「ああ、あなた、もっときつく舐めて、ああ、いい、いいわ」






連日、私と愛と賢治君の3Pは続いていた。



特に愛は、今までの快楽を取り戻すように、連日私に抱きつき、お尻を賢治君の方へ向けていた。



しかし、今晩だけは違った。






賢治君と約束した日まで後2日。



私の提案で明日から愛と賢治君は1泊で富士山の見える湖に旅行に行くことになっていた。



私は2人のために湖のほとりの静かな旅館をとってあげた。



そして2人が心ゆくまで落ち着けるように庭園露天風呂付きの部屋を用意した。






そのためか、賢治君は今晩、愛を抱かなかった。



今晩は鋭気を蓄えておこうというつもりなのか。



その賢治君は今、私たちの隣で横になり、私と愛の夫婦の夜の営みを見ている。



役に立たない私のペニスでは夫婦の営みと言えるかはわからないが、一回りも年の違う賢治君に見られているとなぜか興奮した。






「ああ、あなた、ああ、そこ、そこいい、いいわ」






今、私が下になり愛が私の顔に跨がり69の形で愛が私のペニスを咥えている。



愛は私を興奮させるためか、時々大きな声でよがりながら私のモノを扱いている。






「あい、もういいよ。愛が咥えてくれても扱いてくれても私のモノは硬くなろうとしないよ」



「ああ、あなた・・・」






「俺はこうして愛を抱いているだけで満足なんだ。それに、愛をこうして口と手で満足させてあげられるようになっただけで嬉しいんだ。これからも努力するからな」



「ああ。あなた、嬉しいわ」






そして翌日、愛と賢治君が旅行に行く時が来た。



賢治君は早々に荷物を車に載せ、外で待っている。



愛は小さな旅行かばんを持ち、私の前にやってきた。



賢治君に買ってもらったブラウスとスカートがとても似合っていた。






「あなた、本当に行っていいのね?一人で大丈夫なのね?」






「ああ、賢治君とももうすぐお別れになる。賢治君には色々教わった。それに愛にあげるプレゼントになってもらってすまないと思っている。だからこの2日間は恋人として楽しく過ごしてきなさい。ちょっとそのカバンを貸しなさい」






「えっ、カバンを。どうするの?」






愛はカバンを私に渡すと不思議そうな顔で見ていた。



私は愛が持っているカバンを膝の上に置くと中を開けた。



その中の化粧品を入れている小さな入れ物を開けた。



やはりあった。



その中には今晩使うであろうコンドームが数個入っていた。






「あっ、それは」






愛は隠していた物が見つかったような気まずい顔をして私を見た。



私は何も言わずコンドームだけを抜き、元に戻してカバンを愛に渡した。






「あなた」






愛が何か言いかけたが・・・。






「賢治君が待っているよ。早く行きなさい」






そう言うのがやっとだった。



愛は何も言わず出て行った。



私は見送りもしなかった。






(これでいいんだ、これで・・・)






何度も何度も自分に言い聞かせた。






その晩、私は一人で夕飯を作っていた。



といっても即席ラーメンだ。



愛がいない夜、それは私が事故を起こし、病院に入院して以来のことだ。






本当にこれでよかったのだろうか。



これでいいんだ。



これで・・・。






何度も自分に言い聞かせ、愛を送り出したが、ひょっとすると愛は帰ってこないのでは。



そんな不安も頭をかすめる。






そして、賢治君が来た1ヶ月間を思い出していた。



私より一回り、愛より10歳若い賢治君に喘ぎ声を出しながら抱かれた愛。



2人でお風呂に入り、私に聞こえんばかりにいちゃついていた愛。



そして私に隠れて賢治君のモノを口で咥え、口の中に精液を出された時、私に見つかって狼狽えていた愛。



私に抱かれながら下半身だけは賢治君に向けていた愛。



そして賢治君のモノで突かれ、私の目の前でよがりイキまくっていた愛。



そんな愛が今夜は賢治君と2人だけで過ごしている。



今頃何をしているんだろう。



2人で露天風呂に入っているのだろうか。



それとも、もう布団に入って抱き合っているんだろうか。



色々な妄想が湧いてくる。






翌日もいつもより早く目が覚めた。



右手を横に伸ばしてみても愛には当たらなかった。



その日も仕事が手につかず、パソコンのキーボードを叩いてもミスばかりだ。






(愛、早く帰ってきてくれ、愛)






そんなことを考えていると玄関に愛の姿を見つけた。






「あなた、ただいま」






「愛、帰ってきてくれたんだね」






私は目に涙を溜め、愛を見つめた。






「当たり前じゃないですか。私の帰るところはあなたがいるここしかないんですから」






「愛、ありがとう。賢治君はどうした?」






「彼はもうここには戻ってきません。もう約束の期間が来たので帰っていきました。あなた宛てに手紙を預かってきました」






私は愛から賢治君の手紙をもらった。



その手紙には・・・。






『大木さん、挨拶もなく去っていくことをお許しください。この1ヶ月間、楽しい日々を過ごさせていただきました。大木さんの心中を考えると、こんな言葉は不謹慎かもしれませんが、お許しください。でも大木さんから愛さんへの愛情、愛さんから大木さんへの愛情がひしひしと伝わってきました。大木さんには若い私が生意気なことばかり言って申し訳ありませんでした。今後ともお2人の幸せを祈っています。会うと別れがつらくなるので手紙で失礼します。あっ、それともうひとつ。今回の愛さんと私の旅行、本当にありがとうございました。愛さんと楽しい2日間を過ごさせていただきました。大木さんには本当に申し訳ないのですが、私の記念にと愛さん承諾の元で愛さんの陰毛を剃らせていただきました。この陰毛は私の宝物として生涯持っています。あしからずご了承ください。愛さんには私が無理を言ってのことなので責めないでください。では失礼します。賢治』






と書いてあった。






手紙を読み終えると愛が下を向き、「あなた、あの・・・」と、言いにくそうにつぶやいた。






「愛には黙っていたが、私が賢治君に頼んでいたことなんだ。辛い思いをさせてすまなかった。今晩じっくりと見せてもらうから。それより、帰ってきたところで申し訳ないが、お腹が空いてしまって、何か作ってくれないか」






私がそう言うと愛は笑って台所に走っていった。



愛が立ち去った後、私はこれでよかったんだと胸を撫でた。



愛は満足してくれただろうか。



それは定かでない。



ひとつ言えることは、賢治君のおかげで私たち夫婦の絆が深くなったという事だ。






「ああ、いい、そこいい、いいわ。あなた、いい、ああ」






愛と賢治君が富士山の見える湖に旅行に行った時、愛の陰毛を賢治君に剃られてしまった。



その無毛の股間を私は今でも口や手、時には道具を使って愛と交わっている。



あの事故以来、夜の生活がなかった私たち夫婦に勇気をくれたのが賢治君だった。






あれから数ヶ月が過ぎた。



愛も徐々に賢治君のことを言わなくなり、今ではすっかり夫婦の話題に出なくなった。



そんな時、ひょっこりと賢治君が現れた。






「お元気でしたか、大木さん」



「やあ、久しぶりじゃないか、賢治君。元気だったかい?」






「ええ、おかげさまで、大木さんも元気そうで安心しました」



「ところで、急にどうした?」






「実は、今度、田舎に帰って親父の自動車の修理工場を手伝うことになったんです。田舎に帰るともうここへは来れなくなるし、挨拶にと思って」



「そうか、残念だがお父さんと一緒なら心強いじゃないか」






「ええ、それと田舎に帰って俺結婚するんです。前から付き合っていた彼女が田舎にいるんですが、今までは電話か手紙ばかりで・・・。でも大木さんと愛さんを見ていたら羨ましくなって」



「そうか、それはおめでとう。幸せになってくれよ」






「ありがとうございます。今日は愛さんは?」






健治君が部屋の奥や2階を見回していた。






「ああすまん、愛は今バレーボールに凝っていて、今日は練習に行っているんだよ」






「そうなんですか。愛さんの顔を見たかったけれど仕方ないです。もう来れないと思いますがよろしく言って下さい」






そう言って賢治君は帰っていった。



賢治君のうしろ姿には、愛に会えなかった寂しさがあった。



それから半時間もしない間に愛が帰ってきた。






「ただいま、何か変わったことなかった?」






「おかえり、何もなかったよ。今日はどうだった?」






私はあえて賢治君のことは言わなかった。



もう終わったことなのだ。






「うん、今、7ヶ月に入ったところだって。お腹の子供も順調だって」






「そうか、安心したよ。暑かっただろう、早く入って座って休んだら」






愛は額の汗を拭きながら、大きなお腹を抱えて部屋に入ってきた。



そう、愛は妊娠7ヶ月、今日は病院へ定期検査に行っていたのだ。