エルヴィラさんのご主人がやってくる。



一ヶ月以上会っていないご主人だ。






そもそも俺とエルヴィラさんがこういう関係になったのは、彼女の欲求不満ではないか。



その後の俺との関係(といってもまだ2回だが)が、俺の優しさに彼女の愛情が傾いたのか、ジャパンマネーなのかはともかく、彼女は俺の部屋でご主人とセックスをする。



これは確実だろう。これは見たい。






半分、いやそれ以上好きになっている。



そう恋をしかかっている女性が他の男にやられるのを見たいのか?・・・といわれれば見たいとしか言いようがない。



何故かと聞かれれば「分からん」としか答えようがない。






高校のとき、片思いだった水泳部の同級生が、俺の嫌いなラグビー部の奴と付き合っていると聞いた時、悔しいと思う以上に心がざわざわしたのは、まさにこの感情なのだろうか?






一緒に買った小さなカメラ三脚とビデオを色々弄りながら、どこにセットすればバレずにうまく撮影できるか・・・俺は地方国立大学工学部を首席で卒業しつつ、院にいかずに就職したと言う極めて中途半端に優秀な脳を駆使して考えた。



朝になっても思いつかず、俺は会社に風邪を引いたとウソを付き会社を休んだ。






エリヴィラさんは既に鍵を持っているので、いつ来るか正確な時間は読めないが、ご主人と子供が乗った飛行機が着くのが午後2時。空港から俺の住む街まで、バスを使って1時間。



つまりエリヴィラさん一家が家に来るまであと7時間弱。



俺は高速を飛ばして、ネットで調べた隣の県の電気店に向かった。






車で約2時間。



何が俺をここまで駆り立てるのか?



お目当ての小型カメラは、奇跡的にゲットできた。



急いで高速を飛ばし、カメラをベッドの脚側にある本棚にセッティング。



電波を飛ばすと即違法になるので、買ったばかりのデジタルカメラに有線でつないでテープを回すことに。



360分収録できるテープを入れ、国道沿いの本屋で買った分厚い広辞苑の中身を抜き、防音にハンドタオルを巻いて中にデジタルビデオをセット。






・・・引かないでください。






盗撮なんてやったことないんですよ(涙)



何が俺をあそこまでさせたのか、今でも不思議で仕方がないんですよ。






午後3時半、最長8時間、つまり午後11時半までにエリヴィラさんとご主人がエッチな気分になることを祈って、俺は家を出た。






向かう先は駅前のビジネスホテル。



泊めてくれそうな会社の友人はいるにはいたが、事情を話すわけにもいかず、かといって上手なウソもつけそうにない。



思い切って旅行でも・・・と思ったが、エルヴィラさんとご主人が一緒にいる街から離れる気がしない。



俺は中途半端に近い県庁所在地のホテルに泊まることにした。



ここからなら月曜日も楽に会社に行けるだろう。






ビデオが撮影するのはまず今日が最初で最後のチャンス。



俺は久しぶりにエルヴィラさんの御主人が、俺以上に彼女の体を貪り、エルヴィラさんが俺のときより激しく声を上げる姿を想像して、ホテルのアダルトビデオを鑑賞しながら自分で抜いて寝た。






回収のチャンスは思いがけず早く巡ってきた。



土曜日、俺がホテルでゴロゴロしながらテレビを見ていると、俺の携帯に俺の家から掛かってきた。



エルヴィラさんだ。






出ると、事情を聞いたご主人がぜひお礼をしたいといっているが、近くにいるか?・・・とのことだった。






事情?バババババババレタ?ビデオが?



それとも俺がエルヴィラさんの体を食いまくったことが?



俺は、写真で見た熊のようなご主人に絞め★されるのか?それとも訴えられるのか?北方領土が帰ってこなくなるかも?



いや、会社に訴えられたら・・・。






あれほど家に連れ込んでおいて、いざとなるとこれだけ動揺する情けない俺。






しかしエルヴィラさんの話し方は慌てた様子がない。



すると電話の向こうから何か声が聞こえ、いきなり「アリガトウゴザイマス」という男の声が聞こえた。



続いて「オアイシテ、オレイガ、イイタイノデス」との声も。






俺が恐る恐る車で家に帰ると、エルヴィラさん一家はすっかり家でくつろいでいた。



もともと日本に研修に行くはずだったのは御主人だったし、決まってから3ヶ月ほど日本語を勉強したらしく、ごくごく低いレベルだけど、俺のロシア語と合わせて、何とか意思の疎通は図れた。



エルヴィラさんがどうやって説明したのかまったく分からないが、会ってみると意外に小柄で俺より背が低いくらいのご主人は、本当に俺に感謝しているらしい。



自分の奥さんが口を使って慰めたり、後ろから突かれたり、体の上で胸を揺らせて喘いだりした男にだよ。



このときは俺も少し申し訳なく思った。






エルヴィラさんはまったく気にする様子もなく、2歳のヴィカちゃんと遊んだり、俺に紅茶を出したりしている。



まぁ、もともと俺の家で、俺の金で買った紅茶だが。






さて、一通りお礼も言われ、★される恐れがないことがわかると、俺はテープとビデオを何とか回収したくなってきた。



しかしこの状況ではとても無理だ。



長居するのも悪いし(俺の家だが)帰ろうとすると(俺の家なんだが)、エルヴィラさんがすまなそうに、「ジェーニャ運転日本ではできません。ヴィカに湖見せたいけど」と言い出した。



湖って、二人で始めて遊びに行った、隣の県の?



「車じゃないといけないですよね」と言うと、夫婦は黙って俺を見る。






え?そうなの?






後部座席には、金髪ナイスバディの美人妻と、可愛らしい女の子、そして優しいパパが座っている。



運転席には美人妻の会社の同僚、その体を旦那に黙って頂いている男が座っている。助手席は空。



しかしあれだよ。



俺はエルヴィラさんが、咥えたり押し倒されたり後ろから疲れたり上に乗って腰を動かしたり胸で挟んだりした男ですよね?



その俺に運転させて大丈夫?






俺の方がどんどん心配になるのに、彼女はまったく気にしていないように見える。



高速代も動物園の入園料もアイス代も食事代も全部俺も持ちだけどね。



湖でも動物園でも車で待っていたけどね。






しかし俺は一瞬の隙をついてテープをゲットできたので、かなりハッピーだった。



一刻も早く中身を確認したい。



夕方に家まで送ると(しつこいようだがもともと俺の家だ)、俺は再生用に安いビデオを買い(いったいどれだけ出費してるんだろ)、ホテルのテレビに繋いで再生した。






確かに二人はエッチをしていた。






カメラは予想以上に鮮明で、ベッドの全景がしっかり写っていた。



残念ながら電気が消えていたので薄暗かったが、真っ暗ではなかったので動きは確認できた。



ただ、2歳のヴィカちゃんが下で寝ているんだよね。



子供連れなんだよね。






ベッドの上の二人が、布団の中でもぞもぞ動くのは分かるし、かすかに拾っているエルヴィラさんの喘ぎ声とご主人の声は確かに興奮した。



でもヴィカちゃんがむずかると、二人は動きをすぐ止め、エルヴィラさんはパジャマを着てあやす。



やはりなれない狭い場所だからだろう、ヴィカちゃんは結構頻繁にむずかり、結局久しぶりの夫婦のエッチは、少なくても午後11時までは1回だけだった。



11時には疲れたのか、確認できないが1回満足したのかで、ご主人は寝てしまったみたいだが。






俺は欲求不満を解消できないエルヴィラさんが、このままご主人が帰ったあとますます俺と愉しんでくれるに違いないと思い、良くわからない満足感を得た。






日曜日。



朝7時にまた俺の家から俺の携帯に電話が掛かってきた。



何?今度は何?






隣の県にある古い町並みを見に行きたい。



今度はそういう理由だった。



おまけに今回、俺の隣には何故かあのもう一人のロシア人研修生、なごり雪のイルカに似た朝鮮人と、ロシア人とのハーフのナースチャが座っている。



なんで?エルヴィラさん、そりゃないよ・・・。






情緒ある町並みを見学して、日本料理を食べて、俺が支払いをして、Wデートが終わった。



イルカは話してみるとかなりいい奴で、日本語もかなり上手だし、話題も豊富だった。



エルヴィラさん親子がお土産を見ているときに、「ごはんありがとう。今度お昼ごはんおごらせて」などと殊勝なことを言っていた。






帰りの高速のドライブインで、イルカが俺にコーヒーを奢ってくれ「よるのごはん、どうします?」と聞いてきた。



おいおい、俺モテ期?・・・と、返事に困っていると、「ヴィカちゃんと一緒に入れて、2時間いれるところ・・・どこかしってますか?」と、わけのわからないことを言う。



俺が怪訝な顔をしていると「まだ聞いていないんですね?」と、イルカが説明してくれた。






つまりこうだ。






「最後の日、2時間、いや1時間だけでも子供を預かってくれないか?」



「◯◯さん(俺)は車を持っているし、なんとかなると思う。」



「お願いします」と、ご主人にお願いされたようだ。






「エルヴィラは遠慮深い(?)から、とてもこれからも一緒の会社で働くあなたたちに頼めない、お願いします。」






本気のエッチが、外人若夫婦の本気のセックスが今日俺の部屋で行われる。



俺はこれをなんとしてでも記録しなければ。



エルヴィラさんの白い肢体がこの毛深くて腕の太い男に蹂躙される様子を見てみたい。






俺は家に(ホントにしつこいけど俺の家)二人を送ると、ご主人を呼んで「男として大変恥ずかしいものをベッドの下に忘れてきている。回収させてくれ。私はあなたの妻やナースチャにばれたらハラキリをしたくなるほど恥ずかしい」とこっそり言うと、ご主人はにんまり笑って、先に俺を入れてくれ、少し待っていてくれた。



エルヴィラさんは少し不思議そうな顔をしていた。



新しいテープを入れ、収録時間を4時間にして画質を良くした。



あと、録画をスタートさせ、俺は部屋を出てきた。



ご主人に軽く会釈をしながら。






不自然な二人きりの時間。



さすがにエルヴィラさんだって、俺がどう思うかは想像つくだろう。



正直何を考えているんだろう・・・。



俺は少し彼女に不信感を持った。






俺とナースチャは気をつかって「4時間後に戻る」と言い、ヴィカちゃんを連れ県庁所在地のデパートに行き、おもちゃ売り場を歩き、さらに郊外のおもちゃ屋に行き、ファミレスで時間を潰した。



確実にセックスする男女がセックスし終わるのを待つ。



何の関係もない二人、しかも一方は外人、しかもハーフでイルカ似・・・と言うシチュエーションもなかなか不思議なものである。



しかも男のほうは、今まさにセックスをしている女性と肉体関係があり、好きになっているわけだ。



いやはやなんとも。






4時間を少しすぎて、寝てしまったヴィカちゃんを連れ、俺と韓国イルカはエルヴィラさん夫婦の家(いや、以下略)に向かい、ご主人に最後の別れをしてからイルカを寮に送り家に帰った。



エルヴィラさんはどうしてか出て来なかった。






月曜日、エルヴィラさんはもちろん休みだが、俺は出勤した。



仕事をしていても、ビデオのことばかり気になった。



家に帰ると、俺は広辞苑のカバーを放り出し、急いで再生した。






画面が変わり、エルヴィラさん夫婦が画面に入ってきた。