たいした話でもないが俺の経験だ。



俺がまだ学生の頃、友人というよりは知り合いの彼女とやったのよ。



友人は明らかに俺よりブサイクで、彼女は乙葉を20発殴った感じだった。






お似合いカップルは、当時女のいなかった俺に友達を紹介してくれた。



が、明らかに彼女より劣る豚を連れてきた知り合いに、軽くムカついてしまった。



まあ、そんな飲み会が盛り上がる訳もなく、他愛ない話をして終了する訳だが、その会の中盤、トイレ前で知り合いの彼女(M)とすれ違った時に、冗談ぽくかつ確信犯的に、「友達よりMさんの方がいいな」と言ったのが始まりだった。






で、その飲み会の後半は、Mがなんとなく俺を意識してるのが分かった。



断っておくが俺はイケメンって訳ではなく、知り合いよりはマシって程度だ。






んで知り合い(面倒だからNにする)が席を外した隙に、机の下の足をつついてみた。



Mは照れ笑いしただけだった。



こいつは落とせるな、と思った瞬間だった。






まあでもその時はそれで終わり、後日、Nと宅飲みして酔わせて潰し、Nの携帯からMの番号を盗んで白々しく電話した。



Nが俺の家で潰れてるから迎えに来いと。



潰れたNをMの車まで運びながらMに、「朝まで飲む約束だったのに飲み足りない」と呟くと、「私、お酒強くないけど、Nを送ったら付き合おうか?」と来た。



乙葉を20発殴った面とは言え、知り合いの女と二人で飲むシチュエーションと背徳感に燃えた俺は、「よければ来てね、まぁ一人で飲んでるよ」と告げて部屋に戻った。



んで、急いで散らかし放題の部屋を片付けてMの来るのを待ってた。



一時間もしないうちに、Nを送り届けたMが本当にやって来た。






「あら、F君の部屋、意外とさっぱりね」






そりゃそうだ、こっちは下心満載だ。



んで最初はさりげない会話をしながら徐々に距離を詰めてみた。



Mはダサいトレーナーにジーンズと褒める要素もないし、酒もちびちびで、酔わせるのも不可能だった。






「こないださぁ、『私の方がいい』って冗談言うから困ったよ^^;」






当然だ、30点と55点なら55点の方がいいに決まってる。






「いやぁ、Mさんのがタイプっつうか」






「ちょっとぉ、私、Nの彼女なんですけどぉ」






知ってるつーの、でなきゃお前など抱きたくもない。



ただ背徳心に興奮してるだけだつーの。






そして、どうせNと縁切れてもたいして問題は無い事と酔ってる事もあり・・・。






「Mさんってエロい?女ってエロい話あんまりしないようで、女同士だとするんだよね?」






無理やりエロ系に持ち込んでみた。



Mは困惑しながらも笑っているので思い切って隣に座ってみた。



抵抗はない。






「俺も彼女がいたらこうやって酒飲めるのにな~」






白々しく呟いてMの顔を覗くと、酒も手伝ってかちょっと哀れむような目で俺を見てきた。



俺は1センチ/秒くらいのスピードで顔を近づけ、キスしようとした。



すると・・・、ドラマでよくある様な感じで、寸前で顔を背けるM。






(おぃぉぃ、それは可愛い子の仕草だって!)






しかし拒否られると燃えるもので、Mの顎を掴むと強引にキスをした。






「ん・・・」






その後、Mが呟く。






「私たち、いけない事してるね・・・」






(カチーン!それも可愛い子の台詞だ!)






こんなのは誰でも使う技だろうが、Mの右側に座って左手でMの左手を掴み、脇腹で体を密着させてMの右手の自由を奪い、キスしながら胸を揉んでみた。



Mの胸はデカくはないのだが、トレーナーの上からでも弾力はすごく感じた。



柔らかいと言うよりは固めだな。



多少の抵抗もあったがトレーナーを脱がす。



お世辞にも勝負下着とは思えないブラだったが、その普通さ、今日こうなる事を予測してなかったMの抜けてる部分がおかしかった。



半ば強引にお腹の辺までブラを引き下げると、直径2センチくらいの乳輪で、色はピンクではないが濃くもない薄い紅色の乳首が登場した。



殴られまくった乙葉でも、体はイケるってタイプだな。



男として、胸という山を攻略してマンコという洞窟の攻略を試みない戦士はいないだろう。



当然俺も挑戦した。



まだ抵抗感のあるMに覆い被さりジーンズを脱がしにかかる。



と、ばたついたMの膝が俺の頬を直撃した。






「いって・・・」






「あ、ごめん大丈夫?」






おかしな事に先程までの状況を忘れ、素で会話してた。






「素直に脱がさせてくれたら良いのに、頬超いてー」






「私だって抵抗するって」






ちょっとクスクス笑いあってMを見ると、真顔で心配してくれてた。



思わずキスして、まじまじとMを見つめた。



さっきまでは20発殴られた乙葉に見えてたのに、急に5発殴られた乙葉に見えてきたんだな。



俺は素直に言ってみた。






「M、俺お前とやりたいよ」






「・・・」






Mは無言だったが笑ってた。



んでキスして電気を消すと、もう抵抗はなかった。



Mは特別に締りが良いとか声を出すとかもない、いわゆるマグロなのだが、事の最中にキスを求めてくるとこが可愛くて、Nともこんな風にしてるのかと思うと嫉妬してしまった。






Mが部屋に来たのが夜11時頃。



事が始まりだしたのが深夜2時頃。



まだ若かった俺は結局、窓の外が明るくなるまで何度もMを求めた。



休憩中に何度も、「Nと別れて俺の彼女になってくれ」と頼んだが、Mの答えは否ばかりだった。



そのNに対する気持ちに嫉妬してまたMを抱く、その繰り返しだった。






んで朝、Mが帰る時に、「今回の事はなかった事にしよう」と言われてしまった。



ついうなだれてしまって気付いた・・・。



いつの間にかMのドラマチックワールドに引きずり込まれて、俺までドラマしとるじゃないか・・・orz



背徳への興奮なんて本当になくなって、普通にMに惚れたんだな俺。






まあ、その後、Nに対しては気まずい気持ちと嫉妬が混じりながら友人付き合いしたが、今では疎遠になっちまった。



MはNと別れて卒業後は地元に帰った。



後にも先にも友人の彼女に手を出した事はそれ一回きりで、後悔なのか懺悔なのか、自分の気持ちは未だにわからねー。