなた、全部私の中に出してね♪』と言っているかのような姿勢だった。



出さいでか!






ドビュ~!ビュウ!ビュビュウ!



ドックン!ドックン!ドックン!ドックン!






一気に俺の尿道から熱い迸りが、かみさんの子宮へと注ぎ込まれる。



いっさいの逆流は許さない。



一分の隙間もないようミッチミチにハメ込んで、精液を肉道に残さず直に子宮へと流し込んでいった。






「ああぅぅ・・・」






俺のおびただしい射精を感じたかみさんはブルブル身を震わせながら俺にしがみつき、衝撃に声を漏らしながら耐えている。



俺もかみさんをきつく抱き締める。



唇を重ねる。



俺達夫婦は、これ以上不可能という程に一つになった。






やがて全ての精液を注ぎ終わっても俺はチンポを抜こうとしなかった。



逆にかみさんのくびれた腰を抱えて尻を少し高くして、子宮口辺りのわずかな隙間に残っているであろう精液ですらも残したくなかったからである。






その時、何で自分がそれ程にまでに種を妻の子宮に注ぎ込むことに執着したのか分からなかった。



とにかく本能にも似て、俺はそうしなければならない衝動に駆られていたのだ。



結局、俺はかみさんの額にキスをしたり首筋を愛撫したりしながら30分以上ハメ続けていたと思う。



もっとそうしていたい気持ちは山々だったが、かみさんもいい加減重いだろうという配慮から、俺は名残を惜しみながらもかみさんの中からチンポを引き抜いた。






「フゥ・・・」とお互いに大きな溜め息。



あまりのハモリっぷりに思わずお互い噴き出した。






気づけば、あんなに飲んだにも関わらず酔いもすっかり覚めていた。



暖房が効かず寒かったのもある。



漠然と漆黒の天井を見る。



田舎の夜は多少の光は全て吸い込んでしまうようで、本当の意味で真っ暗闇だった。



まるで出口のないトンネルの前に立っているかのように、天井はいっさいの光の侵入も許さなかった。



年甲斐もなく怖くなった俺は人肌を感じたくて、かみさんの手を取り、強く握った。



かみさんも強く握り返してきた。






「とうとう今日で終わりね」






と、その声を聞いた瞬間。



俺はとっさにかみさんの居る方の闇を見た。






(ん?あれ?・・・何かが違うような、決定的に何かが食い違っているような・・・。あれれれ?)






俺は立ち上がり電気のスイッチのある方向へ手探りで歩いた。






(まさか!まさか!まさか!)






急激に心臓の鼓動が速くなる。






「あなたどうしたの?」






そう彼女が言ったその時だ。



俺は電気のスイッチを見つけ、それを押した。



急に部屋が明るくなり、俺は眩しくて何度か目をしばたたせた。



相手を確認し、俺は息を呑んだ。






「キャァ!」






小さく悲鳴をあげる長澤さんの奥さん。



そう、何をどう間違ったのか、俺達は互いの伴侶とまぐわっていると勘違いしていたのである。






そんなのってアリか。



思わず目を疑った。



夢かとも思った。



夢であってくれとも思った。






「どうして・・・」






俺はそう言うのが精一杯だった。






「あれ?ここ・・・あれ?」






長澤さんの奥さんは部屋番号を確認し、自分が間違った部屋に来てる事に初めて気づいたようだ。



どうも奥さんもトイレに行ってそのまま部屋を間違ってしまったらしい。



酔っぱらって眠くなったので自分の部屋で寝ようと思ったそうだ。



いや、実のところ、俺自身も勘違いをしていて、いつものように自分の部屋で飲んでいるように思い込んでしまっていたのだ。



長澤さんの奥さんは全裸のまま毛布を抱き締め、身じろぎもせず俺を見つめている。



シンとした静寂が訪れた。






「ってことは、旦那さんはあっちの部屋だよね」






やっとの事で言葉を吐き出すと、「あ、そうだ、どうしてるのかしら?」と言って奥さんは身を起こし、散乱しているパジャマと下着を探している。



俺は慌てて窓の方向へ向いた。



すると窓に奥さんの裸体が映し出されて、慌てて俺は目を伏せた。






「すみません、もういいです」






背後から声が聞こえて俺は目を上げた。



恐る恐る長澤さんの部屋へ向かう最中、(まさか、かみさんが同じように抱かれていたら?)と思うと猛烈に緊張し心臓が高鳴った。



しかし、まだ煌々と明かりが漏れていた。






「まだ飲んでるのかしら?」






奥さんがいつもと同じような口調で話すので、ようやく少し俺の緊張も解れた。



よかったと安堵した。



お互いの勘違いと信じてくれたようだ。



いや、本当に勘違いなのだが、それでもやはり女性としてはなかなか許せるものではないだろう。






「まさか、もう寝てるでしょ」






「電気も点けっぱなしで?」






そう言いつつ部屋を覗き込むと、俺の予想通り二人大の字で爆睡していた。



ビールやウィスキーの空き瓶が散乱する中で。



飲みながら潰れてしまったのだろう。



そっとお互いがお互いの伴侶に毛布を掛けてやり、奥さんが電気を消そうとしたので俺は慌てて止めた。






「暗くて間違っちゃうといけないから」






俺がそう言うと、奥さんはプッと噴き出した。






「そうよね、危ない危ない」






よかった、いつもの明るい奥さんの笑顔だ。



心底安堵した。






「どうする?」






俺が奥さんに聞くと、「ここで四人で雑魚寝は厳しいわよねぇ」と言いながらとりあえず空き瓶や缶を片付けているので、俺も慌てて手伝った。



それはそうだ、一部屋四畳半しかないのだから。






「しょうがない、起こしますか」






そう言って俺が妻の肩に手を触れようとすると、「可哀想ですよ。それに起きないんじゃないですか?かなり飲んでたみたいだし」と言いながら奥さんは、「私も飲み過ぎて頭が痛い」と言ってこめかみを擦っている。






足が完治していれば担いでも連れていくところだが、まだそこまでするには至っていない。



湯治に来て悪化させたら元も子もない。



とりあえず放置する事にし、奥さんは俺と一緒に俺たちの部屋で休む事にした。



怪しまれるといけないので、電気を点けたまま二人布団に横たわった。






「絶対に絶対に秘密にしましょうね」と奥さんが呟いて、「もちろん棺桶まで持って行きますよ」と答えると、アハハハと明るく奥さんは笑った。






根が明るくて良い奥さんだ。



長澤さん(旦那さん)は幸せものだなと改めて思った。






<続く>