もう10年以上前のことなんだけど。
その人は森下愛子(古い?)を、きりり&清楚にした感じだったので、『愛子さん』としときます。
愛子さんは28歳の若妻、俺は24歳でした。
共通の知人(女性)を通じて、俺に、あるバイトをやらないかという話が来たのが知り合うきっかけ。
その頃、俺は新卒後に勤めた会社を一年未満で辞めて、もう一度美術系の専門学校に通っていた。
学費は親から借りたんだけど、家賃とか生活費は自分で稼がなければならなかった。
そのバイトの依頼主が愛子さん。
この若妻はお嬢さま系の大学を出て広告代理店に勤めていたんだけど、結婚して退社。
それでも専業主婦が嫌で、知り合いのやっている小さなプランニング会社の契約社員になっていた。
バイトの内容は、毎週いくつかのモノを渡されて、それについてのレポートをまとめるというようなもの。
思いっきり大ざっぱ&ボカして言ってますが、要はモノや資料の受け渡しで、しょっちゅう会う機会があった。
かなり割のいいバイトでした。
紹介者の女性に連れられて、愛子さんの住むマンションまで行った。
皇居に近い一等地で、こんな場所に本当に住んでいる人がいるんだとびっくりした。
実は俺、前にその紹介者も好きになりかけて、ぴしゃりと断られたことがある。
だからか、この時も「愛子にちょっかい出しちゃダメだよ」と釘を刺されていた。
「愛子がよくても、旦那に★されるよ」とか、冗談半分に脅かされた。
愛子さんの旦那というのは、フリーでビデオを撮る仕事をしている人だった。
しかも親が金持ちらしい。
正直、敵わねぇ~って気持ちだった。
でも、俺としても、その時は付き合って2年になる一つ年下の彼女がいたので、(そんな気分にはならねえよ)とか思っていた。
愛子さんの第一印象はクールな感じの人。
落ち着いた声で仕事の内容を淡々と説明する。
俺の人となりは、紹介者からあらまし聞いていて、そんなに心配してなかったらしい。
でもバリバリのキャリアウーマンって感じじゃなく、仕草に可愛いところがあった。
でっかいリビングルームに置かれたソファセットに座って話したんだけど、たくさんの資料とかを探す時にぺたっと床に座りこむ格好が、妙に乙女チックだった。
それでいて肩まである黒髪を、耳にかきあげる時はやたら色っぽい。
それと初対面の時は確かカジュアルなワンピース姿だったけど、着こなしがすごくきれいだった。
胸の線や、腰からお尻にかけての曲線がきれいで、密かに見惚れてしまった。
(親しくなってから聞いたところでは、十分にいやらしい視線だったらしい)
その日は、仕事の説明が終わると、後は女同士の話があるとかで、追い出されるようにして帰った。
翌日からバイトが始まった。
レポートや資料の受け渡しは愛子さんの住むマンション近くの喫茶店だった。
毎週1~2回は会う用事があった。
話すうちに明るい人だとわかった。
最初の日は、向こうも緊張していたらしい。
笑いのツボが結構同じなので話が弾んだ。
俺のことを、「自分のやりたいことがちゃんとあるのね」と、認めてくれたのも嬉しかった。
一個下の彼女からは、会社をすぐ辞めたことを、「甘い」とか「いつまでも夢見てる」とかチクチク言われていたから。
そのうち、買い物にも付き合わされるようになった。
洋服を買うのが趣味みたいな人で、ブランド店とか路地裏の輸入ショップとか何軒も回る。
俺なんか服は量販店でしか買ってなかったから、年上の女性の買い物に付き合うだけでも楽しかった。
彼女は襟ぐりの大きく開いた服が好きで、たまにおっぱいの裾野までチラつかせる。
本人によると、きれいな服が好きなだけで、スケベな格好している自覚はないらしい。
なんかの加減でブラ紐が見えた日には、とても得した気分。
白とかベージュが多かったかな。
移動は中古のインテグラ。
友達から貰ったものだという。
金に困っていないのに、おんぼろ車に乗ってるっていう、そのギャップも面白かった。
ふう。
俺は最初から彼女を好きになってたんだな。
ある日、買い物が終わってお茶をしている時、なんかの冗談を言い合ってふたりで大笑いした。
彼女は涙を浮かべて、「もう、こんなに笑えるなんて信じられない」と言う。
ちょっと意味深な感じがしたので、「普段は笑えないの?」と聞いたら涙を拭きながら、「そうね・・・、普段はそんなに楽しくないから」と顔を背けた。
知らない間に悲しい涙に変わっていた。
その時に全部聞いたわけじゃないが、夫婦の事情のあらましがわかってくる。
旦那が暴力をふるう人だった。
彼女が逃げると、彼女の持ち物にも当たるという。
メーカーから借りたサンプル品も何度か壊されたりしたので、家に置けなくなった。
それが、バイトが必要になった本当の理由だったらしい。
体の相性も良くなくって、ほとんどセックスレスという話だった。
(っていうのは彼女自身からじゃなくって、紹介者の女性から聞いたのかもしれない)
そういうヘビーな話になると、人生経験の少ない俺は役立たず。
ただ「ふうん」と頷いて、聞いているだけだった。
それからしばらくして、いつものようにレポートを渡す日。
「忙しいからマンションまで来て」と言われた。
最初に会った日から、もう数ヶ月経っていた。
「とりあえず、この仕事あげたら暇になるから待ってて」
彼女はワープロをテーブルに置き、床に直に座ってキーボードを打つ。
暖かい春の日の午後3時半頃。
愛子さんの格好はノースリーブのブラウスに、膝丈のスカート。
少し濃いめのパンスト。
白く滑らかな二の腕が艶かしかった。
俺は、その横でウトウトとした。
前の晩は自分の課題もあって、ほとんど徹夜していたからだ。
「寝ててもいいよ」という言葉に甘えて、出してくれたクッションを枕に絨毯の上に仰向けになった。
愛子さんの太ももが1mくらい隣にあった。
長い髪をパッチン留めでまとめて仕事をしている。
下から見上げるバストに大人の魅力がムンムンしていた。
俺は薄目で彼女の姿を見ながら勃起していた。
(生地の厚いジーンズを穿いてて本当に良かった)と思いつつ、そのまま眠ってしまった。
しばらくして肩を揺さぶられて起きた。
「出掛けるよ」と言った愛子さんの顔がすぐ間近にある。
なぜだかその瞬間、すごく親密な空気が流れている気がした。
俺は躊躇いもなく彼女の手をとり、体を引き寄せた。
彼女も同じような気配を感じていたらしい。
ごく自然にふたりはキスした。
柔らかい唇だった。
ブラウスの襟元から、ふわ~っと女の匂いが漂ってきた。
もっと強く抱き締めたいと力を込めかけた時、彼女の体が離れた。
俺の胸を押して、突き放すような感じだった。
「これ、すぐ届けなきゃいけないから」と、出来上がった資料をバッグに入れ、ジャケットを羽織っている。
「そうだったね」と、俺もなんだか気遣っているふりをする。
それからふたりは何事もなかったかのように行動した。
彼女がオフィスに資料を届けると(その間、俺は近所で待機)、イタリア料理屋に行って、夕食を食って別れた。
そういや高い店に行く時は、いつも奢ってもらっていた。
何事もなかったかのような関係は、それからしばらく続いた。
ただ、愛子さんをちょっといじめるような冗談を言うと、「ふん。ちゅーしたくせに」と、からかわれた。
正直、俺も臆病でした。
深い関係になって、ぐちゃぐちゃになるより、生ぬるい友達みたいな感じが続いていればいいやと思っていた。
やっぱ人妻だし。
ひとつ下の彼女との関係も終わったわけじゃなかったし。
でも週に一、二度は会っていたから、いつの間にか年下の子よりは愛子さんと過ごす時間の方がずっと長くなっていた。
半年くらいでバイトもなくなったけど、一緒に映画見たり、飯喰ったりしてたんだ。
彼女はお酒をほとんど飲めない人だったので(ビール一杯程度)、なんか妙に健全なデートが多かった。
ある晩、飯を食っていると愛子さんが、「近頃は夜、家に戻ってない」と言いだした。
旦那との仲はいよいよ険悪になって、旦那が早く帰って来る日はホテルに泊まっているのだと言う。
「今日なんてシングルで予約したのに、ツインが空いているからって、やたら広い部屋に通されちゃってさあ。かえって寂しいのよ」
「ふうん」
「どうせここで話しているなら部屋で話さない?」
「いいけど」
シティホテルのフロントは、堂々と通り抜ければ、まず呼び止められることはないと、その時知った。
バカかと思われるかもしれないが、俺は本当に話だけをするつもりで、彼女の部屋に行った。
まあ覚悟の出来てないヘタレだったわけですが。
しばらくケーブルテレビでコメディ映画を見たりした。
1時近くになって愛子さんが、「明日早いから着替えて寝る」と言った。
「××君も終電ないよね。泊まっていくでしょ」
「そうしようっかな」と、俺の答えは、どこまでも曖昧。
彼女は本当にホテルに泊まり慣れているらしく、自前のパジャマを抱えてバスルームに消えていった。
シャワーを浴びる音が聞こえてくる。
愛子さんの裸を想像して、それまで半立ちになっていたペニスがあっと言う間に硬くなった。
やがて頭にバスタオルを巻いて彼女が出てくる。
薄いピンク色の光沢のあるパジャマが眩しかった。
襟元が細く長く開いていて、乳は見えなくとも艶かしかった。
石鹸のいい匂いが漂ってくる。
化粧を落とした姿を見るのは初めてだったけど、違和感はなかった。
きりりとした感じがやや薄れ、ちょっとあどけない感じになったくらいだ。
それから愛子さんは部屋の隅で下着をバッグに片付ける。
屈んで突きだしたお尻にパンティの三角形のラインが透けている。
ブラジャーは、もう付けてない。
その格好で、「××君も、シャワー浴びればあ」と無邪気に言う。
自分を鎮めるつもりで、すぐにシャワーを浴びに行った。
バスルームから出ると、愛子さんはドライヤーで髪を乾かしていた。
俺はホテルの寝巻きに着替えたんだけど、ペニスはコチコチのまま。
生地が薄いから、股間の辺りはもろテント状態。
腰を屈めて歩くのも妙なので、開き直って、愛子さんの目に触れるのも気にしないふりをした。
先に愛子さんがベッドに入って、ちょっと間を空けてから俺が、もうひとつのベッドに座った。
ペニスの勃起は全然やまない。
彼女は一瞬、俺の股間に目を走らせてから、こちらを見上げた。
それから、少しの間、他愛ない会話。
「もう明日早いのに・・・。××君といると楽しくて目が冴えちゃう」
愛子さんは横向きになって頬杖をついた。
襟が一瞬大きく開いたのを、すぐに直した。
ぽろりと見えたおっぱいの白い裾野が目に焼きついた。
<続く>
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