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酔った勢いで先輩とSEX、そして・・・








607 えっちな21禁さん 2005/10/12(水) 16:56:50 ID:d4qF4ozK0

高一の今ぐらいの時期か、もう少し後だったかよく覚えてないが、

当時もいきなり寒くなって、今と同じように鼻声で学校から帰るときの話し。

昔と今が同じ状況なので、ちょっと懐かしくなって書いてみようかと思う。













608 607 sage New! 2005/10/12(水) 17:05:27 ID:d4qF4ozK0

クラスの役員(文化委員)だった俺は、その日文化祭のことで放課後に会議があったので、

ルーム長(因みに男)と一緒にミーティングルームで、各クラスの代表と話し合い(ってゆーか伝達事項?)をした。

正直言って超つまらんかったよ。生徒会長はシャバ僧だし、他の役員もみんなそんな感じ。

しかし、係りのため俺は絶対に出席しなきゃいけなかったし、なにより自分のバンドが出演(審査によって選考)

できるかどうかの瀬戸際にいたからね。まぁ~結果的には出演できたけど。

まっそんな話はどうでもいいんだけど。

当時は今と違って、土曜日も学校があった。会議は土曜の午後にやってたんだよね。







610 607 sage New! 2005/10/12(水) 17:12:52 ID:d4qF4ozK0

その超つまらん会議は、延々と続くのかと思うぐらいの長丁場だったよ。

去年の反省から始まり、各クラスの催しの希望、その準備期間はこれぐらいとか、あまり遅くまで作業をしないだとか。

あのねっ!?もう小学生じゃないんだからその辺は自主性に任せるでいいんじゃね?

って言いたかったけど、そんなこと今年初めて文化祭に参加する一年坊が言えるわけがない。

仕方ないので途中からzzzましたね。

夢心地の中誰かが俺の体を揺さぶるんだよね。んだよっ!?って感じで超不機嫌に目を覚ますと

そこには可愛い副生徒会長がいるわけもなく、天パの我がクラスの委員長が睨んでました。





611 607 sage New! 2005/10/12(水) 17:18:27 ID:d4qF4ozK0

周りを見回すと、会長を始め皆様の冷た~い視線が。。。

俺はその場を取り繕うべく、意味もなく軽く会釈をした。

どうやら会議は終わりのようだ。最後の締めの段階で俺は起こされたらしい。

っておいっ!外真っ暗じゃねぇ~かよ!しかも俺、顔の寝跡ついてんじゃなぇ~かよっ!

お前らいったい何時間話し合いしてたんだよ?って突っ込みたくなったけど、

「お前こそ何時間寝てたんだよ!?」って返されると思って無言でした。

どんな話し合いしたのかなんて全く興味ないし、天パの委員長が聞いてるからいいだろって感じで部屋をあとにした。





612 607 sage New! 2005/10/12(水) 17:24:38 ID:d4qF4ozK0

田舎にある学校で、駅から学校までは徒歩で15~20分ぐらいかかる。

また、都会と違って電車の本数がかな~り少ない。この時間帯は1時間に一本しかない上に更に、俺の乗り降りする駅は単線。

30分後に電車があるが、その電車は俺の降りる駅の2個手前までしかいかない。

その駅で降りても1人じゃすることないし、俺は更に30分後の電車に乗ろしか選択肢はない。

普通駅前って言うと、何かしらあって(本屋とか)時間をつぶすことができるけど、

先にも言ったけどなにせ田舎。駅前にあるのはパチンコ屋と床屋、それに食堂ぐらいしかない。

ぶらぶら歩いてもしょうがないので俺はホームのベンチに座って待つことにした。





613 607 sage New! 2005/10/12(水) 17:31:27 ID:d4qF4ozK0

15分ぐらいたったかな?なにやら改札口で声がしてきた。

俺は「もしかして、知ってる奴がきたのか?」って感じで、退屈で○にそうな現状が打破できると思って

期待を込めて、改札口を凝視した。しかし、現れたのは全く知らない人達だった。しかも女。

ガッカリしながら腕を組み、寝の体制へと入った(まだ寝るんかいっ!?って感じ?)。

改札を抜け、階段を渡りながらその女(先輩2人)が近づいてくるにつれ、声もよく聞こえだした。

何度か見たことのある先輩だったが、名前などは知らない。





614 607 sage New! 2005/10/12(水) 17:32:10 ID:d4qF4ozK0

続きは明日書きます。





630 607 sage New! 2005/10/17(月) 10:51:24 ID:ksjC2yGL0

2人の先輩はホームへの階段を下りながら話しをしていたが

俺に気づいたのか少し声のトーンを落として話しを続けていた。

少し離れたベンチに座った二人の先輩。

一人は色が白くて美人系(薄幸の美人とはまさにこの人に為にある言葉だと思った)。

もう一人はちょっと地黒な先輩。こっちは目が大きく安達裕美に似ている。

ベンチに座っているのも飽きたので、俺はタバコを吸うために階段の裏側に移動した。

普段は帰り道の途中の原っぱで吸うんだけど、今日は仲間もいないし寄り道しないで駅へときた。

ホームで吸うのはこれで2度目。しかし緊張する。いくら○角になるとは言えちょっとドキドキしていたが

どうしても我慢できなかったことと、二人の先輩から遠ざかりたかったので覚悟を決めスモーク。





631 607 sage New! 2005/10/17(月) 11:01:25 ID:ksjC2yGL0

一本目を吸い終わり、ぼーっとすること10分。

新しいタバコに火を点け2,3回吸ってたな?

「こらっ!」背後から突然声をかけられた。

超びっくりしたよ!心の臓が止まるかと思った!

人間本当に恐ろしい目にあった時って動けないもんだよ。

本当は走って逃げたかったんだけど、体が全く動かなかった。

あぁ~停学だぁ~(二度目の)と心臓をバックンボックン言わせながら尚もフリーズ状態な俺。

「ちょっとぉ~?なんでなんの反応もないのぉ~?つまんないの」

とちょっとすねた感じの女の人の声が。学校の先生?それともおせっかいな近所の人?

少し落ち着きを取り戻した俺は、顔さえ見られてなければ逃げることも可能とまだ振り向かずにいた。

以前、一回逃げことがあったから。

「ねぇ~ねぇ~?君、聞こえてる?君うちの学校の1年の子だよね?」

うちの学校の子?もしかしてさっきの先輩?







632 607 sage New! 2005/10/17(月) 11:11:44 ID:ksjC2yGL0

「う”えっ?」

のどがカラカラでうまくしゃべれなくちょっと裏声で振り向きもせずに返事をしてしまった。

「あははぁ~。声裏返ってるよ~。なんかおかしんだけど」

「・・・(照れ)」

俺の後ろのあった気配が横へ移動したかと思うと、目の前に見慣れたスカートが。

あぁ~よかったぁ~先生じゃないよぉ~。

そう思った俺はそろそろと立ち上がりそのスカートの主の顔を見た。

やっぱりさっきの先輩だ。しかも安達裕美の方。

今後、こっちの先輩は裕美、色白美人は由香って名前にします。もちろん仮名。

なんでそうしたのか分からないが俺は軽く会釈をした(やっぱ先輩だから?)。

「ねぇ~君?同じ学校だよね?」裕美が聞いた。

「あっはい・・・」

「ここで吸ってると危ないよぉ?」

「あっはい・・・」って俺そんな返事ばっかだよ。







633 607 sage New! 2005/10/17(月) 11:21:17 ID:ksjC2yGL0

「ねぇ君、まだタバコ持ってる?」

「・・・?」なんでそんな質問するのか相手の意図がよく分からなくて俺は無言。

「持ってたら二本欲しいんだけど?」

二本?えっ!?なに、もしかしてこの先輩達も吸うの?

いや、この地黒の先輩は吸っててもおかしくはないが、薄幸の美人の先輩も吸うの!?

えっ!?マジで!?なんかイメージ崩れるんですけど?

と勝手に妄想を膨らませてた俺はちょっとガッカリしながら、ポケットに入っている

タバコの箱を取り出し、中を確認した。まだ、7,8本あるな。

「あっはい、まだあるんでいいですよ」

そういいながらタバコを箱を差し出し、少し揺らしてタバコを箱から飛び出させた。

「ごめんね、ありがとう」そういいながら、裕美はタバコを二本取り出した。

この先輩達はどこで吸うのかな~って考えていると、その場で火をつけ吸い始めた。





634 607 sage New! 2005/10/17(月) 11:31:03 ID:ksjC2yGL0

どうしていいのかわからない俺は、その場にアホみたいにぼーっと立っていた。

そうすると裕美が言った。

「ちょっと君、なんで立ってるの?目立つからしゃがんでよ」

「あっはい・・・」

相変わらずな返事をしながら俺はその場にしゃがんだ。

何をしていいのか分からない俺は、周りをきょろきょろ見回すことしかできなかった。

「ねぇ~今日はなんでこんなに遅いの?」裕美が突然聞いてきた。

「あっいや~あの~、文化祭の役員会があって・・・」

「あっそうなんだ?君役員なの?」

「あっはい」

「ふぅ~ん、今日は一人で寂しいね?」

「えっ?」一人って?この先輩俺のこと知ってるの?

「だって、君たちいっつも大勢でつるんでるじゃん?」

「先輩、俺たちのこと知ってるんですか?」

「知ってるも何も、あんな大勢で行動してたら誰でも知ってるって!」





636 607 sage New! 2005/10/17(月) 11:43:16 ID:ksjC2yGL0

「あっ、はぁ~」俺の返事にもちょっと変化が出てきた、一字だけどね。。。

「はっきり言って君たちちょっと怖いよ。」

自分たちでは意識してなかったけど、そう言われればそうだよな。

常時10人ぐらいで登下校してた。周りから見れば確かに威圧感があるよな。

一年の中では俺たちのグループが、一番目立ってたし、勢力的にも一番大きかったし。

後に、2年生グループにしめられた。反撃がないと思って2年には好き勝手やられたよ)

ここまでの会話はすべて俺と裕美の会話である。

由香はその間、一切会話に参加してこない。

あぁ~なんて奥ゆかしいんだろ。ますますポイントアップですよ。

そんな話しをしているうちに、タバコを吸い終わった。

どうせ暇だし、もう少し話したいと思っていたがどう会話を切り出せばいいのか分からない。

どうしよう?あせりまくる俺の心情を察してるのか、先輩達もその場から動かない。







637 607 sage New! 2005/10/17(月) 11:44:00 ID:ksjC2yGL0

>>635

サンクス。

やっぱ私怨があるといいよなぁ~。がんばって書くから。





639 607 sage New! 2005/10/17(月) 12:04:00 ID:ksjC2yGL0

「えっ?俺たち怖いっすか?」

「十分怖いよぉ~。ねぇ~由香?」

「そうね」由香さんの声初めて聞きましたぁ~。顔に似合わずハスキーです。

正直いって超ど真ん中です。顔、スタイルが好みなうえ声までも超好み。

俺ハスキーな声、超大好きなんですよ。あぁ~由香さん結婚してください。

ってこれでもまだ言い足りないぐらいの衝撃が走った。

実際、この声聞いたとき背筋がぞくぞくしてちょっと小刻みに震えたもん。

「そんなんじゃ、女の子も寄ってこないよ?」

「そうじゃなくても寄ってこないっすよ」俺は裕美の返事にちょっとすねたように返事をした。

「あれ?君、彼女いないの?」

「いまいっすよ。少し前に振られました・・・」振られたときは号泣したねぇ~。

「あはは。そうなんだ?可哀想にねぇ~」ってちっともそう思ってない口調で裕美が言った。





640 607 sage New! 2005/10/17(月) 12:09:57 ID:ksjC2yGL0

「いや、先輩笑い事じゃないっすよ。俺ホント超悲しかったんすよ」

そういいながら俺は、タバコを取り出した。自分ひとりで吸うわけにもいかないので

俺は箱を先輩方の方に差し出した。

「えっ?いいの?なんか悪いね」そういいながら裕美がタバコを1本取り出した。

「ありがとう」ちょっと笑いながら由香さんもタバコを取った。

由香さん超かわえぇ~!調子に乗った俺は火をつけようとライターを差し出した。

裕美は「おっ!サンキュー」って感じで火をつけたが、由香さんは

「自分のがあるから」って自分のライターで火をつけた。がっくりですよ・・・









642 607 sage New! 2005/10/17(月) 12:24:42 ID:ksjC2yGL0

「なんで振られちゃったの?エッチなことでもしようとしたの?」

少し慣れたきたのか、くだけた質問を浴びせる裕美。

「ちっ違いますよ!そんなんじゃないっすよ!」

「分かった、分かった。そんなにムキになることないじゃん。かえって怪しいぞ?」

「先輩、ホント勘弁してくださいよ。そんなんじゃないでっすよ」

「じゃなんでよ?」

「いや・・・ちょっと・・・」かっこ悪くて理由はいいたくなかった俺は言いよどんだ。

「言えないってことは、やっぱそうなんじゃないの?」

「いや、ホントそれは違いますよ」ちっ、やけにしつこいな。

「じゃ、いっちゃいな」

「いや、先輩、その『じゃ』ってのが意味わからないんすけど」

「あはは~。そんなの気にしない気にしない」





644 607 sage New! 2005/10/17(月) 12:52:10 ID:ksjC2yGL0

「ちょっと、裕美もう止めなさいよ?後輩君困ってるじゃない。ごめんね?」

由香さんがこっちを見ながら言った。

キャッホー。ぜんぜん迷惑じゃないっすよ。由香さんが知りたいならなんでも答えますよ。

と心の中でつぶやく俺。

「由香ってばお気に入りには甘いよねぇ~?」裕美は由香の方を意味ありげに見た。

なぬっ!?お気に入り?

1000km離れた場所での会話でも聞き取れるよう俺は耳に全神経を集中させた。

「ちょっと~裕美~?後輩君本気にしちゃうじゃんねぇ~?」

がっくり・・・耳に集中していた神経はちりぢりになり、元の場所に一目散に戻っていった。

やっぱそうだよね、人生そんなに甘くないよね。。。





645 607 sage New! 2005/10/17(月) 13:00:28 ID:ksjC2yGL0

裕美は由香さんに向かってなにか言いたそうであったが、由香さんの目をみてそれ以上は何も言わなかった。

少し場がしらけた。一気にテンションが下がった気がした。

ほんの少し間を置き、裕美が言った。

「ところで君、名前なんていうの?」

「あっ、○○っす」

「いや、苗字だけじゃなくてフルネームで」

「○○ヒロユキ」

「だからヒロって呼ばれてるんだ?」

「えっ!?なんで知ってるんすか?」

「みんなでいつもバカ騒ぎしてるじゃん?それぐらい耳に入ってくるよ。

ようやく君・・・じゃなくて、ヒロ君の名前が分かったよ」

ヒロ君て呼ばれてドキッとした。女性に名前で呼ばれることなんて、彼女以外にいなかったから。

しかも同じ学校とは言え、今日始めて言葉を交わした先輩にそう呼ばれていい意味でショックを受けたよ。

かんか新鮮な感じがして、少しくすぐったかった。









646 607 sage New! 2005/10/17(月) 13:08:23 ID:ksjC2yGL0

「ちょっと、君、じゃなくてヒロ君待ってて?ねぇ由香?」

裕美は由香さんに声をかけ、俺から少し離れたところに移動してなにやら手帳を見ながら話しをしている。

そのうち由香さんが改札を抜け、外へといってしまった。

あぁ~由香さんいずこへ?ちょっとがっかりしながら俺は裕美に聞いた。

「どこいったんですか?」

「ちょっと電話しにね」

「あっそうっすか」ほっと胸をなでおろす。

「なに、帰ったかと思った?」この女は読心術を心得ているエスパーか?

「いえ、別に」

「正直言えよこのぉ~。」軽く肘鉄をしてくる裕美。





648 607 sage New! 2005/10/17(月) 13:21:16 ID:ksjC2yGL0

「イタっ。なにすんですか?」大して痛くもないのに条件反射。

「だから正直言えよってこと。由香のこといいと思ってるんだろ?」

「いや、別・・・に・・・」じどろもどろになる俺。白状してるも同じジャン。

あたふたしながら、もしかしてこの先輩が恋のエンジェルになって橋渡ししてくれるの?

って考えがちらっと頭をよぎった。もう一突っ込みしてこい。その時に俺の胸の内を言おう。

そう思って裕美の次の言葉と待っていた。

鼻息を荒くして待っていると由香さんが改札を抜けてきた。一気にクールダウン。

「どうだった?」裕美が由香さんに聞いた。

「うん、大丈夫だったよ」

一人意味が分からない俺は聞いた。

「えっ?なにが大丈夫だったんですか?」

「由香、今日バイトがあったんだよ。それを変わってもらうのが」

「あっそうなんすか。何か用事でもあるんすか?」

「う~ん、まぁ~用事というかね」





649 607 sage New! 2005/10/17(月) 13:31:53 ID:ksjC2yGL0

まっ別に俺には関係ないからどうでもいいだけどね。

そう思ってそろそろベンチに戻ろうと、立ち上がると裕美が言ってきた。

「ヒロ君はこのあと用事あるの?」

「いや、別に。家に帰るだけですよ」

この時なんでこんな質問するんだろ?ってことになんの疑問を感じてない俺は即答した。

「ちょっと私たちに付き合って欲しいんだけど?いい?」

はっ!?付き合って欲しいってなに?

「えっ!?」

「えっ!?ってなによ?用事ないんでしょ?」

「いや、ないっすけど、付き合うってどこにですか?」

「いいからいいから、ちょっと一緒に来て欲しいの」

「えっ?いや、いいからじゃなくて、どこ行くんすか?」ちょっと不安になった俺は聞いた。

「変なとこに連れて行くんじゃないから安心してよ」

そんなこと言われても安心なんてできんよ。学校の先生に知らない人に付いて言っちゃだめって言われてるし。









651 607 sage New! 2005/10/17(月) 13:38:02 ID:ksjC2yGL0

少し言葉を変えて俺は言った。

「いや、お母さんに知らない人についていっちゃダメって言われてるんで」

ちょっとウケを狙って言ってみた。一瞬間をおき裕美が吹き出した。

「ぷっ!あははっは~、君は面白いなぁ~」

由香さんの方を見ると、由香さんもくすくすと笑っている。

あ~ん由香さぁ~ん、どこへでもついていきますよ~。

予想以上のウケにちょっと照れちゃったよ。







652 607 sage New! 2005/10/17(月) 13:46:27 ID:ksjC2yGL0

>>650 thx



笑いが少しおさまった裕美が言った。

「ホント、怪しいとこじゃないから安心してよ。可愛い後輩を騙すようなことはしないよ。私たちを信じてよ?」

あんた一人なら信じないが、由香さんもいることだしまっいっかと思って返事をした。

「ホント、やばくないすっよね?信じていいんですよね?」

「大丈夫、大丈夫。君は何を心配してるんだい?」

「いや、実はおっかない先輩の呼び出しじゃないかと・・・」

「君、発想が面白いね?そうだとしてもこんな手の込んだことする?」

「いや・・・どうでしょう?・・・」

「ちょっと~、由香からもなにか言ってよ?さっきから私ばっかじゃん」

俺と裕美の視線が由香のほうに向いた。

「ホント心配することないよ。安心していいよ」

はぁ~い、由香さんがそう言うので間違いないでしょ~。

「あ、はぁ~」思ってることと態度が裏腹な16歳の俺。





653 607 sage New! 2005/10/17(月) 13:55:40 ID:ksjC2yGL0

裕美が「なにその態度の違いはっ!?」って感じで俺の方を見た。

「すません」って意味を込めて俺は少し頭を下げた。

途中経過・・・(略)

俺がいつも降りている駅より二つ手前の駅で3人は電車を降りた。

少しは拓けている駅前である。デパートが駅の東西にある。

(これで拓けてるって表現する自分の田舎根性がいやです。。。)

先輩達が先を歩き、遅れないようにその後を子犬のようにつけていく俺。

由香さんって細いよなぁ~。後ろから視姦しながら思った。

裕美も細いほうだが、由香さんと並ぶとガタイがよく見える。

贅沢を言うと、由香さんもう少しお尻が大きいほうがいいかなと思った。

駅前のロータリーの中の一つの停留場の前で先輩方が止まった。

「このバスに乗るから」

「あっはい」

バスで移動?マジでどこ行くの?





654 607 sage New! 2005/10/17(月) 13:56:40 ID:ksjC2yGL0

ちょっと30分ぐらい席を外します。





656 607 sage New! 2005/10/17(月) 14:49:13 ID:KP2yiLVO0

さすがにもう我慢できない。行き先が分からないといくら由香さんの言葉とはいえ不安。

「先輩、マジでどこ行くんすか?やっぱ俺不安なんすけど?」

裕美は由香さんのほうをちらっと見た。てっきり裕美が答えると思っていたら由香さんが答えた。

「私んちだよ」

「?????」

はっ!?今なんて言った?私んち?あたしんちじゃなくて?

ってそれは漫画だろ。しかも当時そんな漫画ないし。

なんで由香さんの家へ?ははぁ~ん、ピーンときましたよ俺は。

ずばり着替えですな。これからどっかに行くのに制服じゃまずいと。

それで順番に着替えていくわけですな。ふむふむ。一人的外れな納得をする俺。

「家っすか?着替えか何かですか?」

「違うよ。まっそれもあるかな」由香さんが答えた。

それも?『も』ってなに?他にも目的があるから『も』だよな。

お頭の弱い俺でもその言葉の意味は分かった。





658 607 sage New! 2005/10/17(月) 15:04:44 ID:KP2yiLVO0

そんな感じで10数分。

「次で降りるからね」バスは結構込んでる。お互いが引っ付きあってる中、裕美が言った。

他の乗客をかき分けるようにバスの降り口へと向かう3人。

いくらかと思い、ポッケを探りながら料金表示と整理券を見比べていると裕美が言った。

「いいよ、私たちが(乗車賃)出すから」

古い考え方の俺は、女性にお金を出してもらうことに抵抗があったので

「いや、自分で出しますからいっすよ」と言った。

「いいから、遠慮しないの」と言いつつ二人は、前へと進んでき俺の分の料金も投入した。

なんか納得できん。そう思っても今はどうすることもできない。

俺は整理券だけを投入口に投げ込んだ。

「ふぅ~」軽く息を吐く裕美。

俺は小銭を握り締めたまま、裕美の方へと近づき手を差し出した。

なに?って感じで裕美が俺の方を見た。

「バス代」ちょっとぶっきらぼうに俺は言った。





659 607 sage New! 2005/10/17(月) 15:11:59 ID:KP2yiLVO0

「だからいいって」

「いや、そういうわけにいかないっすから」

「無理に付き合ってもらってるんだもん、それぐらい私たちが出すよ」

「いや、でも、いくらそうでも女に金ださせるわけにいかないっすから」

「君は意外に硬いんだねぇ~。真面目なの?んなわけないか。タバコとか吸ってるしね」

「真面目とかそういんうんじゃないっすよ。いくら先輩とはいえ女に金を出させるわけにいかないっすよ。

そんなことしてたらお父さんに怒られますから」じゃっかんウケ狙いで俺はいった。

「きゃ~あっはは~!今度はお父さんなのっ!?一家総出ね。やっぱ君はおもろいよ」

えへへ、ちょっとうけた。

「そっかそっか。じゃ君がお父さんに怒られても困るから、バス代はもらっておくか」

裕美がすんなり折れてくれたので、場の雰囲気を乱すことなくその場はおさまった。

由香さんもさっきより笑ってくれてるし。







661 607 sage New! 2005/10/17(月) 15:20:27 ID:KP2yiLVO0

停留場(今もそう言うの?今はバスストップとかって言うのかな?)から由香さんの家までは

結構な距離があった。しかも由香さんちは高台にあったので坂道を登らなくてはいけなかった。

さっきと同じように子犬のように二人の後をついていく俺。

今度は裕美を視姦だ。裕美は足がきれい。細くもなく太くもなくちょうどいい太さ。

しかも少し地黒なので健康そうに見える。由香さんが色白なので余計そう見えた。

今と違ってスカートが短くないので、膝から上は見えない。

しかも別に俺は足フェチじゃないのですぐに飽きた。

視姦も飽きた俺は周りの風景を見回しながら歩いていた。

周りを見回すと結構大きな家が多い、しかもみんな新しく見える。俺ち(社宅)とは大違いだ。







663 607 sage New! 2005/10/17(月) 15:49:00 ID:KP2yiLVO0

そんな感じで、自分の父親の改称のなさを悲観しつつ歩くこと数分。

やっと目的地の由香さん宅へと到着。

道路から10段ぐらいある階段を二人は上っていった。

真下にいるとスカートの中が見えるかも?と思ったがばれたら恥ずかしいので少し離れたところで

ご主人様を待つハチ公のごとく待つ準備をする俺。

「ちょっと、なにしてるの?」裕美が言った。

「えっ?なにって?先輩達着替えるんでしょ?」

「だからなに?」心外そうに裕美が言った。

「いや、だからここで待ってますよ」

「確かに着替えはするけど、どこにも行かないよ?」

はっ?ごめんなさい。お馬鹿な俺はあなたの言ってる意味がわかりましぇ~ん。

「???」アホみたいにぼーっとしている俺に裕美が言った。

「だから今日は、由香んちで語るんだよ」

はっ!?由香さんちで語る?えっ!?なんか事情が飲み込めないんですけど。

語るってなんですか?なにを語るんですか?見ず知らずでもないが、今日始めて言葉を交わしたあなた達と。







664 607 sage New! 2005/10/17(月) 15:57:03 ID:KP2yiLVO0

「・・・」固まる俺に由香さんが言った。

「今日(も)、うち誰もいないんだよね。遠慮することないよ。あがってよ」

裕美が笑顔を振りまきながら手招きをする。

おい、おい大丈夫かよ?なんかおかしくないか?いくら同じ学校とは言え初対面の男を家に誘うか?

今ならキャッチセールスとかねずみ講って疑うだろうけど、昔はそんなのなかった。

いや、あったかもしれないが俺の住んでいる地方にはそんなのはなかった(はず)。

ちょっと不安に思ったけど、バス代を払ってここまで来たんだし、女二人になら勝つ自信もあったので

俺は覚悟を決め階段を上っていった。ちらっと上を見ると裕美のスカートの中が見えた。

って言っても膝の少し上が見えただけだけどね。それでもちょっとドキッとしたね。





666 607 sage New! 2005/10/17(月) 16:08:12 ID:KP2yiLVO0

玄関を抜け(いい匂いがした)、二階にある由香さんの部屋へと。

ってゆーか由香さんちデカッ!玄関も普通の家の2倍ぐらいはあった。しかも吹き抜け。

俺の友達(っていってもお宅訪問したこのとなる友達)はみんな社宅だったし、持ち家の友達も一人か二人いたけど

みんな普通の広さの玄関だったから、由香さんちの玄関の広さにはびっくりしたね。

二階へと行く階段も、一つ一つの階段の高さが低い。それだけに階段としての距離が結構長くゆったりとしている。

階段を上りきると脇に大きな花柄の壷(花瓶かな?)があって、ドラマに出てくるハイソな家みたいだった。

ちらっと見る限り、二階には部屋が4室か5室ある模様。

一番奥から二番目が由香さんの部屋らしい。まず由香さんが入って電気のスイッチを入れた。

蛍光灯と裸電球しか知らなかった俺はまたもやカルチャーショックっす。

部屋の真ん中に馬鹿でかいシーリングライトがあって、部屋の四隅と真ん中に埋め込み式の電球(?)があった。

はい?ここって個人の家ですか?ってぐらいショックを受けたね。





667 607 sage New! 2005/10/17(月) 16:18:24 ID:KP2yiLVO0

それと一番目立つのはこれまた馬鹿でかいベッドっす。

今でこそ(ラブホで)見慣れたキングサイズのベッドがどかんと鎮座していますよ。

しかもすぐ寝れる様にちょっとまくられてます。

普通、人を部屋に招待するとき「ちょっと、ちらかってるから待っててね」ってはにかみながら言うジョノカがいて、

「別に気にするなよ」って強引に部屋に入ろうと男との間で萌え~なドラマが繰り広げられるもんだが、

そのドラマは由香さんには当てはまらない。だってぜんぜんきれいなんだもん。

きれいって言うか、生活感がない。そりゃ高校生の女のらしい部屋ですよ。

定番のぬいぐるみはあります。ベッドに2,3匹、部屋のコーナーのいすの上にも1,2匹います。

でもなんか違うんだよねぇ~。どっかのモデルルームみたいな感じだね。





668 607 sage New! 2005/10/17(月) 16:28:36 ID:KP2yiLVO0

裕美は慣れたものでキングサイズのベッドへとダイブです。

それに続けと俺もダイブ。

なんてできるわけもなく、部屋の入り口でまたもやぼーっと。

「何してんのよ?座りなよ」自分ちでもないのに裕美が言った。

「あっ、はい」どこへ座っていいのか分からない俺は、入り口近くに座った。

「なんでそんな離れたとこに座ってるの?もっとこっちにおいでよ」

しつこいようだが、自分ちでもないくせに裕美が言った。

立膝の体勢でじりじりと部屋の中央へと移動する俺。

その間由香さんはクローゼットを開け、お召し物を物色中。

その場の雰囲気に呑まれちょっと上品は言い回しをする俺。





669 607 sage New! 2005/10/17(月) 16:41:06 ID:KP2yiLVO0

自分の分と、裕美の分の着替えをもって由香さんは部屋を出て行った。

少しして裕美が「ちょっと待っててね」と言い、これまた部屋を出て行った。

よっしゃ~!誰もいなくなったな!この部屋は俺の制圧下にある!俺がルールだ!

はい、皆様お待ちかねのタンスめぐりのお時間がやってまいりました。用意はいいですか?

光の速さでクローゼット、タンスを手当たり次第に開ける。

俺には時間がない。メロスよりも時間がない。気ばっかりあせる。

焦っているせいか、タンスがうまく開かない。ガタガタ言うばっかり。

やばい、この音でばれる。落ち着こうとすると余計に焦る。

力任せに思いっきり引っ張る。引き出しが開いた瞬間、目に眩いばかりの光が差し込んできた。

あぁ~ついに由香さんの下着ご開帳で~す。

ざっとみると白が多いです。ふむ、想像どうりだ。可憐な由香さんには白が似合う。

引き出しを全部引っ張りだし、奥を見るとなっなんとそこにはぁ~~~!やっぱりきた~~~!

夢のゴールドクロスです(黒だけど)。かぁ~やっぱ由香さんももう高校生だ。

いつまでもブロンド(白)じゃないよな~。







670 607 sage New! 2005/10/17(月) 16:46:02 ID:KP2yiLVO0

俺は手前にあったブロンズクロスを手に取り、そっと匂いが嗅いだ。

左手にブロンドクロス、右手はゴールドクロスを触りながら恍惚の時をすごす。

あぁ~至福のときだ~。俺はこの時の為に生まれてきたんだ。

幸せを噛みしめるように一層息を大きく吸い込む俺。

とここまでは脳内での行動です。

腰抜けな俺がそんなこと出来るわけもなく、俺は1mmも動くことなく二人が帰ってくるのを待った。







671 607 sage New! 2005/10/17(月) 16:58:01 ID:KP2yiLVO0

ガチャガチャ。

部屋の外からコップ同士がぶつかる音がしてきた。

「おっまたせぇ~」元気よく裕美が入ってきた。

うん?ちょっとまて貴方手に持ってるのはなんですか?

妙な雰囲気の中身が見えない瓶がありますね。馬鹿な俺でもそれぐらいの英語は読めます。

「NAPOLEON」と書いてナポレオンと読みます。はい、正解ですか?読み方あってますか?

ってゆーかそれ酒じゃん?しかもブランデーじゃん?更に高級な酒じゃん?

「はっ!?先輩それ酒じゃないっすか?どうするんすか?」

「どうするって、どうすると思う?」裕美が言った。

「・・・もしかしてそれ呑むんですか・・・?」恐る恐る俺は聞いた。

「はい、正解~」妙に明るいテンションで答える裕美。もう酔ってるのか?





673 607 sage New! 2005/10/17(月) 17:02:18 ID:KP2yiLVO0

正直に言います。俺、酒飲んだことありません。

ぜんぜん呑んだことないってわけじゃないんだけどね。

親父の飲んでるビールの泡をなめたりしたことはあるけど、本格的に呑んだことなんてなかったし。

今の高校生と違って当時酒呑むのって流行ってなかったんだよ。

なんでって?みんな貧乏だったから。タバコ買うので精一杯だった。

この時俺、びびってたよ。だった未知なることへの挑戦でしょ?

しかもあんま知らない人と。ちょっとやばいかなって思ったね。





674 607 sage New! 2005/10/17(月) 17:08:59 ID:KP2yiLVO0

「あの、先輩?」

「なに?」氷をグラスに入れながら裕美が返事をする。

「俺、酒飲んだことないんすよ」かっこつけてもしょうがないんで俺は正直に言った。

「えぇ~っ!?ほんとに!?全然?」

「いや、一口ぐらいは飲んだことありますけど・・・」ちょっと強がって言ってみた。

「そっかそっか。何事も経験だよ経験」

いえ、経験するのはいいんですけど、なんで先輩達と呑まなきゃいけないんです?

こうなった状況もイマイチよく分からんし。疑問に思った俺は聞いた。

「なんでこんなことになってるんですか?俺よく分からないんですけど?」

「ホント君は考えが硬いなぁ~。君はなにか理由がないとなんも出来んのか?」

「・・・いえ、そういうわけじゃないっすけど・・・」

ってゆーかマジ、裕美もう出来上がってるのか?妙にテンションが高いんですけど?





676 607 sage New! 2005/10/17(月) 17:17:36 ID:KP2yiLVO0

「じゃいいじゃないか。今日は呑んで語ろう!」

相変わらず『じゃ』ってのがよく分からないし、なにを語るのかもよく分からない。

メダパニってる俺をよそに裕美は水割りを作っている。

由香さんはというとぬいぐるみを抱きながら、俺の方をみてにっこり微笑みなにやら頷いている。

「?」その微笑みの意味が分からない俺の手に、裕美がグラスを押し付けてきた。

「じゃみんなで乾杯しますか?なにに乾杯する?」俺を見ながら裕美が言った。

えっ!?俺に聞いてるの?なんで?びっくりして表情を俺をみて由香さんが言った、

「先輩と後輩の親睦の為にでいいんじゃない?」

なんだそりゃ?と思ったが他にいい言葉も思いつかないので俺はグラスを掲げた。

「くわんぱぁ~い!」

ガチャガチャ。グラスがぶつかる音がした。

二人ともなぜか一気飲み!場の雰囲気を乱すわけにもいかずつられて俺も一気飲み!







677 607 sage New! 2005/10/17(月) 17:25:53 ID:KP2yiLVO0

かぁっ~!喉が焼けるような感じがした。

しかも思いっきりむせた。鼻からナポレオン状態。

ちょっと鼻に逆流し、鼻がつぅ~んとする。まじ鼻の粘膜が痛いです。

先輩達、超笑ってます。

「そんなに無理しなくていいんだよ?」やさしい由香さんの言葉。

「やっぱ君っておもろいね」毒舌な裕美の言葉。

いつの間にか新たな水割りがテーブルの上に。

先輩達はまたも一気飲み。マジ!?この人たちなに?

ってゆーか実はこれカラクリがあったんすよ。

先輩たちの水割り、実は超薄いの。ほとんど水なんじゃないかな?

で、俺のは超濃いの。1:1ぐらいじゃなかったかな?

その時はそんなこと考えてなかったし、最初の一杯でてんぱった俺は

なぜか、負けじと思い先輩達と呑み比べ。





678 607 sage New! 2005/10/17(月) 17:31:54 ID:KP2yiLVO0

昼ごはんを食べた後何も食べてなく、まさにすきっ腹状態。

しかも初めて本格的に飲む酒。更に超濃いブランデー。

途中から意識なくなってたね。その泥酔状態の中、俺は裕美の勧めで家には電話をしてたらしい。

「今日はぁ~友達の家に泊まってきまふっ」と中学生の妹に言ってたらしい。

我が家は放任主義のためそのへんは自由だったし、まったく問題はなかった。

妹もお兄ちゃんが壊れながら電話をしてきたとは言ってなかったみたい。よくできた妹だ。







679 607 sage New! 2005/10/17(月) 17:39:59 ID:KP2yiLVO0

後で先輩達に聞いたんだが、なぜか俺はエビの話しをずっとしていたらしい。

なぜにエビなんだろ?いまだによく分からん。特別エビがすきってわけじゃないし。

いつの間にか俺寝てたみたいなんだよね。

どれぐらい寝たんだろ?なんか突然はっとして目が覚めた。

暗がかりの中見慣れない天井がまず目に入った。えっ!?ここどこ?

起きようとして体を起こすと、かけてあった毛布がずり落ちた。

しばらくぼーっとする。しかしまだ酔っているため考えることが出来ない。

ってゆーか考えるのがめんどくさい。酔いで気も大きくなってるし頭もぐわんぐわんするし。







681 607 sage New! 2005/10/17(月) 17:52:07 ID:KP2yiLVO0

その時俺の視界になにやら不思議な物体が。

しかも俺と同じ毛布に入ってる。

えっ!?なに!?なんか見てはいけないものが俺のそばにいるの?

酔っているため正常な思考が出来ない俺。

しばらくぼーっとしているとその物体が話しかけてきた。

「ヒロ君どうしたの?」

ヒロ君?えっ?誰?もしかして別れたと思っていた彼女が?

振られたのは夢だったってこと?まったくとんちんかんな考えをする俺。







682 607 sage New! 2005/10/17(月) 17:53:05 ID:KP2yiLVO0

ごめんなさい、続きは明日書きます。





693 607 sage New! 2005/10/18(火) 13:42:01 ID:DiASLHUJ0

今日完結できるか分からないですけど、精一杯がんばって書きます。

まどろっこしくてごめんなさい。もう少しお付き合いしてください。





694 607 sage New! 2005/10/18(火) 13:54:06 ID:DiASLHUJ0

今ではとんちんかんな考えと思うけど、この時は酔っていたこともあり

振られたってのは夢だったって本気で思ったと思う。

「うんっ?どうもしないけど?」俺は横に寝ている物体を確かめることもなく(だって彼女だと思ってたし)

もそもそと毛布の中に潜り込み、腕枕をするつもりでその物体を抱きかかえた。

じゃ(いかん裕美の癖がうつったみたい)起き抜けにチューでもすっかと思ってその物体に顔を近づけた。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

俺の目まさに ・ ・? 状態(↑ 目が一杯ってことじゃないからね)。







695 607 sage New! 2005/10/18(火) 13:57:59 ID:DiASLHUJ0

ちょっと待て。いくら酔ってるとはいえ自分の彼女(元だけど)の顔は判別できる。

俺の彼女(元だけど)も可愛かったけど(振られたのにおノロケっ!?)今、俺の前に

いる人はもっと美人に見える(公子ごめん。振られた彼女に脳内で謝る俺。やっぱ腰抜け)。

しかもなぜかブロンズクロス(白下着)の肩ひもが見えてまぁ~す!

固まることしばし。

「どうしたの?なんで固まってるの?」

その物体が俺に言ってきましたよ。しかもハスキーな声でっ!こんちくしょ~!

やったね!由香さんばんざぁ~いっすよ!

当時、この時点ではまだ由香さんって気づいてなかったけどね。だって俺泥酔状態だったし。





698 607 sage New! 2005/10/18(火) 14:09:55 ID:DiASLHUJ0

抱きかかえている俺の胸に手のひらを押し当てるようにして由香さんが言った。

「ヒロ君、大丈夫?無理するからだよ」

えぇ~っと、ちょっと待ってくださいねっと。状況を判断しますので。

今日は文化祭の役員会があってぇ~、駅のホームでタバコを吸ってたらぁ~

女の先輩に声をかけられぇ~の拉致られぇ~の

えっと・・・そこからなんだ?俺は必○になって考えた。

しかし考えるだけ無駄たった。だって俺中ボスの「ナポレオン」にメダパニ食らわされて

その効果がまだ解けないんだもん。しかも今俺の隣にはブロンズクロスの女戦士がいるんだもん。

何も考えられねっつぅ~の!





699 607 sage New! 2005/10/18(火) 14:31:15 ID:DiASLHUJ0

状況的には、メダパニくらってさらにパルプンテくらった状況って言えば想像できるかな?

更に言うと、俺のLvはまだ2ぐらい。そんな状況でそんな高級魔法食らったらどうなるか分かる?

もういっちょ言うと武器はおなべのふたとひのきの棒しなかい。

ファミコンを少し蹴飛ばしちゃって画面が全く動かない状況を忠実に模写して

いるように微動だにしない俺。ってゆーか金縛りにあったみたいに動けなかったよね。





700 607 sage New! 2005/10/18(火) 14:37:58 ID:DiASLHUJ0

やっと呪縛から解き放たれた俺が最初に発した言葉はこれだ。

「はひゃ?」(本当は「はい?」って言いたかった)

「くすくす」状況が飲み込みないけど、可愛い女の人が笑ってるのだけは理解できました。

怖いものを見るように、首を前に出しそのブロンズクロスの女戦士を見ようとした瞬間

首に腕が巻きついてきました。

「!?」今起きてることがまったく理解できない。

「本当、大丈夫?」ハスキーな声が頭に響く。あぁ~素敵な声だぁ~。

そういいながら、由香さんは腕に力を入れやさしく俺を引き寄せた。







701 607 sage New! 2005/10/18(火) 14:43:14 ID:DiASLHUJ0

唇に忘れかけてたなんとも言えない柔らかい感触が。

鼻から深く息を吐こうとしたと瞬間に、俺の唇にまた別の柔らかい感触のする物が割り込んできた。

軽く唇を開き、由香さんを受け入れる(酔っててもできるもんだね。これってもう本能?)。

由香さん、超キスがうまい。由香さんの舌が俺の口の中でせわしなく動く。

動いたかと思うと、こんどは軽く吸う。これが超気持ちよかった。

初めて経験するキスの感触(当時、チューって表現はなかったのであえてキスと言うよ)。







702 607 sage New! 2005/10/18(火) 14:49:04 ID:DiASLHUJ0

酔ってても勃つものは勃つ。

この時俺の下半身、膨張率すでに110%。

条件反射で自然と手が動いた。

背中に手を回し、その手を徐々に下へと移動させる。

そうするとそのうち、ちょっとつるつるする感触が手に伝わってきた。

はい、そうです。ブロンズクロスです。小ぶりのお尻を円を描くように動かす。

ピクンッ。由香さん、感度良好ですな。





705 607 sage New! 2005/10/18(火) 14:56:27 ID:DiASLHUJ0

因みに、俺この時すでに脱チェリーですので。

っていっても元彼女としか経験ないけどね。

「あっ・・・」ハスキーな声の由香さんの艶っぽい声。

くぅ~!もうこれだけでご飯3杯はいけそうな衝撃があったよ。

どうしてこうなってるかよく分からんが、もうここまで来たらどうでもいっしょ!?

相手が誰であれ、ここがどこであれ、今何時でももうどうでもいい!

俺は下半身に負けないぐらい、固い決意を胸に秘めた(行動に移してるから秘めてないけどね)。





707 607 sage New! 2005/10/18(火) 15:03:28 ID:DiASLHUJ0

由香さんを組み敷くように、動きやすいようにちょっと体勢をかえ、いざ突撃。

今でもそうだが、この状況に持ってくるのに時間がかかる。

いったん布団に入ってしまえば、後はもう俺の独断場。誰にも遠慮はない(って当たり前か)。

由香さん顔を持ち上げ、再びキス。最初は軽く唇を噛む。

ちょっと唇をなめ、舌を軽く差し込む。この時、俺もしかして酒臭いかな?

って思ったけど、ゲロ吐いてないから大丈夫だろっていいように脳内変換。

俺の拙いキスのテク(って言うほどのものかなorz)では由香さんに太刀打ちできないっすよ。

さっきも言ったけど、マジで由香さんキスがうまい。

今考えても由香さんのキスのテクは俺の経験の中でも1,2を争うぐらいだ(3人しか経験ないけど)。





708 607 sage New! 2005/10/18(火) 15:14:24 ID:DiASLHUJ0

ねっとりとまとわりつくような、潤った唇の感触が超心地いい。

初めて経験するバキュームキス(そんな言葉あるんかいな?)。

触ったわけじゃないから分からんが、たぶんこの時俺、フライング汁一杯出してただろうな。

と~っても長いキスをし終わったとき由香さんが聞いてきた。

「ねぇ~?私、誰だか分かる?」

いえ、正直言ってよく分かりません。なんてばか正直に答えるわけにもいかず

「んっ?・・・分っかりますよ」と半笑いで答える俺。





709 607 sage New! 2005/10/18(火) 15:20:24 ID:DiASLHUJ0

「本当にぃ~?」

俺の心を見透かすように少し笑い声交じりに言う由香さん。

「じゃ、誰か言ってみて?」

『じゃ』ってお前、もしかして裕美かよ!?って当時は思わなかったけどね。

「えっ?いや~・・・」ヒロユキがんばれ!世界中がお前を応援してるぞ!

思い出せ!どうにかして思い出せ!マインドコントローラーのカズイも応援してっぞ!

人は自分の能力の30%しか使用していない。残りの70%の能力を引き出すこのができる。

それが北斗神拳。

あぁ~失敗したぁ~!ちゃんとジャンプを毎週読んでおけばよかったよ!





712 607 sage New! 2005/10/18(火) 15:27:33 ID:DiASLHUJ0

「本当はよく分かってないんでしょ?」

いえ、由香さんそれは違います。よくじゃなくて全く分かってません。

その時、まじ奇跡が起きたね。どうしていいかわからず視線を泳がせている俺の目に

神様からの贈り物が届いたよ。由香さんの机の上に写真たてがあったのよ。

その写真の人物と、今俺に腕枕されている人はどうみても同一人物。

しかも、その写真たてに由香&裕美ってマジックで書かれているじゃないですかぁ~!

やったね。名前判明しました。どっちが由香か裕美か分からないって思うでしょ?残念でした。

マジックで矢印つきで書かれてました。

「分からないわけないじゃん。由香さんでしょ?」酔っているのでタメ口な俺。





714 607 sage New! 2005/10/18(火) 15:31:39 ID:DiASLHUJ0

満面の笑みで由香さんが抱きついてきました。

あぁ~由香さんいい匂い。我が家のエメロンのリンスとは違ったいい匂いが漂ってきます。

どうやら俺がぶっ潰れている間にお風呂に入ったようです。

「あったり~♪よかった。知らないって言われたら悲しかったよ」

由香さん萌えぇ~っす。その少し不安げな言い方、超かわぇ~っす。





715 607 sage New! 2005/10/18(火) 15:38:16 ID:DiASLHUJ0

「ねぇ~ヒロ君、もう一回キスしよっ?」

ええ、いいですとも。一度と言わず何度でもしますとも。

俺の答えを待つまでもなく、さっきと同じように優しく俺を抱き寄せる由香さん。

唇にキスをするのかと思ったら、俺の頬にキスをする由香さん。

「うん?」って思うより早く、由香さん俺の顔中にキスの嵐を浴びせます。

こんな嵐なら大歓迎~!

「ちゅっ、ちゅっ」何度も何度もかわいらしい音がする。

くすぐったいような気持ちいいような、なんとも言えない心地いい感触に包まれる。





716 607 sage New! 2005/10/18(火) 15:45:00 ID:DiASLHUJ0

あぁ~安らぐなぁ~と思っていると、やっと唇に独特の感触が伝わってきた。

唇で俺の唇を優しく挟んだり、少し噛んでみたりする由香さん。

とどめにお得意のバキュームキス。これが大人にキスなんだぁ~と少し感動。

不意に由香さんが俺の右手を掴んだ。

なんだろ?意味が分からない俺はとりあえず由香さんの手を握り返した。

由香さんはその手をずりずりと自分の胸へと移動させた。そして一言。





720 607 sage New! 2005/10/18(火) 16:00:59 ID:DiASLHUJ0

「ちっちゃくてごめんね・・・」

由香さんのその言葉がなぜか心に響いた。

なんで謝るの?自分がいけないことをしてるみたいでなんか悲しくなったよ。

「えっ?」別に聞こえなかったわけじゃないんだけど、俺はなんて答えていいのか分からずそう返事をした。

由香さんは聞こえなかったんだと思い再び言った。

「私、胸ちいさいでしょ?」

由香さんの胸に手をあてたまま、俺は返事をした。

「そんなことないっすよ」

正直言うと確かに小さなとは思った。でもまるっきりないわけじゃない。

カップで言うとA´って感じだね。







721 607 sage New! 2005/10/18(火) 16:07:29 ID:DiASLHUJ0

「ありがとう。ヒロ君って優しいんだね」小さく答える由香さん。

あぁ~もうホント、どっちが年上か分かんないよ!由香さん超々々々可愛いっすよ!

その言葉で俺に火が点いたね!もう俺のこの心の業火は消せないね!消火器がないと消せないね!

ってずいぶんしょぼい業火だなって一人突っ込みをしつつ攻撃開始っす。

由香さんの胸に手を置いたまま、キス攻撃。

ぬっ!くっ!敵(由香さん)の応戦がすごいです。キスでは太刀打ちできません。

こっちが撃沈されちゃうよ。ほんとマジで。







722 607 sage New! 2005/10/18(火) 16:12:37 ID:DiASLHUJ0

胸に置いた手を、乳房を包むようにして揉みしだく。

「・・・うんっ・・・うんっ・・・」由香さんって全身性感帯なの?反応よすぎなんですけど?

反撃の激しい唇攻撃を止め、由香さんの耳たぶをハミハミ。

ビックン!

こっちがびびるぐらいの体全体を使っての由香さんの反応。

耳たぶが弱点なの?しつこく耳たぶをハミハミする俺。

体をくゆらせながら反応をする由香さん。





723 607 sage New! 2005/10/18(火) 16:20:50 ID:DiASLHUJ0

よし、こうなったら奥の手だ。

耳の中舐めちゃうもんね(これ元彼女が大好きだったから)。

最初、耳全体を舐めるようにして、徐々に内側へと移動。その時右手はしっかりを胸を捉えている。

「あっ、はぁ~・・・うんっ、うんっ」ハスキーな由香さんの艶かしい声が耳に心地いい。

いよいよ突入しますか。舌を少し尖らせるようにして耳の穴へと。

ビッビクン。今日一番の反応を体全体を使って表現する由香。

ほんのりと香るリンスの匂い。夢の中にいるような感じがした。

由香さんの反応に気をよくした俺は、更に攻め続ける。

「あっ・・・やっ・・・そっ、そこ・・・やっ・・・ダっダメ・・・」





726 607 sage New! 2005/10/18(火) 16:28:46 ID:DiASLHUJ0

その声をBGMにしながら、ブラを外すべく手を背中へと移動。

さぁ~ってホックはどこなか~?って背中にないじゃん!

今はめったにお目にかかることがないフロントホックですよ。これまた俺好み。

元彼女にはフロントホックのブラをするようにお願いしてたくらいホックフェチな俺(ってそんなフェチあるんかな?)。

俺の好みを由香さんが知ってるわけないが、こうも俺の好みが重なるともうこりゃ運命かなって思っちゃうね。

まぁ~これはただの勘違いなんだけどね・・・。

ホックを外そうとブラの中心に指を潜り込ませると由香さんが言ってきた。

「もう耳はダメ。おかしくなっちゃいそうだもん」

今、こんな台詞と聞いたら更に攻めるけど、まだまだ厨だった俺は素直に従った。





728 607 sage New! 2005/10/18(火) 16:36:21 ID:DiASLHUJ0

由香さんのその言葉を聞き終わると同時に、俺はブラのホックを外した。

「カチッ」フロントホック独特のプラスッチクが折れるような音が耳に響いた。

いや~この音は何度聞いてもいいですな~。

胸に手を置き、ゆっくりと手を動かす。胸に直に触る俺の手に小さな突起の感触が。

手の平でその突起を転がすように動かす。

「あっはぁ~」のけぞる様にして反応をする由香さん。

「んっ・・・あっ・・・んんぅ~ん・・・」休むことなく反応を示す。







729 607 sage New! 2005/10/18(火) 16:40:33 ID:DiASLHUJ0

耳にあった唇を首筋に移動させならが、手を忙しなく動かす俺。

軽くキスするように由香さんの首筋に唇を這わす。

何度かに一度、ピクンッと反応を示す。首筋のキスが効いているのか

胸が気持ちよくて反応しているのかよく分からなかったが、そんなことはどっちもでよかった。

俺の行為に由香さんが感じてくれている。そう思えるだけで満足だった。





730 607 sage New! 2005/10/18(火) 16:49:25 ID:DiASLHUJ0

首筋から更に下へと移動。肩にも軽くキス。

ってゆーか、由香さんの肩、超小っさい。ちょっと力入れたら折れるんじゃないか?

ってぐらい華奢だった。しかも色がすっごい白いからより一層そう見えた。

また鎖骨も細い。細い上にやせてるから妙に浮き出てるような気がした。

別に俺は鎖骨フェチじゃないし、好み的にはもう少し肉付きがいいほうがいいなって思ったね。

でも、そんなことは些末なこと。由香さんは俺にとっては正に理想の女性って感じですね。





731 607 sage New! 2005/10/18(火) 16:54:38 ID:DiASLHUJ0

鎖骨分はちょっとスルー気味に、更に下へと移動。

小さいながらも胸の膨らみを感じる部分までに俺の唇は移動してきた。

胸の裾野(って言うのかな?言わないかっ!?)の辺りから本格始動です。

最初軽くキスをするようにしていたけど、徐々に興奮してきた。

舌を少し大きく出し、由香さんの胸を円を描くように舐めた。

髪の毛とは違ったいい匂いがほんのりとする。







734 607 sage New! 2005/10/18(火) 17:05:11 ID:DiASLHUJ0

この時、なんか自分の舌の動きに興奮しちゃったよ。

酔いも手伝ってたと思うけど、今までしたことがないようなことをしてた。

由香さんの上半身、余すところなくキスしたり舐めまわしたりした。

わざと乳首を避け、ぎりぎりのところまで舐める。

一旦遠ざかり、再び乳首付近へと接近。その行為を何度も繰り返した。でも絶対に乳首は口に含まない。

この時俺の左手は由香さんの背中へ、右手は由香さんの両手を頭の上で拘束。バンザイ状態って言えば分かるかな?

体の脇や、ショーツの上辺りに唇を這わせているときに由香さんの「んっんっ」って声が聞こえる。





735 607 sage New! 2005/10/18(火) 17:12:24 ID:DiASLHUJ0

もう我慢できない!これ以上我慢してたら下半身が爆発しちゃう。

拘束している手を離して自分の服を脱ごうとした。

しかし、しかしだよ、まだ俺酔ってるんだね。Yシャツのボタンが外せないんだよ。

酔ってるだけじゃなく、興奮してるし、焦ってるし、メダパニってるしで、どうにもならない状況。

あたふたしてる姿を見られるのが恥ずかしいと思った俺は、なにを思ったのか

ボタンを引きちぎった。「ぶちちち・・・ぱっつんぱっつん」力の限り引きちぎったボタンは

勢いよく飛び散っていったよ。あぁ~そりゃ見事にね。







736 607 sage New! 2005/10/18(火) 17:16:27 ID:DiASLHUJ0

もう頭の中真っ赤だよ。海綿体に集まってた血液が脳内に全部来たんじゃないかっ!?

ってぐらい真っ赤っかだったよ。シャー専用って感じだったね。

その後どう服を脱いだのか思い出せないぐらい興奮してた。

まぁ~翌日見たらバックルが外れてないズボンがあったよ。

金属でできたホックが外側に大きく曲がってるズボンがね。





738 607 sage New! 2005/10/18(火) 17:41:20 ID:DiASLHUJ0

ごめんなさい。やっぱ今日完結できないみたいです。

まとめて書いて一気にアップした方がいいですよね?

それがいいなら少しお時間いただきたんですけど?ダメっすか?







739 607 sage New! 2005/10/18(火) 17:43:37 ID:DiASLHUJ0

今夜続きを書きます。

あまり時間ないので完結できるのか分かりませんが。。。

できてるとこまででよければば、アップしますし、それじゃダメっていうなら

書き上げてまとめてアップします。

皆様の意見を聞かせてください。





747 607 sage New! 2005/10/18(火) 21:25:58 ID:AdWUD/BM0

どっちでもいい見たいなんで、今と同じスタイルで書かせてもらいますね。

勿論完結します。それだけはお約束しますので、もう少しお付き合いください。

よろしくお願いします。





748 607 sage New! 2005/10/18(火) 21:36:24 ID:AdWUD/BM0

由香さんの足を割るように自分の足を割り込ませ、由香さんの足を大きく開く。

大きく開いた由香さんの足の間に自分の体割り込ませた。

気のせいかも知れないが、下腹部にちょっと冷たい感触が伝わった気がした。

もしかして、由香さん濡れてる?ふとそんな考えが頭をよぎった。

ここで一息。いいか?落ち着け俺。なにも焦ることはない、由香さんはどこにも逃げない。

そんなに荒々しく攻めることはないんだ。少し落ち着きかけた俺は由香さんの顔を見た。

この時初めて由香さんの顔をまともに見たと思う。

祝杯をあげてるときも多分顔を見たと思うけどちょっと記憶にない。





749 607 sage New! 2005/10/18(火) 21:45:20 ID:AdWUD/BM0

ちょっと小首を傾げるような仕草をして少し笑っている由香さん。

やっぱ由香さん美人だよ。こんな美人とエッチすることなんてもうないんじゃないか?

って当時思ったらやっぱりそうだった。ちょっと悲しい予感だったよ、現実になったし。

俺の顔を両手で包み込み由香さんが言った。

「びっくりした?」

「えっ?なにがですか?」って言うつもりだったけど、ろれつが回らない俺は

「えっ?あにられすか?」って思いっきりカミカミで返事をした。

「ふふ、今こうなってる状況が」

そりゃビックリどころじゃないですよ。昨日オナったティッシュがチン先についてるか

どうか心配するのをすっかり忘れてるぐらいビックリして動揺してますとも。

そんなこといえる訳もなく俺は黙って小さく頷いた。別にすかしてるわけじゃないからね?

またカミカミになると思って、返事ができなかったの。





750 607 sage New! 2005/10/18(火) 21:53:42 ID:AdWUD/BM0

そっから由香さんの今どうしてこうなってるかの説明が始まったけど、長くなるので割愛します。

簡単に言うと、前から俺のことが気になってたらしい(未だに信じられないけど)。

話しかけるきっかけもないまま、今日に至たり、

たまたま俺が一人な状況、しかもタバコを吸うために人目につかない場所へ移動した。

偶然が偶然を呼んで、もうこれ以上のシチュエーションはないってことで声をかけたらしい。

いつも俺は大人数で行動してるので、話しかけることも出来なかったらしい。

なるほど、由香さんの言いたいことは分かった。

でもね、でもだよ?いきなりこれはないでしょ?

酒に酔わしてどうこうしようって普通男が使う手でしょ?

まっこれには事情があったんだけどね。







755 607 sage New! 2005/10/19(水) 10:25:47 ID:Z5C8nXnb0

でもその由香さんの手段なんて、実際はどうでもよかったよ。

経過はどうであれ、今のこの現状に不満を唱える理由なんてないし。

おなじみのパターンで由香さんが俺を引き寄せる。

今度は最初からディープなキス。はぁ~キスが超気持ちいいよ。

キスが気持ちいいって変だと思うだろうけど、ホントとろけるような感じがした。

キスをしながらちょっと体をずらしたとき、俺のジュニアが由香さんの秘部へちょっとタッチした。







756 607 sage New! 2005/10/19(水) 10:33:02 ID:Z5C8nXnb0

「あっ・・・」由香さんの可愛い声がした。

秘部ってゆーかオアシスって感じだったよ。

マジ半端ねぇ~ほど潤ってるの。砂漠で1週間彷徨って喉が渇ききっている時でも

飲み干せないほど愛の水を蓄えてる由香さんの秘部。

ほんと一こすりしかしてないけど、愛液独特の潤滑具合が超気持ちよかった。

再びその感触を味わおうと俺は腰を上下に少しだけ動かした。

「あん・・・いや・・・だ・・・・だ・・・めっ・・・」







757 607 sage New! 2005/10/19(水) 10:41:01 ID:Z5C8nXnb0

その反応で調子をよくした俺は、体を起こし由香さんの秘部にジュニアをあてがった。

両腕で少し大きく足を広げるようにして、秘部を開くようにしてジュニアをあてがいゆっくりと動いた。

「うんっうっ・・・あっ・・・い、い・・・やっ・・・」

途切れ途切れに鼻から抜けるようなハスキーな声で言葉を発する由香さん。

やばっ!まじ気持ちいい。由香さんの声も最高だよ。

当時スマタって言葉を知らなかったが、今思えばこれが俺の初スマタ体験だったよ。

元彼女とはそんなことしたことなかったし。

もっと刺激が欲しいと思った俺は、自分の指でジュニアを押し付けるようにして

由香さんの秘部へとあてがい擦った。





759 607 sage New! 2005/10/19(水) 10:49:24 ID:Z5C8nXnb0

腰から下が痺れるような感じがした。やばっ、なんか出ちゃいそう。

そんな気がした。初めてオナった時と同じような感触がしてきた。

腰下から始まった痺れが、頭まで来た。

えっ!?これもしかしてヤバイ?そのまま出ちゃう?もう止めておいたほうがいいか?

いや、でもこれ超気持ちいいからもっとしたいんだけど、いやでもこれでいっちゃったらもったいないし。

低次元な葛藤に悩んでいる俺の思考を切断するように由香さんが言った。

「ねぇ、ヒロ君?」

「・・・」夢中でテンパってる俺は返事ができない。

「ヒロ君?」

「うん?」二度目の呼びかけでやっと反応する俺。

「あのね・・・」ちょっと言いにくそうな由香さん。





760 607 sage New! 2005/10/19(水) 10:56:58 ID:Z5C8nXnb0

「えっ?なに?」

「うん・・・」

「えっ!?どうしたの?」

えっ!?もしかして由香さん気持ちよくないとか?俺の一人よがり?ちょっと不安になる俺。

俺の呼びかけに無言な由香さん。

マジっなに?俺なんか失敗してるの?由香さんもしかして怒ってるの?

不安に思いおろおろする俺。この時自分の顔みたら情けなかっただろうな。

たぶん半泣き(9割泣きかっ?)の自分の顔をみて情けなくて泣いちゃうよ?みたいな感じだったろうな。

まっ言ってみればオナニー泣きって感じ?(なんだそりゃ?)

「えっ!?なに?ホントなに?」必○になっていう俺。





762 607 sage New! 2005/10/19(水) 11:06:33 ID:Z5C8nXnb0

「う、うん・・・あのね・・・」

「う、うん・・・」やっぱなにか問題が?言いにくそうにしている由香さんを見てそう思ったね。

「お願いがあるんだけど・・・?」

「えっ?なに?言って?」

「・・・む、胸・・・吸ってもらって・・・いい・・・?」

キタッキタッキッターーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!

こりゃきたよ!マジで!人生初の女性からのお願いっすよ!エッチな場面での!

元彼女は決してそんなこというタイプじゃなかったし、女性からそんなお願いがあるなんて

AVでしかないと思ってた俺は超舞い上がったね。3cmぐらい(低っ!)。

ぼっーっとしてる俺に由香さんが更に追い討ちをかける。正に波状攻撃。

「ダメ・・・?」

いや、ぜんぜんダメじゃないっす!





763 607 sage New! 2005/10/19(水) 11:12:03 ID:Z5C8nXnb0

固まってる俺をみて、誤解をした由香さんがふただび言ってきた。

「いや・・・?ダメならいいんだけど・・・」

「いっいや・・・ぜんぜんダメじゃない・・・」

やっと返事ができた。

「ほんとに?いやじゃない?」

「ホント、いやじゃないです」

「さっきから避けてるみたいだったから、いやなのかなぁ~って思って」

おぉ~超ミステイクっ!焦らし作戦のつもりであえて避けていたのに裏目にでたっすよ!







764 607 sage New! 2005/10/19(水) 11:20:45 ID:Z5C8nXnb0

頭に血が上って、真っ赤なシャー・アズナブル状態だった俺は自分で立てた作戦も忘れ夢中になってたよ。

せめてキャスバル兄さん状態だったら、自分を客観的に見れたのに。

しかしそんなガンダムねたを由香さんに言っても分からんだろうし、ガンオタって思われて引かれる

わけにもいかないので、俺は一言だけ言った。

「そんなことない」決まった?この台詞決まったっしょ?

言われたことは素直に行動に移す俺。起こした体を再び寝かし由香さんに軽くキス。

キスをしながら左手で由香さんの右胸を包み込みようにしてまさぐる。

飛び石みたいに唇から首筋、さらに鎖骨部分へと軽くキスをしながら移動。





765 607 sage New! 2005/10/19(水) 11:28:16 ID:Z5C8nXnb0

僅かな胸の膨らみが唇に伝わってきた。

あまった右手で、由香さんの左胸を寄せるようにし、更に少し大きく口を開け、乳房を軽く唇で挟むようにする。

乳房を口に含みならが、舌で舐めまわす。

「ぅう~ん・・・」再びハスキーな声。

乳房の周りから徐々に中心へと移動する舌。

大きく大きく乳首の周りを円を描くように動く舌。

この時、俺の舌に神が宿ってるの!?って気がするぐらい器用な動きをしてたと思う(まっ自画自賛だけど)。







766 607 sage New! 2005/10/19(水) 11:38:10 ID:Z5C8nXnb0

すべすべしていた肌の感触とは明らかに違う感触が確かに舌に伝わった。乳輪の感触だ。

もう焦らすのはいい加減いいでしょ。俺は一気に乳首を口に含んだ。

「あっうっ・・・」

俺の突然の攻撃に、体全体で反応する由香さん。

俺の肩にまわしてた手に力が入るのが分かる。この時爪を立てられちょっと痛かった。

乳首を軽く噛んだり、舌で転がすように愛撫を続ける。

「あっ、あはぁ~・・・んんん・・・んっはぁ~」

由香さんの息遣いがだんだんと荒く、早くなってきた。









767 607 sage New! 2005/10/19(水) 11:46:59 ID:Z5C8nXnb0

「んっ、はぁ~はぁ~、んっ・・・はぁっ~~~」

あぁ~もうっ~!この時の由香さんの声の表現がうまくできん!

言葉では言い表せないけど、超色っぽかったし、可愛かったよ。

しばらく口で攻撃した後、俺は再び体を起こし、両方の乳首を指でこりこりし、

ジュニアで由香さんの秘部を攻撃した。

「あんっ・・・うんっ・・・いっ・・・いっ・・・もっ・・・もうっ・・・」

この時俺達は、フローリングに敷いてあった白いモコモコな絨毯(よくヤンキーが車のダッシュボードの上に飾ってるやつあるでしょ?

それのもっと高級なやつ)の上で愛の営みをしてたんだけど、由香さんその絨毯を思いっきり握り締めてるんだよね。

なんかその光景がすっごくエロチックに見えたよ。







768 607 sage New! 2005/10/19(水) 11:53:39 ID:Z5C8nXnb0

何度かジュニアを上下させている時にアクシデントが起こった。

ヌルンッ。

「あっうっ」

ヤベっ!勢いあまって入っちゃったよ。焦る俺。どうしよ?

「・・・ごめん・・・・」生挿入したことを謝るつもりで俺は言った。

「ふぁっ・・・?」突然話しかけられビックリしたのか由香さんちょっとお間抜けな返事。

まぁ~この返事も萌えなわけだったけど。

「どうしたの?」

「いや・・・ゴム・・・付けて、ない・・・」

「いいよ」

えっ!?由香さん今なんて言いました?幻聴かと思い確認するために聞き返した。

「えっ?」

「だからいいよ。そのままして」







769 607 sage New! 2005/10/19(水) 12:09:59 ID:Z5C8nXnb0

うぉりゃ~~~~~~~~~!!!!!!

これまたキタよ!今日何度目のキタだこりゃ?数えるのマンドクサなので数えんがかなりの数きてっしょ!?

生でできることの喜び以上に由香さんの「そのまま”して”」の”して”って言葉にズキューンと来たよ。

普通こういったとき”して”じゃなくて”やって”って言わないか?それとも”やる”とかって男しか使わない?

そんな統計をとってる場合じゃないんだが、とにかく”して”って言葉にきた!俺の心の琴線に触れた。

急に由香さんが愛おしくなった。俺思いっきり由香さんのこと抱きしめたよ。そこでまた由香さんの爆弾発言。

「もっとぎゅ~ってして」

俺、ホント頭おかしくなりそうだったよ。のぼせて鼻血がでるんじゃないかと思ったよ。







774 607 sage New! 2005/10/19(水) 16:36:22 ID:Z/inQR6D0

言われたことには素直に従う俺。

でもこれ以上力を入れたら由香さん折れるんじゃないか?

と本気で思ったので、ほんの少しだけ力を入れて抱きしめた。

「ありがと」

やっぱ由香さんいいよ。こんな人、他にはいないってぐらい俺のツボにはまったよ。

抱きしめ、挿入したまま告っちゃおうかと思ったが、さすがにこのシチュエーションはまずいと思ったので思いとどまったけどね。

キスをしながら腰を軽く動かした。

「ふっ・・・うん・・・ふっ・・・」

口を塞がれているのでちょっと苦しそうにな息遣いをする由香さん。





775 607 sage New! 2005/10/19(水) 16:42:18 ID:Z/inQR6D0

由香さん、定番の舌遣いも忘れてたのか俺のなすがまま。

舌を絡ませるが、チョロチョロと軽く動かすだけ。

「あっ・・・あ・・・ふっ・・・んふん・・・」

やっぱちょっと苦しそうだ。俺にはMっ気は全くないので苦しむ姿を見てもなんとも思わない。

むしろ逆に、悪いことしちゃてるのかな?って思っちゃう屁たれなタイプ。

俺はキスをするのをやめ耳を攻撃するべく唇を離した。

「んっはぁ~~~はぁはぁ・・・んっはぁ~」大きく息を吐き出す由香さん。やっぱ苦しかったんだ。

ごめんね、由香さんと脳内で謝りつつ耳攻撃開始。





776 607 sage New! 2005/10/19(水) 16:48:40 ID:Z/inQR6D0

耳をカプッと軽く噛む。

「あん・・・」

耳を攻撃しながら、腰も動かす。

前後、左右、突いたり、グラインドさせたり。

「ん、んんっ~んはぁっ・・・あん・・・・きゃぅ・・・」

由香さんの中、超気持ちいい。生でしてるってこともあるけど、ホント下半身がどっかいっちゃってるような気がした。

ジュニアが今、どんな状態なのか分からん。大きいままなのか、小さくなってるのかマジ分からなかった。

ただ、ゆるいなぁ~って感じたのははっきり分かった。普通こういった時って熱いって表現するかと思うけど、

熱いってほど由香さんの熱を感じることはなかったよ。ぬるい。この表現が一番適切。





777 607 sage New! 2005/10/19(水) 16:54:47 ID:Z/inQR6D0

それと贅沢をいうなら、もう少し愛液が少ないとよかったと思う。

とにかく、あふれてくる量がすごい。そのせいでイマイチ摩擦が少ない気がした。

でも、俺の行為でこんなにも感じてくれてるんだと思うとうれしくもなったけどね。

「あっ・・・いっ・・・やっ・・・あっ・・・んっ・・・」

俺が由香さんの中を突くのに合わせるかのように、ハスキーな声を発する由香さん。

「んっ・・・はぁはぁはぁ・・・あっ・・・い、いやっ・・・」

由香さんの息遣いがどんどん早くなってくる。

その声に同調するように俺も腰を早く振った。







779 607 sage New! 2005/10/19(水) 17:03:05 ID:Z/inQR6D0

やっやばい・・・もう我慢できない、これ以上動いたらいきそうだよ。

「ゆっ由香さん・・・もっもう、俺、我慢できないよ・・・」この時初めて由香さんって呼んだ気がした。

「いっいいよ・・・」

えっ?いっいや・・・いいよじゃなくて、俺どこに出せばいいの?

「あっ・・・いっていいよ・・あっ・・・あんっ・・・」

「えっ・・・いや、どこに出せば・・・」やばい超限界。

「あっ・・・んっ・・・そっそのまま・・・ん、いいよ・・・」

もしかして中に出していいのっ!?そう聞こうとした瞬間、ジュニアが猛烈に熱くなった。

内部から火傷すんじゃないかってぐらい熱いものが流れ出した。その流れを止めることはできなかった。

どっくん、どっくん、どく・・・どくどくどく・・・

永遠に続くんじゃないかってぐらい、俺のジュニアは脈打ってた。







781 607 sage New! 2005/10/19(水) 17:09:18 ID:Z/inQR6D0

いった瞬間にどっと汗が吹き出てきた。

脈打つジュニアよりゆっくとした動きで腰を動かす俺。

徐々に徐々に動きがゆっくりとなり、やがてその動きが止まった。

「んっはぁはぁはぁ・・・んっ・・・ぜっはぁ・・・」

「はぁはぁはぁ・・・んはっ・・・はぁはぁはぁ・・・」

俺の息遣いよりいくらか静かに呼吸をする由香さん。

呼吸するたびに由香さんの胸が俺の胸を押し上げる。

硬い小さな突起が俺の胸に当たる。ちょっとくすぐったかった。

やがてお互いの呼吸が落ち着き、静寂がおとずれた。

なんか急に恥ずかしくなったよ。





782 607 sage New! 2005/10/19(水) 17:11:14 ID:Z/inQR6D0

ごめん、続きは明日書きます。

エッチの描写はこれで一応終わりです。

あとの話しはあまり面白くないと思いますが、一応自分では書きたいと思いますので

明日続けて書きます。





791 607 sage New! 2005/10/20(木) 09:07:28 ID:y8aaZ6gZ0

「・・・」

「・・・」

お互い無言の中、時が静かに過ぎる。

なんか恥ずかしくて、動くことができなかった。

時折、ジュニアがいった後の痙攣みたいに感じで小刻みに震える。

「ぁっ・・・」その動きで僅かに声を発する由香さん。

「・・・ねぇ?・・・ゆっ由香さぁん?」止まった時を動かすべく俺はやっとのことで言葉を発した。

「なぁに・・・?」少し甘えるような口調で返事をする由香さん。超かわいぃ~~~!

「・・・いや、あの・・・」言いたいことはあるが、その場の雰囲気を壊したくないので言葉を選ぶ俺。

「うん?」俺の耳元で優しく囁くように言う由香さん。





792 607 sage New! 2005/10/20(木) 09:15:33 ID:y8aaZ6gZ0

「どうしたの?」

「いや、あの・・・」

「うん?ホントどうしたの?」あまり引き伸ばしてもなんだと思い俺は言った。

「いや、大丈夫かな・・・と思って・・・」中だししたことを心配する意味で聞いた。

「大丈夫かなって?(何が?)」

俺の言った意味が分からないのかな?やっぱはっきり言ったほうがいいのか?

そう思っていると由香さんが気づいたようで続けた。

「あぁ、もしかして赤ちゃんができるもって心配してる?」

そう!そうっすよ!やっと言いたいこと分かってくれましたか由香さん!

しかも「赤ちゃんが・・・」って表現も由香さんらしくて可愛くていいっすよ!

「あっ、そっ、そうです」赤べこみたいに何度も首をこくこくと動かす俺。





794 607 sage New! 2005/10/20(木) 09:25:26 ID:y8aaZ6gZ0

「大丈夫よ。心配しなくていいよ」

なにをもって大丈夫って言ってるのか分からなかった。不安に思っている俺は聞いたよ。

「ホント、大丈夫ですか?」

「うん。心配することないよ」

心配することないよって言われても、もう俺もお年頃。どうしたら子供ができるかぐらい知ってる。

100%安全な日なんて存在しないことも知ってる。本当は由香さんが大丈夫という、

その根拠を聞きたかった。しかし、その話しを聞くことによって、妙に生々しく

現実的な雰囲気に引き戻されるのがいやだったので、それ以上は聞かなかった。





796 607 sage New! 2005/10/20(木) 09:26:10 ID:y8aaZ6gZ0

おはよ~ございます。

今日完結させるべく、朝から書きます。

もう少しですのでお付き合いください。





797 607 sage New! 2005/10/20(木) 09:36:05 ID:y8aaZ6gZ0

俺のジュニアももうかなり落ち着いてきた。

ずっと由香さんの中に留まっていたかったけど、そういうわけにもいかない。

俺は腰を少し引き、由香さんの中から出た。

「んっ・・・」小さく声を発する由香さん。

この声が由香さんの色っぽい声を聞く最後になるだなんて、この時は想像もできなかったよ。

由香さんの横に寝るように移動する俺。その時由香さんの腕があった。

このままじゃ由香さんの腕を敷いてしまうと思ったので

「あっ、腕が・・・」と言うと

「いいよ。そのまま寝て」

逆腕枕っすか!?うれしいような、なんか子ども扱いされ恥ずかしいよななんとも言えない感じ。

人の言うことには素直に従うのが俺流。自分の頭を由香さんの腕の上へ。

そんな華奢な腕で大丈夫かな?って思ったけどね。





798 607 sage New! 2005/10/20(木) 10:18:51 ID:y8aaZ6gZ0

「重くないですか?大丈夫?」心配で一応聞いておいた。

「うん。ぜんぜん平気だよ」

そう答えながら俺を抱きかかえるようにして、髪の毛を軽く触る由香さん。

ってゆーか俺、それダメなんだよね。髪の毛を触れるか触れないかぐらいで

優しく触られるの超ダメなの。ぞくぞくしちゃうんだよ。あと襟足のタッチね。

「ごめんね」由香さんが囁くように、ホント独り言のようにいった。

俺に言ってるのか、独り言なのか判別できず俺は無言だった。

「こんなことになっちゃって」由香さんが同じく囁くようにつぶやいた。

やっぱり俺に言ってるんだ。





799 607 sage New! 2005/10/20(木) 10:25:33 ID:y8aaZ6gZ0

なんでか分からないけど、俺、猛烈に悲しくなったよ。

えっ!?由香さんなんで謝るのっ?止めてよ。

別にいけないことしてるわけじゃないじゃん?なんで?どうして謝るの?

ちょっと目頭が熱くなった。普段から涙もろい俺、目に涙たまってた。

声を出すとなんか泣きそうだったのでずっと無言だった。







無言の俺の髪の毛を優しく触る由香さん。

ずっとずっと俺の髪の毛を触る。優しく、ソフトにタッチする由香さん。

俺、あまりに心地よかったのでいつの間にか寝ちゃってたみたい。





801 607 sage New! 2005/10/20(木) 10:35:53 ID:y8aaZ6gZ0

目が覚めた。

一瞬自分の置かれている状況が把握できなかった。

「???」

ここってどこだっけ?俺、なんで全裸で寝てるの?しかもモコモコな白い絨毯の上で。

徐々に記憶が蘇ってきた。いや、ちょっと待てよっと。俺、妄想癖がある?

俺の記憶では昨日エッチなことした気がする。俺、昨日エッチなことしてた?

うん、したよな。ホントにした?いや、ちょっと待てよ、そう脳内で思ってるだけ?

「・・・・・」

数十秒後、結論が出ました。はい、昨日確かにエッチしました。

じゃ誰と?1こ上の先輩の由香さんと。

その人は今いずこに?・・・さぁ?

情けなく下半身にだけ布団をかけ、体を起こし考え込んでいた。

がちゃ!

ドアを開けると音がした。

「!」







803 607 sage New! 2005/10/20(木) 10:43:10 ID:y8aaZ6gZ0

「おぉ~い、いつまで寝てんだぁ~?」

げっ!朝から裕美だよ。

普通こういうシチュエーションだと、由香さんが頬に軽くキスして起こすでしょ、普通は。

現実はそんなに甘くないってことだよね。

「おわっ!」

上半身(下半身もだけど)裸な俺はあわてて、布団をひっぱりあげ体を隠した。

「はいっ~?君は女の子のようだなぁ~なに隠してんのっ!?」

そう言いながら、裕美はづかづかと自分の部屋でもないのに遠慮なく入ってきた。

「はいよぁ~」

そういいながら裕美はYシャツを俺に放り投げた。

ボタンがちゃんとついてる。





805 607 sage New! 2005/10/20(木) 10:57:54 ID:y8aaZ6gZ0

「一個ボタンが見つからなかったから、一番下つけてないよん」

いや、一番下のボタンは前からないんすよ。

「いや~それにしても君は激しいなぁ~」

あごに手をあて、したり顔でうなずく裕美。

やべっ!昨日のこともしかして聞かれてたのっ!?そう言えば裕美ってどこにいたの?

昨日は裕美の存在なんてまるっきり気にしてなかったから。

「・・・(照れ)」

猛烈に恥ずかしくなったよ。自分がエッチしてる姿を他人にみられることなんで普通ないじゃん?

しかも、なんか意味ありげにうなずいてるし。

「・・・先輩は、昨日どこに寝てたんですか?」

答えを聞くのが恐ろしかったが勇気を振り絞って聞いた。

「昨日?そのこのベッドで寝てたよ」

っ!!!!!!!!!!!!!!!!!





806 607 sage New! 2005/10/20(木) 11:05:37 ID:y8aaZ6gZ0

ヤバイ!ヤバイ!超ヤバイ!あと8億回繰り返してもいい足りないぐらいヤバイと思った。

「んほっ」むせた。

「えっ!?そこにいたんすかっ!?それホントっすか!?冗談じゃなくっすか!?」

「あぁ~いたよ。おかげであたしゃ寝不足だよ。ふぁ~あ」

わざとらしくあくびをする裕美。

ずぅ~~~ん。マリアナ海溝よりも更に深く落ち込む俺。この時すでに半泣き(9割5分)状態。

その状態を見た裕美がさらっと一言。

「んなっわけないだろ」

「へぁっ?」すっとんきょーな返事をする俺。

「あたしにはそんな(他人のエッチを観察する)趣味ないし。違う部屋で寝たよ」

「・・・・・」俺放心状態。

「着替えて下においで」

そういい残し裕美は部屋を出て行った。





807 607 sage New! 2005/10/20(木) 11:13:55 ID:y8aaZ6gZ0

扉が閉まる音で我に返った俺は慌てて服を着た。

おいおい、ベルトバックルが外れてないじゃん。ホックひん曲がってるじゃん。

ホックを強引に指で押しつぶし着替えをして1階へと。

1階についたはいいが、どこに行っていいのか分からない。

そう思っていると、耳障りな裕美の声が聞こえてきた。その声のする方に行くとそこはダイニングだった。

このダイニングもまたばか広い。20畳ぐらいはあるんじゃないか?

そのバカ広いダイニングにこれまたバカでかいテーブルが。

俺が部屋に入っていくと由香さんの姿も。

「おはよ。ってゆーかもうこんにちわかな?」

少し笑いながらあいさつをする由香さん。

あぁ~由香さ~ん、もう朝(昼だけど)から俺は幸せいっぱいだよ~。







808 607 sage New! 2005/10/20(木) 11:21:03 ID:y8aaZ6gZ0

「ヒロ君、なにか飲む?紅茶でよければすぐ出来るけど?」

由香さんが聞いてきた。

「あっ、なんでもいっす」軽くうなずきならが返事をする俺。

「じゃ、ちょっと座って待ってて」

あ、はぁ~って思ったがどこに座ればいいの?

テーブルには椅子が6脚ある。由香さんと裕美は対面になるように座っている。

普通、こういった場合俺は由香さんの隣だよな?でもそれじゃ図々しく、調子に乗ってるって思われるよな?

じゃ裕美の隣か?そりゃいくらなんでもおかしいだろ?じゃ床に座るか?ってそれじゃ丁稚だよっ!

くだらんことで悩んでいる俺を見て、助け舟を出すように、裕美があごで由香さんの座っている横を指した。

初めて裕美が天使に見えた。あんた最高!今だけ!





809 607 sage New! 2005/10/20(木) 11:30:00 ID:y8aaZ6gZ0

テーブルの由香さんがに移動しいざ座ろうと思ったが、椅子は片側3脚ある。

由香さんは一番奥に座っていた。俺、真ん中でいいんか?と思ったが一番手前に座った。

それを見た裕美が言った。

「どうして君は離れたとこに座るかなぁ~。隣に座ってあげなよ」

「あっ、はい・・・」ちょっと照れくさかったが素直に裕美の言葉に従った。

ナイスフォロー裕美!グッジョブ!(って当時そんな言い方なかったけど)。

俺が席に着くと同時に、由香さんが紅茶を持ってきて俺の隣に座った。

ふわっと昨日と同じリンスの匂いがした。やっぱ昨日のことは夢じゃなかったんだと確信できたひと時だった。

「はい、どうぞ。お砂糖は?」

「いえ、いらないっす」いつもは2,3杯砂糖を入れる俺はかっこつけて言った。

一口飲んでの感想。やっぱ砂糖入れればよかった・・・







814 607 sage New! 2005/10/20(木) 13:43:01 ID:6xTudlpc0

不気味な静けさが辺りを包む。誰も何も話さない。

由香さんは頬杖をういて、顔を少し横に向けティーカップをいじっている。

そういった姿の由香さん絵になるなぁ~。ぼーっと見とれている俺。

かたや裕美はと言うと、椅子の背もたれに片腕を回し、あごに手をやり

足を組んでふんぞり返って(ちょと大げさかも)座り、由香さんをじっと見ている。

まるでこの家の主みたい。違う意味でこれも絵になっている。

どれぐらい時間が経っただろう?突然裕美が言った。

「ねぇ?由香?・・・いいの?」

うんっ?いいのって何が?主語もなにもなく裕美の言ってる意味が一人分からない俺。

「うん」自分の返事を噛みしめるように、軽く二度三度うなずきならが、ちょっと口に笑みを携え由香さんが答えた。

ちょっと沈黙の後、裕美がつぶやいた。

「・・・そっか・・・」





815 607 sage New! 2005/10/20(木) 13:51:40 ID:6xTudlpc0

あのぉ~お二人の会話、俺、まったくみえてないんですけど?

そう思ったのもつかの間、その場の雰囲気をかき消すかのように裕美が元気よく

立ち上がりながら言った。

「そっか。分かった」

いや、俺分かってないんですけど・・・

「ヒロ君ごめんね、私たちちょ~っとこれから用事があるんだ。それで悪いんだけど」

みなまで言うな裕美。そこまで言われれば分かります。

裕美の言葉を途中でぶった切るように俺は「あっ、はい。分かりました」と急いで返事をした。

「ごめんね」自分の顔の前で手を合わせ、謝るような仕草をする裕美。







816 607 sage New! 2005/10/20(木) 13:59:12 ID:6xTudlpc0

帰り支度(と言っても制服の上着を着てバックを持つぐらいだけど)をして玄関へと。

その場でさよならかと思ったけど、二人とも外まで見送りに出てきてくれた(正直いって裕美が邪魔だと思った)。

なんて言っていいのか分からなかったが、そこは進行役の裕美の出番。

「一人で帰れるか?まっ気をつけて帰りたまえ」

「あっ、どうもお邪魔しました」そう言い、少し頭を下げ由香さんの方を見た。

素敵な笑顔で応えてくれましたよ。俺超ハッピーって感じだった。

「じゃ」といってその場から立ち去る俺。

帰り道、俺なんで連絡先聞かなかったんだろう?って思った。

でも同じ学校だし会おうと思えばいつでも会えるでしょって簡単に考えてた。





817 607 sage New! 2005/10/20(木) 14:08:56 ID:6xTudlpc0

なんか家についてもふわふわした気分で、のぼせてるみたいだった。

昨日の出来事って本当は夢なんじゃないかと思えた。

でも、お風呂に入ったとき、由香さんが肩につけた爪あとがちくりとしたからやっぱ現実なんだって思った。

俺、この体験を友達に超話したかったし、自慢したかった。でも止めておいたよ。

こんな話しをして、友達が好奇の目で由香さんを見ることに耐えられなかったし、

せっかくの想い出が汚されると思ったから。

学校へ行ってもしばらく、授業の内容が身に入らなかった。

まっそれは以前からだからあまり変わらないんだけどな。

もう由香さんのことしか考えられなかった。もう俺の中由香さんで一杯。

日を追うごとに思いが募る。由香さんを訪ねて2年の教室に行くか?

いや、でもちょっと恥ずかしいし、やっぱ上級生のフロアに行くのは緊張する。





819 607 sage New! 2005/10/20(木) 14:23:45 ID:6xTudlpc0

友達と一緒なら行けるか?とも思ったけど、そうするなら事情を話さなくては友達も納得しないだろ。

由香さんとのことを話すわけにはいかないし。

由香さんに会いたい、やっぱ会いに教室まで行くか?いや、でも・・・

見事な腰抜けっぷりを存分に発揮する俺。ジレンマに陥り時間だけがいたずらに過ぎていく。

近いうちに会えるだろう。そう自分に言い聞かせるように無理やり納得させその時を待った。







820 607 sage New! 2005/10/20(木) 14:27:44 ID:6xTudlpc0

裕美の姿は1、2度見た。裕美なんてどうでもいいんだよ。由香さんだよ由香さん。

しかし由香さんの姿を見かけることはなかった。ってゆーかおかしくないかっ?

同じ学校だぞ?いくらなんでも姿さえ見かけないってことあるか?

もう我慢でっきーん!俺は意を決した!

ようし放課後待ち伏せ作戦だ!(意を決したわりには屁たれな作戦でごめん)。

2年生が利用する階段でうんこ座りをしながら待つ俺。

何度も、「んだっ、こいつぁ~?おらぁ~!」って感じの先輩の厳しい視線に晒されること数十分。

本命ではないが、裕美発見。裕美も俺に気づいたようだ。

はっとするような表情をする裕美。

この時その裕美の表情が気になった。なんかいやな予感がした。妙な胸騒ぎがした。





821 607 sage New! 2005/10/20(木) 14:36:26 ID:6xTudlpc0

軽く会釈をする俺の脇を逃げるように、足早に去ろうとする裕美。

えっ!?ちょっと、なんか意外な反応なんすけど。慌てて俺は声をかけた。

「いや、ちょっと、先輩っ!!」ちょうど通りかかった2,3人の先輩が振り向いた。

おめぇ~らじゃねぇ~よ。心の中で突っ込みつつ、裕美の後を追った。

「ちょっと、先輩待ってくださいよ」

「あぁ・・・君か」今始めて気づいたって感じでちょっと動揺しながら裕美が言った。

「いや、君かじゃなくって、今、視線合ったじゃないっすか」

「あっ、ごめん、気づかなかったよ」んなわけねぇ~だろ。ばっちり視線合ってたじゃん!?

そう突っ込みたかったが、そんな押し問答してる場合じゃないと、冷静になる俺。

「で、なにっ?」ちょっときつめの口調で裕美が聞いてきた。

「?」今日はやけにきついな。そう思いながら尋ねた。







823 607 sage New! 2005/10/20(木) 14:43:07 ID:6xTudlpc0

「あっいや、由香さん、何組かを聞こうかと思って」

「・・・」

?意外な反応なんすけど。すぐに教えてくれるかと思ってたから。

じっと俺のことをを厳しい目つきで見つめる裕美。えっ!?なに?ホントなに?この反応は?

聞こえなかったのか?もう一度聞くか。

「由香さ・・・」

俺の言葉を遮るように裕美が答えた。

「由香、いないよ」

「はっ!?いないって?今日休みってこと?」

「いや、違う。もうこの学校にはいないってこと」

はっ!?もうこの学校にはいないってどういうこと?意味がわからん。





825 607 sage New! 2005/10/20(木) 14:49:28 ID:6xTudlpc0

「・・・えっ!?・・・えっ!?はっ!?」

この学校にはいない?もういない?もう???

なんか裕美の言った言葉が理解できずに軽い錯乱状態。

微動だにしない俺に向かって裕美が言ってきた。

「由香、家の事情で学校辞めたの」

はぁっ!?学校辞めた?えっ?誰がっ!?俺、この時言葉も出なかった。

「だから、もうこの学校にはいないの。分かった?」

そう言い、その場を立ち去ろうとする裕美。

おいっ!お前ちょっと待てよっ!そんな話しで納得できるか!俺、ぶち切れた!







829 607 sage New! 2005/10/20(木) 14:59:26 ID:6xTudlpc0

「ちょっと待てよっ!」

腹の底から絞り出すような大声でどなり、裕美の腕を力いっぱい掴んで強引にこっちに引き寄せた。

少しおびえたような表情をする裕美。

「はぁっ!?ちょっと待てよ!お前、なに言ってんだっ!?」

もう先輩も後輩もない。切れてる俺に上下関係はない。

その声を聞きつけた、周りの2年生の男共が「んだっこのヤロー」って感じで威嚇しながら近寄ってきた。

ヤバイかなって思ったけど、そんなこと気にしてる余裕なんてその時の俺にはなかった。

「君、ちょっと落ち着きな。なんでもないから、大丈夫だから」

後半の台詞はいかついお兄様方へ向かって投げかけた裕美の言葉。

収まりがつかないご様子のお兄様を見て、まずいと思ったのか裕美が俺の手を引き屋上へと移動した。







831 607 sage New! 2005/10/20(木) 15:10:44 ID:6xTudlpc0

屋上で裕美が話しを始めた。

由香さんは、父親の仕事の都合で海外(イギリス)に留学することが決まっていたこと。

本当は、9月に行かなくてはいけなかったんだけど、どうしても心残り(俺のこと)があるのでひとり日本に残っていたこと。

自分のわがままで親に迷惑をかけるわけにはいかないので、自分で出来る限りのことをしようとバイトをしていたこと。

そう言われていればそうだよな。あんな豪邸に暮らしていてバイトするのってへんだよな。

その話しを聞いて初めて納得した。

なんかその話しを聞いて悲しくなってきたというか、健気な由香さんを思って可哀想で泣けてきた。

もう超号泣って感じ。これが号泣じゃなかったらなにが号泣なんだって感じで泣いた。

いくら泣いても泣き足りない。この悲しみや由香さんを思う愛おしさをどこにぶつけていいのか分からなかった。

俺は腕をぶんぶん振り回し、泣きながら裕美に言った。

「何であの時言ってくれなかったんだよっ!?先輩、知ってたんでしょ?何でだよっ!?」





833 607 sage New! 2005/10/20(木) 15:19:05 ID:6xTudlpc0

もう涙なんてぬぐってる場合じゃない。涙や鼻水、もう色んな物が出てたと思う。

でもそんなのなんてお構いなしって感じだった。

「もうっ!先輩ずっけぇ~よっ!何でだよっ!何でだよっ!何でなにも言ってくれなかったんだよっ!」

あ~ん、あ~んって子供みたいに泣きじゃくったよ。もう後半自分でなに言ってるか分からんかったよ。

そんな中突然裕美が大声で言ってきた。

「じゃどうればよかったのっ!?えっ!?じゃあの時、由香はもう近々学校辞めて海外に行くんだよって言えばよかったわけっ!?

それ聞いてうするのっ!?どうすることも出来なかったでしょ!?」

後半裕美も涙声っすよ。

その裕美の言葉聞いて、更に泣きっすよ。確かにどうすることも出来なかったよ。

でもね、でも、いくらなんでもそれってひどすぎっすよ由香さん。残酷だよ。





834 607 sage New! 2005/10/20(木) 15:29:28 ID:6xTudlpc0

「由香はもう君の事諦めるつもりだったんだよ。でも偶然あの時会っちゃったから。

私はお互い悲しい思いするから止めておきなっていったんだよ。そのことについては由香もずいぶん考えてみたい。

でも、由香、君が自分のこと好きなってくれるなんて思ってもいなかったみたいね。

だから青春のいい想い出ってことで、たまに思い出すぐらいじゃないかねって言ってたよ」

そんなわけないじゃん!なに勝手に人の気持ちを決め付けてるんだよ!

俺その台詞聞いた途端、制服がよごれるなんて気にもせずにその場に突っ伏してて泣いたよ。

更に大声で泣いたよ。喉から血が出るんじゃないかってぐらい声を張り上げ泣いた。







836 607 sage New! 2005/10/20(木) 15:38:46 ID:6xTudlpc0

どれぐらい時間が経ったんだろ?もう涙も出尽くしたって感じがした。

俺はゆっくりと立ち上がった。もう辺りは真っ暗だよ。

とっくに裕美はいないと思ってたけど、じっと待っててくれた。

ちょっと悲しそうな、物悲しそうな視線で俺を見ている。

俺は顔に涙をぬぐうようにして、その場を立ち去ろうとした。

その時、裕美がハンカチを差し出した。そのハンカチに見向きもせずに俺はゆっくりと歩き出した。

「由香は・・・由香もあの日の朝泣いてた・・・」

由香の言葉が背中越しに聞こえた。その言葉でまた涙が流れた。

首を振りながら俺はその場を立ち去った。もうそんな話しは聞きたくなかった。

いくら聞いたところでもう由香さんには会えない。なんの意味もない言葉だ。





838 607 sage New! 2005/10/20(木) 15:49:07 ID:6xTudlpc0

しばらくもぬけの殻のように俺は過ごした。

朝起きて、支度をして、電車に乗り、学校に行き、友達とバカやってすごした。

友達を一緒にいる時は、由香さんのこと考えずに過ごせた。

でも夜一人になるとやっぱり思い出す。裕美が最後に言った台詞が。

「由香もあの日の朝泣いてたよ」

聞くんじゃなかったよそんな話し。

その台詞のせいで立ち直るまでかなりかかったよ。

まったく裕美も余計なこと言うよな。





839 607 sage New! 2005/10/20(木) 15:53:04 ID:6xTudlpc0

そんな屁たれで、泣き虫で根性なしな俺も来月結婚します。

一つ年上の、色白で華奢でハスキーな声の持ち主のイギリス帰りの素敵な女性と。

由香さん改め、塔子さんと結婚します。



長々とお付き合いありがとうございました。

じゃ(by 裕美改め久恵さん)。



---

<以下、続編(エロ無し)>



38 607 sage New! 2005/10/23(日) 22:59:56 ID:nKH9eS2H0

ヒロ君、お元気ですか?



手紙はシンプルな便箋に、塔子さんらしい綺麗な字でこう始まりました。

(ほぼ原文のまま書きます)



久恵から聞いてもう知っていると思いますけど、私は今、イギリスのリバプールという街にいます。

ヒロ君はリバプールという街を知っていますか?



リバプール?どこだそれ?ビートルズにもサッカーにもまるっきり興味がなく、

イギリスというとロンドンしか思い浮かばない、俺の無知っぷりを知ってか知らずか

リバプールの街についての説明が数行あったけど省略。



39 607 sage New! 2005/10/23(日) 23:00:21 ID:nKH9eS2H0

あの後、自分の口から留学することをヒロ君に伝えようかとずいぶん悩んだけど、結局言えませんでした。

ヒロ君にその話しをしている最中に、きっと泣いてしまうだろうなと思っていたし、

せっかくの決心が鈍ると思い出来ませんでした。

それに伝えたところで、もうどうすることも出来ないって思っていたから・・・。



40 607 sage New! 2005/10/23(日) 23:01:42 ID:nKH9eS2H0

あの後のことを、久恵からの手紙で知りました。

ヒロ君の気持ちを考えずに、自分本位な行動をしてしまったこと、また逃げるように日本を発った

自分の行動が恥ずかしいと思い、今とても後悔しています。

でも誤解のないように言っておきたいんですけど、ヒロ君とああいったことになり、

自分の思いを遂げることができたから、イギリスへと発つ決心をしたわけわけではありません。

あの日から1週間後に日本を発つことはもう、前から決まっていたんです。

でもこれって自分勝手な考えで、結局は言い訳ですよね。

それにヒロ君が私に好意を寄せてくれる可能性があるなんて、考えてもいなかったから。

だって、ヒロ君の前の彼女と私、ぜんぜんタイプが違うでしょ?



41 607 sage New! 2005/10/23(日) 23:03:34 ID:nKH9eS2H0

あの日、本当に偶然ヒロ君が一人でいる姿を見つけ、もう自分の中ではとっくに整理が

ついていたと思っていた気持ちは、結局は自分の気持ちをごまかしているんだなって気づきました。

もう1週間後には日本を発ち、ヒロ君にはもう二度と会えない。でも今日こうして出会えたのは

なにかの運命なのかなって自分にいいように考え、久恵にお願いして声をかけてもらいました。

久恵は最後までずいぶんと反対してたけど。

実はあの日、日本での最後の週末ってことで、久恵とは以前から朝まで語ろうと計画をしていました。

でも、偶然ヒロ君の姿を見かけその計画を変更して、私の家へと誘いました。



43 607 sage New! 2005/10/23(日) 23:04:04 ID:nKH9eS2H0

こっからあの日に俺の行動(泥酔っぷり)について書かれてました。

家に電話するのに間違い電話を4、5回もしていたこと、しかもそのうち2回は同じ家に電話していたこと、

更に、やっと繋がったと思った電話も、妹がいたずら電話かと思い1度切られてしまったことなど。

もちろんエビの話しも書いてありましたよ・・・(照れ)。



(全文を書くのもちょっとどうかと思いますので途中省略します。)



44 607 sage New! 2005/10/23(日) 23:04:48 ID:nKH9eS2H0

父の仕事の都合もあり、いつ日本に帰国できるのかはまだ分かりません。

日本に帰った時、あの日のように偶然ヒロ君の姿を見つけることができると信じています。

きっと見つけることができるよね?だってあの日、見つけることができたんだから。

少し大人になり、素敵な男性に成長したヒロ君の姿をきっと見つけることができると信じています。

ヒロ君も、もし偶然にも私の姿を見かけることがあったら、その時は声をかけてください。

                                              塔子



P.S ずいぶんと心配していましたが、私は現在一人です。 安心しましたか?

   それともヒロ君は酔っていたので、よく覚えていないかしら。



45 607 sage New! 2005/10/23(日) 23:05:43 ID:nKH9eS2H0

ざっくりですが、こんな感じで塔子さんが日本を離れ、1ヶ月ちょっとしてからエアメールがきました。

最初この追伸の文の意味がよく分からなかった。

後に本人に聞いたところ、「赤ちゃんは出来ていませんでした」と言いたかったらしいです。



自分の部屋にこの手紙が置いてあったのを見たとき、心臓の鼓動が超早くなったよ。

もうすっごい勢いでドッキンドッキいってるの。その鼓動で胸が痛くなるぐらい。

塔子さんからだ!!

すぐに分かった。手紙なんてくれる人は塔子さんしかいないって思ってたし。

それにエアメールでしょ?海外に知り合いなんているわけもなく、もうこれは塔子さんでしょって確信した。



47 607 sage New! 2005/10/23(日) 23:06:45 ID:nKH9eS2H0

俺の住所は、裕美・・・じゃなくって久恵さんが調べて知らせたらしいです。

久恵さんも、俺の号泣っぷり(後に「ありゃ~ギネス級だったねぇ~」と言ってました(照れ))を見て

ほんの少し(!と言っていた)可哀想と思ったことと、やっぱり塔子さんの行動に少なからず疑問を

抱いていたみたいなので、俺に連絡をするようにと勧めていたみたいです。

手紙を読み進めていくうちに当時の感触が蘇ってきて、どんどん涙が出てきた。

ホント涙で、字がにじんで見えなくて、まともに手紙が読めないぐらい涙が出た。

手紙をくれたことについては、ちょっと複雑な心境だった。

手紙が来たことについては、正直うれしかった。手紙そのものは確かにうれしかった。

でも、この手紙、来るのが早すぎた。もっと時間が経ってからきて欲しかった。



48 607 sage New! 2005/10/23(日) 23:07:30 ID:nKH9eS2H0

だって俺まだまだ全然立ち直ってないんだもん。

まぁ~ほんの僅かだけど心の傷は癒えてたと思うよ?そう屋上での出来事の時と比べるとね。

でも、まだぜんぜんダメ。ぜんぜんっていうか全くダメって感じ。

そんな、まだまだ落ち込んでいる最中にこの手紙でしょ。立ち直るために更に時間が必要だよって思った。

もう、相変わらず久恵は余計なこと言うなよな~って当時は思った。



49 607 sage New! 2005/10/23(日) 23:08:30 ID:nKH9eS2H0

どうにも出来ないもどかしさ、自分の力のなさ(旅費を捻出する経済力とかね)に憤りを感じた。

金がないなら密航でもなんでもしろって、思うかも知れないけど、俺、当時高校生じゃん?しかも屁たれ。

密航でもなんでもして、いざイギリスに行ったとしても、

どうやって塔子さんに会いにいけばいいのか、分からなかったよ。

言葉も通じない、地理もまったく分からない。分かってるのはイギリスって国の場所ぐらい。

(俺この時、社会の地理、5段階評価で2、英語は4だったけどそれじゃ無理でしょ!?)。

こりゃ迷子になって身元不明○体になること必至っしょ!?って思った。

会いたいって思う気持ちよりも、不安な気持ちの方が大きかったってのが、当時の俺の正直な意見。

それに会ってどうなるの?とも思った。せっかく会ってもずっと一緒にはいられないんだしって思った。



50 607 sage New! 2005/10/23(日) 23:09:22 ID:nKH9eS2H0

更に、手紙の最後の数行が俺の熱意とわずかにあった勇気を一瞬でそぎ落とし、失意のどん底へ落とし込めたね。

普通、こういった場合、待っててくださいねとか、あなたに会いに日本へ帰りますとかって書かない?

そういったことが一切書かれてないんだもん。

いつ帰国するか分からないって、それっていくら待ってても無駄ですよって遠まわしな言い方でしょ?

あっこりゃもう終わったなって思った(ってゆ~か始まってもいないけど)。

でも、そうは思ったもののやっぱなんか諦めきれない。それに自分自身納得ができなかった。



53 607 sage New! 2005/10/23(日) 23:09:56 ID:nKH9eS2H0

俺はダメ元覚悟で返事を書いた。ミミズがのた打ち回ってるようなへたっぴな字で。

女性に手紙を書くなんて、小学生の時の交換日記以来のことだよと思いつつ書いた。

何度も何度も書いては消し、消しては書いての繰り返しだった。

2日ぐらいかかったかな?やっと完成した。汚い字だけど心を込めて書いた手紙が。

きっと俺のこの想いが塔子さんに届くだろうって、信じて書いた手紙が。



55 607 sage New! 2005/10/23(日) 23:10:55 ID:nKH9eS2H0

約3年の時が過ぎた。俺大学2年生。



56 607 sage New! 2005/10/23(日) 23:11:54 ID:nKH9eS2H0

俺は、同じ学校の同じ年の子(以下、優菜)と付き合い始めた。

まぁ~優菜との付き合い、楽しかったことは楽しかった。お惚気じゃないが結構可愛かったし、性格もよかった。

優菜に対しては別になんの不満もなく、周りの人たちもいいカップルだねって言ってくれてた。

お世辞じゃなくみんな本心からそう言ってくれてるんだと、自分自身でも分かっていた。

でもね、お決まりの台詞じゃないけど、なんか違う。

優菜は優菜でホントいい子なんだよ。俺にはもったいないって、謙遜してるわけじゃなくそう思ってた。

でもね、いくらいい子でもこの子は塔子さんじゃないんだよねって思った。当たり前だけど。



57 607 sage New! 2005/10/23(日) 23:12:27 ID:nKH9eS2H0

こんな思いのまま、この付き合いを続けても相手に悪いと思ったし、

なにより自分の気持ちに嘘をつくのがたまらなく嫌だった。

結局、俺の方から別れ話を切り出して別れた。その話しをした時、優菜あまりびっくりしていなかったよ。

俺の心の中には、自分とは違う誰か他の人がいる、っていうのが分かってたみたい。実際そう言われたし。

当人よりもむしろ周りの人の方がびっくりしてたっけ。

フリーになった俺だけど、塔子さんに会いに行こうなんて思わなかったよ。

だって、もう諦めろってニュアンスの手紙ももらってたから。



58 607 sage New! 2005/10/23(日) 23:13:15 ID:nKH9eS2H0

なにも変ったこともなく、更に1年の時が過ぎた。俺が大学3年生の時の冬の話し。

冬休みってことで、下宿先から実家へ帰るのに俺、電車を間違えて乗っちゃって、

自分の降りる駅の2個手前までしかいかない電車に乗っちゃったんだ。

あぁ~なんか久しぶりだなぁ~って感じで駅の階段を降りていった。

何年経っても変り映えしない駅前の光景を見回し、特になんもすることもないし

次の電車の時間まで、本屋で立ち読みでもするかって思って、駅の階段わきの狭い歩道を歩き出した。

ホント歩道が超狭くって、車に荷物を入れようとしている、白いコートを着た女性と俺はぶつかった。

「あっ!ごめんなさい」「すませぇ~ん」

ほぼ同時に言葉を発し、その女性のわきをすり抜けようとした時、なにか違和感を感じた。



59 607 sage New! 2005/10/23(日) 23:14:15 ID:nKH9eS2H0

なにかって分からなかったけど、本能が俺に何かを訴えかけてくる。そんなような気がした。

当時、そんな風に思ったかどうか定かじゃないんだけど、なにかが気になったことは確かだった。

俺はその違和感を確かめるべく、何気なく振り返った。

それまでうるさかった周りの喧騒が、一瞬で聞こえなくなった。本当にそんな気がした。

全身が小刻みに震え、寒気というかぞくぞくすると言うか、もうなんていうんだろ?

とにかく、もうなんとも言えない感覚に捉われた。

その俺の気配を感じたのか、その女性がゆっくりと顔を上げ俺の顔を見た。



60 607 sage New! 2005/10/23(日) 23:14:52 ID:nKH9eS2H0

はっとするその女性。左手を自分の口にあて、信じられないって表情で俺を見ている。

その女性の瞳が妙にきらきらしていた。車のライトや街頭がその女性の瞳に反射している。

そのきらめきが一瞬なくなったような気がした。そう思うと同時にその女性の目から大粒の涙がこぼれ出した。

何粒も何粒も、口に当てた手を伝わり涙が道路に落ちる。

自分を落ち着かせるためか、その女性は右手を自分の胸にあて、少しの間目をつぶっていた。

その間も、閉じた瞼から涙が何粒かこぼれ出していた。

どれぐらい時間が経ったんだろ?多分長くても1分ぐらいだろうね?

俺その間、超間抜けに口を半開きにしてたと思う。

なにか言わなきゃ、そう思ったけど言葉が出てこない。

なにかとてつもなく大きな物を飲み込んで、息苦しいような感じっていうのかな?

喉になにか詰まってる、そんな感じがした。

塔子・・・さん?やっぱ塔子さんだよな?



61 607 sage New! 2005/10/23(日) 23:15:32 ID:nKH9eS2H0

長かった髪にちょっとウェーブがかかり、俺の記憶の中より少し背が伸び、

大人っぽくなっているような気がしたが、でもど~みても塔子さんだよな?間違いないよな?

「・・・あっ・・・ウッグン(生唾を飲む音ね)・・・」

ヤバイ、しゃべれない。言葉が出ないよ。

俺もしゃべらないが、その女性もなにもしゃべらない。瞳に涙を浮かべ、ただ俺のことを見つめている。

そっから更に1分ぐらいの時間が経過したかな?

突然、車の運転席から声がした。

「塔子?なにしてんの?」

その声の呼びかけで、やっぱり塔子さんだって思うと同時に、

俺、心臓っていうか心がナイフでえぐられたような、そんなような気がした。



62 607 sage New! 2005/10/23(日) 23:16:08 ID:nKH9eS2H0

再会の幸せの絶頂から、一気に奈落の底へと突き落とされたね。

全身凍りついたような気がして、体全体がわなわなと震え、瞳孔が人生最大ってぐらい開いてたと思う。

おいっ!なんなんだよっ!?俺の幸せたった2分で終わりっ!?ちょっと勘弁してよ~っ!

この時、どこにこの怒りをぶつけていいのか分からなかった。

ホント、俺自分の人生呪ったね。だってその運転席から聞こえてきた声、若い男の声なんだもん。



63 607 sage New! 2005/10/23(日) 23:16:46 ID:nKH9eS2H0

返事をしない塔子さんに、さらにその運転席にいる男が言ってきた。

「おぉ~い?塔子~?なにしてんの~?早く乗れよ~」ってちょっとやさしめの声で。

俺、その場から走り去りたかった。その男の顔なんて見たくなかったから。

だって、そうでしょ?その男と塔子さんの幸せそうなツーショットなんて見たくないでしょ?

でも動けなかった。塔子さんが返事をしないのを不審に思ったのか、その男が車から出てきた。

うおっ!?デカっ!て思った。背が180ちょっとあって(身長165cmの塔子さんが子供に見えた)、

野球のイチローのえらをもう少し穏やかにしたような感じの、ナイスガイが車から出てきた。

俺、完敗。完封負けだよ、しかも完全試合だよってこの時わけわかんないこと考えてた。

ビジュアルも、身長(因みに俺、身長176cm)も恋も、なにも勝つものがないよって感じだった。



64 607 sage New! 2005/10/23(日) 23:17:19 ID:nKH9eS2H0

その男は泣いている塔子さんと、びっくりした顔で瞳孔を全開にして、自分の方を見ている

ちょっとこいつヤバイんじゃねぇ~のって感じのする男の顔を交互に見ながら言った。

「塔子?ここじゃ他の車の邪魔になるから(移動しよう)・・・」

しかし塔子さんは、その男の問いかけに何の反応も示さない。

なんの反応も示さない塔子さんの腕をゆすりながら、その男がさっきより少し大きい声で再び言った。

「塔子っ!聞こえてる?他の車の邪魔になるから移動するよ?」

そう言われやっと我に返る塔子さん。

「えっ!?・・・あっ、あぁ・・・うっうん・・・」昔と変らないハスキーな塔子さんの声だ。

「そこの彼も乗って」その男が言った。

はっ!?なんで俺も乗らんといけんのっ!?俺乗ってどうするの?しかも彼って、なんじゃそりゃ?って思った。

そう言おうと思ったが、あまりにショックが大きく声が出ないし、動くことも出来なかった。

その男が「とりあえず乗って」と言いつつ俺を車に押し込んだ。

車の後部座席で、俺はず~~~っと床の一点を見つめていた。



65 607 sage New! 2005/10/23(日) 23:18:23 ID:nKH9eS2H0

車は5,6分走ったかな?ガラガラガラとシャッターが開く音がして、ガレージへと入った。

俺はその男に付き添われるようにして、階段を上がりある家の玄関へと入っていった。

どっかで見た風景、どっかで一度かいだことのある匂いがした。

そうここは、4年前に来たことのある塔子さんの家だった。

前と明らかに違うのは、段ボール箱がいっぱい積んであったことぐらいかな?

俺はダイニングへと通され、椅子に座らされた。

ポジション的には俺の方は一人、塔子さんはその男と並んで座っていた。

そのポジションを見て、もうなんか情けないやら、悲しいやら、ショックやら、ほんと色んな感情が渦巻いてきた。

頭の中がぐわんぐわんする。どうする俺?泣いちゃうか?よし泣いてしまおう。

もう我慢できないしって思ったわけじゃないが、涙が自然に出てきた。

その俺の姿を見て、その男が驚いたような口調で聞いてきた。



66 607 sage New! 2005/10/23(日) 23:19:17 ID:nKH9eS2H0

「おい、君っ!?大丈夫かっ!?」って。

お前あほかっ!?どうみても大丈夫じゃないだろっ!?いい年した男が人んちの居間で泣いてんだぞっ!?

これのなにも見て大丈夫かって聞いてんだよっ!?お前いっぺん○んでこいよっ!!

って言いたかった。でもそんなこといえる訳がない。なんでって?だって俺、えぐえぐ泣いてんだもん。

(まぁ~泣いていなくても、屁たれな俺がそんなこと言えるわけもないんだが)

「塔子?彼ってもしかして・・・例のっ?」その男が塔子さんに尋ねた。

てんめぇ~!このヤロォ~!馴れ馴れしく塔子って呼ぶなぁ~!彼氏かもしれんが俺の前でそう呼ぶなぁ~!

それに俺のこと「彼」って聞きなれないこ言葉で言うなぁ~!って思った。ホントそう思った。



67 607 sage New! 2005/10/23(日) 23:20:34 ID:nKH9eS2H0

「えっ?えぇ、そうよ」塔子さんがそう答えると、その男は

「始めまして・・・」といいながら俺に手を差し出してきた。

あぁ~んっ!?てめぇ~あんだその手はっ!?その手ぶった切ったろうかっ!?とは思わなかったが、

はっ!?なんだその手はっ!?シカトするしかないっしょっ!?とは思った。

でも少しは大人になれって自分に言い聞かせ、俺も手を差し出した。

「塔子の兄です。妹がいつもお世話になってるみたいで」(って感じで言ってたかな?)

といいつつ俺の手を握ってきた。



69 607 sage New! 2005/10/23(日) 23:21:51 ID:nKH9eS2H0

正直、後半なんて言ったか覚えてない。そんな挨拶なんて聞く必要ないって思ったから。

そんな挨拶より、俺は一つの単語に集中していた。兄っ!?はぁっ!?えっ!?

えぇ~ちょっと待ってくださいね。ちょっとお伺いしますが、今、あなたなんて仰いました?兄っていいました?

兄って単語の意味知ってるんですか?知ってる上での発言ですか?って聞きたくなった。

実はこの男も、イギリス帰り(これは当たってた)で、しばらく日本語から遠ざっていたため、

日本語を忘れ(こっちは間違ってた)兄って意味が分からないのかと思った。

それかこの人、実はこう見えて外人さんなのかな?って思った。

俺は兄と言う単語の意味を、辞書片手に説明しようかと思ったぐらいだった。



70 607 sage New! 2005/10/23(日) 23:22:34 ID:nKH9eS2H0

いや、でも待てよ。この人どう見ても日本人だよな?。いくら長く海外にいたからといって日本語を忘れる

日本人っていないよな?それにちゃんとさっきから日本語しゃべってるしって思い説明することはやめておいた。

俺は、超間抜けな顔をしながら、塔子さんの方を見た。

塔子さんは、昔、俺が一度みたことがある仕草と同じように小首を傾げながら、

「うんっ?」っていう表情をしていた。



71 607 sage New! 2005/10/23(日) 23:23:41 ID:nKH9eS2H0

こっからは簡単に書かせてもらいます。

これ以上長くだらだら書いてもつまらないですし(ってここまででも十分長いですけど・・・)。



72 607 sage New! 2005/10/23(日) 23:24:37 ID:nKH9eS2H0

その後、俺と塔子さんは場所を移し、塔子さんの部屋で話しをした。

日本へ帰ってきたのは一昨日らしいです。

それと実は塔子さん、この約5年の間、何度か日本に帰ってきていたらしいです。

といってもほんの数日間らしいけど。

帰国する度に俺に会いに行こうかと思ってたらしいけど、結局は会ってもどうにもならないし、

悲しい思いをするだけと思い行動に移せなかったらしいです。

その躊躇する理由は、色々あったけど、最大の理由は俺から手紙の返事がこなかったことだと言ってました。

なんの返事もないと言うことは、俺には自分に対する特別な感情はなかったんだと、そう思っていたみたいです。

あと、これが一番重要な話しだったんですが、両親はまだイギリスにいて帰国する予定は未定だが、

自分とお兄さんはもうずっと日本にいるということでした。



この日、他にも色んな話しをしたけど、これも長くなるので省略です。



81 607 sage New! 2005/10/23(日) 23:41:18 ID:Rm2eq6oe0

話しは尽きることがなかったんが、だいぶ遅くなったのでと帰ろうと思い、塔子さんの部屋を後にしようと

ドアに向かう途中、ふと机の上にある写真たてに入っている一枚の写真が目に入った。

机の上というか、その部屋には荷物らしい物が他にはなく(まだほとんどのダンボールが未開封だったから)、

○風景な部屋の中、その写真だけがいやでも目についた。

なんの写真だろ?って思ってちょっと近づいて見てみると、その写真には俺が写っていた。

いや、俺だけじゃなく、他の人も一緒に写ってたんだけど。

その写真は、俺が高校一年生の時の写真で、体育祭で騎馬戦をやってる時の写真だった。

そんなに大きく写ってたわけじゃないんだけど、確かに俺が写ってる。



83 607 sage New! 2005/10/23(日) 23:42:10 ID:Rm2eq6oe0

俺が見ているのに気づいたのか、塔子さんは机に近づきその写真たてを手に取りこう言った。

「これねぇ、ヒロ君が写ってるの。偶然この写真を見つけて、写真部の人にお願いして譲ってもらったんだ」

なんか熱いものがこみ上げてきた。じ~んときたよ。

塔子さんが続けた。

「何度もしまった方がいいかなって思ったんだけど、どうしてもできなくて」

その写真を見た時に考えていたことがあった。でもなんか信じられなくて確信がもてなかった。

でもその塔子さんのその言葉で俺確信した。

塔子さんはまだ俺のことを想ってくれてるんだ。そして俺もまだ塔子さんのことが好きなんだって。

「・・・」



85 607 sage New! 2005/10/23(日) 23:42:46 ID:Rm2eq6oe0

なにも言わない俺をみて、不安に思ったのか塔子さんが尋ねてきた。

「・・・迷惑・・・だったかな?」

「・・・いえっ・・・」心臓がバクバクいってきた。

言いたいことはあるが、やっぱ恥ずかしくて言えない。

でも今そんなこと言ってる場合じゃないだろって感じで、俺は勇気を振り絞って言った。

「いえ・・・迷惑なんかじゃないです。だって俺・・・あの日からずっと塔子さんのこと好きでしたから」

言えた。やっと言えた。約5年ずっと、ずっとずっと言いたかったことがやっと言えた。

俺、自分の言った台詞にちょっと感動したよ。まっぜんぜん大したこと言ってないんだけど。

自分の言った台詞に酔いしれ、その後の塔子さんの反応は?って感じで期待を込めて塔子さんを見た。

あれっ!?塔子さんぜんぜん素なんですけど・・・いや、なんかこうもっと反応とかないんですか?



86 607 sage New! 2005/10/23(日) 23:43:18 ID:Rm2eq6oe0

塔子さんの俺に対する想いって、もしかして俺の勘違い?ちょっと(かなり?)不安に思うこと数秒。

塔子さん、写真たてを机の上にそっと置いて、それから俺の胸へと飛び込んできました。

俺は塔子さんの体だけじゃなく、気持ちも一緒に受け止めるようにしっかりと抱きとめた。

その感触を確かめるかのように、ゆっくりゆっくりと徐々に力をいれ抱きしめた。

「ねぇ、ヒロ君?」

「うんっ?」

「いつかみたいにぎゅっとして」

ほのかに香る髪の毛の匂い。

昔と変らない塔子さんの匂いだ。そう思いながら俺は力いっぱい塔子さんを抱きしめた。



87 607 sage New! 2005/10/23(日) 23:44:14 ID:Rm2eq6oe0

再会は大体こんな感じです。

再会から現在に至るまでの経緯についてですが、特別なことはなにもありません。

普通に一緒に過ごし、普通にケンカしてというように、まったく普通のカップルです。

特別なことと言えば、両親に挨拶にいったことぐらいですかね。これはさすがに緊張しました。

塔子さんのお父さん、正にダンディーって感じ。

う~ん、ジェントルメンって言うのかな?そんな感じでしたね。

お母さんはと言うとですね、塔子さんお母さん似ですねって感じ。

塔子さんと同じように色が白くて、上品な感じがしました。



88 607 sage New! 2005/10/23(日) 23:44:57 ID:Rm2eq6oe0

それとプロポーズをしたのは、今年の塔子さんの誕生日の日にです。ベタでごめん・・・。

あの時書いて、結局出せずに、塔子さんからもらった手紙と一緒にしまっておいた手紙を

渡しながらプロポーズをしました。

「・・・やっと・・・」ちょっと言葉を詰まらせながらも塔子さんは続けた。

「やっと返事がもらえた・・・返事がもらえて良かった・・・」

その手紙を読み終えた塔子さんは、少し間を置いて更に続けた。

「あなたのことずっと好きでいてよかった。そしてこれからもずっと好きでいられることが出来てよかった」

半分泣き、半分笑いながら、塔子さんはそう返事をしてくれました。



90 607 sage New! 2005/10/23(日) 23:45:55 ID:Rm2eq6oe0

あとは、特別なにもないかな?

それと俺、12月にイギリスに行ってきます。

イギリスだけでなく他のヨーロッパの国にもいくつか行きますが、イギリスがメインです。

恥ずかしいからと、俺の前ではまだ1度しか英語をしゃべってくれない、

シャイなバイリンガルの方と一緒に行って来ます。



91 607 sage New! 2005/10/23(日) 23:46:37 ID:Rm2eq6oe0

以上です。



つまらない話しに長々とお付き合いしていただき、ありがとうございました。



110 607 sage New! 2005/10/24(月) 00:26:42 ID:Plu2KyRV0

皆さま、ご支援をありがとうございました。

それと祝辞までいただけて、なんか恐縮しちゃいます・・・。

少しは皆さんの暇つぶしになったかなと思い、ほっと一安心しています。



>>95

某企業で会社員しています。

リフレッシュ休暇という訳ではないんですが、会社が休め~っていうのでその言葉に素直に従い休んでました。

、まぁ~色々準備もあったんでちょうどいいやって思って。

でも、そんな準備なんてすぐに終わってしまって暇だなぁ~って思い、書き込みをしました。

>>105

学生です。



---



221 607 sage New! 2005/10/26(水) 19:48:23 ID:Osu3EIvQ0

ここのところずっと帰りが遅くて、書き込みをしてからこのスレを見ることができませんでした。

で、久しぶりにこのスレを見てビックリしました。

こんな話しに、こんなにもたくさんのレスをいただけて。

本当にありがとうございました。

なんか、俺の代わりにレスしてくれてる人もいるみたいで・・・

書き込みをするのもどうかと思ったんですが、一言お礼をと思いましたので。





258 607 sage New! 2005/10/29(土) 22:55:14 ID:XSAlNFWb0

スレ違いになってしまいますが、もう脱線しまくっているので、

ついでといってはなんですが。ご両親に会った時の話しを。

俺にとっては思い出深い話しですので。





261 607 sage New! 2005/10/29(土) 23:07:20 ID:XSAlNFWb0

初めてご両親にお会いしたのは、塔子さんと再会してから半年後ぐらいだったかな?

両親が帰国するので、紹介の意味も込め出来れば会って欲しいってことだった。

この時「いや~それはちょっと」って思ったよ。

こんな俺の考えを非常識という人もいるかもしれないけど、正直そんなこと必要なの?って思った。

今まで、そんな風に正式に紹介なんてされたことなかったし。

まぁ~過去の付合いって言っても、そんなにないからあれなんだけど。

数少ない付き合いのうち、一つは小学生の時ね。

この時は交換日記をするぐらいのレベルの付合いだったから、さすがにこれは必要ないでしょ。

(交換日記ぐらいで、紹介されてもね。しかもまだ男女交際なんてよく知らない年頃だし)

あと、中1の頃の付き合いは、親しくなる前に振られた。

親に紹介するどころじゃなくて、お互い自分達の自己紹介もまだ全然済んないじゃんっ!?って感じ。





262 607 sage New! 2005/10/29(土) 23:08:27 ID:XSAlNFWb0

でもね?こんな俺でも、全くそういった経験がないわけじゃ~ない。

過去、付合ってる子の両親に会ったのは1度だけある。

中学~高校にかけて付合ってた子ね。高校スレに出てきた公子。これは両親に会った。

でもこれは紹介って言えるような、しろもんじゃなかったなぁ~。

初対面がこれほど最悪なパターンって、この先ないし、経験したくもないだろっ!?って感じだった。

言ってみれば強制出頭っていうのかな?それはこんな感じだった。





263 607 sage New! 2005/10/29(土) 23:09:30 ID:XSAlNFWb0

中3の時、俺は格好つけて、行ったこともない街(快速電車で60分)にデートに行った。

でもその帰り、案の定、電車を乗り間違えて、違う方向に行っちゃった(俺、昔から電車ダメなの)。

間違いに気づいた頃には、もう20分も電車に乗っていた頃だった。

前にも言ったけど、田舎のため引き返す為の電車もすぐにはなく、待つこと数十分。

やっと来た電車に乗り込んで、振り出しの駅へ到着。

さぁ~帰るかと思ってもこれまたすぐに電車がない。

なんだこれっ?すごろくの1回休み二連荘って感じ?俺、もうサイコロ振るのイヤだよって感じだった。

あまりに遅くなったので、親が心配していると思い、彼女に家へ電話をするように勧めた。

(我が家は何時になろうが、連絡なんてしないけど)

よく気がつき、思いやりのある優しい彼氏を演じようとした俺のこの作戦、大失敗。





264 607 sage New! 2005/10/29(土) 23:10:37 ID:XSAlNFWb0

彼女が家に電話すると、お母さんもうカンカン。帰りが遅いって。まだ7時前なのに。

俺を電話口に出せっ!ってのたまっている。恐る恐る電話に出る俺にそのお母さん

「話したいことがあるので、家まで来なさい!」って受話器が壊れるぐらいの大声で言ったよ。

約1時間後。びびりながらその子の家につくと、挨拶そっちのけで早速お母様のお説教開始。

なぜか、その嵐の様なお説教しているお母さんの隣で、お父さん爪切ってるの。しかも足の。

彼女は隣で、こんなことになって、俺に申し訳ないって感じでグスグス泣いてるし、

お父さんはパチッパチッってやってるし。そんな異様な雰囲気の中、お母さんのお説教は更に続いた。





265 607 sage New! 2005/10/29(土) 23:11:18 ID:XSAlNFWb0

貴方はどこの学校を受験するのだととか(お嬢さんと同じぐらいの知能なので一緒の学校を受験します)。

もうね、自分の親にも言われたことのない様なお説教を食らいましたよ。

ホントも~う満腹です、もうなにもいりません。初対面なのに、そんなにもてなさなくても結構ですよって感じ。

出されたカルピスが飲めないぐらい、小言でお腹が一杯になった。

(まぁ~そのカルピス、お母さんがしつこいぐらい勧めるので、帰り際に一気飲みしたけど)

因みにこの時、お父さん一言しかしゃべってません。

お母さんの「お父さん、なにか言うことないの?」って問いかけに

「あぁ、いや、別に(ない)」って切った爪をティッシュにくるみ、それを握り締めて言ってた。





266 607 sage New! 2005/10/29(土) 23:11:53 ID:XSAlNFWb0

受験生がこんな遅くまで遊んでるのはどうとか(いえ、遊んでいたわけじゃなくて、軽く迷子になってたんです)

貴方はどこの学校を受験するのだととか(お嬢さんと同じぐらいの知能なので一緒の学校を受験します)。

もうね、自分の親にも言われたことのない様なお説教を食らいましたよ。

ホントも~う満腹です、もうなにもいりません。初対面なのに、そんなにもてなさなくても結構ですよって感じ。

出されたカルピスが飲めないぐらい、小言でお腹が一杯になった。

(まぁ~そのカルピス、お母さんがしつこいぐらい勧めるので、帰り際に一気飲みしたけど)

因みにこの時、お父さん一言しかしゃべってません。

お母さんの「お父さん、なにか言うことないの?」って問いかけに

「あぁ、いや、別に(ない)」って切った爪をティッシュにくるみ、それを握り締めて言ってた。





267 607 sage New! 2005/10/29(土) 23:12:31 ID:XSAlNFWb0

こんなイメージのあるご両親とのご対面。避けたいと思うのは当然でしょ?

しかも相手は外国に住んでいらっしゃる、ちょっと(かなりか?)ハイソサイエティーな方たち。

「う~ん・・・」ってちょっと尻込みをするのも当然でしょ?

「あっ、あぁ、別にいいのよ?ただ、ほら、帰ってくるからどうかな?

って思ってちょっと聞いてみただけだから。ホント、気にしないで」

躊躇する俺の様子を見て、慌てたように手を振りながら塔子さんが言った。

こんな風に言われたら普通、いやとは言えないでしょ?

「いや・・・別に、いやってわけじゃないけど・・・」

「でも、本当は嫌なんでしょ?」ちょっと笑いながら塔子さんが言った。

「いや、ホント嫌じゃないよ」

「ホントにぃ~?」

ってな感じでいつの間にか、ご対面の計画が立っていました・・・。





268 607 sage New! 2005/10/29(土) 23:13:43 ID:XSAlNFWb0

学生だった俺だけど、スーツはたくさん持ってたよ。アルマーニとか、ドルチェガッパーナとかね。

自分で言うものなんだけど、俺、結構おしゃれだったし~フフ~ン♪

やっぱ両親と会う時は、シックにアルマーニしかないでしょって感じで超キメて行ったよ。

塔子さんの家に着き、呼び鈴を鳴らすと塔子さん本人が出てきた。

「どうぞ」って感じで(床が凹←こんなんなってるような)居間へと通された。

「ちょっと座って待っててね」そう言いながら塔子さんは一旦出て行った。

いくらお客とは言え、こういった場合上座に座るのは非常識だろと思い、下座である手前側に座った。

ガチャリ





270 607 sage New! 2005/10/29(土) 23:14:45 ID:XSAlNFWb0

扉が開く音がした。ご両親登場です。これは挨拶しなくてはいけないって感じで、

開けていたスーツのボタンを閉めながらゆっくりと俺は立ち上がった。

「始めまして、○○と申します。ご挨拶が遅れ申し訳わけございません」

「始めまして、塔子の父です。まっ硬い挨拶は抜きにして、さっどうぞ」

「始めましてぇ、塔子の母です」

人懐っこい笑顔で俺に椅子を勧めるお父様に、温かい笑顔で俺を迎えるお母様。

はぁ~よかった。よさそうな人たちで。やっぱ塔子さんの両親だよなぁ~いい人に決まってるよ。

会うことに躊躇してた俺ってバカみたいだよ。俺の緊張も徐々に解け、終始和やかに進むご対面の儀。





271 607 sage New! 2005/10/29(土) 23:15:26 ID:XSAlNFWb0

っと、ここまではもちろん脳内シュミレーション。

俺がこんな風に立ち振る舞いできるわけがない。正しくはこうね。





272 607 sage New! 2005/10/29(土) 23:16:24 ID:XSAlNFWb0

学生だった俺が、洒落たスーツなんて持っているわけもなく(貧乏だったし)、一張羅である

成人式の時に青山で買ってもらったスーツでいざ出陣(なんか出発時に既に落ち武者状態ってかんじ)。

塔子さんの家に着き、呼び鈴を鳴らすと塔子さん本人が出てきた(これは予め計画していた)。

「ちょっと座って待っててね」そう言いながら塔子さんは一旦出て行った。

これは脳内行動と一緒。でもこっからが違う。

座って待っててねって・・・俺、どこに座ればいいの???数分間入り口付近に立ちすくむ俺。

ガチャリ

っ!!!!!!





273 607 sage New! 2005/10/29(土) 23:17:49 ID:XSAlNFWb0

「あらぁ~ようこそいらっしゃいました」

初めて見る塔子さんのお母様だぁ~お母様だぁ~お母様だぁ~・・・・

(丁寧語の使い方間違ってると思うから、適宜脳内変換お願いします)

「お掛けになってお待ちになっていらっしゃればよろしかったのに~」(なんか書いててわけ分からん)

「あっ・・・はっ、いえ・・・」(早速、シュミレーションの挨拶も忘れている俺)

「塔子の母です、いつも娘がお世話になっております」軽くお辞儀をしながらのご挨拶。

                                    (↑こう書くんだ?今、初めて知った)

いちいち言わなくても分かります。だって塔子さんに似てますから、って一人突っ込みしつつご挨拶っと。

「あっ、はいっ、あのっ、○○といいます。よっ、よろすくお願いします」案の定、噛んだ・・・。

「どうぞ、お掛けになって」手振りで椅子を勧めるお母様。

「あっ、はい」





275 607 sage New! 2005/10/29(土) 23:19:18 ID:XSAlNFWb0

恐る恐る勧められたソファーに座る俺。しかし、このソファーが超曲者でさぁ~。

結構低めのソファーなのね。で、座る位置がかなり深い。くつろいで座るには申し分ないと思うが、

そうするとふんぞり返って座るように格好になる。

おいおい、初対面でいきなりその座り方はないだろぉ~?って感じになるので、俺はすっごく浅く座った。

低めのソファーだから、俺の短い足でもちょっと窮屈になるのよ。

よく、TVとかで女優さんが、ソファーに座ってインタビュー受けてる姿あるでしょ?

あんな感じで、ちょっと足を横に向けなきゃいけない。本当なら大股広げて座ればいいんだろうけど、

そんな座り方できないでしょ?そんなカマっぽい俺の座り姿を見て、

「もっと楽にして座ってらして」と、お母様が助け舟のような一言を。

「いえ、大丈夫です」俺は、さもこの座り方が好きなんですって感じで返事をした(俺のバカ・・・)。





276 607 sage New! 2005/10/29(土) 23:20:04 ID:XSAlNFWb0

「そう?ならいいんですけど」

ってお母様ぁ~、それ諦めが早過ぎっす!もう少し強引に勧めてくださいよっ!?それと、

どうござぁ~ん!はやぐぎでぇ~!お母様とのツーショットと、この体勢に、俺耐えらんなぁ~い!

俺のこの心の叫びが塔子さんに届いたのかどうか分からないが、塔子さんが登場したのは約10分後だった。

そんな俺の苦境(まぁ~自滅なんだけど)を我関せずって感じで、お母様が仰いました。

「ごめんなさいね、主人ちょっと今、用事があって。すぐ来ると思いますから」

ホントはこの時「あっ、はいっ」って返事をしつつ、

「いえ、いいです。来なくていいです。永遠に来なくていいです」って思ってた。

そんな俺の思いをよそにお母様、俺の顔を見ながらこう仰いました。

「やっと、お会いできたわねっ」って。

やっべっ!やっぱこういう家庭って付合う前に親の承諾がいるんだっ?そう思った俺は慌てて言った。

「あっ!申し訳ありません!ご挨拶が遅くなり、申し訳ありませんでしたっ!」

俺、おもいっきり頭下げた。それにしても俺、何回謝ってるんだろ・・・





277 607 sage New! 2005/10/29(土) 23:21:05 ID:XSAlNFWb0

「あっ、いえ、ごめんなさいね。そういったことを言ってるんじゃないのよ?

嫌味に聞こえたらごめんなさいね?ふふふ」

「あっ、いえ・・・」

ちょっと間が空いた後、お母様が何か話題はないかしらって感じで、ニッコリ微笑みながら聞いてきました。

「えっとぉ~・・・それで、娘とのお付き合いは、いつ頃からなのかしら?」

やっべーよ、これ。正直に言ったら「お前なぁ~?挨拶くんのがおっせぇ~んだよっ!あぁ~ん?」

って言うつもりだよ。こんな風に見えてこの人、荒くれ者なんだよって、中学生の時の衝撃的な経験で

トラウマがある俺はそう思った。でも、嘘言ってばれたら更に怖いしって思って正直に言った。

「あっ、はい、えっと、去年の12月からですから、約半年です・・・ね」

「あらぁ~?そぉ~なのぉ~?もっとずっと前からのお付合いだと思ってたわ」

「あっ、いえ、違います・・・」

「じゃ、あの子が(イギリスから)帰ってきた時からのお付合い?」

「あっ、はいっ。そうです」

「そうなのぉ~。もうずっと長く付合ってるもんだとばっかり思ってたわ」





278 607 sage New! 2005/10/29(土) 23:21:49 ID:XSAlNFWb0

なんか真綿で首を絞められてるような気がした。

遠回しに俺が挨拶に来なかったことを非難してるのかなって思った。

でもね、開き直りじゃないけど、こうなったら俺も言わせてもらいますよ。

いいですか?よく聞いてくださいね?





279 607 sage New! 2005/10/29(土) 23:23:10 ID:XSAlNFWb0

お母様?ずっとイギリスにいらっしゃたんですよね?それでどう挨拶をしろと?

わざわざ、イギリスまで来いって仰るんですか?挨拶のためだけに。

言っておきますけどね、俺、飛行機乗ったことないんですよ。

えっ?あぁ、新幹線はありますよ、勿論。えぇ、修学旅行で、京都に行くとき乗りましたから。

まぁ~こんなこと自慢気に話すほどのものでもないですけどね。

それと、最初に言っておきますが、我が家、貧乏なんです。スーパーって冠が乗っかってるぐらい。

パスポートの申請・受理をしに行く交通費を捻出するのも大変ないぐらい貧乏なんですっ!





280 607 sage New! 2005/10/29(土) 23:24:19 ID:XSAlNFWb0

しかも、俺が大学に行くと同時に、なにを思ったのか親父、家建ててんですよ。

もう50過ぎてんのに。しかも25年ローン組んでるんですよ?

あなたローン払い終わる時いったいいくつ?勝手に親子二代ローン組んでないでしょうね?

家のローンが終わったと思ったら、今度は墓地のローンが始まりますよ?互助会の。大丈夫ですか?

負の財産を残すつもりじゃないでしょうね?妹とその財産の押し付け合いっていう体裁の悪い

相続争いさせないでくださいよ?って、的外れな反撃を考えてる俺にお母様仰いましたよ。





281 607 sage New! 2005/10/29(土) 23:24:53 ID:XSAlNFWb0

「いえね、さっき、やっとお会いできたましたねって言ったでしょ?それにはわけがあってね」

そういいながらお母様はこう話し始めました。

「私はね、えぇ~っと、ヒロ君、って呼んでもいいかしら?」

ヒロ君かぁ~ちょっと照れる。

初対面の時からそうだけど、このお母様、結構フランクなのよ。

外国生活が長かったせいかどうか分からないが、初対面の人も友達って感じなの。

なんか、知らない人はいないって感じかな。まぁ~うち母も違った意味でそうだけど・・・

「えっ?あっ、はい。えぇ(どうぞ)」ちょっとくすぐったい気持ちでそう答えた。

「ごめんなさいね、娘がそう呼んでるもので、ふふふ」

塔子さん、お母様に俺のことなんて話してるんだろ?そう思う俺をよそにお母様が続けた。





282 607 sage New! 2005/10/29(土) 23:25:50 ID:XSAlNFWb0

「私ね、ヒロ君のお顔見拝見するの、初めてじゃないのよ?」

「えっ!?そうなんですか?」俺には思い当たる節がまったくない。

やっぱこういう家って興信所に頼んで、身元調査するのかな?って的外れな考えをする俺。

「あの子の部屋に行ったことあるかしら?」

昔、一度だけありますけどって言いたかったけど、両親の留守中に上がったとは言えないので

「あぁ~はぁ~いやぁ~」って意味不明な返事でごまかした。

「行けば分かると思うけど、あの子、女の子の割りに飾りっ気がないのね」

そう言えば、部屋は○風景っていうかシンプルだよな?

「表に出てるのは、机と本棚とベッドぐらい。後はなんにもないの。壁に何かを貼るってわけでもないし。

そういえば、昔はぬいぐるみがいくつかあったと思うけど、今はもう、それさえないわね。

それでね、そんな部屋でいっつも、飾ってあるものがあるのね?なんだと思う?」

俺に問いかけてくるお母様。さぁ~、んなもん知らねって思ったが、なにか返事をしなきゃと思い、

「さぁ~?」って首を捻って返事をした。





283 607 sage New! 2005/10/29(土) 23:26:34 ID:XSAlNFWb0

「それね、ヒロ君の写真なのよ」

「はっ!?えっ!?」

「写真たてに入ってるんだけどね。それがね、机の上にあるの。

きっと高校生の時の写真ね。娘と同じ体操服姿で写ってるから」

あの写真だっ!騎馬戦の写真だ!

「こっち(日本)の家でも、あっちの家(イギリス)でも、その写真を飾ってるのよ。

別に部屋を観察してるわけじゃないんだけど、飾りが写真しかないから目立つのよね。

それにヒロ君の写真は、いっつも一番手前に飾ってあるから。ふふふ」

って感じでお母様、更に続けた。

「たまに日本に帰ってくる時もね、あの子、必ずその写真だけは忘れずに持って帰ってきたてたわ。

それでね私も、いつもその写真を見てきたから、あぁ~やっと実物に会えたわって思って。

それでさっき、やっとお会いできましたねって言ったのよ?」

帰ってきたばっかりだから、なにもないんだって、再会した日に思ったけど、そうじゃないんだ?





284 607 sage New! 2005/10/29(土) 23:27:34 ID:XSAlNFWb0

「でもね?写真だけは持ち歩くけど、さすがにこれはおかしいわねって思ってたのよ?」

「?」

「あの子、日本に帰ってきた時も、別に連絡をとっている様子はないし、

それにあっちにいる時も連絡をしている様子もないでしょ?これはなにかあるなとは思ってたのね?

それに写真がずっと同じでしょ?これはもう、うちの子の片思いなんだなってずっ~と思ってたの。

でも今日こうやってお会いできたってことは、どうやら、長かった娘の片思いも

やっと終わったのねって思ったわ。それに最近、写真も増えてるみたいだし」





285 607 sage New! 2005/10/29(土) 23:28:30 ID:XSAlNFWb0

このお母さんの言葉を聞いて、俺、すっごい後悔した。

涙が出てくるって感触じゃなく、涙がにじんでくる、そんなような気がした。

体全体が心臓みたいに、全身がジンジンしてる。全身の感覚が研ぎ澄まされ、敏感になってたと思う。

この時声かけられてたら、俺どうなってたか分からないぐらい。







286 607 sage New! 2005/10/29(土) 23:29:17 ID:XSAlNFWb0

塔子さんに会いにイギリスに行くことは現実的には難しかったけど、手紙の返事ぐらい出せたはずだ。

自惚れるわけじゃないが、塔子さん、俺からの手紙の返事を待ってたはずだ。

いつくるのか、今日こなければ明日、明日じゃなければ明後日・・・

一体、塔子さんは5年間どういった気持ちで過ごしていたんだろう。

毎日、なにを思って過ごしていたんだろう。

塔子さん、今でもそうだが、あまり自分からは話しをしてこない。

話し掛けるのは専ら俺。それに対して返事をして、そっから会話を拡げていくって感じだね。

そんなタイプだから、当時の思いなんて絶対に話すわけがない。

聞かれもしないのに自ら進んで、自分の気持ちを話すようなことはしないし、

それにたとえ、聞いたとしても、多分話してくれないと思う。

そんな話してをしてもなんの意味もないし、それを言うことによって、

返事を出さなかった俺を責めるような感じになるのを、避けていたのかもしれない。





287 607 sage New! 2005/10/29(土) 23:30:23 ID:XSAlNFWb0







なにもしなかったことがじゃなく、何もする気がなかった自分が許せなかった。

それに自分がひどく子供に思えた。

人を想うってどういったことなんだろう?

好き=想うって考えていた、その時の俺に分かるわけがない。

いつか人を想うということが、どういったことか俺にも分かる時が来るんだろうか。

塔子さんが俺に抱いていた気持ちと、俺が塔子さんに抱いていた気持ちは違うんだと

この時はっきりと分かった。





288 607 sage New! 2005/10/29(土) 23:30:54 ID:XSAlNFWb0

塔子さん、ごめん。

他に言い様があるかも知れないが、この時はだたそう思った。

ごめん。塔子さん、ほんとうにごめん。





289 607 sage New! 2005/10/29(土) 23:31:27 ID:XSAlNFWb0

俺、この話しを聞いたとき目に涙を浮かべてただろうし、ちょっと鼻もぐずぐずしてた。

お兄様に続き、お母様の前でも泣きかよ・・・ちょっと情けないよな俺、どうしようもないバカだし・・・

でも、お母さん気遣いないふりしてくれたんだろうね?

お母さん、立ち上がりながら俺の膝をぽんと叩き

「いい?この話し、あの子には内緒よ?あの子が照れるといけないから」

指を口に当てながら、ちょっとあごを引くようにして言った。

この時、あぁ~塔子さんと同じ仕草をするんだなぁ~って思った。





290 607 sage New! 2005/10/29(土) 23:32:20 ID:XSAlNFWb0

「はい・・・」俺が小さく返事をすると

「お父さん遅いわね」って感じで、部屋を出て行こうとするお母様、更にこう言いました。

「ヒロ君は、娘のことどう思ってくれてるのかしら?」

「え?」

「あの子はヒロ君のことが大好きみたいね」

「・・・(こんなアホのどこがいいんだろう)」

「娘をよろしくね」って明るい口調で、素敵な笑みを携えお母様は部屋を出て行かれました。

お母さんが部屋を出て行ったのを確認すると同時に、俺慌てて目をこすった。

今になって思うと、これってお母さんの気遣いなのかなって思えるよ。





291 607 sage New! 2005/10/29(土) 23:33:12 ID:XSAlNFWb0

少しして塔子さんがコーヒーを持って、部屋へと入ってきた。

気のせいかもしれないけど、塔子さん見る自分の気持ちがいつもと違うと思えた。

塔子さん、普段自分の気持ちを話さないし、まして好きとか、愛してるとかなんて絶対に言わない。

そんな塔子さんの態度に不安を感じていたけど、今日のお母さんの話しでちょっと安心した。

あの日、偶然出会えて、いま一緒にいることができてるけど、

もし、あの日出会えてなかったらどうなってたのかな?って前に聞いたことがあった。

「出会う日がいつだったかの違いだけよ」

大して関心もないような返事をする塔子さんを見て、ちょっと肩透かしを食らい、

寂しい気もしたけど、どうして、そんな言い方をしたのか今日分かった。

塔子さんは、再び出会えるってことではなく、決して変わらない自分の気持ちを信じていたからなんだって。





293 607 sage New! 2005/10/29(土) 23:34:20 ID:XSAlNFWb0

テーブルの上にカップを置く塔子さんを、俺は複雑な心境でじっと見つめた。

俺の視線に気づいたのか、塔子さん「うん?」って感じで、少し微笑みならが俺の隣へと座りました。

当たり前のように俺の横に座る塔子さん。それが俺にはうれしい。

こんな、人が聞いたら笑ってしまうような、当たり前の塔子さんのその行動が嬉しい。

自分の好きな人が隣にいる。自分のことを想ってくれている人の傍にいられる。

ただそれがうれしい。





294 607 sage New! 2005/10/29(土) 23:35:44 ID:XSAlNFWb0

「言葉に出さなくても、私のこの気持ちは分かっているはずよ」

ちょっと自惚れかもしれないけど、隣に座ってる塔子さんにそう言われてるような気がした。

意味もなくじ~んときた。なにか体の奥から湧き上がってくるような気がした。

そんな気持ちを落ち着かせる意味で、大きく息を吸って、ゆっくりと息を吐くように深呼吸する俺に

塔子さんが「大丈夫?そんなに緊張することないよ?」って。

こんな俺のその時の気持ちを知る由もない塔子さんは、笑いながら言ってたっけ。

でも、そんな塔子さんの言葉で、ちょっとざわざわしてた気持ちが落ち着いたことも確かだった。







295 607 sage New! 2005/10/29(土) 23:36:19 ID:XSAlNFWb0

そんなやり取りをして、気持ちが少し落ち着いた頃、今度はお父様ご登場です。

はぁ~一難去って又一難か・・・

さっきよりは落ち着いてたとは思うけど、やっぱ男親は緊張する。

今度は噛むこともなくしっかりと挨拶は出来た。でもその後の会話がメタメタ・・・

お父様の「こんな娘でいいのか?甘っい菓子しか作れないから将来苦労するぞぉ~」

って言葉に、俺なんて返事していいのか分からずに固まった。

えっ!?こういった時どういった返事すればいいの?

今では「いえ、たとえそうだとしても、それでも僕には過ぎたお嬢さんですよ」とか、

「僕、甘い物大好きなんですよ(ホントは少し苦手)。いい実験台になれると思います、わっはっはっ」

って感じで、英国暮らしのお父上に負けないぐらい、ウィットに富んだ返事をするんだろうけど、

「入学試験がマークシートでよかったね」って言われるような、典型的なバカ学生の俺にそんな

会話など出来るわけもない。しかも緊張しまくりでキョドってるし。





296 607 sage New! 2005/10/29(土) 23:37:05 ID:XSAlNFWb0

おろおろする俺の様子を見たお母様がナイスフォロー。

「あなた?別に塔子をもらいにきてるわけじゃないんだから、そんな言い方しなくっても。

ねぇ~?意地が悪いんだから」あぁ~ん、お母様ぁ~お優しいんだからぁ~。

でもな、いいか?おっ?こらっ!?この禿親父(って禿げてないけど)?余裕くれてんじゃねぇ~ぞ?

今日はなぁ~お初にお目にかかるご挨拶だけだが、いずれそのもらいにくる挨拶にも来っからよっ!?

それまでにそっ首洗って待ってろよ?

って俺、落ち武者なくせに、強気に希望を込めて心の中で誓った。

何年か後ホントに行ったけど。





297 607 sage New! 2005/10/29(土) 23:38:37 ID:XSAlNFWb0

塔子さんとの話しはこれで終わりです。



色々な方の書き込みを読ませていただきました。

こんな話しにたくさんのレスをいただけ、本当に感謝しています。

たまたま、平日に休みが取れて、なにかするかって思ってたんですが

特にすることもなかったので、この話しを書き始めました。

本当は高校編も、もう書かないにしようかと思ってたんですよ。

なんか書いてて、これはつまらんなぁ~って思えてきたので・・・

でも、日曜日にバイクでこけて、ちょっと(かなりかも・・・)怪我をして自宅静養していて、

ホントすることがなかったので、せっかくだから最後まで書くかって思い書きました。

5日間、間が空いてる理由はそれです。





298 607 sage New! 2005/10/29(土) 23:39:40 ID:XSAlNFWb0

それと、先週書き込みをしてからこのスレに書き込むのは

今日が最初で、最後になると思います。

あとは、名無しで他の方の支援をしたいと思います。



この話しを書き上げることが出来たのは、みんなのおかげだと思っていますし、

みんながいなかったら、おそらくこの話しは書いていませんでした。

支援とか感想とかこんなにいただけて、いい想い出がまた一つできたと思っています。

みんなのレスと一緒に思い出として保存しておきます。



皆様、本当にありがとうございました。



それと最後になりましたが、>>1さん、スレたて乙でした。












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