あぁ・・あたし酔ってる・・。
どうかしてるよぉ・・後輩にこんなこと・・。
でも、一旦タガが外れたら、自制心なんて機能しないの。
「こんなんでも出ちゃうの?」
「マジ、出ちゃいます・・」
「そっか・・出していいよ」
自分の口から出たセリフ。
耳を通して再び自分に戻ってきたときに、その響きの淫靡さが数倍になって、身体の中で膨らんだ。
火に油を注ぐが如く、さらにいたずら心が首をもたげる。
「マジっすか?でも、かなり恥ずかしいんっすけど」
「じゃ、やめるか?」
「悪魔やぁ・・この人、悪魔やぁ」
「ふっ^^今頃気づいたか・・」
「あのぉ・・リクエストしていいっすか?」
「えっ?何?」
「えっとですねぇ・・」
「うん、何?」
「怒んないって約束してくれますか?」
「男らしくないわねぇ・・何よ?」
「んじゃ、言います。胸、触ってもいいっすか?」
「ぷっ!触る勇気あんの?」
「ひゃぁ・・姐さん、マジこえぇ・・」
「いいよ・・でも、服の上からね」
「マジっすか?マジ触っちゃいますよ?」
「2度も同じこと言わせんな」
子供みたいだなぁ・・。
龍平は、女の子の経験があるのかなぁ?
さっきは、さも経験豊富なような言いっぷりだったけど、女の子の扱い方、分かってないよなぁ・・。
「ごっつぁんです^^あ、それから・・もう1つ」
「何よ?まだあるの?」
「俺のチンポ・・直で触ってもらっていいっすか?」
「なっ!それはイヤ^^;」
「ケチ・・」
「ふーん・・そう言うか。なら、胸も取り消し」
「あーーっ!そんなぁ!!」
「しっ!!!大声出すな!!」
「すんません^^;んと、チンポはいいです^^;」
「よしよし^^良い子^^」
ちゅっ♪
龍平のほっぺたにキスをして・・。
人差し指と中指で龍平のソコを軽く挟み込むようにして、下から上へと・・その形を確かめるように撫で上げる。
撫で上げるたびに、龍平のソコは脈打ち、硬さが増していく。
龍平の手が恐る恐るあたしの胸元に近づいてきた。
まだ触れていないのに、あたしの全身が泡立つ。
子宮の辺りがボワっと暖かくなって、腰がゾワゾワする・・。
龍平のソコは、ズボン生地の伸びの限界まで中から押し上げそれでも、まだ、さらに飛び出そうという力を外へ向けて発している。
ソコの先端を、中指の先でクルクルクル・・。
ビクッビクッ・・・。
ソコとお腹が連動して波打つ。
龍平の手の平は、すっぽりあたしの右胸を包んでいる。
愛撫というよりも、胸の形を確かめているような動き。
とってもモドカシイ感触・・。
もっと直接的な刺激が欲しい・・。
でも、そのたどたどしいタッチでも、あたしを濡らすには十分だった。
「姐さん、ちょー柔らけぇ」
「龍平、ちょー硬い^^」
「あぁ・・幸せ・・生きててよかった^^」
「あんたさ・・元カノとはよくエッチしたの?」
「えっ・・なんでですか?」
「うーん・・あまり慣れてないっぽい」
「あちゃぁ・・分かりますか?」
「まぁ~ね。子供がお母さんのオッパイ触ってるみたいだもん」
「いや・・ぶっちゃけ、俺、童貞なんすよ」
「え?だって、さっき・・元カノは1ヶ月エッチ我慢できないって」
「あ・・あれはウソっす^^;」
「何よ?そうなの?」
「元カノって言っても高校の時の彼女で・・。俺、すげぇオクテで、エッチする勇気なかったんすよ」
「そーなんだぁ・・」
「オッパイ触るのも、これで3回目なんですよ・・」
「それにしちゃぁ・・ずいぶん積極的だったよね^^;」
「いや・・そりゃもう・・清水の舞台ってやつです^^;」
「飛び降りちゃったんだ^^」
やっぱりねぇ・・。
目隠しされて、闇雲に敵陣に猛進してくる雑兵のようだったのに、いざ、目の前の敵に遭遇して・・それが敵の大将だと知ったら・・。
腰を抜かして、手当たりしだい周りの小石を大将にぶつけている・・。
そんな感じだったよ^^
戦地に赴くの、初めてでしょ?って感じ。
「んと・・胸以外は触ったことあるの?」
「ないっす^^;例えば、おま・・んこですよね?」
「はっきり言うな^^;」
「すんません^^;」
「そっかぁ・・。ホントに童貞なんだぁ」
童貞という響き・・。
これも、火に注ぐ油となって自分に戻ってきた。
この子に対して、女体の何たるかを教えたくなった。
ガツガツ触ってこられたら、恐らくテンションが急降下してた。
胸を触ってもいいよと言った時、あたしは愛撫を想定していた。
でも、龍平のそれは、愛撫とは程遠い・・。
持てる勇気を最大限に振り絞って、やっと手を胸に置いたという程度。
それがとても可愛らしく・・母性本能をくすぐる。
この場であたしのすべてを見せ、触らせてもいいと思った。
でも、状況を考えると・・。
もし隣で寝ているケンや美里が起きてきたら・・。
別室で寝ているコーが起きてきたら・・。
そう考えると・・こうやって胸を触らせるのが限界。
「ねぇねぇ?ホントに出ちゃいそう?」
「はい・・その予感が・・」
「よし・・出せ^^」
「うっす♪」
3本の指を使って、ソコを優しくつまんで・・。
ズボンごと上下にしごく・・。
人差し指だけをソコの先端に乗せて・・。
先端はクリクリ・・他の指で全体を上下に・・。
龍平の手は、相変わらず単調なリズムで乳房全体をニギニギ・・。
アンダンテ・・くらいかな。
メトロノームのような正確な動き・・。
どのくらい時間が経ったんだろう・・。
お互いに無言のまま・・。
お部屋の中には、お互いの衣服が擦れる音・・。
そして、時計の針が時を刻む音・・。
龍平のアンダンテのリズムに変化が出てきた・・。
すっと速度が落ちて・・ラルゴになったと思いきや・・。
むにゅむにゅむにゅっと、思い出したように速度を上げ・・。
しばらくして、また、パタっとフルストップ。
おや・・今度はレガート^^
この触り方は好み^^
あれ?・・デクレッシェンド・・。
変化を付けることを覚えたのかしら・・。
あれれ・・でも、またフルストップ・・。
あっ!落ちた!
突如・・龍平の手がストンと下に落ちた。
ストンと落ちて、あたしの太股の上に・・。
え?もしかして、そっちを・・触るの?
うわ・・それはマズイ・・。
あたし結構濡れちゃってるし・・。
今は、もう拒む自信ないし・・。
が、それは杞憂だった。
ストンと落ちた手は・・そのまま動かず。
あたしの手の中の「彼」は・・みるみる萎んでいく。
「あれ?龍平?ねぇ?」
「・・・」
「ねぇ?」
「・・・・・・」
スースーと寝息をたてている・・。
こいつ・・・寝やがった・・まったく・・。
そのまま龍平を横にして・・。
さて、あたしはどうしたものか・・。
そろそろ終電はなくなる頃だろうし。
このまま一人で朝まで飲むのも悲しすぎる^^;
腹いせに、龍平の枕もとで派手にオナってやるか!
なんて・・そこまであたしは変態にはなれない。
とりあえず、あたしも寝転んで・・。
残ったジンをチビチビ飲みながら、読書でもするか。
バッグの中から読みかけの本をゴソゴソと取り出し・・。
うーん・・。
煌々と電気が付いてちゃ龍平も寝苦しいかも。
とりあえず電気は消しておくか・・。
廊下の電気が付いてれば、その灯りで本は読める。
電気をパチンと消して・・。
廊下から漏れてくる灯りを求めて、その灯りの筋の方へ身体を向ける。
龍平に脚を向けて、ケンと美里が寝ている部屋に頭を向ける格好。
かなり古い本。
吉行淳之介著「浮気のすすめ」
こんな一節があった・・「女性は楽器であるか」
太鼓のバチは太鼓に恋する。
マンドリンの弦は弾く指に恋する。
女性は楽器であって、弾き手によって、良い音色も悪い音色も出すものだ・・。
ふむふむ・・。
確かに、女と男の関係で言えば、女は楽器なのかも。
抜群の演奏技法を持つ奏者の手に委ねれば、いくらでも良い音色が出るものね。
バイオリンの弓で弦を滑らせるように、繊細な指先で鍵盤を弾くように・・。
太いバチで、ズンズンと叩き込むように・・。
女は楽器かぁ・・。
なんか、とってもエロチックな響き^^
15、6ページほど進んだあたりで、あたしにも睡眠のお誘いがかかった。
敢えて寝まいと抵抗する必要もなく・・・そのまま本に頬を乗せるようにして、眠りの淵に引き込まれていった。
ケンがあたしの横で寝ている・・。
あれ?美里は?
美里と一緒に寝てたんじゃなかったの?
じっとあたしの顔を覗き込んでいる・・。
ケンに言葉を投げかけたいのに、声が出ない・・。
ケンの顔が徐々に近づいてくる・・。
えっ!えっ!ちょっと待って・・何?
わっ・・顔がくっついちゃう・・。
ねっ!ちょっと!美里がいるでしょ!それはマズいでしょ!
はっ!
やっと身体に自由が戻り、バッと頭を上げる・・。
暗闇にぼんやり浮かぶお酒のボトルの陰・・・カチ、カチ、カチと・・時計の音。
ケンの顔などどこにもない・・。
はぁ・・夢かぁ・・。
びっくりしたぁ・・。
しかし、あたしってば何て夢見てんだろ。
龍平のせいで、すっかり色ボケしたか^^;?
カチ、カチ、カチ・・。カチ、カチ、カチ・・。
今何時なんだろう・・。
ちょっと身体を起こして、壁に架かっている時計を見る。
んとぉ・・3時半?
カチ、カチ、カチ・・。カチ、カチ、カチ・・。
コショコショコショ・・。
んっ・・。
ちゅっ・・はっ・・。
(ん?なんだ?ケンと美里?起きてるの?)
襖の向こうから聞こえてくる・・。
聞き取れないけど、寝息などではないのは分かる。
話し声のような・・。
はっ・・んっ・・。
(話し声のような?え?違うよねぇ?)
あんっ・・。
(違うねぇ・・これは。)
いくら愛し合っている者同士と言えども、「んっ」とか「あんっ」だけで意思疎通ができるわけない。
これは会話ではない・・単に声だ・・。
しかも・・この声が出る場面は、一つしかない。
あららぁ・・やってますかぁ・・。
襖一枚隔てた向こうで・・なんとも・・。
(聞こえない、聞こえない。あたし、また寝るし。何も聞こえない・・。)
再び本に頬を乗せて・・寝る態勢に入る・・。
ちゅっ・・。
んっ・・ぁん・・ィやっ・・。
(眠くなーる・・眠くなーる・・眠くなーる・・。)
やだ・・声出ちゃう・・。
(眠くなーる・・眠くなーる・・眠くなーる・・。)
んんっ・・。
あっ・・気持ちいい・・。
(うぅ・・全然眠くならない。参ったなぁ・・。)
頬杖ついて、襖を睨む。
これが、あたしができる最大限の抗議。
うぅ・・始発まではまだずいぶんと時間がある。
どうしたものかぁ・・。
襖の向こうから聞こえてくる悩ましい声。
そして時計の音。
時計の無機質で正確なリズムに・・。
ソプラノの不規則で艶っぽい肉声・・。
全く質の違う音のコラボレーション。
そこに、新たに別の音が加わった。
あたしの足元の方で・・。
なにやら、ゴソゴソと音が・・。
あ、そういえば、そっちに何かが転がってたっけ・・。
あたしの愛撫で寝たばか者・・。
そのばか者・・。
ノソノソ床を這って、あたしの真横にやってきた。
「姐さん・・」
「しっ!!!」
とっさに、龍平の口を手で塞いだ。
もう一方の手を使って襖の方を指さして、小刻みに首を横に振る。
首をかしげる龍平。
目をパチパチさせて、しばらく眉をひそめてじっとしている・・。
んっ・・あっ・・。
龍平の目がカッと大きく開いた・・。
そして、女の子みたいに自分の口を手で押さえて、頭を大きく上下に振って、事態を把握したらしい・・。
依然と続く、楽器の音色。
例えるなら・・美里の声はバイオリンかな・・。
ピチカートの音・・。
しばらく2人してその演奏に耳を傾ける。
ステージ前、S席っといったところ・・・。