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あっちゃんとワレメ~壱の回~









小学生五年の時、おれは見てしまった。















なにかというとワレメだ。















田舎だったということもあり、男女混合での水着の着替えがあった。




もちろんまだ昔だったせいもある。今じゃ考えられないのかもしれない。















おれが最初に見た子ははっきり言えばブスの子だった。




顔は間抜けなピ○タ○ラビットみたいな感じ。




ただ乳はまあまあ大きかった。




残念ながら乳は見れなかったが、ワレメは見えた。




タオルの隙間からだ。動いた時に見えたのだ。















男兄弟しかいない俺には衝撃的だった。















(お尻が前にある……)















冗談ではなく、本当にそう思った。




ウンコも前から出ると思った。















放課後、図書室で調べてワレメの存在を知った。















その夏、おれは覚醒した。




できるだけ多くのワレメを見ようと決めたのだ。




女子は計十二人。すでに一人はクリアしている。















しかし計画はすぐ頓挫した。




台風が来たのだ。プールは中止。




体育館での運動が主になり、正直へこんだ。















そんな時、声をかけて来た子がいた。















「最近元気ないなぁ?」















「ああ、なんでもねぇよ」















そう言いながら、おれはその子のブルマを見ていた。




その子は名をあっちゃんと言った。




クラスのマドンナ的な子でルックスもピカイチ。




顔は最近だと筧美和子といったところ。




目が大きく鼻の小さい茶目っ気のある子だった。















「なあ、バスケやらへん? 一人足りひんから」















「いいけど、おれ下手って知ってるやん」















「でも人数おらん方がきついわ。立ってるだけでもええよ」















「それ運動になるん?」















なる、とあっちゃんは笑顔で言った。




あまりに眩しい笑顔におれは完全に惚れてしまった。




同時に思った。ワレメが見たい、と。















一週間後、プールの日が来た。




おれは窓際の自分の席にプールの準備を早々と出し、速攻で着替えた。




なぜ早くしたかというと、もちろん観察のためだ。




自分が着替えながら他を見るのは危険だ。




下手すれば自分がポコチンを出してしまうリスクもある。















「お前、新記録ちゃう?」















なんて周りに笑われながら、おれはあっちゃんの方を見た。















あっちゃんは廊下側の真ん中の席にいる。そこが彼女の指定席だ。




つまり、自分のところからはかなり遠い。




おれは自分の目に望遠機能がないことを恨みつつ、さりげなく彼女を見る。















あっちゃんは肩から膝上まであるタオルをすっぽりと被っていた。




できることなら、それをひっくり返しておっぱいも見たかった。




グッと堪えながら、観察を続ける。















その時、チャンスが来た。




あっちゃんがパンツを脱いだのだ。




白地で前にピンクのリボンのついた正統派パンティー。




真剣な顔で机に隠す姿も愛らしい。















おれは席を立った。




さりげなく廊下の方へ歩き出す。















あっちゃんは真剣だ。




下を向いて、隠しながら水着をがんばって着ようとしている。




おれはジッと彼女の股を睨んだ。















結果として、見えなかった。




悔しい。ダメなら他の女子のものにすればよかった。




そう思いながら、プールを過ごした。















しかしプールが終わり、気付いた。















(っていうか、着替えがもう一回あるじゃん)















水着を着る、ということは脱ぐという行為もしなくてはいけない。




それに気付いて、おれは高まった。




しかも脱ぐ方が見える確率は高い。




なぜなら水着が体に張り付くため、脱ぐのに力がいるからだ。




つまり、その分だけ身体をくねらせるため、タオルが乱れる。




その隙を狙えばいい。すばらしい、と自分を褒めた。















おれは光の速さで着替えを終え、タオルを被った。




髪を拭くフリだ。これで自分の視界を相手に悟られない。















おれはあっちゃんの股に視線を落とした。




彼女はとても脱ぎづらそうに身体をくねらせる。




案の定だ。タオルが揺れている。















(もうちょっとなのに……)















その時、最悪なことが起きた。















あの間抜けなピ○タ○ラビット似のブスが彼女に声をかけたのだ。




しかもおれの視線を遮った。悪夢だ。




堪らずおれは立ち上がり、廊下の方へ歩き始めた。















バレないように、とおれは廊下側入口近くの時間割を眺めた。




その間、チラチラとあっちゃんを見つめる。




タオルを胸上から膝下まで被り、ブスと話し込んでいる。















(最悪だ。あっちゃんもきっとそう思っているに違いない)















意を決して、おれは二人の間を無理矢理通ってみた。















「ごめんね。ちょっと通るよ~」















もちろん用事はない。




ただブスがむかついただけだ。















しかし意外なことが起きた。




あっちゃんが声をかけてきた。















「なあ、ちょっと待って」















「なんだよ?」















正直ドキッとした。バレたかと思った。




が、様子が少し違うようだ。















「あんなぁ。ここに立っててくれへん?」















「ま……また? 今はバスケちゃうで?」















「わかってるわ。男子に見られたないねん」















「いや、おれも男子やから」















「ええの、キミは」















そのキミという他人行儀ながら違うと言われた感覚。




おれは半勃起しながら彼女の前に立った。















あっちゃんは時計をチラ見し、着替えを始めた。




おれも時計を見た。あと二分で次の授業だ。















ブスはあっちゃんに背を向け、彼女を守っていた。




案外、良い奴。顔はきらいだが。




一方、おれは半分思考が停止していたせいか、あっちゃんの方を見ていた。















その時、あっちゃんが前かがみになった。















(……あっ!)















おれは息を?んだ。




たるんだタオルの隙間から乳首、それからヘソが見えたのだ。




もちろんおっぱいはぺったんこ。お腹と変わらない。















しかし乳首はどうだ。綺麗な桃色だ。




コンビニでこっそり立ち読みしたエロ本に載っている成人女性のものとは違う。




若くまだ幼い乳首だ。すごい、とおれは唸った。















あっちゃんが顔を上げる瞬間、おれも顔を上げた。




また時間割の方を見つめ、心の中でジャンプした。















放課後、抑えきれない衝動を堪えながら帰宅の準備をしていた。




すると、あっちゃんが声をかけてきた。















「なあ、一緒に帰ろうよ」















ああ、とおれは曖昧な返事をした。




正直、恥ずかしかった。いつもなら別に問題なかった。




しかしおれは見てしまったのだ。彼女の裸身を(ワレメはダメだったけど)。















「なあ、どうしたん?」















「……あ……ああ、ええよ。帰ろっか」















「うん!」















いい笑顔だった。




おれは半分意識を飛ばしながら、校舎を出た。




校門を出て、数分は黙っていた。




最初に口を開いたのは、あっちゃんの方だった。















「……さっきはありがとな」















「え? なにを?」















「さっきうちの壁になってくれたでしょ?」















その言葉におれは黙った。




やべっ、と心でつぶやいた。















「ああ……ははは。まあ、言われた通りしただけや」















「でもな」















「うん」















「キミもうちのことを見とったよね?」















おれは声を失った。喉が締められた気分だ。




んがっ、と訳のわからない言葉を吐いた……気がする。















「……あ……ええーっと……」















「見とった?」















おれはうつむいて徐々に速度を上げた。




逃げたかった。怖かったのだ。















しかし、あっちゃんはすぐランドセルをつかんできた。




おれは引っ張られ、そのまま乾き切った側溝に足を突っ込んだ。















「やっぱり見とったの?」















「ご……ごめん……だって、見えちゃったんだよ」















「なにが?」















「ち……乳首? それとヘソ」















乳首、という言葉は少し刺激的過ぎたかもしれない。




あっちゃんは顔を真っ赤にして、側溝に沈むおれを蹴った。




さらに持っていた水着入れで頭まで叩いてきた。















(嫌われたな……)















そう思ったが、あっちゃんは顔を真っ赤にしながら吹き出した。















「え? なんだよ?」















「乳首ってなんやねん。ホンマ最低やね、キミ」















「……いや、たまたまやん。悪気はないっちゅーか。むしろあっちゃんが呼んだんじゃん」















「ああ、笑ろけてきたわ。ホンマ男子ってアホやね」















「うう……ごめん」















「ええよ」















「本当はめっちゃ怒ってるでしょ?」















「怒ってへんよ。だって……」















そう言って、あっちゃんは手を伸ばしてきた。




側溝に落ちたおれはその手をつかんだ。




そのまま歩道へ助けられた。















しかしそれだけじゃ終わらない。




こっちが、ありがとう、と言う間もなく彼女はさらに手を強く引っ張ってきた。















おれはそのままあっちゃんに抱きつく形になった。




それでもあっちゃんは笑っていた。















「お……おい!」















「うちな、前から好きなんや。キミのこと」















「はぁ?」















おれは自分の頬が熱くなるのを感じた。




しかしあっちゃんの力は強く、本当に好きなんだと全身で感じた。


























弐の回に続く。















執筆:maco










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